Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

DG-PRO1RWS デジタルモーションプロセッサー

まず、お知らせから。DG-PRO1RWにアドオン可能な拡張モジュールを2020年1月末に販売開始いたします。

拡張モジュールを今お使いのDG-PRO1RWにアドオンして機能を大幅にアップできます。

DG-PRO1RW拡張モジュール(RWE-D)を取り付けたイメージ

また、DG-PRO1RWSecondとしてDG-PRO1RWが新しくこの拡張モジュールの機能が標準搭載されます。(DG-PRO1RWSの外観は従来のDG-PRO1RWとほぼ同一です)
尚、DG-PRO1RW+拡張モジュールとDG-PRO1RWSは同等の機能ですので以降はともにDG-PRO1RWSと表現します。

主な機能

9軸デジタルモーションプロセッサー(DMP)

加速度センサー・ジャイロセンサー・磁気センサー 各3軸、合計9軸のセンサーとそれらからリアルタイムに姿勢を計算する専用プロセッサーです。

  • ヨー・ピッチ・ロール角の出力。(NAV-ATTメッセージ、拡張NMEAメッセージ)
  • 標準NMEAの方位角をヘッディング角への置き換え処理。
  • ピッチ、ロール角分の傾斜による位置ズレの補正。(基準点からのアンテナ高さ入力必要)

方位またはヘッディングローパスフィルター

  • 方位角またはヘッディング角の出力を安定化するローパスフィルター機能。(従来Androidで実装されていた機能をレシーバー内で実行可能にしました)

WiFi機能

  • Ntripサーバーをレシーバ内部で実行可能。基準局の運用にAndroidを不要にできます。
  • Ntripクライアントをレシーバ内部で実行可能。別途Ntripクライアントソフトウェアを準備する必要がありません。

起動時の設定保存

  • レシーバー電源投入時の設定を指定可能に。Ntripサーバーと合わせると電源を入れるだけで基準局を開始できます。Ntripクライアントと組み合わせると電源を入れるだけでRTK移動局として動作します。

自動ボーレート設定

  • u-centerなどでF9Pのボーレートを変更しても、拡張モジュールが自動で変更されたボーレートを検出して元に戻します。

それぞれの機能の詳細を何回かに分けてご紹介したいと思います。今回はデジタルモーションプロセッサーです。

デジタルモーションプロセッサー

デジタルモーションプロセッサーは英語の頭文字を取ってDMPと呼ばれます。

なぜDMPが必要か?

ヘッディング

GNSSは動いていれば正確に動いている方位を得ることができます。当たり前ですが、止まっていると進行方向の方位はありません。

ところが車などの場合、止まっていても車の向きは存在します。この向きをヘッディングと呼んでいます。動いていれば進行方向とヘッディングはほとんどの場合同じですのでGNSSでもわかります。しかし静止・極低速・後退などの場合は(1台の)GNSSだけではヘッディングを正しく得ることができません。

よくカーナビで駐車場から出る際など、少し動くまで車がどっちを向いているかわからないといった経験があるかと思います。

DMPがあると前記のような状態でも正確なヘッディングがわかるようになります。低速での移動はGNSSの示す方位は不安定ですがそれもDMPと協調することで安定した方位を得ることができます。


DG-PRO1RWS デジタルモーションプロセッサ

傾斜補正

GNSSの測量などではポールの上にアンテナを付けて位置を計測します。測りたい点はポールの尖った先端です。それにはポールを正しく垂直に立てる必要があります。傾いていると空から見たアンテナ位置とポールの先端がズレてしまうからです。

しかし、ポールの傾き角度と傾き方向、先端からアンテナまでの高さがわかると、計算で先端の位置を求めることができます。これが傾斜補正です。要求精度にもよりますが、傾斜補正をうまく使うとポールを概ね垂直にすればよく、厳密に垂直を出す必要が無くなります。

この例は測量ポールですが、凸凹な路面や傾斜地を走行する車両でも同様です。車軸を基準に位置を測りたい場合は、車軸からアンテナまでの高さで計算します。

これらがDMPを必要とする理由です。

尚、トンネルなどで衛星電波が受信できない際に位置を推測する、IMU推測航法には現在のところ対応しておりません。

DMPの詳細

ハードウェアの特徴

DG-PRO1RWSのDMPは、最新の9軸センサーとプロセッサーが1つのモジュール内に組み込まれ、外部と通信することなしに加速度センサー・ジャイロセンサー・磁気センサーの値からヨー・ピッチ・ロール角の出力します。通信を不要とすることで高速なサンプリングレートで、より正確な値を計算し出力できます。

従来、加速度センサー・ジャイロセンサーを使った6軸のDMP + 3軸磁気センサーの組み合わせは良くありましたが、DG-PRO1RWSは9軸のDMPです。ヨーの値は磁北からの角度を直接得ることが可能になっています。

各センサーの機能と計算

  • 加速度センサーは、地球上の重力加速度(9.8m/sec*2)を測定することで静止または定速状態であれば3軸各方向の傾きがわかります。しかし回転しているかどうかはわかりません。
  • ジャイロセンサーは、回転角速度を計測できます。これは速度のなので変位した角度を求めるには時間で積分します。このため計測レートが高速でないと角度誤差が大きくなります。また、時間の経過と共に誤差(ドリフト)が大きくなっていきます。定期的にドリフトのリセット(補正)が必要です。
  • 磁気センサーは、磁束密度を計測します。これには地球の地磁気も含まれます。地磁気の強さは場所によって異なります。このためどの強さが真北なのかといったことは地面と平行な状態で一回転してみないとわかりません。また周囲の磁気によっても変わってきます。
このように各センサーで出来ることとできないこと、学習や補正が必要なことなどがあります。
DMPはセンサーと直結された専用プロセッサーによって高速に演算・補正・学習を行い、磁北に対するヨーとピッチ・ロールをリアルタイムに出力します。

デジタルコンパス補正の学習

磁気センサーで正確な磁北からの角度を得るには周囲環境やセンサー誤差などのオフセット校正が必要ですが、これはDMPが自動的に行ってくれます。さらに、得られたオフセットはレシーバー起動時に復元され学習していきます。

ヘッディング計算

デジタルコンパスは地磁気を捉えますが、地磁気は場所や環境によって変化するため常に正しい磁北を指すとは限りません。そのため、 ヘッディング計算は移動時のGNSSの示す方位を正として角度の変化量をもとに計算されます。

計算は10Km未満の場合のみです。10Km以上の場合、前進・後退の判定のみ行われます。

ローパスフィルター

ローパスフィルターは方位またはヘッディングを滑らかに出力するよう補正します。DMPコンパスがONの場合はヘッディングを、OFFの場合はGNSSの方位の値を補正します。フィルター強度は5段階で調整できます。

傾斜補正

傾斜補正がONの場合、移動スピードに関わらず常に計算し補正されます。補正された値は、$GxGGAとNAV-PVTメッセージに反映されます。緯度、経度、高度が補正された値になります。

データ出力

アプリでDMPコンパスをONにすると、モックプロバイダー、$GxRMC、$GxVTGの方位をDMPによって補正されたヘッディングに置き換えます。この置き換えはレシーバー内で行われます。移動方向でなくヘッディングを得たい場合はこれでOKです。

DMPコンパスをOFFにすると$GxRMC、$GxVTGはデフォルトの移動方向です。yawの値を得たい場合はNMEAメッセージの$HEHDT、$PSAT,HPR、$PRDIDを有効にしご自身または対応アプリでハンドリングしてください。($PSAT,HPRはHemisphere社のフォーマットです。)

これらは設定後にBluetooth接続するとレシーバーに保存されます。その後は、レシーバーの電源ONで出力されるようになります。ヘッディング計算、ローパスフィルター、傾斜補正も保存され設定どおりに補正されたNMEAの値を出力します。

以下はそれぞれのフォーマットの詳細です。単位はすべて° (Degree)です。尚、HeadingはDMPコンパスがOFFであればyawの生の値で、ONの場合はGNNSの方位とyawから計算された値です。

$HEHDT

$GxHDT,Heading<*Checksum>

$PSAT,HPR

$PSAT,HPR,pitch, roll, Heading<*Checksum>

$PRDID

$PRDID,pitch, roll, Heading<*Checksum>

$PDACM (加速度センサーの生データ)

$PDACM ,x,y, z<*Checksum>

加速度センサーの生データは一切補正のされないデータです。静止状態3軸合成で重力加速度 9.8m/sec*2とならないのはセンサー誤差です。センサー値を利用する際には、この誤差は補正して使用する必要があります。

設定と取付

ここで説明する取付の内容はDMPを有効に利用する場合であって、利用しない場合はここでの内容は不要です。

DMPを正しく動作させるために重要なこと

DMPの方位を正確に出すためにレシーバ本体の取り付け時に以下の点を確実に行ってください。アンテナではありませんので念のため。

  1. 取付は周囲に磁気の影響がない場所を選ぶ。磁気の影響があるかどうかは市販の方位磁石(100円ショップなどのもので十分)で、取り付けたい場所で正しく方位を示すかどうか確認する。
  2. 取付前に電源の入った状態でXYZ各軸を中心に±2回転させてから取り付ける。車両などへの取付前に、電源を入れてからなるべく取付位置に近いところで、ヨー・ロール・ピッチの各方向それぞれ̟±2回転づつ回させます。こうすることで磁束密度の最小値や最大値などがわかり磁北の計算が可能になります。行わなった場合は実際の走行時の値で磁北が計算がされていきますが色々な向きに走行してようやく正しく方位を示すようになります。

尚、アンテナは本体ユニットと同じ(頑丈な)構造物に固定してください。DMPは本体ユニット内にありますので、アンテナも同じように動くところに固定します。

取付方向の設定

底面を地面と平行に且つ前方面を車両の進行方向に向けて取り付けます。底面と前方面は任意な面を選択できます。

設定は、[取付状態とオフセット]-[ボトム面] と[前方方向]で地面と平行な面と、前方方向の2つの面を指定します。どちらも下図のような図を選択することで行えます。

取付の傾き補正

ヨー・ロール・ピッチそれぞれセンサーや取付の傾きを補正する値を設定できます。値の入力は、[取付状態とオフセット]-[コンパスオフセット]、[ロールオフセット]、[ピッチオフセット]で行います。

また、DMPモニター内のをタップすると、現在の状態を角度ゼロとしてオフセット設定することも可能です。

わずか2回のタップでオフセット設定できます。

DMPコンパスとローパスフィルターを有効にする

[低速精度と傾斜補正]-[DMPコンパス]をONにします。DMPコンパスを使う場合は[方位ローパスフィルター]もONし[方位ローパスフィルター強度]を選択してください。

傾斜補正を有効にする

まず、[取付状態とオフセット]-[アンテナ取付高さ]に基準面からのアンテナの高さをmで指定します。小数点以下も入力可能です。

次に[低速精度と傾斜補正]-[傾斜補正を有効にする]をONにします。

DMPの動作を確認する

DMPの動作は設定に関わらず下図で確認できます。3Dの図は、北から南向きに南側にある仮想のユニットを見ている図です。レシーバーを回転させると3Dのユニット図も回転します。

ここで表示される yaw roll pitchは生の値で、何の補正も加えないものです。対して下のマップ上のコンパスはDMPによるヘッディング補正を加えたものが表示されます。

マップ上のコンパスの中心をタップするとヘッディングで地図が回転するモードに切り替えできます。


次回は、WiFiとその他の機能をご紹介したいと思います。

drogger.hatenadiary.jp

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DG-PRO1RW ポイント測量(WayPoint)の改善

今回はDrogger-GPSアプリで定点測位の改良のお話です。 測量などでは、複数のポイントの位置を測位してログ(WayPointログ)に記録していきます。

従来からこの機能はありましたが、1エポック(1つの測位結果)を記録するのみでした。今回の改良では、計測時間(秒)を指定してその間の平均値を記録できるようにしました。またその際の条件や測位結果のばらつき度合いを示す標準偏差も合わせて記録されます。

また、緯度・経度の測位結果取得も小数点以下9桁に対応いたしました。

では具体的にDrogger-GPSでの手順とログの説明をいたします。

WayPointログの記録手順

  1. 測位したい点上に、三脚等を使ってアンテナを設置します。
  2. RTK移動局にてFIXするまで待ちます。
  3. マップ画面の左上の赤い+バルーンアイコンをタップします。
  4. 点名ほか4項目を入力して[OK]をタップします。
    (ポイント名の最後が半角数字の場合、次のポイント記録時に数値が自動的に1増加されて表示されます。また、地面からのアンテナ高をメモ的に入力しログに記録できます。)

測位中を示すダイアログが表示され、完了するとメッセージが表示されます。

WayPointログの転送

  1. メイン画面右上のフォルダアイコンをタップします。
  2. W/Pタブをタップします。
  3. 日付_way-point.gpxという名前で表示されます。
  4. ログを長押しすると共有アイコンが表示されます。
  5. 共有アイコンタップし、GoogleDriveやGMailなどPCなどからもアクセスできるところに送信します。

WayPointログの内容

ログはgpx1.1形式で具体的にはxmlのテキストファイルです。Chromeやメモ帳など開くと中の内容をテキストで確認できます。

  • 最初の赤枠が緯度・経度・標高です。緯度・経度の桁数は小数点以下9桁まで表示します。概ね0.1mmまで表現できます。
  • 緯度・経度・標高はアンテナ位置(位相中心)の値です。
  • 2つ目の赤枠が測位時の条件と標準偏差の値です。各タグの内容は以下の表をご覧ください。
タグ名 内容
starttime 2019-12-11T10:05:14.125 計測開始日時
endtime 2019-12-11T10:05:44.000 計測終了日時 (測位時間は終了時刻から開始時刻を引いてください)
epochs 240 総測位数 (秒数 x 更新レート)
stddevDistanceMeter 0.0089 水平位置の標準偏差 (m)
stddevHeightMeter 0.0115 垂直位置の標準偏差(m)
lasthAcc 0.014 計測終了時のレシーバーの示す推定水平位置精度(m)
lastvAcc 0.011 計測終了時のレシーバーの示す推定垂直位置精度(m)
fixMode 3D DGNSS FIXED 計測終了時のFIXモード
enableTiltCorrection false 傾斜補正の有効/無効
tiltAntHeight 1.35 傾斜補正に使用されるアンテナ高(m)
antennaHeightNote 1.35 アンテナ高(m)のメモ(測定時ユーザー指定)。この値は計算には使用されません。

標準偏差は単位を持ちますのでそのままメートルとして読み取ることができます。

標準偏差から測位結果のばらつきは以下のようになります。

範囲 範囲内に測位結果が現れた確率(%)
平均値 ± 標準偏差 68.3
平均値 ± (標準偏差×2) 95.4
平均値 ± (標準偏差×3) 99.7

「傾斜補正で指定されたアンテナ高」は、DMPの傾斜補正が有効な場合、指定されていたアンテナ高を記録します。参考ですが、楕円体高からこの値を差し引くわけではございませんので、お間違いの無い様にしてください。傾斜補正は、ポールなどの傾きによる水平位置と高さを、その傾きが無い垂直状態の座標に補正するものです。

測位結果から面積を計算してみる

せっかくですので測位結果から面積を計算してみたいと思います。測量関係の方は不要な説明かと思いますが、それ以外の用途でご利用いただいている方でも簡単にできることをご覧いただけたらと思います。

今回は4つの点を計測したサンプルです。

Windows用 QGISのダウンロード

QGIS(キュージーアイエス)は、地理情報システムの閲覧、編集、分析可能なオープンソースソフトウェアです。これを使って面積を計算してみます。

QGISのダウンロード

今回は、上記URLのQGIS スタンドアロンインストーラ バージョン 3.10 (64ビット)を使用しました。 インストールができましたら、QGIS3を起動します。

  1. 画面中央下の新規プロジェクトをダブルクリックします。
  2. 画面中央にDrogger-GPSで3点以上を記録したway-pointログをドラッグアンドドロップします。

  3. [追加するベクタの選択..]画面が表示されますので、waipointsの行を選択して[OK]をクリックします。

    画面にwaipointの点が表示されます。これでデータの取り込みができました。
  4. 下図の①~③を順にクリックし、スナップツールバーを表示します。
  5. 下図の①~③を順にクリックし、面積計算ウィンドウを開きます。
  6. 計算したい面積を示す点を順にクリックします。 下図赤枠部分に計算された面積が表示されます。

とても簡単に高精度で面積の測量ができました。ほかにも2点の距離なども簡単に計算できます。

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DG-PRO1RW JENOBA方式 ネットワーク型GNSSサービスを使う

今回は、株式会社ジェノバのネットワーク型GNSSサービス(JENOBA方式)*1を基準局として使用する方法を紹介します。

このサービスは国土地理院の電子基準点RTKデータと仮想点RTKデータ(VRS)の2種類を配信しています。 これらはマウントポイントを変更することで選択する事が可能です。 (JENOBA:対応マウントポイント参照

すべてのマウントポイントを試しましたが、DG-PRO1RW(S)には衛星数が多く最もFIXし易いJRR32Eがベストマッチです。

ネットワーク型GNSSサービス(JENOBA方式 )を申し込むと以下のような情報が送られてきます。

項目 Drogger-GPSでの設定項目名
ユーザーID(登録番号) xxxxxxxxxx ユーザー名
パスワード xxxxx パスワード
アドレス xxxxx.jenoba.jp ホスト
ポートNo. 2101 ポート
マウントポイント JRR32E他... マウントポイント

この情報に基づいて、DG-PRO1RW(S) + Drogger-GPS で移動局として使用する設定をご案内します。

  1. Drogger-GPSの設定を開きます。
  2. [GNSS(衛星測位システム)]をタップしGPS and QZSS GLONASS Galileoを有効にし、一つ戻ります。
  3. [RTK]をタップし[移動局]を有効にして[移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. [Ntrip Caster タイプ]をタップし、[Jenoba]をタップします。
  5. 送られた来た情報をもとに各項目を正しく入力します。マウントポイントはJRR32Eと入力します。
  6. 一つ戻って[P2Pで通信]を無効にします。

以上で設定は終了です。DG-PRO1RW(S)に電源を入れ[Start]をタップします。 以下の画像は実際にネットワーク型GNSSサービス(JENOBA方式 )を使用した時のものです。

特に仮想点RTKデータ(VRS)のマウントポイントJVR32EはFIXが速く非常に快適に使えました。ジェノバさんのサービスも素晴らしいです。

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DG-PRO1RWS | ZED-F9P搭載 | 2周波 RTK-GNSS | Bluetooth5.0
¥69,800 (税別 BizStationサイト)
u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ 。受信チャンネル数184 GPS みちびき(4機フル対応) GLONASS BeiDou Galileo 同時受 ...
詳細・購入 問い合わせ 会社情報
DG-PRO1RWS | ZED-F9P | 2周波 RTK
¥69,800
(税別 BizStationサイト)
u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ ...

*1:サービスを利用するには事前にJENOBAとの契約が必要です。

DG-PRO1RW docomo IoT 高精度 GNSS 位置情報サービスを使う

今回は、(株)NTTドコモの高精度 GNSS 位置情報サービス*1を基準局として使用する方法を紹介します。

このデータは国土地理院の電子基準点での観測データとドコモ独自固定局に基づいたもので、非常に信頼性の高いものです。

使用される基準局は移動局の位置に基づき近くのものが自動選択されるため、ベースラインが短く容易にFIXします。ビズステーションの所在地長野県松本市ではA-GNSS+コールドスタートでも30秒以内にFIXしています。(ウォームスタートの場合は1~2秒)

docomo IoT 高精度 GNSS 位置情報サービスを申し込むと以下のような情報が送られてきます。

項目 Drogger-GPSでの設定項目名
接続先 xxxxxx-xxxx.xxx ホスト
マウントポイント xxxxx マウントポイント
ポート 2101 ポート
ユーザーID bizstation ユーザー名
パスワード abcdefg パスワード
2019/12/06 追記
上記のものはテスト用アカウントの情報ですが、本申し込みをされた場合は多少異なる表記のようです。
ホスト名(接続先)という記述ではなくURL http://xxxx.xxxx.comという表記の場合、「xxxx.xxxx.com」がホスト名です。http://は除いてください。
また、ポートは2101が非暗号化データで、2102はSSL(暗号化)データです。Drogger-GPSは現在のところSSL(暗号化)データには対応しておりませんのでポートは2101としてください。 マウントポイントは、固定で指定する方法と現在地情報による自動選択のマウントポイントがありますので、目的に応じたマウントポイントを入力します。マウントポイントは無指定にはできませんので必ず入力が必要です。

この情報に基づいて、DG-PRO1RW + Drogger-GPS で移動局として使用する設定をご案内します。尚、Drogger-GPS Ver2.1.66以上が対象です。古い場合はGoogle Playにて最新に更新してください。

  1. Drogger-GPSの設定を開きます。
  2. [GNSS(衛星測位システム)]をタップしGPS and QZSS GLONASS Galileo Beidouを有効にし、一つ戻ります。
  3. [RTK]をタップし[移動局]を有効にして[移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. 送られた来た情報をもとに各項目を正しく入力します。
  5. [位置の送信(GGA)]-[送信の有無と間隔]で「10秒間隔で」を選択します。
  6. 一つ戻って[P2Pで通信]を無効にします。

以上で設定は終了です。DG-PRO1RWに電源を入れ[Start]をタップします。 以下の画像は実際にdocomo IoT 高精度 GNSS 位置情報サービスを使用した時のものです。

とても簡単に基準局が利用できて素晴らしいですね。

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*1:サービスを利用するには事前にNTTドコモとの契約が必要です。

DG-PRO1RW NMEAをシリアル出力する

今回は、DG-PRO1RWの移動局でRTK測位した結果のNMEAデータをシリアル出力する方法です。 レガシーな機器ではGPSレシーバのNMEAデータをシリアルで受け取って動作するものが多数あるようで、お客様のご要望でアプリにて対応いたしました。 この機能は、Drogger-GPS Version 2.2.68から可能になっています。

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しくみ

DG-PRO1RWの専用アプリDrogger-GPSは従来からNMEA出力が可能でしたが、TCPによる出力で他の機器にシリアル出力するには一度PCなどを介す必要がありました。 今回ご案内するシリアル出力は、Android端末のUSBポートからNMEAを出力します。

市販のUSBシリアルケーブルを使用することでPCを使用せずにDrogger-GPSから直接機器にNMEAデータを送信できます。

必要なもの

必要なものはトップの写真の通りですが、機器の選定にはいくつか注意点があります。ただ、さほど特殊なものではなく容易に入手可能なものです。

OTG microB Type-A変換ケーブル

USBケーブルにはUSBから電源をもらうのか、または供給するのかを判定するための機能が含まれています。通常Androidに使用されるMicroBケーブルは相手が電源でAndroidが電気を受け取るタイプです。

これですと、USBシリアル変換ケーブルの搭載基板に電源を供給することができないので、Android側が電源となる必要があります。Android側が電源となることを示すことが出来るのがOTGケーブルです。同時にUSBシリアルケーブルは一般的にType-Aですのでそれへ変換されたものを選びます。

今回使用したOTGケーブル

USBシリアルケーブル

USBシリアルケーブルは、USBからの電源で変換回路にて信号の変換を行います。変換回路にはUSBのベンダー名やプロダクト名といった情報が書き込まれており、接続した際にどうのような機器か判別出来るようになっています。Windowsなどではこの情報を元に対応するドライバーを検索して無ければインストールするように求められます。

しかしAndroidにはそういったドライバー機能はないため各アプリで対応することになります。今回Drogger-GPSで対応したのはUSBシリアル変換では最も一般的なFTDI社のチップです。USBシリアルケーブルをご用意される際はFTDI社のチップであるかご確認ください。

今回使用した Arvel SRC06-USB

Android USB HOST機能

Android から電源を供給できる機能をUSB HOST機能と呼びますが、この機能のある機種が必須です。

USB HOST機能はAndroid 3.1からサポートされました。現在最新のAndroidは10で3.1以下の機種はほとんどありません。しかしAndroidはHOST機能を必須としていないため機種によってはHOST機能がないものもあります。例えば手持ちのKYOSERA DIGNO EやFではサポートされていませんでした。同じKYOSERAでもAndroid ONEのモデルではサポートされています。

判定はDrogger-GPSの設定画面で確認することができます。NMEAの出力先の指定画面でHOST機能がサポートされない場合はUSBシリアルの選択肢がグレーアウトされ選択できません。

あと、一般的にUSB HOST機能を使用している際はUSBポートが使用中のため充電することができません。なるべくバッテリー容量の大きな機種が望ましいです。

NMEAデータの利用方法によりますが、Androidの画面が必要でなければ画面はOFFにしておくことでバッテリーの消費を減らし利用時間を延ばすことができます。Drogger-GPSはバックグラウンドで動作しますので画面を点灯しておく必要はありません。

使い方

事前にDG-PRO1RWの説明書に従ってDrogger-GPSを設定し利用できるようになっていることを前提とします。

  1. Drogger-GPSを起動しアクションバーのギアマークをタップし設定を開きます。
  2. [メッセージ出力]-[USBポート]をONにします。
  3. その下の通信レートなどを相手先機器にあわせて設定します。
  4. [Bluetoothメッセージタイプ]または[メッセージ選択]で出力したいメッセージのチェックを付けます。
  5. 設定を終了します。
  6. OTGケーブル、USBシリアルケーブルを端末と機器にそれぞれ接続します。 接続すると以下のような画面が表示されます。

    [...常にDrogger-GPSを起動する]を選択し[OK]をタップします。これで今後USBシリアルケーブルを接続すると自動でDrogger-GPSが起動します。
  7. [Start]をタップします。

Bluetoothの接続が完了し衛星の捕捉が始まるとNMEAデータが連続的に出力されます。

実際に出力している様子を動画にしてみました。相手機器は、純粋なシリアルポートの付いた古いPCを使用し、データが見えるようにターミナルソフトで表示しています。 USBケーブルの抜き差しにも自動で対応するようにしてあります。実際に抜き差していますのでご覧ください。

youtu.be

振動対策

このUSBシリアルを車輌で使う場合は、コネクターの振動対策を十分過ぎるほどに行ってください。特にAndtoid端末のUSBコネクター部が重要です。

レース用のロガーではこの問題でケーブル接続からBluetoothに変更した経緯があります。 ケーブル側のコネクターとスマホが一体化している位に動かないように工夫が必要です。

OTG充電ケーブルの実験

通常のOTGケーブルとUSB HOST機能を使用するとAndroidを充電することができません。このため長時間の連続使用ではAndroidの電池次第ということになってしまいます。

そこでOTG充電ケーブルというものを試してみました。通常のOTDケーブルはコネクターが2つですがこのケーブルは3つ付いています。3つ目は5VUSB電源に接続するためのものです。このケーブルの口コミを見ますと機種によって充電できない場合もあるようです。

今回KYOSERAのAndroid ONEで試してみました。この機種でも充電ランプは付きませんでした。ですが数時間経ってもスマホの電池残量が減りません。充電はされないものの、スマホの消費する電力はこのケーブルからの電力で賄っているようです。電池が減らなければ長時間の連続使用も可能で有用なものでした。

OTG充電ケーブルを使った実験

もう一台、HUAWEI MediaPad M3 Liteというタブレットでためしたところこちらは充電ランプも点灯いたしました。

参考にしていただけたらと思います。

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DG-PRO1RW RTK2GO基準局登録方法

2021/03/30追記
2021/03/30 よりDrogger Ntrip Casterの運用を開始いたしました。DG-PRO1RW(S) RWP のユーザー様は無償で利用いただけます。 drogger.hatenadiary.jp

この記事を書いている2019/09/26に確認しましたところ SNIP rtk2go.comのフリーのキャスターを使用するには基準局登録が必要になっています。 実際に登録してみましたので、その内容を記します。

実際の登録は以下より行うことができます。

http://www.rtk2go.com/new-reservation/

New Base Station Resevationということで、新しい基準局の登録ですね。

このページにある英語のタイトルの入力欄と記載する内容をご案内します。

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登録ページをChromeで開くと自動で日本語になっているかも知れませんが一応英語のままのタイトルで表にしてみました。 日本語での登録はNGだと思いますのですべてアルファベット・記号・数字で入力します。

入力例の文字色が薄い項目はお客様自身の値に変更してください。

タイトル 必須/任意 日本語タイトル 入力例
Your Name 必須 名前 Hanako.Yamada.
Your Firm 任意 団体企業名 BizStation Corp.
Your Phone 任意 電話番号 +81-263-xx-xxxx
Your Email 必須 電子メールアドレス your@email.com
MountPt Name 必須 マウントポイント JP_BIZSTATION
MountPt Password 任意 パスワード *****
Message format 任意 メッセージフォーマット RTCM 3.x
NTRIP Protocol to Use 必須 使用するNtripのバージョン NTRIP Rev1)
Base Station City 任意 基準局ある都市名 Matsumoto
Base Station Country 任意 国コード JPN
Optional Settings 任意 オプション設定 (すべてチェックなし)
  • マウントポイントは任意の文字列ですがすべて大文字で指定します。
  • パスワードは空だと勝手に作成されるとあります。今回指定してみると返信メールにしっかり記載されていました。
  • [Message format]はわからなければ自動をとありますが、DG-PRO1RW+Drogger-GPSの場合はRTCM 3.xですのでそれを選びます。
  • [NTRIP Protocol to Use]はNTRIP Rev1を選択します。
  • |Base Station City| は近郊の都市をアルファベットで入力します。
  • |Base Station Country|、日本はJPNです。

登録ページの最後に以下のようにあります。

Important: You must reply to this email to have your reservation processed.
This will be followed by a reply email with the final assigned password for your use when activated by our support staff.

重要:予約を処理するには、このメールに返信する必要があります。 返信後、サポートスタッフによってアクティブ化されたときに使用する最終的に割り当てられたパスワードが記載された返信メールが送信されます。

After you register: Use the temp password BETATEST-1 until you get a reply email back.

登録後、返信メールを受け取るまで、仮パスワードとして BETATEST-1をお使いください。

登録を終えるとすぐに、[Your Email]で指定したアドレスにこの入力内容のメールが送られてきました。 ただこのメールは、確認のためだけのもののようで、上記で言う返信メールとは違うようです。登録したパスワードではダメでBETATEST-1でうまく送信できました。

2020/04/20 追記 また、このメールをそのまま内容を引用し差出人に返信します。返信しないと仮予約も無効になるようです。

数時間後に

Re: RTK2go, Registering: "JP_BIZSTATION"

というタイトルのメールが届き、指定した新しいパスワードを使ってくださいとの内容でした。

新しいパスワードで接続し、http://rtk2go.com:2101/

にブラウザでアクセスしたとこと以下のように正しくエントリーされていました。

STR;JP_BIZSTATION;Matsumoto;RTCM 3.2;1005(13),1077(1),1087(1),1097(1),1127(1),1230(1);0;GPS+GLO+GAL+BDS;SNIP;JPN;36.22;137.96;1;0;sNTRIP;none;N;N;0;none;

これで無事RTK2GOへの基準局(マウントポイント)の登録が完了です。

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Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

DG-PRO1RWで日本GPSデータサービスVRS基準局を使う

今回は、日本GPSデータサービス(株)のリアルタイムVRSサービス*1を基準局として使用する方法を紹介します。

このVRSデータは国土地理院の電子基準点での観測データに基づいたもので、非常に信頼性の高いものです。

また、仮想基準点のため移動局とのベースラインが短く容易にFIXします。ビズステーションの所在地長野県松本市ではA-GNSS+コールドスタートでも30秒以内にFIXしています。 VRSデータにはいくつか種類がありますが、L1+L2の2周波で GPS+GLONASSの観測データを使用します。

VRSデータサービスを申し込むと以下のような情報が送られてきます。

項目 Drogger-GPSでの設定項目名
ログイン名 bizstation ユーザー名
パスワード abcdefg パスワード
接続先 xxx.gpsdata.co.jp ホスト
ポート 2101 or 80 ポート
マウントポイント VRS_xxxxなど複数 マウントポイント

この情報に基づいて、DG-PRO1RW + Drogger-GPS で移動局として使用する設定をご案内します。尚、Drogger-GPS Ver2.1.66以上が対象です。古い場合はGoogle Playにて最新に更新してください。

  1. Drogger-GPSの設定を開きます。
  2. [GNSS(衛星測位システム)]をタップしGPS and QZSSGLONASSを有効に他は無効にし、一つ戻ります。
  3. [RTK]をタップし[移動局]を有効にして[移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. 送られた来た情報をもとに各項目を正しく入力します。マウントポイントは複数あるかと思いますが必ず VRS_GNSS_RTCM32_MSM5としてください。

  5. [位置の送信(GGA)]-[送信の有無と間隔]で「10秒間隔で」を選択します。
  6. 一つ戻って[P2Pで通信]を無効にします。

以上で設定は終了です。DG-PRO1RWに電源を入れ[Start]をタップします。

とても簡単に基準局が利用できてVRSサービスはやはり素晴らしいですね。

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*1:VRSサービスを利用するには事前に日本GPSデータサービスとの契約が必要です。