今回はDroogerでのA/F 空燃比のロギングを具体的にご紹介します。 主にこれから計測したいかた向けです。
DroggerはA/Fを50Hzの高頻度で記録できます。スロットルポジションやスピード、回転数などその他の情報と合わせて判断することで理想的な燃調が出しやすくなります。
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必要なもの
A/Fセンサーユニット
センサーは、ほとんど場合Boschのワイドバンドでエキパイにボスを立てて取り付けます。似たものでO2センサーがありますが、これは酸素の有無のみ検出するもので、空燃比は計測できません。
ワイドバンドセンサーは、ヒーターによる余熱とそれをコントロールするユニットが必要です。 ほとんどのA/Fセンサーユニットはセンサーとコントロールユニットをセットにしたものです。
また、コントローラーはセンサーの出力を具体的な空燃比に変換するCPUと0-5Vのアナログ信号に変換する機能を有しています。
表示のためのメーターが有るものと無いものが有りますが、Droogerで表示できますのでメーターは不要です。
Droogerの対応するセンサーユニットはHRC・PLX・INNOVATE・DynoJet・AutoGauge・AEM製のものです。これらが出力する信号を空燃比値に変換する換算表を備えています。 (aRecerの2019年以降のものは仕様に関するメーカーから情報がないため使用できません)
これ以外のユニットでも換算表を頂ければ対応することが可能です。
12V電源
インジェクション車であれば通常バッテリーがあるので問題無いかと思います。キャブ車などでバッテリーが無い場合は別途用意する必要があります。
Drogger
Droggerが必要ですね。もし、お持ちでない方はhttps://www.bizstation.jp/ja/drogger/drogger_index.html
DroggerとA/Fセンサーユニットの接続には、オプションのSLE090 外部センサーケーブル90を使用します。
取付・接続
多くの場合インジェクション車で計測されることが多いかと思いますが今回はキャブ車 NSF100への取付例を紹介します。
インジェクション車への取付は以下も参照してください。
インジェクション車のスロットルポジションとA/F接続 - Beyond your wall with Drogger
A/Fユニットとセンサーの取り付け
まず、エキパイにセンサーボスを溶接してセンサーを取り付けます。センサーの位置や突き出し量はノウハウがあるようです。マフラー屋さんと相談いただければと思います。
A/Fユニットと必要であればバッテリーを取り付け、A/Fユニットの12V入力に接続します。
A/FユニットとDroggerの接続
ユニットのマニュアルにアナログ出力信号線または端子がありますので、まずそれを確認します。 前述のSLE090 外部センサーケーブル90を以下のように接続します。
線色 | A/Fユニットの接続先 |
---|---|
白 | アナログ出力 |
黒 | GND (アース) |
赤 | 使用しません・他に接触しないように絶縁処理 |
外部センサーケーブル90の反対側のコネクターはDroggerのA/FまたはThrに接続します。
Droggerの設定
- Doggerの[設定]-[入力]を開きます。
- 外部センサーケーブルを接続したポート(A/F or Thr)をタップします。
- 一覧から使用されるA/Fユニット名を選択します。
これですべての準備が完了です。あとはいつものようにDroggerを使用して走行するだけです。
シャーシダイナモでの計測とロギング
シャーシダイナモでの測定時はロギングのためにラップ開始と終了合図が必要です。プッシュスイッチとSLE090ケーブルで、手押しラップスイッチを作成できます。以下の図をご覧ください。
データの確認
A/Fセンサーは電源を入れてから温まって計測できるまでに少し時間がかかります。すぐには値が出ませんのでご注意ください。
メータ画面
アイドリングやスナップでのA/Fはメータ画面でリアルタイムで確認できます。キャブ車ではエアスクリューなどの調整で変化するのがわかります。
グラフと計測値
- ラップ一覧から、見たいラップを選択します。
- ... をタップし[A/F]を有効にします。
水色の線がA/Fです。 [123]をタップすると値も確認できます。
グラフの色 | データ |
---|---|
白 | 車速 |
緑 | エンジン回転数 |
水色 | A/F |
以下の図はメインジェットを 102・105・107.5の3種類を計測したものです。徐々に濃くなっているのがわかります。キャブ車なのでA/Fは不安定です。インジェクションはもっと滑らかなA/Fが記録されます。
インジェクション車の場合はスロットルポジションセンサーもありますので両方合わせて確認できます。
スロットルポジションセンサーが無い場合は、回転数の上りはじめや走行位置などでおおよそのスロットル開度を想定してセッティングを行います。
シャーシダイナモでのA/F
参考としてNSF100 SP仕様のマシンをシャーシダイナモで計測した際のA/Fとエンジン回転数のデータです。
Enjoy with Drogger!
Droggerの詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/