Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

DG-PRO1RWS AgriBus-NAVIで使う その2

今回は、DG-PRO1RWS(以下RWS)で新しく追加された内蔵Ntrip クライアントを使ってAgriBus-NAVIでRTKを利用する方法をご紹介します。RWS をAgriBus-NAVIでお使いのお客様からのリクエストをいただきました。

概要

従来からあるAgriBus-NAVIでの使用方法は、Drogger-GPSアプリで補正データをインターネットから受信し、RWS へ送信するものでした。

今回ご紹介する方法は、Drogger-GPSアプリを経由せず、RWS自身が直接インターネットから補正データを受信します。これによるメリットは以下の点です。

  1. 運用時にDrogger-GPSアプリは不要で、AgriBus-NAVIを実行するだけで済みシンプルになる。
  2. Drogger-GPSを実行しなくて済むことでAndroidの負荷が(わずか)軽減される。(Drogger-GPSのバックグラウンド時のCPU負荷は非常に少ない)
  3. AgriBus-NAVIを実行する端末はインターネットにアクセスできなくとも良い。代わりにRWSが接続するWiFiがインターネットにアクセスできれば良い。

逆にデメリットは、

  1. RWSが接続する(インターネットに繋がった)WiFiが必要。
  2. P2P通信による基準局の利用はできない。
  3. RWSに設定を保存して使用するため、頻繁に設定を変更するのは面倒。

といったもので、デメリットの解決は、

  1. AgriBus-NAVIを実行する端末または、別のスマートフォンなどでテザリングを有効にし、RWSが接続できるようにする。
  2. P2Pによる通信は利用できないので、基準局がP2Pのみの場合、補正データを中継サーバー経由でも受信可能なように設定する。または、補正データ配信サービスを契約する。(無償の中継サーバrtk2goの登録方法 内蔵Ntripサーバー
  3. 設定変更が必要になるのは主にDMPのオフセット設定。取付の向きや傾きのオフセットなどが変わらない様に、車両への取付場所などが決まり固定できてから利用する。
    複数の車両で共有するような場合は、アンテナ高さや取付向きなどを揃える。または、複数の設定をDrogger-GPSアプリで保持し、車両替えの都度その設定をレシーバーに適用する。

などで回避または緩和することができます。

尚、必ずしもこの方法が優れているというわけではございませんので、環境や好みに合わせて、従来の方法かこの方法かを選択いただければと思います。

また、ここでの例はAgriBus-NAVIですが、他のアプリなどで直接Bluetooth接続されるような場合もほぼ同様の手順で利用できます。

事前の準備

設定に入る前にスマートフォンなどでテザリングを有効にしてください。その際、入力を楽にするためにSSIDは短く、パスワードは長めの数字のみなどにするようお薦めします。

うまく設定するために重要なこと

設定の前に以下を必ず行ってください。ここでの説明の前提条件としています。

  1. RWSのファームウェアを最新にする。(2020/04/11 Ver 1.3.20) (更新方法)
  2. Drogger-GPSアプリを最新にする。(2020/04/11 Ver 2.4.96) (更新方法)
  3. Drogger-GPSの設定をデフォルトに戻してから設定をはじめる。(戻す方法)
  4. RWSの起動設定をデフォルトに戻してからはじめる。(戻す方法)
  5. レシーバの起動設定は、結果通知を必ず確認する

f:id:bizstation:20200411133220p:plain:w400
結果通知サンプル

DMPを正しく動作させるために重要なこと

DMPの方位を正確に出すためにレシーバ本体とアンテナの取り付け時に以下の点を確実に行ってください。

  1. レシーバ本体の取付(アンテナ除く)は周囲に磁気の影響がない場所を選ぶ。磁気の影響があるかどうかは市販の方位磁石(100円ショップなどのもので十分)で、取り付けたい場所で正しく方位を示すかどうか確認する。
    f:id:bizstation:20200413201955p:plain:w200
  2. レシーバ本体の取付前に電源の入った状態でXYZ各軸を中心に±2回転させてから取り付ける。車両などへの取付前に、電源を入れてからなるべく取付位置に近いところで、ヨー・ロール・ピッチの各方向それぞれ̟±2回転づつ回してください。こうすることで磁束密度の最小値や最大値などがわかり磁北の計算が可能になります。行わなった場合は実際の走行時の値で磁北が計算がされていきますが色々な向きに走行してようやく正しく方位を示すようになります。
  3. アンテナは後輪より前に取り付ける。ハンドルを一杯に切って旋回する場合、後輪より後ろはオーバーハングで移動の向きが逆方向になることがあるため、移動方向判定ミスの要因になります。

設定方法

では具体的な設定方法をご案内します。

設定する

  1. Drogger-GPSを起動しギアマークから設定を開きます。
  2. [NMEA出力]をタップし[TCPクライアント]を有効にします。
  3. [GGA] [VTG] [RMC] [PSAT_HPR]にチェックを付けます。
  4. 最初の階層に戻って、[GNSS(衛星測位システム)]をタップし、お使いの基準局に合わせた衛星を選択します。
  5. 最初の階層に戻って、[ヘッディングと傾斜補正]をタップし、[方位ローパスフィルタ] [DMPまたはMBコンパス] [傾斜補正を有効にする]の3つをONにし[アンテナ取付高さ]を入力します。
  6. [ボトム面] [前方方向]の順に取付方向を指定します。
  7. 最初の階層に戻って[RTK]をタップし[移動局]をONにし、[移動局用キャスターホスト]にお使いのキャスターの情報を入力します。
  8. [レシーバー上のNtripシステム]をタップし[レシーバーのNtripを使う]をONにし[WiFiアクセスポイントSSID]と[WiFiパスワード]を入力します。

ここまでの手順の実際の動画です。


【Drogger】NtripクライアントでAgriBus-NAVIで使う

接続して動作を確認する

設定を終了しDrogger-GPSで接続して設定に問題がないかどうか確認します。

  1. Ntrip status で [Running]と表示され正しく通信できているかどうか?
  2. 緯度・経度・標高・移動方位の値が緑色で表示され補正適用が有効化どうか?

ここまでで問題があった場合は、「設定する」に戻って設定と動作確認を行います。

次に、取付オフセットを設定します。

  1. 車両に取り付けた状態で、車両を平らな場所で前方を真北に向けて止めます。
  2. DMPモニター内のf:id:bizstation:20200120180219p:plain:w32をタップし、3つすべてにチェックを入れて[OK]をタップします。
    f:id:bizstation:20200413205423p:plain:w250

これでDMPの取付オフセットが設定されました。

ここまで問題なければ設定した内容で起動するようレシーバに保存します。

レシーバーの起動設定をする

  1. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバ] - [起動設定]をタップします。
  2. GNSS settings DMP setteing ともに[現在の設定で起動]を選択し[OK]タップします。
  3. [... Chnage reciever startup success! ...] というメッセージが出たことを確認します。もし出なかった場合はもう一度手順1からやり直してください。
  4. Drogger-GPSを終了し、レシーバーの電源を入れ直します。電源は3秒ほど抜いた状態を維持してください。

尚、設定を変更した場合はこの「レシーバーの起動設定をする」を再度行ってください。これを行わないとレシーバーの電源を切ると元の設定に戻ってしまいます。(Drogger-GPSで接続する場合はそれで問題有りませんが、使用せずに直接他のアプリで接続する場合は必須です)

これでRWSの設定は完了です。

AgriBus-NAVIで動作を確認する

  1. RWSの電源を入れます。
  2. AgriBus-NAVIのギアマークをタップし、[GNSS位置情報取得元]で[Bluetooth接続型GNSSを使用]を選択し[OK]をタップします。
  3. [........ , Bluetooth GNSSの接続]をタップし、「DG-PRO1RWS0x」をタップして選択します。
  4. ナビアイコンをタップして起動時の画面に戻ります。
  5. 接続できたかどうかRWSのBluetoothLEDなどで確認します。

可能であれば、RWSを水平に回転させナビ画面が回転するか確認します。回転すればDMPの方位が有効にできています。

また、RWSをそのままの位置で傾け、前後または左右に画面がわずかですが移動するか確認します。移動すれば傾斜補正が有効です。

これですべて終了です。

以降、スマートフォンのテザリングをONにし、RWSの電源を入れればすぐにAgriBus-NAVIが利用できます。

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DG-PRO1RWS 日本テラサット ネットワーク型GNSSデータサービスを使う

今回は、DG-PRO1RW(S)で日本テラサット(株)の ネットワーク型GNSSデータサービスを使う方法をご紹介します。

概要

このデータは国土地理院の電子基準点からの補正データに加えて、近傍の複数の電子基準点から算出される仮想基準点(VRS)の補正データを、日本のほとんどのエリアでリアルタイムに利用できます。

実際にDG-PRO1RWSにてここ長野県で使用してみましたが、すぐにFixし快適にRTK測位できました。

VRSのマウントポイントは複数ありますが、DG-PRO1RWSで使用できるRTCM32(MSM5)*1では、GPS, GLONASS, QZSSがサポートされています。

VRSサービスでは、アンテナ関係のメッセージレートが5秒になっています。通信量の削減を図られている点に好感が持てました。

設定

ネットワーク型GNSSデータサービスを申し込むと以下のような情報が送られてきます。 (今回の情報は仮アカウントでのものです。正式申し込みの場合用語が異なる可能性があります)

項目 Drogger-GPSでの設定項目名
IPアドレス 192.168.250.23 ホスト
マウントポイント VRS_RTCM32(MSM5) マウントポイント
ポート 2101 ポート
ユーザID bizstation ユーザー名
パスワード abcdefg パスワード

この情報に基づいて、DG-PRO1RWS + Drogger-GPS で移動局として使用する設定をご案内します。

  1. Drogger-GPSの設定を開きます。
  2. [...メニュー]をタップし、[デフォルトに戻す]をタップします。
  3. [GNSS(衛星測位システム)]をタップしGPS and QZSS GLONASS Galileo を有効にし、一つ戻ります。(これ以外はOFFにします)
  4. [RTK]をタップし[移動局]を有効にして[移動局用キャスターホスト]をタップします。
  5. 送られた来た情報をもとに各項目を正しく入力します。(2022/05/16追記 マウントポイント VRS_RTCM32(MSM5) ポート:5003でGalileoもサポートされるようです
  6. [位置の送信(GGA)]-[送信の有無と間隔]で「10秒間隔で」を選択します。

以上で設定は終了です。DG-PRO1RWSに電源を入れ[Start]をタップします。 以下の画像は実際にネットワーク型GNSSデータサービスを使用した時のものです。

とても簡単に基準局が利用できる上、全国で使えるのは素晴らしいですね。また、通信量が削減されている点もいいですね。

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DG-PRO1RWS | ZED-F9P搭載 | 2周波 RTK-GNSS | Bluetooth5.0
¥69,800 (税別 BizStationサイト)
u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ 。受信チャンネル数184 GPS みちびき(4機フル対応) GLONASS BeiDou Galileo 同時受 ...
詳細・購入 問い合わせ 会社情報
DG-PRO1RWS | ZED-F9P | 2周波 RTK
¥69,800
(税別 BizStationサイト)
u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ ...

*1:マウントポイントにMSM3と付くものがありますが、DG-PRO1RWSではサポートされませんので使用できません。

DG-PRO1RWS 内蔵WiFI Ntrip クライアント ほか

f:id:bizstation:20200402133905p:plain DG-PRO1RWS単体でNtripクライアントを実行できるようになりました。この機能はDG-PRO1RWSまたはDG-PRO1RW+拡張モジュールのファームウェア とDrogger-GPSアプリを最新にしていただくことでご利用いただけます。

他にもこの更新では以下の機能が追加されました。

  • 内蔵NtripサーバーとDrogger-GPSのP2P通信の併用
  • NtripステータスLEDによる、RTKがFixしているかどうかの表示

WiFI Ntripクライアント

NtripクライアントはWiFIを使用してDG-PRO1RWSが直接Ntripキャスターと通信します。最初にDrogger-GPSを使用して設定を行いレシーバー内に起動設定を保存します。 あとは、DG-PRO1RWSの電源をいれるだけで指定したNtripキャスターと通信しRTK測位を開始します。

WindowsなどPCで

従来はBluetooth経由でしか補正データを渡す仕組みしか無いため、Windowsなどでシリアル通信(Bluetooth SPP)で測位結果を得る場合、同時に補正データの送信も行わなければなりませんでした。

補正データを送る仕組みのないアプリケーションを使用するには、何かと工夫が必要でした。

このWiFI Ntripクライアントを利用すると、補正データを送信する必要がなくなり、Bluetoothは測位結果を得るのみのために使用できます。 これで従来からあるシリアルでNMEAを受信して処理するほとんどのアプリケーションで、RTKとDMPを使用した高精度な位置情報をそのまま得ることができます。

Androidで

Androidでもアプリが直接Bluetooth接続しNMEAを受信して動作するものがたくさんあります。この新機能によりアプリは従来のままで、RTKとDMPを使用した高精度な位置情報を利用できます。

AgriBus-NAVIで

多くのDG-PRO1RWSのお客様が使用されているトラクターなどのナビゲーションシステムのAgriBus-NAVIも同様です。AgriBus-NAVIとの接続は単に「Bluetooth接続型GNSS」としていただくだけでRTKとDMPを使用した高精度な位置情報を利用できます。

Drogger-GPSアプリは設定時以外、使用する必要がなくなります。(P2P通信で補正データを受信する場合を除く)

設定方法

まず、Drogger-GPSを最新(2.4.92以上)にし、DG-PRO1RWSのファームウェアを最新に更新(1.3.18以上)します。 ここでの説明はDG-PRO1RWSの起動設定、Drogger-GPSの設定ともにデフォルト状態として説明します。設定に不安がある場合は以下を見てデフォルトに戻すことをお薦めします。

Drogger-GPSの設定をデフォルトに戻す

  1. ギアマークをタップして設定を開きます。
  2. ...メニューをタップし[デフォルトに戻す]をタップします。

WiFI Ntripクライアントの設定

  1. Drogger-GPSを起動し、ギアマークをタップして設定を開きます。
  2. [GNSS(衛星測位システム)]をタップして利用したい衛星を選択します。
  3. 戻って[RTK]をタップします。
  4. [移動局]をONにし、[移動局用キャスターホスト]にご利用されているNtripキャスターの情報を入力します。  ここまではAndroidでNtrupクライアントを実行する場合も同様です。
  5. [レシーバー上のNtripシステム]をタップします。
  6. [レシーバのNtripを使う]をONにし、[WiFiアクセスポイント(SSID)]と[WiFiパスワード]を入力します。
  7. 設定を終了し、[Start]をタップしてDG-PRO1RWSに接続します。

動作の確認方法

Drogger-GPSのメイン画面上のNtrip StatusをONにします。 [Type]にNtrip client on receiverと表示されているか確認します。on recieverが重要でレシーバーで実行されていることを示します。 ちなみにDrogger-GPSで動作するNtrip Clientはon Androidと表示されます。 f:id:bizstation:20200402122111p:plain:w400

[Local Address]はレシーバーのアドレスを示しています。

ステータス

ステータスは以下のように遷移します。また合わせてレシーバーのLEDランプの状態も示します。

f:id:bizstation:20200402124752p:plain:w339

順序 状態 ステータス表示 Nrip LED
1 未実行 Not started 消灯
2 WiFi接続試行中 Wifi connecting 2Hz点滅
3 WiFi接続OK
Ntrip casterへ接続中
Connecting 1Hz点滅
4 データ受信中 RTK Fixなし Running 間欠点滅
4 データ受信中 RTK Fix Running 点灯
5 停止中 Closed 消灯
- 接続再試行の待機中 Wait for retry WiFi接続待機の場合は 2Hz点滅
Ntrip caster接続待機の場合は1Hz点滅
- 測位待ち Wait for GGA 1Hz点滅
(GGAを送信する設定の場合で、測位できていないため測位を待っている状態)

Drogger-GPSで表示されるNtripステータスの更新間隔は1秒です。レシーバーのLEDランプは即時変化します。

正常に運用が開始されましたら、たまにNtripLEDが点灯状態で運用確認ができます。

Bluetoothの切断と監視モード

レシーバー上のNtripクライアントはBluetoothを切断してもそのまま動作し続けます。

再度Bluetoothを接続すると、レシーバー上のNtripクライアントの動作の有無を調べ、動作していれば監視モードとしてレシーバーの初期化をせずに監視だけが行われます。
Bluetooth接続状態で設定を変更した場合は監視モードを中止し、設定内容でレシーバーを動作させます。
Drogger-GPSが行うレシーバーに対する設定は揮発性でレシーバーの電源を切ると初期状態に戻ります。

次項で説明する「レシーバーの起動設定変更する」を行うと初期状態ではなく設定した内容で起動されます。

通信などのエラー処理と自動回復

エラーは大きく2つに分けて処理されます。

  1. 設定のエラー
  2. 通信経路などのエラー

認証エラーなど明らかに設定の問題と思われる場合は再試行することなくClosedに移行します。 また同時に[Status]の下にエラーの概要が文字で表示されます。

一同うまく通信が開始されたあと、不通になった場合は自動で接続が再試行されます。再試行間隔は約10秒です。
たとえば、Ntripキャスターの運用側が一時的に運用を停止したとします。 送信エラーになったらそれまでのセッションは破棄します。その後、新しい接続を10秒おきに試行します。 運用が開始されれば自動で再接続されそのまま運用を継続します。

レシーバーの起動設定変更する

せっかくAndroidなしでNtripクライアントを動作できますので、電源を入れただけでRTKが開始できたら便利です。

また、必要なNMEAを有効にする設定も合わせてご案内します。デフォルトではGGAしか出力されませんので、TCPまたはUSBのNMEA出力をで有効にし必要なメッセージを選択します。TCPまたはUSBの機能はAndroidでの物なので無用に見えますが、これをすることでレシーバーのNMEAを有効にできます。

  1. まず前述の設定を行いうまくNtripクライアントが動作していることを確認します。
  2. 設定-[NMEA出力]-[NMEA出力方法]をタップし、[TCPクライアント]をONにします。
  3. 一つ戻って[NMEA Message Type]をタップし、必要なメッセージにチェックを付けます。(必要最小限にしてください。多すぎるとBluetoothの能力オーバーする場合があります)設定を終了します。
  4. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバ]-[起動設定]をタップします。
    f:id:bizstation:20200124132709p:plain:w300
    f:id:bizstation:20200411163355p:plain:w200]
  5. GNSSの[現在の設定で起動]を選択します。
    f:id:bizstation:20200402130014p:plain:w250
  6. DMPの補正等を利用した設定を行っている場合はDMPの[現在の設定で起動]を選択]し、[OK]をタップします。

尚、デフォルトの起動設定に戻したい場合は、手順3で[デフォルト設定で起動]をタップしてください。DG-PRO1RWSの出荷時設定に戻ります。

以降、電源を切って入れ直した際に、指定時の設定で動作します。

その他の更新

内蔵NtripサーバーとDrogger-GPSのP2P通信の併用

My基準局で、rtk2goのNtripキャスターを利用されている方は多いかと思います。rtk2goですが、月に数度程度停止していることがあります。どうもメンテナンスではなく異常停止のようです。

rtk2goにアクセスできない場合、原因がrtk2goにあるかどうかは別のネットワーク(携帯電話など)でhttp://rtk2go.com:2101/にブラウザでアクセスしてみるとわかります。正常であればソーステーブルが表示されます。

このような状況を改善するため、内蔵Ntripサーバーとサーバーと併用してDrogger-GPSのP2Pも使用可能にしました。移動局は、Ntirpキャスター経由とP2Pダイレクトの2つのチャンネルでMy基準局を利用できるようになります。どちらか一方に問題があってももう一方で補正データを受信できます。

詳しくは、内蔵Ntripサーバーの記事をご覧ください。

DG-PRO1RWS 内蔵WiFi +Ntrip サーバー - Beyond your wall with Drogger

RTK FixでのLED表示

右から2番目のLグリーンLEDは、NtripサーバーとMBの状態表示に使われていましたが、RTK移動局で使用される場合はRTK がFixしたときに点灯するようになりました。

レシーバのNtripクライアントを使用していない場合は、Fixで点灯しそれ以外では消灯します。

内蔵WiFiのMACアドレスの表示

Reciever Versionの最後の項目に、内蔵WiFiのMACアドレスを表示するようにしました。WiFiルータなどでMACアドレス制限する場合などでMACアドレスを知る必要があるためです。通常は下のSTA Macの値がルータに接続するMACアドレスです。 f:id:bizstation:20200402173411j:plain:w400

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Drogger データをDashWareで動画合成する

f:id:bizstation:20200309152937p:plain

今回はDrogger(SL001)で記録したデータを動画に合成する方法のご紹介です。

動画の合成はGoPro社のDashWareでの紹介です。DashWareは元々GoProのものでではなかったようですが数年前に買収されたようです。DashWareは無償で配布されています。

DashWareはWindows用のソフトです。残念ながらMac用はリリースされていないようです。尚、大変申し訳ありませんがDashWareの使い方や不具合などのサポートはビズステーションでは行えませんのでご理解ください。

概要

DroggerのセッションデータをCSV形式で保存し、そのデータをDashWareのメータなどのコンポーネントで表示し動画に重ね合わせます。Droggerで行うことはCSV形式での保存することだけです。そのほかの作業はすべてDashWareで行います。

DashWareは汎用的に出来ているのでさまざまなデータを取り込むことが可能です。しかし、そのためにはデータがどのような物なのか(データプロファイル)をDashWareに登録しなければなりません。また、どのように表示するか(テンプレート)なども自分で構築する必要があります。

今回、ビズステーションで行ったのは、Drogger用のデータプロファイルとテンプレートの提供です。データプロファイルとテンプレートがあれば、動画とデータの位置合わせを行っていただくだけですぐに合成データが完成します。

それでは実際の使い方をご案内します。

DashWareのインストール

  1. 以下のサイトにアクセスし、ダウンロードをします。

    http://www.dashware.net/dashware-download/

    f:id:bizstation:20200309131347p:plain

    図のように3つのチェックを付けて[DOWNLOAD NOW]をクリックします。

  2. ダウンロードしたDashWare_1.9.1.exeを開いて、インストールを開始します。 すべてデフォルトのままで進めます。最後の[Create Desktop Shortcut]をチェックするとデスクトップにショートカットができて便利です。
    f:id:bizstation:20200309132113p:plain:w400

Droggerテンプレートのインストール

次にDrogger用のデータプロファイルとテンプレートをインストールします。

  1. 以下よりDroggerテンプレートをダウンロードします。

    https://www.bizstation.jp/droggerGps/dashware/Drogger_DW_template.EXE

  2. ダウンロードしたDrogger_DW_template.EXEを開いて、インストールを開始します。

  3. インストールが完了すると、下図のようにメモ帳が開きインストール完了と表示されます。

    f:id:bizstation:20200309133241p:plain

DroggerでCSVデータを作成する

CSVデータはAndroidで作成したものをWindowsPCにコピーする必要があります。コピーにはさまざまな方法がありますがここではGoogleDriveを使った方法をご案内します。尚、AndroidはWiFiでGoogleDriveにアクセスしますのでWiFiが使える状態で行ってください。また、Googleドライブアプリが必要です。インストールされていない場合は、Playsストアにてインストールしておいてください。

今回の対応にあたりCSVの出力項目を増やしています。DroggerアプリはVer 2.0.115以上が必要です。

  1. Droogerを起動しでデータ一覧を開きます。
  2. 転送はWiFiで行いますので、画面上端を下にスワイプしクイック設定でWiFiを有効にします。
  3. 合成したいデータを探して長押しします。
  4. ...メニューから[CSV形式で共有]をタップします。
    f:id:bizstation:20200309134743p:plain:w400

  5. ファイルの保存が終了すると、共有アプリの一覧が表示されますので、[ドライブに保存]を選択します。

  6. フォルダ名を確認し、[保存]をタップします。

これでCSVデータを作成は完了です。

Windows PCでcsvデータをダウンロードする

ではつぎにGoogle Driveからパソコンにcsvデータをダウンロードします。

  1. Chrome(ブラウザ)を起動します。
  2. 上端にあるタブの右横の+マークをクリックして新しいタブを開きます。
  3. 右上のGoogleアプリをクリックし、[ドライブ]をクリックします。
    f:id:bizstation:20200309155716p:plain:w400
  4. [マイドライブ]から先ほど保存したフォルダを開いて、保存したcsvファイルを探します。
  5. csvファイルを右クリックして[ダウンロード]をクリックします。

これでcsvファイルのダウンロードは終了です。ダウンロードされたファイルは通常[ダウンロード]フォルダにあります。

動画の準備

動画も操作するWindowsに事前にコピーしておきます。

動画の合成

いよいよ合成です。

合成の手順をビデオにしてありますので以下をご覧ください。慣れれば数分*1の操作時間です。

youtu.be

ゲージと値について

表示されているゲージはDroggerで表示しているものとは異なっています。これはDashWareで作成したゲージのためです。 また、値についても以下のような制限がありますのでご理解ください。

  1. ラップタイムは50Hzのデータ単位で計算されます。そのため、Droggerで見たタイムと最大0.04の差が出ることがあります。
  2. ベストラップは、DashWareの計算によります。ショートカットした周なども対象となってしまうため、Droggerで見たベストラップと異なる場合があります。
  3. 先頭と最後の周はデフォルトでは除外となっています。問題がある場合は、[Synchronization]タブの[Edit Data Settings...]で変更してください。

今回のテンプレートには、サスペンション、A/F、油温、水温などのゲージは含んでいませんが、ご自身で作成し追加することも可能です。

よりかっこいいテンプレート作って公開いただけると嬉しいです。

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*1:動画の保存時間を除いた操作の時間です

Softbank 位置測位サービス「ichimill」を使う

今回は、Softbank 位置測位サービス「ichimill」 *1を基準局として使用する方法を紹介します。

概要

このデータはSoftbankの全国3300か所以上の独自基準点で生成した補正情報に基づいたものだそうで、国土地理院のデータを用いた他社のサービスとは異なっています。

実際に使用してみましたが、長野、山梨、静岡とどこでもBeidouの補正情報が得られ容易にFixしました。

山間部などロケーションの悪いところでも、Beidouが拾えることで仰角の高い衛星数が増えます。そういった場所での利用にはとても有利ではないかと思います。

RTCMの形式もMSM7, 5がサポートされ、RWS/RZSシリーズ とのマッチングもベストです。

設定

Softbank 位置測位サービス「ichimill」を申し込むと以下のような情報が送られてきます。

項目 Drogger-GPSでの設定項目名
アドレス ntrip-xxxxx-co.jp ホスト
マウントポイント xxxxx マウントポイント
ポート番号 2101 ポート
ID bizstation ユーザー名
PASS abcdefg パスワード

この情報に基づいて、RWS/RZSシリーズ + Drogger-GPS で移動局として使用する設定をご案内します。

  1. Drogger-GPSの設定を開きます。
  2. 右上の[...メニュー]-[デフォルトに戻す]をタップします。
  3. [GNSS(衛星測位システム)]をタップしGPS and QZSS GLONASS Galileo Beidouを有効にし、一つ戻ります。
  4. [RTK]をタップし[移動局]を有効にして[移動局用キャスターホスト]をタップします。
  5. [Ntrip Casterタイプ]で[Softbank]を選択します。
  6. ichimillサービスより送られた来た情報をもとに[ホスト][ポート番号][マウントポイント][ユーザー名][パスワード]を正しく入力します。

以上で設定は終了です。

野外にてアンテナを接続し、受信機の電源を入れ[Start]をタップします。

以下の画像は実際にsoftbank 位置測位サービス「ichimill」を使用した時のものです。

とても簡単に基準局が利用できる上、Beidouが全国で使えるのは素晴らしいですね。

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DG-PRO1RWS | ZED-F9P搭載 | 2周波 RTK-GNSS | Bluetooth5.0
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u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ 。受信チャンネル数184 GPS みちびき(4機フル対応) GLONASS BeiDou Galileo 同時受 ...
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DG-PRO1RWS | ZED-F9P | 2周波 RTK
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u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ ...

*1:サービスを利用するには事前にSoftbankとの契約が必要です。

DG-PRO1RWS GNSSジャイロとMoving base

GNSS ジャイロ
今回は新しい機能GNSSジャイロとMoving baseです。 これらは、1台のRWS.DCMまたは2台のDG-PRO1RWS(.DC)で利用可能です。

RTK Moving baseとは

RTK MovingBaseは2つの移動するGNSSレシーバー同時刻に測位し相対位置をリアルタイムに出力する仕組みです。 基準とするレシーバーをMBベース、もう一方をMBローバーと呼びます。

RWS.DCMの場合は、MBベースとMBローバーの受信回路は1つのRWS.DCMに組み込まれ、アンテナのみが別々になります。

基準となるレシーバーが移動するのでMoiving baseと呼ばれます。このMoiving baseですが基準局側のみを指すのではなくシステム全体をMoiving base(MB)と呼んでいます

できること

Moving baseで得られる測位データは以下のものです。

  • MBベースから見たMBローバーの方位と距離
  • MBベースから見たMBローバーの南北方向の距離と東西方向の距離
  • MBベースから見たMBローバーの高度差

*1 RWS.DCMは、ヘッディングに特化しているため、2つのアンテナは同じ移動体への固定のみサポートされます。2つのアンテナの自由移動はサポートされません。

Drogger-GPSで見たMBローバーでの測位結果

測位精度

MBベースからMBローバーに補正情報をリアルタイムに送信することで、条件がよければ1cm+CEPでベース- ローバー間の相対位置を測定できます。 また、MBベースはRTK移動局になることも可能です。MBベースをRTK移動局として運用すれば絶対的な位置として測位できます。

MBベースはRTK移動局にもなる

MBベースはRTK基準局から補正データを受け取って自身の位置を測位すると同時に、MBローバーのための補正データを生成します。

※ RWS.DCMを除く2台構成の場合、受信機間の通信でWiFiを使用するため受信機のNtrip Clientは使用できません。Drogger-GPSのNtrip Clientで補正データを転送するように構成します

リアルタイム

リアルタイムMoving baseで難しいところは2つのGNSSレシーバーでの測位時間の同期です。同じタイミングで測位したデータを用いなければなりません。 それには更新レートが同じ周期で補正データを高速にローバーに転送することが必要です。

Base - Rover間通信

RWS.DCMの場合、内部回路で通信が行われます。

2台構成のMBは、内蔵WiFiを利用してピアツーピアで補正データを送受信します。互いにWiFi電波が届く距離であればケーブルなしで利用できます。

必要な機材

RWS.DCMの場合は、1台のRWS.DCMと1台のAndroid端末です。測位結果をAndroidではなく他の機器で処理するような場合はAndroidが不要な場合もあります。

2台構成の場合は、DG-PRO1RWS(.DC) 2台です。Androidd端末は1台でも可能ですが2台の方が簡単で便利です。MBローバーの設定後は、通常Androidは1台で足ります。

利用形態

利用形態は大きく分けて以下の2種類です。

  • ベースとローバーの距離は固定
  • ベースとローバーの距離は自由移動 (RWS.DCMは非サポート)

形態ごとに利用用途が異なっています。

MBベースとMBローバーを同じ移動体に固定する場合 (GNSS ジャイロ)

例えば船の船首にMBローバー船尾にMBベースを設置すると船の向き(方位)を知ることができます。いわゆるGPSコンパス2軸GPSジャイロ)になります。これは船が静止している状態でも計測可能です。もちろん、自動車・トラクター・重機・ドローンなどでも同様です。

さらに、このコンパスは磁気を使用するものに比べてはるかに正確に測定できます。MBローバー・MBベース間の距離25cmで±0.8°、1mで±0.4°*1と極めて高精度です。

また、MBローバーとMBベースの配置により、ロール(roll)またはピッチ(pitch)のいずれかを計算できます。(ただし、使用するアンテナの指向性により計測可能アングルに制限があります)

尚、MBローバーをもう一つ追加すると3軸GPSジャイロになりますが、通信レートの都合上現在のところサポートされません。

MBベースとMBローバーの距離が変化する場合

例えば、ドローンで走行する自転車を上空から撮影するとします。自転車にMBベース、ドローンの機体にMBローバーを載せるとMBローバーは常に自転車の方向と距離・高さを計測できます。これに自動操縦を加えると自転車の追尾をすることが可能になります。いわゆるドローンのフォローミー機能です。RWSではこれをセンチメートル級の高精度で行うことができます。

他にも、アーム付きの重機などのアームの方向と距離・高さ、クレーンの先端位置などがリアルタイムに高精度で測位できます。

測量用途では、ベースを基準にcmでの距離表示によりくい打ちなどがより直観的に行えます。その際にDMPによる傾斜補正も使用可能です。

仕様など

最大計測レート

計測レートは選択するGNNSの数によって変わってきます。すべての選択肢で米国のGPSは必ず含める必要があります。

GNSS種の数 レート
4 (GPS+GLO+GAL+BDS) 5Hz
3 (GPS+ xxx+ xxx) 5Hz
2 (GPS+xxx) 8Hz
1 (GPS) 10Hz

ヒント

  • 2台構成の場合、通信状態が悪くデータの転送が間に合わない場合はレートが低下します。
  • 2台構成の場合、距離が遠くなることで電波強度が低下し、転送レートも低下します。
  • 捕捉衛星数が多くなればなるほどデータ量が増します。うまく衛星を絞ることで安定した転送レートが確保できます。(例 GPS+GAL+BDSで5Hzで使用する)

MBベースとMBローバーの最大距離 (2台構成の場合)

ベース・ローバー間の通信はWiFiによって行われます。従って、最大距離はWiFi電波の到達距離に依存します。平地で障害物の無い場所での実験では50mほどまで利用可能でした。(あくまでも参考値としてください。周囲のWiFI電波環境等に左右されます)

実験時のMBローバーから見たMBベース

MBローバーの数

1つのMBベースに対するMBローバーの台数は、現状の通信方式の場合1台までです。

MBベースで測位結果を受信可能

MB測位計算はMBローバーで行われます。しかし、GNSSジャイロを構成しMBベースをRTK移動局とした場合、ベースはAndroidでBluetooth通信する必要があります。そこでDG-PRO1RWSではMB測位結果をローバーからベースに転送するようにしています。こうすることでMBベースでGNSSジャイロを使用できます。同時にMBローバーでAndroidを不要にできます。

DMP傾斜補正の併用

傾斜補正の併用で意味があるのは、ベース - ローバー間の距離が任意移動できる場合です。例えば、土地に1m間隔でマーキングするような場合、ベースを基準点に置きローバー受信機をポールに取り付けます。DMPの取付状態を正しく設定し傾斜補正を有効にします。これで常にポールを正しく垂直にしたときのアンテナ間距離が簡単に測位できます。(地面の傾斜・波うち・凹凸による高さ差は現在考慮されていません)

DMPとGNSSジャイロ

DMPとGNSSジャイロはその目的がほぼ同じです。また、RWSではベースでもMB測位結果を受け取ることができます。MBの役割別に DMPとGNSSジャイロ補正の有効/無効を示します。

MB役割別 DMP/GNSSジャイロ補正の有効/無効

DMP GNSSジャイロ
ベース x
ローバー x


その他

MBベースとMBローバーの更新レート・選択衛星は同じ値でなければなりません。

アンテナ等の設置

アンテナの設置

まずアンテナは、従来のRTK同様 周囲に電波を反射したり妨害するものがなるべくない状態にするのが基本です。それに加えて利用用途ごとに以下の注意が必要です。

MBベースとMBローバーを同じ移動体に固定の場合

MBベースに対してMBローバーはまっすぐ前方もしくは右に90°回転した方向のいずれかに設置します。また、パッチアンテナの場合同じサイズと形状のグランドプレーンを使用し、アンテナケーブルの取り出し口なども同じ方向に揃えます。

2つのアンテナ距離は25cm以上を確保します。長ければ長いほど方位精度が向上します。

MBベースとMBローバーの距離が変化するもの

こちらの場合は特に制限はありませんが、WiFi電波の届く範囲になります。アンテナケーブルの長さを利用してレシーバー本体を近づけるようにします。

レシーバーの設置 (2台構成の場合)

レシーバー間はWiFiにより通信を行います。レシーバー間に電波の障害物があると通信がうまく行えないか不安定になります。一方のレシーバからもう一方が直視可能な位置がベストです。

レシーバ設定

RWS.DCMではMBに関する設定は必要ありません。電源ONでMovingBaseが開始されています。デフォルトでは、アンテナ距離固定で、ローバー側を右側配置としています。

以下は2台構成の場合について説明します。

設定の前にDrogger-GPSはバージョン 2.4.83以上の最新に更新します。またRWSのファームウェアは1.1.16以上に更新します。

以下ではAndroid2台でDrogger-GPSにて、ベース・ローバーそれぞれで使用する前提で説明します。

尚、RTK基準局が有効になっているとMoving Baseの選択ができません。まず、RTK基準局はOFFにしておいてください。

MB Roverを構成する

MB RoverはRTK移動局と併用できません。MB Roverを選択するとRTK移動局はOFFになります。

  1. Drogger-GPS [設定]-[...メニュー]-[デフォルトに戻す]をタップします。
  2. [GNSS]で必要な衛星を選択し、[計測更新レート]で前述の最大更新レート以下のレートを選択します。
  3. [MB (Moving base)]をタップします。
  4. [役割]をタップし、[MB Rover]を選択します。
  5. [WiFi]チャンネルを選択します。(通常は5のままでOKですが、近くに同じチャンネルを使用しているWiFiがある場合は他のチャンネルを選択します)
  6. [BASEから見たアンテナ位置]を指定します。ジャイロを構成する場合は、固定タイプでなければなりません。

MB Baseを構成する

  1. Drogger-GPS [設定]-[...メニュー]-[デフォルトに戻す]をタップします。
  2. [GNSS]と[計測更新レート]をMB Roverと同じ設定にします。
  3. [MB (Moving base)]をタップします。
  4. [役割]をタップし、[MB Base]を選択します。
  5. [WiFi]チャンネルを選択します。チャンネルはMB Roverで設定した番号と同じにします。

MB BaseをRTK移動局にしたい場合は、RTK移動局としての設定を追加します。絶対位置が必要でなければRTK移動局でなくとも構いません。

DMPとGNSSジャイロ

DMPとGNSSジャイロはその目的がほぼ同じになります。GNSSジャイロを構成した場合、設定内のDMPに対するものがGNSSジャイロに適用されます。
但しこれは、MBベースでのみです。 具体的にはローパスフィルターコンパスオフセットロールオフセットピッチオフセットが有効です。

動作確認

ともに設定が済んだだら,2台とも電源を入れBluetooth接続します。まずはローバーから確認します。

ローバーの確認

メイン画面のDMP表示の上に Moving Baseの各項目が表示されているか確認します。また、RWSの右から2番目のLEDを確認します。

LEDの意味は以下の通りです。

順序 状態 LED
1 未実行(停止中) 消灯
2 初期化中 ゆっくり点滅
3 データ送信中 点灯
- 送信失敗 点滅

ベースとの通信が開始できるとLEDが点灯します。しばらくすると、 Moving Baseの各項目に値が表示されるようになります。

Fixモードに表示されるワードの意味は以下の通りです。

表示ワード 意味
MB Moving Baseモードです
POS 位置情報が有効です
HEAD 方位情報が有効です
FIX RTK FIX解です
FLOAT RTK FLOAT解です
通信状態の確認

通信状態はLEDを見ることで簡単に判断できます。点灯であれば問題ありません。距離がながくなったり不安定だと点滅になったりします。

ベースの確認

ローバーが正常なのを確認できたらベースを確認します。ベースの表示もローバーと同様です。ただし、ベースの場合ローバーとの通信できていない場合Moving Baseの項目は表示されません。(ローバーは通信の状態にかかわらずMoving Base項目が表示されます)

GNSSジャイロを構成した場合、DMP/MB Gyroビューでyaw roll pitchの値を確認できます。

補正の適用確認

今回のアプリリリースで新しく加わった機能で、GNSSジャイロやDMPコンパス・傾斜補正によって補正された値は緑で表示されるようになりました。

NMEAの出力

Moving Baseの画面で表示されている内容をNMEA $PDGRPで出力できます。設定はDrogger-GPSのNMEA出力で行えます。

出力される値は、MB Roverで計算されたBaseに対する相対位置と方位角など手を加えないそのままの値です。ただし、アンテナ配置が左右方向の場合に限り、方位角を左に90°回転させた値に置き換えて出力します。

$PDGRP, Delta North, Delta East, Delta Down, Distance, Heading, HeadingAccuracy, fixMode, stationID<*Checksum> (距離はcm 角度はDegree)

FixModeの詳細
FixModeはビットフラグになっていてビットごとの意味になります。

画面表示 意味
POS 4 位置情報が有効です
FLOAT 8 RTK FLOAT解です
FIX 16 RTK FIX解です
MB 32 Moving Baseモードです
HEAD 256 方位情報が有効です
NORMALIZED 512 相対位置(E N D)は距離を1mとした正規化された値です

staionIDの詳細
$PDGRPの出力はMovingBaseのものと、RTKの基準局-移動局の相対位置の2種類があります。MovingBaseのものはstaionIDが-1で出力されます。

Androidなしで動作させる

動作確認ができましたら、設定内容をレシーバーに保存することで、電源ONですぐに動作させることができます。ただ、MBベースをRTK移動局とする場合はNtripクライアントとしてAndroidが必要ですので、レシーバーに保存する意味はあまりありません。

  1. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバー起動設定]をタップします。

  2. [現在のレシーバー設定で起動]を選択し[OK]タップします。

尚、デフォルトの起動設定に戻したい場合は、手順3で[デフォルト設定で起動]をタップしてください。DG-PRO1RWSの出荷時設定に戻ります。

以降、電源を切って入れ直した際に、指定時の設定で動作します。

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*1:GNNSモジュールZED-F9Pの仕様書による

DG-PRO1RWS 内蔵WiFi +Ntrip サーバー

今回は、DG-PRO1RWSの内蔵WiFiとNtrip Serverについてです。 DG-PRO1RW+拡張モジュールも同じ機能です。以降両方ともDG-PRO1RWSとして表現します。

概要

WiFiモード

内蔵WiFiは、他のアクセスポイントに接続するStationalyモードで動作します。(親機 (アクセスポイント)ではありません)

対応する仕様は802.11 b/g/n 2.4Ghz帯で5Ghz帯には非対応です。

Ntripサーバー

レシーバーが生成した補正データを、WiFI親機があれば(Androidを経由せずに)直接キャスターにデータを送信できます。

従来は、基準局の運用にAndroidが必要でしたが、一度正しく設定すればDG-PRO1RWSの電源を入れるだけで基準局を開始できます。

尚、基準局にP2P通信でアクセスしたい場合は従来どおりAndroidが必要です。
レシーバーのNtripサーバーと同時にDrogger-GPSのP2P通信を同時に有効にできます。 併用すると、一方にトラブルがあってももう一方でアクセス可能になり冗長化できます。現場に行ってから「基準局データにアクセスできなくて困った」といった課題を緩和できます。

参考

Ntripサーバーは中継サーバー(Ntripキャスター)へデータを送信する機能です。 名前はサーバーですが移動局が直接アクセスして補正データを受け取れるという役割ではありません。移動局がデータを受け取るためにアクセスする先はNtripキャスターです。

Ntripサーバーをレシーバーで実行する

まず、従来通り 基準局の設定を行います。 つぎに、 WiFiの設定を行い レシーバのNtripを有効にします。

WiFiの設定

レシーバ内蔵WiFiを使うために、接続するWiFiの指定をします。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [WiFiアクセスポイント]をタップします。
  3. [WiFiアクセスポイントSSID]と[WiFiパスワード]を入力します。
  4. DHCPを使わずにレシーバのアドレスを固定にする場合は、[IPアドレスを自動的に取得する]をOFFにして、必要な項目を入力します。

レシーバのNtripを有効にする

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[レシーバのNtripを使う]をONにします。

これで、レシーバが直接Ntrip Casterと通信します。尚、レシーバのNtripでは簡易キャスターはサポートされていません。

あとは通常通りBluetoothを接続の[Start]をタップします。まずは動作を確認します。

P2P通信を併用する場合は、この時点ではまだ有効にしないでください。動作確認が済んでから有効にします。併用の場合NtripステータスはP2Pを優先して表示するためです。

動作確認

まず、レシーバー上のNtripサーバーが動作すると下図のようにNtripステータスのタイプに「Ntrip server on reciever」と表示されます。

すべて正常に動作することが確認できまししたら、必要に応じてP2P通信をONにします。

ステータス

ステータスは以下のように遷移します。また合わせてレシーバーのLEDランプの状態も示します。

順序 状態 ステータス表示 Nrip server LED
1 未実行 Not started 消灯
2 WiFi接続試行中 Wifi connecting 2Hz点滅
3 WiFi接続OK
Ntrip casterへ接続中
Connecting 1Hz点滅
4 データ送信中 Running 点灯
5 停止中 Closed 消灯
- 接続再試行の待機中 Wait for retry WiFi接続待機の場合は点滅
Ntrip caster接続待機の場合はゆっくり点滅

Drogger-GPSで表示されるNtripステータスの更新間隔は1秒です。レシーバーのLEDランプは即時変化します。

正常に運用が開始されましたら、たまにNtripサーバーLEDが点灯しているか見るだけで運用確認ができます。

Bluetoothの切断と監視モード

レシーバー上のNtripサーバーはBluetoothを切断してもそのまま動作し続けます。

再度Bluetoothを接続すると、レシーバー上のNtripサーバーの動作の有無を調べ、動作していれば監視モードとしてレシーバーの初期化をせずに監視だけが行われます。
Bluetooth接続状態で設定を変更した場合は監視モードを中止し、設定内容でレシーバーを動作させます。
Drogger-GPSが行うレシーバーに対する設定は揮発性でレシーバーの電源を切ると初期状態に戻ります。

但し、次項で説明する「レシーバーの起動設定変更する」を行うと初期状態ではなく設定した内容で起動されます。

通信などのエラー処理と自動回復

エラーは大きく2つに分けて処理されます。

  1. 設定のエラー
  2. 通信経路などのエラー

認証エラーなど明らかに設定の問題と思われる場合は再試行することなくClosedに移行します。 また同時に[Status]の下にエラーの概要が文字で表示されます。

一同うまく通信が開始されたあと、不通になった場合は自動で接続が再試行されます。再試行間隔は約10秒です。
たとえば、Ntripキャスターの運用側が一時的に運用を停止したとします。 送信エラーになったらそれまでのセッションは破棄します。その後、新しい接続を10秒おきに試行します。 運用が開始されれば自動で再接続されそのまま運用を継続します。

レシーバーの起動設定変更する

せっかくAndroidなしでNtripサーバーを動作できますので、電源を入れただけで基準局が開始できたら便利です。

  1. まず前述の設定を行いうまくNtripサーバーが動作していることを確認します。
  2. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバ] - [起動設定]をタップします。

  3. GNSSの[現在の設定で起動]を選択し[OK]タップします。

尚、デフォルトの起動設定に戻したい場合は、手順3で[デフォルト設定で起動]をタップしてください。DG-PRO1RWSの出荷時設定に戻ります。

以降、電源を切って入れ直した際に、指定時の設定で動作します。

安定運用

基準局は、安定した運用が大切になります。WiFiはできれば専用親機を用意しましょう。他の機器から大容量のデータが流れると通信が途絶えることがあります。PCでの大きなファイルの転送や動画閲覧などです。

2.4GHz専用のWiFi親機であれば3000円以下で購入可能です。

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Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/