今回は、タコメータ用信号の取り出し方についてです。 Droggerに Igrと書かれた2極コネクターがあります。これがタコ用信号のコネクターです。反対はコネクターがなく、車両に合わせて適切な場所に配線する必要があります。
接続方法をまとめた記事を作成しました。まずはこちらを優先してご覧ください。 drogger.hatenadiary.jp
タコ用信号の取り方でよくあるのは、イグニッションケーブルに細い線を巻き付ける方法です。ですがこの方法はノイズを放射するので採用していません。 点火ノイズは非常に高電圧でコンピュータに取って天敵のような存在です。
Droggerでは、少し手間がかかってしまいますが、取り付けによるノイズの放射がとても小さいピックアップコイル信号(パルサー)から取るようにしています。
それでは具体的な車種ごとの例を示します。
Index
- 注意
- HRC NSF100 NSF250R
- HONDA(HRC) NSRMini/50/80 NS50R (アナログCDI)
- YAMAHA CYGNUS-X (インジェクション車)
- YAMAHA YZF-R125
- その他
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注意
- ケーブルの接続はDroggerのハードウェアマニュアルに従って正しく行ってください。
- 写真のケーブルの赤線は灰色に変わりました。
HRC NSF100 NSF250R
タコメータコネクター有の場合
NSFには純正で電気式のタコメータが付いています。これ用のコネクターが付いている車両でしたら、ここから信号を取ります。 上の写真のコネクターでタコメータに接続されています。この青(+)と緑(-)線にDroggerの灰、黒線をそれぞれ接続します。コネクターにはもう1本 黒がありますがタコメータ用の12V電源です。この電源はDrogger本体ユニットの電源にできます。
車両タコメータ | IGケーブル |
---|---|
青 | 灰 |
緑 | 黒 |
青と緑の間には約14Vのデジタルパルス信号が1回転に1回出力されています。
タコメータコネクターなしの場合
CDIを取り換えた場合や、エイプやXRの電装を使用している場合は、タコメータ用のコネクターがありません。この場合は、パルスジェネレータからの信号を取ります。エンジンから出ている青/黄線とボディーアースをIGケーブルの灰、黒線にそれぞれ接続します。
パルサー | IGケーブル |
---|---|
青/黄 | 灰 |
ボディーアース | 黒 |
青/黄とボディーアースの間には約18V(ピーク)のパルス信号が1回転に1回出力されています。
HONDA(HRC) NSRMini/50/80 NS50R (アナログCDI)
NSR系はパルスジェネレータからの信号を取ります。エンジンから出ている青/黄線とボディーアースをIGケーブルの灰、黒線にそれぞれ接続します。
パルサー | IGケーブル |
---|---|
青/黄 | 灰 |
ボディーアース | 黒 |
青/黄とボディーアースの間には約20V(ピーク)のパルス信号が1回転に2回出力されています。アプリの設定にパルス数/回転という設定がありますので、それを2に設定します。
YAMAHA CYGNUS-X (インジェクション車)
シグナスXはACマグネトーからの信号を取ります。エンジンから出ている黒/青と白/赤線をIGケーブルの灰、黒線にそれぞれ接続します。 シグナスのFI車は細かな電子制御をするためでしょうか、1回転で11回のパルスを発生しています。アプリの設定にパルス数/回転という設定がありますので、それを11に設定します。
ACマグネトー | IGケーブル |
---|---|
黒/青 | 灰 |
白/赤 | 黒 |
YAMAHA YZF-R125
YZF-R125はシグナスXと同様にACマグネトーからの信号を取ります。エンジンから出ているハーネスに4極と2極コネクターが付いていますが、2極の赤と白線をIGケーブルの灰、黒線にそれぞれ接続します。 シグナス同様、1回転で11回のパルスを発生しています。アプリの設定にパルス数/回転という設定がありますので、それを11に設定します。
ACマグネトー2極 | IGケーブル |
---|---|
赤 | 灰 |
白 | 黒 |
写真ではわかりづらいのですが、シグナスXとほんとんど同じ波形です。
YZF-R125ではスロットルポジション信号も確認しました。センサーから出ている黄色線をDroggerの外部センサーケーブルの白に接続します。また、外部センサーケーブルの黒をボディーアースと接続し、DroggerのThrコネクターに接続します。
スロットルポジションセンサー | 外部センサーケーブル90 |
---|---|
黄 | 白 |
ボディーアース | 黒 |
スロットルポジションの校正はGROMと同様ですので以下の記事をご覧ください。
その他
その他の車種
ここでは代表的な車両について紹介しましたが、多くの場合ピックアップコイルからの信号で問題ないはずです。正しく接続してもタコメータが動作しない場合はまず正負を逆に接続してみてください。信号がマイナス電圧の場合はこれでうまく行きます。また、事前に1回転当たりのパルス数を調べておくと良いかと思います。
点火コイルの1次側から取る方法
ピックアップコイルの信号が微弱で動作しない場合、点火コイルの1次側から取る方法もあります。この場合は、IGケーブルの灰色側に47KΩ(1W)の抵抗を直列に入れます。ただし、CDI点火に限ります。今のところこれが必要な車種は経験していませんが、必要あればオプションのアダプターとして検討したいと思います。
レーシングカートや、特殊な点火系用に点火コイルの1次側から信号を取るためのアダプター(IGコイルプライマリーアダプター)が追加されました。 詳細はDroggerの構成をご覧ください。
タコメータ用 5Vデジタル信号
NSFのタコメータ用信号は12Vなので問題ありませんが、インジェクション車のECUなどから出ている5V信号の場合はそのままでは利用できません。別途電圧増幅する必要があります。 今のところこれが必要な車種は経験していませんが、必要あればオプションのアダプターとして検討したいと思います。
インジェクション車のECUからの5V信号パルスから信号を取るようになりました。 詳細はDroggerの構成と、以下の記事を参照してください。 drogger.hatenadiary.jp
Drogger詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/