今回は、KDDI 高精度位置測位サービスを基準局として使用する方法を紹介します。
概要
KDDIさんは携帯電話キャリアのGNSSサービスとしては後発ですが、他社とは異なり唯一VRSが使えるサービスです。
ネットワーク型RTK法の基準点測量なども行うことができます。
設定
KDDI 高精度位置測位サービスを申し込むと以下のような【接続情報】が送られてきます。
| 項目 | 例 | Drogger-GPSの設定名 |
|---|---|---|
| アドレス | xxxx.kddi.ne.jp | ホスト |
| ポートNo | 2101 | ポート |
| マウントポイント | KDJVR | マウントポイント |
| ID | xxxxx | ユーザー名 |
| PW | 1234 | パスワード |
この情報に基づいて、RWS/RZSシリーズ + Drogger-GPS で移動局として使用する設定行います。
- Drogger-GPSの設定を開きます。
- 右上の[...メニュー]-デフォルトに戻すをタップします。
- GNSS(衛星測位システム)をタップし QZSS GLONASS Galileo を有効にし、一つ戻ります。
- RTKをタップし移動局を有効にして移動局用キャスターホストをタップします。
- Ntrip CasterタイプでJenoba/KDDIを選択します。
- KDDIサービスより送られた来た情報をもとにホスト ポート番号 マウントポイント ユーザー名 パスワード を正しく入力します。
以上で設定は終了です。
野外にてアンテナを接続し、受信機の電源を入れ[Start]をタップします。
以下の画像は実際にKDDI 高精度位置測位サービスを使用した時のものです。

数秒でFIXしています。とても簡単にVRSを使うことができました。
仮想点位置の指定
基準点測量の場合は仮想点位置の指定を行いますのでそれを確認してみます。
まず、適当な位置の仮想点でFIXさせてWaypointを取ります。このWaypointの位置を仮想点にしてみます。
- Drogger-GPSの設定を開きます。
- RTK -> 移動局用キャスターホスト -> 指定した位置を送信するをONにします。
- Waypointから選択...で事前に取ったWaypointを選択します。
これで、さきほど取ったWaypointの位置に仮想点が生成されます。
今回は、最初に取ったWaypointの位置から移動せずに基準局(仮想点)の位置と移動局の位置が同じになるようにしました。これによりベースライン(基線長)はほぼゼロになります。
Drogger-GPSのBase lineで確認すると下図のように 数ミリの距離となりました。
思った通りに仮想点が生成できていることが分かります。

携帯電話キャリアのサービスでVRSが使えるのは、新しい選択肢かと思います。 また、VRSに加えて他社にはないPPP-RTK方式の取り扱いもありユニークなサービスかと思います。
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