Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

Drogger RTKガイド

この記事はRWS・RZSシリーズ受信機をRTK(リアルタイムキネマティック)モードで動作させるためのマニュアルです。また、基準局を自分で構築する方法も記します。

基礎知識

RTKとは

RTKとはリアルタイムキネマティックという用語の略で、移動するGNSS受信機「移動局」と、事前に位置の分っているGNSS受信機「基準局」の2つの観測データを使って、高い精度の測位をリアルタイムで行います。

RTKイメージ

RTKに対応して一つのレシーバーだけで測位する従来からの方法を単独測位と呼び区別したりします。

RTK測位を行うには、上の図に登場するアイテムが必要になりますが一つづつ解説します。

基準局

RTK測位をするには基準局が必要です。基準局は、事前に測量された自身のアンテナ位置とGNSSでの観測データを連続的に送信します。観測データはRTCM3と呼ばれる形式でフォーマットされます。

基準局を得るには主に4つの方法があります。

  1. 自分(自社、仲間と共同で)で作る(以降 マイ基準局と呼びます)
  2. 有料のデータサービスを利用する*1
  3. 当社の仮想基準局 VRSCを使う
  4. 無償(善意)で公開されているデータを利用する

それぞれの特徴は以下の通りです。

方法 コスト 接続安定性 絶対精度 備考
自前 一度準備してしまえば安定して安価です。RWS/RZS受信機で基準局が作れます。また、Drogger Processorで基準局位置のstatic測量を行えば高精度な基準局を構築できます。
有料 月額数万円といった費用がかかりますが国土地理院のデータで絶対位置の信頼性があります。
VRSC アンテナ位置の測量が必要なく電源をいれるだけで使える。精度は水平±6cm、衛星数に制限があるため障害にあまり強くない。ミスFixなど注意が必要なことがある。
無償(善意) ? 安定した供給に努力されているものからフリーの実験用などもあり安定稼働かどうかは基準局ごとに異なります。

自前、および善意の基準局の絶対精度は、基準局のアンテナ位置をどれだけ正確に測量したかによります。移動局の利用目的に応じた精度を確保します。

基準局と移動局の距離

基準局は出来るだけ近くにあるものがよく、できれば10Km以内が望ましいとされています。遠くなればなるほど精度が落ちるのと、RTKで位置が確定できなくなります。善意で公開されている基準局が近くにあればよいのですが無い場合は別の方法を選ばないとなりません。

VRSCは、移動局とともに使用しますので 基準局と移動局は1km未満です。日本国内どこでも使用可能です。

RTK-GNSSレシーバと通信端末

このガイドでは自前の基準局と移動局はRWS・RZS受信機 + Android端末 + Drogger-GPSの組み合わせを前提として解説します。 尚、RWS・RZSの基準局のNtripサーバーはAndroid端末なしでも運用可能です。

通信手段

基準局のデータを移動局で受け取るための通信手段が必要です。

補正データを配信する一般的な手続きはNtripと呼ばれクライアントサーバーキャスターという3つの役割で構成されます。

Drogger-GPSは上記3つの役割に加え独自のP2P通信(ピアツーピア通信)をサポートします。*2

名称機能
サーバー基準局の作成した補正データを中継サーバー(キャスター)に送信します。
キャスター補正データを受け取りクライアントの要求に応じて移動局にデータを送信します。キャスター1台で複数の基準局と移動局を処理できます。複数の基準局を区別するために、マウントポイントという名前の識別子でデータを区別します。また、VRS(仮想基準点)サービス機能のあるキャスターはクライアントから送られた位置情報に応じて補正データを生成し送信します。
クライアントキャスターにアクセスしてデータを連続的に取得します。
P2PDrogger-GPSの基準局と移動局同士で共通の識別子を使って直接通信します。識別子は他者と競合しないように自身の良く使うメールアドレスを入力します。

マイ基準局へアクセスする方法

自宅や会社、そのほか出先などに基準局を作ることは比較的容易です。移動局がその基準局のデータを受信するために、2つの方法が用意されています。

Drogger Ntrip Caster
ビズステーション株式会社で運用するNtrip Casterです。インターネット接続可能なWiFiがあれば無料で利用可能です。複数の移動局で基準局を利用できます。

接続は、RWS・RZSからNtrip Casterへダイレクトにする方法と、Drogger-GPSを経由して行う方法どちらでも可能です。

Drogger Ntrip Caster

Drogger-GPSのP2P通信
Drogger-GPSでは、ファイアーウォールを通過できるP2P通信をサポートしています。基準局と移動局ともにDrogger-GPSであればWi-Fi、モバイル通信に関係なく通信することができる画期的な通信方法です。但し、複数の移動局での使用はできません。1つ基準局に対し1つの移動局のみ通信できます。*3

P2Pで通信

Drogger Ntrip Casterは安定運用に極力努めておりますが、不慮のトラブルなどがあった際にP2P通信は回避手段としても利用いただけます。

データ量

インターネットを介した通信の場合、通信量が気になるかと思います。基準局が捕捉している衛星の数にもよりますが、概ね 1kバイト/秒位です。1時間で3.6MB、一日で86.4MB、1ヶ月で2.6GB位の量になります。現場などで移動局を使う場合、一日8時間とすると1ヶ月で893MBでです。移動局用のSIMはその目的だけなら1Gバイトのデータプランで十分足りるかと思います。

アンテナの設置

金属屋根に設置した基準局アンテナ

自前で基準局を作る場合は、アンテナは出来るだけ高い位置で周囲に障害物のない開けた場所にします。また、直径10cm以上の金属板をアンテナの下に置きます。この金属板をグランドプレーンと呼びます。グランドプレーンは地面から反射した電波を遮断しより精度を高めることができます。

特に基準局では、周囲360°、最低でも仰角15°以上には何もない場所への設置が必要です。基準局は自分のアンテナ位置に基づいた補正データを生成します。補正データ自体にマルチパスなどの障害を含んでいたらそのデータを利用する移動局が正しく安定して測位することは困難です。

グランドプレーン例

受信感度の良さはアンテナの設置場所とグランドプレーンにかかっています。ここはとても重要です。また、当然ですが、風雨に耐えるように頑強に固定します。アンテナケーブルも風で揺れて断線や破損などしないように固定と保護を確実にするようにします。

移動局の場合も、可能な限り高い位置でグランドプレーンを確保してください。自動車の場合、アンテナは室内ではなく必ず屋根に設置します。自動車の屋根が金属であればそれがグランドプレーンの役割を果たしてくれます。

尚、測量の場合は、三脚と整準台を使って既知点上に設置することもあります。この場合、基準局座標は成果値使用しますので、アンテナ位置の測量は不要です。

RTKの状態

RTKの位置確定は、複数の衛星から受信アンテナまでの電波の波の数を特定し距離を正確に確定します。この値をFix解と呼びます。対して、Fix解が得られない状態をFloat解と呼びます。Float解の精度は不定です。

Fix解を得るには、条件があります。移動局が以下のような場所はFIX解は得られないか時間を要します。

  • トンネルや地下
  • 橋や高架橋の下
  • 建物の中や屋根の下、外壁際
  • 森林など樹木の下
  • 渓谷やビル街など周囲に高い壁がある場所
  • その他、周囲の環境などの影響で十分な強度で衛星の電波を受信できない場所
  • 基準局から数十キロ以上離れた場所
  • 極端に地面に近い場所

また、以下のような基準局でもFix解は得られません。

  • 受信状態のよくない基準局
  • 既知の位置が実際のアンテナの位置とかなりズレた基準局

移動局として使う

まず、DG-PRO1RWを説明書に従ってDrogger-GPSで利用できるように設定してあることが前提です。

移動局がアクセスするキャスターの指定

補正データをNtripキャスターから受信する場合は、移動局用のキャスターホストを設定します。P2Pで通信する場合はこの設定は不要です。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[移動局]をONにします。
  3. [移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. [Ntrip Casterタイプ]でお使いのキャスターのタイプを指定します。*4
  5. [ホスト] [ポート番号] [マウントポイント] [ユーザー名] [パスワード][基準局の座標と機能]を入力します。グレーアウトしている項目は入力不要です。
  6. 必要に応じて|位置の送信(GGA]を指定します。位置の送信は全国規模でのサービスをしている業者との接続に必要です。My基準局などでは不要です。VRS方式の場合は、[送信する位置]で仮想点の位置を指定できます。
元期 移動局位置補正あり とは
地殻変動補正において、基準局位置での補正量と、移動局位置での補正量は異なります。
VRSなどサービスは、移動局位置をGGAで受け取って、移動局位置での地殻変動補正を行っています。これが「元期-移動局補正あり」です。
対して、My基準局などでは、移動局位置での補正を行う仕組みは持っていないため単に「元期」です。
Drogger-GPSではこの基準局情報を元に地殻変動補正を 行わない / 基準局位置と移動局位置の補正量の差分のみ適用 / 移動局位置の補正量を適用 の3つから適用方法を確定します。

ヒント
* マウントポイントは取得したい基準局を区別する識別子です。間違いがあると正しく通信できません。
* すべての情報で全角文字は使用できません。必ず半角文字を入力してください。
* 10秒間隔で位置を送信することは、相手先に移動の軌跡(行動履歴)を提供することになります。問題が有る場合は選択しないでください。

移動局でP2P通信を使用する

基準局をP2Pで運用している場合は移動局もP2Pの設定を行います。上記の「移動局がアクセスするキャスターの指定」に替えて以下の設定を行います。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[移動局]をONにします。
  3. [移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. [P2Pで通信]をONにし、[P2P識別子]に基準局で指定したメールアドレスを入力します。

VRS仮想点の指定

この項目は、ジェノバ、日本GPSデータサービス、日本テラサットのいずれかのデータサービス会社を利用する際のみの設定です。

  1. [|現在地(GGA)の送信]が[10秒間隔で]に設定されているか確認します。
  2. VRS(仮想基準点方式)の仮想点を既知点などにしたい場合は、[指定した位置を送信する]をONにし、[送信する位置]の緯度、経度、楕円体高を指定します。

移動局を開始する

  1. 設定を終了し[Start]をタップします。

データの受信状況を確認する

  1. メイン画面の[Ntrip status]をONにします。
  2. Statusに表示された内容を確認します。

緑色でRunningと出ていれば通信中です。RTCM3欄に受信したメッセージ番号と、受信レート(受信間隔(秒))がかっこ内に表示されます。3秒以上通信が途絶えるとRunningの文字が黄色になります。

現在の位置精度を確認する

RTKがFIXしているかは、Nvigationの一番下のFix Modeを見ます。

意味
No Fix 位置は未確定です
2D 水平位置のみ確定
3D 水平・垂直ともに位置確定
3D DGNSS 水平・垂直ともに位置確定 + ディファレンシャルGNSS補強測位中
3D DGNSS FLOAT 水平・垂直ともに位置確定 + ディファレンシャルGNSS補強測位中 + RTK Float解
3D DGNSS FIXED 水平・垂直ともに位置確定 + ディファレンシャルGNSS補強測位中 + RTK FIX解

基準局として使う

まず、DG-PRO1RWを説明書に従ってDrogger-GPSで利用できるように設定してあることが前提です。

基準局が補正データを送るキャスターの指定

補正データをNtripキャスターへ送信する場合は、 基準局用のキャスターホストを設定します。P2Pで通信する場合はこの設定は不要です。

すべての情報で全角文字は使用できません。必ず半角文字を入力してください。都市名は近郊の都市名をアルファベットで入力します。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  3. [RTK]-[基準局]を[ON]にします。
  4. [基準局用キャスターホスト]をタップします。
  5. Drogger Ntrip Casterを使う場合は、Drogger Ntrip Casterを使う]を[ON]にします。
  6. [ホスト] [ポート番号] [マウントポイント] [都市名] [パスワード]を入力します。グレーアウトしている項目は入力不要です。

簡易Ntrip Casterとして使用する

基準局用キャスターの指定で[ホスト]に 0.0.0.0 を指定すると基準局端末そのものが簡易キャスターになります。Ntripクライアントはこの端末のIPアドレスを指定して直接補正データを受信できます。 (端末のIPアドレスはNtrip statusに表示されています。Ntripクライアントと通信するにはファイアーウォールなどの障害が無い場合に限ります)

基準局でP2P通信を使用する

Ntripキャスターを使用せず、P2Pで移動局と通信したい場合は、上記の「基準局が補正データを送るキャスターの指定」に替えて以下の設定を行います。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  3. [RTK]-[基準局]を[ON]にします。
  4. [P2Pで通信]をONにし、[P2P識別子]によく使うメールアドレスを入力します。このアドレスは移動局での識別子にも必ず同じものを使用します。

基準局のアンテナ位置を指定する

基準局のアンテナ位置の指定は主に3つの方法があります。

  1. 単独測位にて自己計測する。(絶対位置でセンチメートルを求める用途には向きません。)
  2. 他の基準局を使用しRTK測位にて自己計測する。
  3. スタティック測量などで測量した結果を入力する。

RTKは相対測位です。移動局の位置は、基準局のアンテナ位置に対する相対位置です。 RTKでの測位結果に絶対位置精度を求める場合は、設定する基準局のアンテナ位置にも絶対精度が求められます

さらに、絶対位置にも種類があります。今期座標と元期座標を理解しどちらを使うのかを明確にしてください。一般的に日本では元期座標を使用します。

主な座標系

項目 座標
単独測位 今期
サーベイン 今期
電子基準点を使用した後処理によるスタティック測位 今期
VRSC 今期
CLAS 今期
RTK測位 基準局のアンテナ位置指定で使用した座標
各社補正ータサービス 元期
街角基準点 元期

1.単独測位にて自己計測する(サーベイイン)

単独測位にて自己計測することをサーベイインと呼んでいます。サーベイインは自己計測するとともに基準を満たすと自動で基準局に昇格します。*5

  1. DG-PRO1RWの電源を入れ測位を開始させます。
  2. ギアマーク[設定]をタップします。
  3. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  4. [RTK]-[基準局]をONにします。
  5. [基準局アンテナ位置]をタップします。
  6. [自己計測] をONにし、[最小計測時間(sec)]と[位置精度上限(cm)]を入力します。
  7. 設定を終了します。
  8. [Start]をタップします。 (できれば手順 1の測位開始から5分以上経過してから行ってください)

最低でも最小計測時間測位を行い、平均位置精度が位置精度以下であれば自動で基準局に切り替わります。平均位置精度が悪い場合は値が下がるまで計測を持続します。

サーベイインの状態はメイン画面に表示されます。

サーベイインが完了し、基準局になるとFix ModeはTime Onlyに変ります。また、Ntrip statusに通信状況が表示されます。 基準局になった際の通信手段は[設定]-[RTK]で指定した内容になります。

2.RTK測位にて自己計測する

近くに基準局がある場合は、それを使って自身のアンテナ位置を正確に計測することができます。

前記、移動局として使うに従って移動局としてRTK測位を開始します。

  1. 測位がFIXしたらマップの任意の点をタップします。計測の現在位置にマーカーが表示されマップ下に[基準局に]ボタンが表示されます。
  2. 基準局になった際にP2Pでデータを送信したい場合は[P2P]にチェックを入れます。入れない場合は基準局用キャスターの設定に従ってデータがホストされます。
  3. [基準局に]をタップします。 RTKにて計測されたポイント(マーカー位置)が、[設定]-[RTK]-[基準局アンテナ位置]の直接指定に保存されます。また、同時に基準局として動作を開始します。通信手段は[設定]-[RTK]で指定した内容になります。

マップを使ってポイントを任意の位置にすることもできます。

  1. マップにマーカーが表示された状態でマップ下部の[Track]チェックボックスをOFFにします。
  2. 任意の位置をタップすると、マーカーが移動します。
  3. マップを長押しすると、縦横のスライダーが表示されます。スライダーの移動でマーカー位置を微調整できます。微調整が完了したら画面左上の完了チェックをタップします。

尚、この見出しでは「RTK測位にて...」として記しましたが、単独測位であっても同様に基準局の位置を指定できます。

3.基準局座標を測量した結果にする

上記とは別の方法で基準局アンテナ位置を測量した結果を直接入力することができます。Drogger Processorで基準局アンテナ位置のstatic測量を行うことができます。測量方法はDrogger processor ユーザーズガイドをご覧ください。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[基準局]-[基準局アンテナ位置]をタップし、[自己計測]をOFFにします。
  3. [緯度][経度][高度(楕円体)]を入力します。または事前に作成したWaypointを[Waypointから選択...]で指定します。

ヒント
* 基準局の座標指定は、WayPointで行うと60進法や平面直角座標でも指定できます。

動作状況を確認する

基準局のアンテナ位置はマップ上にマーカーが表示されます。NavigationのFix Modeは「Time only」と表示されます。

この画面で示す緯度・経度・楕円体高はレシーバからの報告値です。但し、この値はメッセージの都合上小数点8桁以下が丸められています*6。楕円体高については小数点3桁以下が丸められています。

RTCM3 補正データは以下のように確認します。

  1. メイン画面の[Ntrip status]をONにします。
  2. Statusに表示された内容を確認します。


Runningと出ていれば通信中です。RTCM3欄に受信したメッセージ番号と、実測送信レート(受信間隔(秒))がかっこ内に表示されます。

データの送信レートは、基準局位置情報1005は10秒に1回それ以外は1秒に1回です。

基準局を継続的に運用する(RWSの内蔵Ntripサーバーは除く)

基準局を長期間継続的に運用する場合においていくつかポイントがあります。尚、RWSの内蔵Ntripサーバーの安定運用については関連記事をご覧ください。

★ Bluetoothの自動再接続を10秒に設定する
AndroidアプリやサービスはOSによって強制的に終了させられることがあります。しかし、Drogger-GPSのサービスは再起動し自動回復します。この回復と合わせて自動再接続を有効にしておくことで、Bluetoothも再接続されすべての機能が回復します。移動局側で受信したデータの有効時間はおよそ60秒ありますので、強制的に終了させられてもほとんど問題は起きません。

★ ディスプレイはOFFに
Droger-GPSは画面がOFFでもバックグラウンドで動作します。画面をOFFにしたり非表示状態になると、衛星受信情報などのRTKの機能に不要なメッセージ通信を停止します。それにより、CPUや通信負荷、消費電力が削減されます。端末の処理能力が低い場合は、動作の安定性も向上する事があります。

★ WiFiは802.11ac 5Ghz帯を使用する
WiFiで2.4Ghzを使用するとBluetoothと同じ周波数帯のため、端末のチップによっては処理に遅延や停滞を起こすことがあります。できれば802.11ac 5Ghz帯に対応した端末とWiFi親機を使用し通信も5Ghz帯を使用してください。無用な競合を避け安定した運用ができます。

★ DG-PRO1RWの電源はUSB充電器を使う
電源がモバイルバッテリーなどですと長期間継続的に運用はできませんので、USB充電器を使用し連続して使用できるようにします。

★ 端末はなるべく新しいモデルを使用する
端末が古い場合どうしてもAndroid OSも古いものになります。安定した継続的運用には、より新しいOSの使用が望ましいものです。尚、FireOSはアプリの実行ができても、バックグラウンドサービスとしての機能をOSが正しくサポートしておりませんので継続的な運用はできません。

レシーバ内蔵WiFiとレシーバのNtripを使う

これまでは、移動局、基準局ともにDrogger-GPSのNtripを使う方法を説明しました。RWSでは内蔵WiFiとレシーバのNtripを使うことができます。特に基準局でそれを使うとAndroidなしでの連続運用が可能です。
尚、P2PはAndroidでのみサポートされます。

WiFiの設定

レシーバ内蔵WiFiを使うために、接続するWiFiの指定をします。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [WiFiアクセスポイント]をタップします。
  3. [WiFiアクセスポイントSSID]と[WiFiパスワード]を入力します。
  4. DHCPを使わずにレシーバのアドレスを固定にする場合は、[IPアドレスを自動的に取得する]をOFFにして、必要な項目を入力します。

レシーバのNtripを有効にする

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[レシーバのNtripを使う]をONにします。

これで、移動局、基準局ともにレシーバが直接Ntrip Casterと通信します。尚、レシーバのNtripでは簡易キャスターはサポートされていません。

基準局に関するより詳しい内容は、内蔵WiFi +Ntrip サーバーをご覧ください。

その他の情報

レシーバのRAWデータを取得する

国土地理院の電子基準点の観測データを使ってstatic測量などを行う際にレシーバのRAWデータが必要になります。Drogger-GPSで直接static測量を行うことはできませんが、それに必要なRAWデータをログに記録できます。RAWデータはubx形式で記録されます。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  3. 設定を終了します。
  4. [Start]をタップします。
  5. 接続できたら[Logging control][Raw]の▶をタップします。

static測量は通常1Hzで行いますのでRAWデータ出力時は更新レートを1Hzにします。

メイン画面の[...][ログ一覧]で 名前の末尾がubxのものがRAWデータです。


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*1:有料のデータサービスは、国土地理院の電子基準点のリアルタイムデータが数社から配信されています

*2:キャスターは1クライアントのみ接続可能な簡易キャスターです。

*3:P2P通信は100%保証されるものではありません。特殊なファイアーウォールなどの場合通信できない場合もあります。

*4:この選択は以降の入力を少しでも減らすためし補助するための選択です。[その他]を選択するとすべての項目の入力が可能です。

*5:サーベイインで自己計測したアンテナ位置の精度はセンチメートル級の絶対位置精度は有しません。絶対位置精度を求める場合は他の指定方法にて行ってください

*6:表示上の都合のみで精度には影響しません