ストロークセンサーの取り付け方*1を説明します。
しくみ
センサーは赤外線の発光部と受光部があって、光が対象物に当たって戻ってくる時間から距離を算出しています。
Droggerのセンサーで測定可能な範囲は 90mm~450mmです。
ストローク量は、サスペンションの伸びきり位置からどれだけ沈んでいるかという値ですが、Droggerではセンサーからタイヤやフェンダーなど車体を基準に動いているものまでの距離を測ります。
Droggerで測定した現在の距離をAとし、伸びきり時の距離をBとすると現在のストローク量は以下のように計算できます。
ストローク量 = B - A
グラフなどにすると、ストローク量は沈むと値が大きくなり、伸びると小さくなります。これは、ライダーの感覚(前が高いとか後ろが低い)と逆であるため、あえてストローク量とせずに、(Droggerでは)測定値そのものをグラフなどで表しています。
センサーの特性上、距離が近いほど精度が高くなります。最小90mmですので、10mmの余裕を見てフルボトム時に100mmとするのが最適な取付位置です。
センサーの位置と測定の対象物
距離を測定する対象物は、サスペンションのバネ下に付いているものです。具体的に、フロントはフェンダー(スタビライザー)かタイヤ、リアはスイングアームピボットを軸に車輪軸上が一番大きく動いていますので、リアフェンダー(スイングアームに付いているもの)やタイヤです。 センサーの位置はフロントは2つのフォーク中心線上で、リアはスイングアームピボットを軸としたリアアクスルの作動線上が適当な場所になります。その際に、サスペンションがフルボトムした状態でセンサーと対象物まで90mm以上の距離が必要です。
車種によっては、フロントはメータパネルやカウル、リアはセンター出しマフラーなどで簡単にセンサー位置から90mmの距離が取れないことがあります。この場合は、工夫した取り付けステーのデザインが必要です。
ステーのデザインは、サスペンションのバネを外しフルボトムさせた状態で行ってみてください。センサーは非常に軽いので軽量なステーなどで取り付けできます。
センサーの写真を見ていただくとわかりますが、発光部と受光部はセンサーケースの中央ではありません。取り付けの際は、発光部と受光部の中央が対象物の中央に来るようにしてください。対象がタイヤですとラウンドしているので、距離の変化が大きくなって、精度が落ちてしまいます。
NSR/NSF100での例
ここではNSR/NSF100の例をご紹介します。NSF100はSP用にシートレールをNSRと同じようにフラットにしたものです。
フロント
フロントは幅15mm 厚さ2mmのアルミ板をカットし、ステムのブレーキホースクランプのねじ穴を使って6mmボルトで固定しています。 ステーへのセンサーの固定は、両面テープとタイラップです。
このステーは簡単に作るために、センサー全面を貼り付けていません。斜めに半分ほど貼り付けています。
リア
リアも幅15mm 厚さ2mmのアルミ板をカットしています。シートレールに渡してタイラップで固定し中央にセンサーを貼り付けています。 この車両はリアフェンダーを対象物にしているため、シート固定アングルの前に取り付けています。フェンダーが短い場合は、シート固定アングルの後ろに付けてタイヤをターゲットにしてもOKです。
今回紹介したステーの図面を載せておきます。
センサーのフィッティング・ステーの製作等は、ウィンドジャマーズファクトリーさんで行っていただけます。Droggerも買えます。是非ご相談ください。
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*1:この記事は製品の紹介記事であって取扱説明書ではありません。ご使用の際は必ず取扱説明書をお読みください