Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

Drogger VRSC ユーザーズガイド

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この記事はDrogger VRSCのユーザズガイドです。

はじめに

VRSCはWiFiアクセスポイントBluetoothを備えています。仮想基準局として使用する場合はWiFiアクセスポイントのみ使用します。

VSRCを仮想基準局として使う

VRSCの設定は一切必要ありません。取扱説明書に従い、アンテナと電源を接続しオープンスカイな場所に設置します。

事前の準備としてアプリとファームウェアをVRSCに対応したものに更新します。

  1. Drogger-GPSのアプリを2.5.145以降更新します。
  2. DG-PRO1RWSまたはRWPのファームウェアを1.5.42以降更新します。

DG-PRO1RW(S)またはRWPでVRSCに接続する

Drogger-GPアプリf:id:bizstation:20190124122332p:plain:w48にてVSRCにアクセスするよう設定します。

もし、レシーバの起動設定が有効な場合は、起動設定をデフォルトに戻してから、以下の手順を行ってください。

  1. [設定] ...メニュをタップし、[デフォルトに戻す]をタップします。
  2. [ RTK]-[移動局]をONにします。
  3. [移動局用キャスターホスト]-[Drogger-VRSCを使う]をONにします。
    https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/vrsc_settings_small.png

  4. 設定を終了し、[Start]をタップします。

この後、WiFi接続を待つスクリーンが表示され、接続できると通常の画面に戻ります。
f:id:bizstation:20210221184728p:plain:w300
RTCM生成されRTKが開始されるまでには最大1分かかります。

Moving BaseでVRSCを使う

Moving Baseでお使いの場合は、最初にMoving Baseとして正しく動作するように設定してください。次に、MB Baseで以下の追加の設定をします。

  1. [Drogger-VRSCを使う]をONにします。
  2. [レシーバーのNripを使う]をOFFにします。

「Drogger-VRSCを使う」で設定される内容

「Drogger-VRSCを使う」をONにすると以下が自動で設定されます。

  1. 「移動局用キャスターホスト」を ntrip://192.168.4.1:2101/VRSC にします。ユーザー名とパスワードは空です。
  2. 「WiFiアクセスポイント」の「SSID」をVRSCに、「パスワード」を12345678に設定します。*1
  3. WiFiを備えたレシーバの場合は「レシーバーのNripを使う」をONにします。
  4. アプリ内部でVRSCを使うとマーキングし、Ntrip ClientがVRSCに必要なメッセージを送信するようにします。

レシーバWiFiのないモデルやWiFiを使用できない場合

旧モデルのDG-PRO1RWや、MB(Moving Base)として使用する場合は、レシーバのWiFiが使用できません。その場合はAndroid端末のWiFiを使用してVRSCに接続します。

Drogger-GPSは自動的に端末WiFIの接続先をVRSCに切り替えます。

Android 10以上の場合

Android10以上で接続を開始すると以下のダイアログが表示されます。

f:id:bizstation:20210221193349p:plain:w300


続いて

f:id:bizstation:20210221193421p:plain:w300


ここで[接続]タップするとVRSCに接続されます。

Android 9以下の場合

Android 9以下では特にダイアログは表示されませんが、少しすると、通知に以下の内容が表示されることがあります。
f:id:bizstation:20210221193941p:plain
このダイアあログは必ず「はい」を選択してください。いいえを選択するとVRSCへの接続を維持できません。

動作の確認

VRSCの動作状態はLEDにて確認できます。

オレンジLEDと隣のLEDの両方が点灯であれば正常動作中です。 接続してから約1分ほどで両方が点灯状態になります。

オレンジLED (L6D受信とRTCMの状態)

状態 意味
消灯 L6受信なし
点滅 受信中
間欠点滅 受信中 RTCM生成準備中
点灯 受信中 RTCM生成中
2Hz点滅 受信中 データエラー

WiFi LED (オレンジの隣)

状態 意味
消灯 WiFiなし
点滅 WiFi接続中 TCP接続なし
間欠点滅 WiFi接続中 データ受信なし
点灯 WiFi接続中 動作中

また、Drogger-GPSのNtripステータスでも確認できます。 正常にRTCMが受信できると以下のように表示されます。
f:id:bizstation:20210222102541p:plain:w300

WiFiトラブルシューティング

VRSCを使う上で特別なことはVRSCがWiFiアクセスポイントであることです。それ以外は特に特別なことはありません。

WiFi接続がうまく行かない場合は、

  1. Drogger-GPSのNtripステータスでNtrip接続を停止してから再度開始します。
  2. それでうまく行かない場合は、VRSCとレシーバの電源を一度切って再度入れ10秒ほど待ってから接続してください。
  3. AndroidのWiFIを使う場合、WiFI機器スキャンの間隔と時間が制限されることがあります。WiFIをOFFにしてから再度ONにすると良い場合があります。また、端末の再起動も有効です。

WiFiアクセスポイントのSSIDとパスワードを変更する

SSIDは「VRSC」の後ろに4文字までの文字を追加できます。パスワードは任意に変更できます。

変更にはAndroid端末とVRSCアプリのインストールが必要です。

尚、変更された場合はVRSCを使う際に、Drogger-GPSで「Drogger-VRSCを使う」の設定とともに、[WiFiアクセスポイント]の[SSID]と[パスワード]も変更後の値に手動で変更する必要があります。

f:id:bizstation:20210222104224p:plain:w48 VRSCアプリのインストール

  1. Android端末にて、Playストアを開きます。
  2. 上部の検索窓に「Drogger VRSC」と入力し検索します。
  3. Drogger VRSCを選択し[インストール]をタップします。

VRSCのペアリング

VRSCの電源を入れます。このあと、DG-PRO1RWSなどからWiFi接続は行わないでください。これから使用するBluetoothとWiFiの同時使用に制限があるためです。

  1. AndroidのBluetooth設定にて[新しいデバイスとペア設定する]をタップしVRSCのペアリングを行います。VRSCは「VRSC」と表示されます。

SSIDとパスワードの変更

  1. VRSCアプリを起動します。
  2. [START]ボタンの横に「VRSC」と表示されていることを確認します。「None」と出ていたらペアリングがうまくできていません。ペアリングを確認してください。
  3. [START]をタップします。接続できると、VRSCの文字の左にグリーンのランプf:id:bizstation:20191018103757p:plainが表示されます。
  4. [VRSC上のWiFiアクセスポイント]の項目の右側の矢印アイコンをタップします。
  5. [SSID Suffix for AP]に追加する文字列を[Password for AP]に新しいパスワードを入力します。
  6. 元の画面に戻ります。

これでVRSC本体に設定がされました。VRSCを再起動すると設定が有効になります。

尚、Bluetoothのデバイス名もSSIDと同じ名前に変更されます。

VSRCのファームウェアを更新する

ビズステーションでは必要に応じてVRSCファームウェアの更新を提供します。

ファームウェアは以下の手順で更新できます。

  1. VRSCアプリを起動します。
  2. [START]ボタンの横に「VRSC」と表示されていることを確認します。「None」と出ていたらペアリングがうまくできていません。ペアリングを確認してください。
  3. [START]をタップします。接続できると、VRSCの文字の左にグリーンのランプf:id:bizstation:20191018103757p:plainが表示されます。
  4. [VRSC Firmware]の項目の右側の矢印アイコンをタップします。現在のファームウェアのバージョンと、新しいファームウェアのバージジョンが表示されます。*2
  5. [START]をタップします。

更新には数分かかります。正常に更新できると、Bluetoothが切断され、VRSCが再起動されます。再度Bluetooth接続し、Firmwareバージョンを確認します。


これ以降のドキュメントは、プログラマ・研究者向けの情報です。VRSCを仮想基準局として利用される方は読み飛ばしてください。


L6D/EのRAWデータを取得する

L6D/EのRAWデータの取得をすることができます。RAWデータはCLASやMADOCAのデータを解析して測位に使うためのものです。

フリーの解析ツールなどはほとんどありませので、プログラマや研究者など解析知識がないと利用できません。

RAWデータはリアルタイム通信でVRSC内にログは残りません。出力方法は以下の2種類です。*3

  1. 指定したTCP Serverへ送信 (VRSCはTCP Client)
  2. Bluetooth SPP通信

尚、出力先は上記2つのいずれか一方で両方同時に行うことはできません。

指定したTCP Serverへ送信する

TCP Serverへデータを送信する場合、VRSCはWiFIアクセスポイントではなくWiFiステーション(子機)として動作し、TCP Clientが動作します。

  1. VRSCアプリを起動します。
  2. [START]ボタンの横に「VRSC」と表示されていることを確認します。「None」と出ていたらペアリングがうまくできていません。ペアリングを確認してください。
  3. [START]をタップします。接続できると、VRSCの文字の左にグリーンのランプf:id:bizstation:20191018103757p:plainが表示されます。
  4. [Advanced setteings...]をタップします。
  5. [受信チャンネル]の項目の右側の矢印アイコンをタップします。
  6. [L6D decoding and ...]をOFFにし、元の画面に戻ります。
  7. [Row data output]の項目の右側の矢印アイコンをタップします。
  8. [Tcp client]をタップし、L6DあたはL6Eの出力したメッセージを選択します。
  9. TCP Serverにアクセス可能なWiFiの[SSID]とパスワードを入力します。
  10. TCP Serverの[ホスト]と[ポート番号]を入力し、元の画面に戻ります。

これで設定は完了です。

これらの設定はVRSC本体に保存されます。電源を切って再度入れると、設定が有効になります。

指定したSSIDのWiFiに接続し、TCP Serverへのデータ送信を開始します。

Bluetooth SPPで送信する

Bluetooth を使うと、WindowsなどのPCで仮想シリアル通信でRAWデータを受信できます。VRSCアプリではRAWデータのロギングなどの機能は有していません。

設定は、上記のTCP Serverへ送信する方法とほとんど同じです。上記手順8でTcp clientに代えて[Bluetooth]をタップしメッセージタイプを選択します。

Windows PCなどで仮想シリアルポートを開くと、指定したRAWデータを受信できます。

RAWデータの形式

RAWデータは、L6D/Eのメッセージ250 Byteの前に20Byteのヘッダーとデータの最後にチェックサム2Byteが付加され、合計272Byteのデータです。L6D/Eのメッセージを取り出すには、各メッセージの先頭21バイト目から250バイトを切り出しててください。

VRSCは272Byteのメッセージを1秒に1回 送信します。尚、VRSCが受信した時点で、エラーが検出されたデータは送信されません。

RAWデータエラーチェック

RAWデータに問題がないかは以下のコードでチェックサムを確認できます。引数のdataは272Byteの先頭へのポインタです。lenは272となります。

bool validateChecksum(unsigned char* data, int len)
{
    int CK_A = 0, CK_B = 0, i;
    for (i = 2; i< len -2; ++i)
    {
        CK_A = (CK_A + data[i]) & 0xff;
        CK_B = (CK_B + CK_A) & 0xff;
    }
    return (data[i] == (unsigned char)CK_A) &&  (data[i+1] == (unsigned char)CK_B);
}

説明のないアプリの機能について

VRSCアプリでここに説明していない項目などがあります。それらは、トラブルの際のユーザーサポートや、将来のための機能検証などのためにあります。基本的には変更されないようにお願いいたします。


Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:この値はデフォルト値です。VRSCアプリにて変更可能です。変更した場合はそれに合わせて手動でSSIDとパスワードを設定する必要があります

*2:新しいバージョンが無い場合は、[START]ボタンが表示されません。

*3:先に説明した仮想基準局とRAWデータ出力機能との併用はできません。どちらか一方の選択になります。

VRSC テクニカルガイド

CLASを利用したVRSC (仮想基準局(VRS) by CLAS)が発表になりました。

このガイドは、VRSCの購入や利用に際し、用途の適合性や対応方法などを示すものです。

私どもが実験などで得た知見などを公開することで特性などを理解いただき、良い点を引き出してご利用いただければと思います。

はじめに

VRSCは、DG-PRO1RWSなどとともにRTKを実現するみちびきの CLASを用いた仮想基準局です。この測位方式のことをPPP-RTK*1と呼びます。

この方式による測位はほとんどの方が未経験です。しくみなどからくる特徴や注意点などをご説明します。

CLASの仕様

精度

精度は定点 水平̟̟±6cm 垂直 ±12cmです。通常のRTK*2に比べると精度に劣ります。 また、ミスFixする確率も高くなりますので合わせてミスFixの項もご覧ください。

サービス範囲

配信されるデータの範囲は、日本国内のみです。運用局よりサービス範囲が明示されています。海上は近海に限りますのでご注意ください。

配信停止などの情報

CLASデータは運用局のメンテナンスなどで停止や精度劣化などが予定されることがあります。これはNAQUと呼ばれる情報で、内閣府のホームページで公開されています。重要なご利用などの場合は事前にご確認いただく必要があります

ネットワークIDとグリッド

NAQUでは個別のネットワークIDといった表現がされることがあります。以下にネットワークIDとグリッドを示します。誤差情報は、このグリッド・衛星・シグナルといったマトリックスで配信されます。

ネットワークIDは地図上のマーカー の先頭の数字です。例 3-4 3がネットワークIDで4がグリッド番号です。

www.google.com

データセットと初期化時間

CLASデータは毎秒 250byteで30秒で1セットのデータです。最初の250byteには以降(29秒分)のデータの並びなどを示す内容が含まれます。このため、1秒目のデータを受信できないと後に続くデータを処理できません。この仕様から、初期化(RTCMの生成)には受信開始タイミングにより30秒~最大1分かかります。

車などでの移動

自動車などで広範囲に移動する場合は注意が必要です。道路には頭上の構造物(大型看板、歩道橋、高架橋、トンネル、アンダーパスなど)がたくさんあり、それらが1秒目のデータ受信を遮った場合は、そのデータセットは処理できません。また、2~30秒目までのデータの一部でもそのデータセットが無効なこともあります。

高速道路で高架橋が連続する場合などでは、長い距離でRTCMが出力できなくなります。また、長いトンネルなど受信ができない状態の後は、再出力までに時間がかかります

ただし、多少データが古くなってしまいますが、DG-PRO1RWS側では、RTCMの有効時間をデフォルトで1分に設定しています。1分間は新しいデータがなくともRTKを持続します。

VRSCについて

主な機能

VRSCでは主に以下の2つのことが行えます。

  • 仮想基準局サーバー
  • QZSS L6D/E 受信機 (RAWデータの出力)(一般的には使用されません。実験・研究といった用途専用です)

RAWデータの出力はBluetoothまたはTCPClientのいずれかを選択できます。尚、仮想基準局サーバー(RTCM生成)とRAWデータ出力の同時実行はサポートされません。いずれか一方のみの実行になります。

対応する移動局用のレシーバ

VRSCは基本的に弊社のRWPまたはDG-PRO1RW(S)でご利用可能です。他社製のレシーバの場合、以下の条件を満たす必要があります。

  • VRSCへのアクセスはNtrip Clientにて192.168.4.1:2101へアクセスする(ユーザー名、パスワードは空)
  • u-blox RXM-SFRBX メッセージをVRSCに送信する(GPS, QZSS Galileoのもののみで、それ以外の衛星のものは送信不可)
  • 5秒おきにu-blox NAV-PVTメッセージをVRSCに送信する。(5秒間隔以外はサポート外)

尚、旧モデルのDG-PRO1RWやMB(ムービングベース)などで使用される場合は、レシーバのWiFiが使用できません。そのため、AndroidのWiFiを使用してVRSCに接続します。AndroidのWiFIでVRSC以外への通信は出来なくなりますのでご注意ください。通常WiFIでの通信の主な目的はRTCMの受信ですので、ほとんどの場合は問題ないかと思います。

WiFIアクセスポイントとBluetooth

VRSCはWiFIアクセスポイントとして動作します。仮想基準局として使用する場合はこのアクセスポイントを通じて通信します。

Bluetoothも装備されていますが、こちらは設定とRAWデータの出力に使用されます。通常の用途でこれを使用する必要はありません。

データの流れ

VRSCとDG-PRO1RWSは下図のように構成されます。

VRSCDG-PRO1RWSWiFiで通信します。2台の本体をすぐ近くに置くようにしてください。野外で障害物がなければ10m程度は離れていても通信可能です。(周囲の電波環境によって変化します)

f:id:bizstation:20210221105054p:plain

  • 前モデルのDG-PRO1RWの場合は、WiFiを持たないため図中の[WiFi ST] と[Ntrip Client]はAndroidのDrogger-GPSで実行されます。
  • DG-PRO1RWSをMoving Baseで使用する場合はWiFiをNtripClientとして使用できないため、[WiFi ST] と[Ntrip Client]はAndroidのDrogger-GPSで実行するようにします。
  • レシーバ内蔵WiFiでVRSCに接続するか、Drogger-GPSでVRSCに接続するかは、[レシーバのNtripを使う]で切り替えることができます。
    f:id:bizstation:20210221105418p:plain:w300

[レシーバのNtripを使う]がOFFの場合の構成は下図のようになります。
f:id:bizstation:20210221110439p:plain

RTKに使われる衛星と信号

CLASで配信される衛星と信号に対し、DG-PRO1RW(S)で受信できる信号は完全に一致しているわけではありません。図にすると以下のようになります。

f:id:bizstation:20210212124124p:plain

  • オレンジの円: CLASで配信される信号
  • グリーンの円: DG-PRO1RW(S)のRTKで処理できる信号
  • 両方の円の重なったところがVRSC+DG-PRO1RW(S)で利用可能な信号

VRSCではこの円の重なった、GPS L1/L2 Galileo E1 と今後対応予定のQZSS L1/L2 のRTCMが生成されます。

Galileo E5bはDG-PRO1RW(S)で処理できるものの、CLAS側での配信がありません*3

ミスFix

RTKにおいて、間違った測位解になることをミスFixと言います。ミスFixは多くの場合、マルチパスなど観測環境によるものがほとんどです。しかし、CLASの場合は実測値ではなく計算値のため、前述の精度と同じ追加の誤差を含んでいます。そのため、通常のRTKに比べミスFixする可能性が高くなります

加えて、VRSC + DG-PRO1RW(S)の場合、GPS L1/L2での2周波RTKが可能ではありますが、GPSにはL1しか配信しない衛星が多数あり、衛星配置によっては十分な数のL2信号が得られず1周波でのRTKになるざる得ないことがあります。

GPS L1のみの衛星
2 13 14 16 19 20 21 22 28号機

弊社ではu-blox社と協力して2021年内を目途にDG-PRO1RW(S)でのQZSS RTK対応を進めて参ります。QZSSが加わることによりミスFix削減*4による精度向上を目指します。

ミスFixの検知

CLASデータの誤差により偶然にミスFixが発生する場合は、Fix後にレシーバの測位状態をリセットし繰り返し数回Fixさせることで比較的短い時間で異常値かどうかを判断することができます。 Drogger-GPSではWaypointログ機能でこの処理を自動化する予定です。

手動でも、以下の方法でレシーバの測位状態をリセットができます。

  • メイン画面の [... メニュー] - [レシーバ]-[GNSSホットリスタート]をタップします。 f:id:bizstation:20210213202420p:plain:w300

農業トラクターのナビなどの場合は、農地内のどこかに検証ポイントなどがを設けると判定が容易にできます。搬送波測位の場合、オープンスカイで搬送波をロックできていればFixが持続します。この特性を利用してFixした時点でミスでないことを判断できれば、その後の測位はミスFixでないと判断できます。

仮想基準点と移動体

VRSCはDG-PRO1RW(S)から送信された位置情報の位置を仮想基準点として、その点での観測データ(RTCM)を生成します。移動体の場合、新しい位置が前の点から1kmを超えた場合に仮想点を更新します。
すなわち、1km進むごとに新しい点での観測データが出力されます。

DG-PRO1RW(S)からみると、時々基準局のアンテナ位置が変わることになります。この切替をハンドオーバーと言います。DG-PRO1RW(S)はRTKが切れることもなく、何事も無かったかのようにハンドオーバーします。

実測データ

以下に具体的な観測データを示します。これらのデータは、特に選ばれたものでなくごく普通に取られたデータです。

水平精度

ここでは2つのデータを紹介します。2つとも車に取り付けたアンテナで測位したデータです。

最初の図は、富士スピードウェイでの完全なオープンスカイでのデータです。 f:id:bizstation:20210212171905p:plain

下のデータは埼玉でのデータです。非常に強風で車が揺れていたことと、周囲に建物がある場所のため上図よりは悪い結果となってります。西北西側にあった建物等の影響で若干ミスFixが見られます。 f:id:bizstation:20210212172838p:plain

FIX率

下図は24時間の観測データで、FIX率は99%以上となっています。 f:id:bizstation:20210212174412p:plain

フィールドテスト

f:id:bizstation:20210218145922j:plain

車輌(ハイエース)のルーフにVRSCとDG-PRO1RWSの標準アンテナを貼り付けていくつかのポイントを実測した結果です。(その際のWaypointログ

  • レシーバ設定は、Drogger-GPSのデフォルトで、Ntrip Clientのみ基準局に合わせて変更しています。
  • 水平誤差は、VRSCでの計測と弊社の実基準局を使用したRTKでの計測の差としています。
  • Fixまでの時間はDrogger-GPSの「GNSSホットスタート」を実行してからFixedになるまでの時間です。
  • リファレンス基線長は実基準局と計測ポイントまでの距離です。
場所 水平誤差
(cm)
Fixまでの
時間(sec)
リファレンス
基線長
(km)
備考 画像
市街地1 1.491 37 0.30   f:id:bizstation:20210218125137j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218125131j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130312p:plain:w80
市街地2 2.753 121 0.03   f:id:bizstation:20210218125145j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218125141j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130317p:plain:w80
農地 1.955 31 1.50   f:id:bizstation:20210218130251j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130247j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130323p:plain:w80
山林 5.801 170 8.70 ミスFix
1回あり
f:id:bizstation:20210218130300j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130255j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130328p:plain:w80
山間部道路 3.163 90 9.00   f:id:bizstation:20210218130304j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130308j:plain:w80 f:id:bizstation:20210218130333p:plain:w80

水平誤差、6cm以内にすべて収まっています。山林での計測において一度ミスフィックスがありました。

まとめ

  • VRSCは、通信インフラなしに衛星の電波だけでRTKを可能にする基準局です。
  • 仮想点における観測データを生成するため、アンテナ位置を事前に測量する必要はありません。どこでもすぐに基準局になります。
  • 重要な業務のときは、事前にCLASの運用状況をNAQUで確認しましょう。
  • 仕組み上、通常のRTKに比べてミスFixがおきる可能性が高いことを知っておきましょう。GNSSリセットをうまく使って検出しましょう。

いろいろ難しいことを書いてしまいましたが、オープンスカイなら電源を入れれば普通にすぐにFIXします。是非VRSCを!

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Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:VRSCとDG-PRO1RWSによるRTKはPPP-RTKと呼ばれる測位方法です。PPPは高精度単独測位で、各種精密誤差情報を外部から得ることでセンチメートル級の測位を実現する測位方法です。 VRSCによるPPP-RTKは、各種精密誤差情報をみちびきCLASより受信し仮想点における疑似観測データを生成しRTKを行う測位方式です。

*2:実際に衛星信号を観測し、基線長10km以内の基準局を用いたRTK

*3:弊社では内閣府にE5bの配信追加を要望しております。ただ、現状では小さな声に過ぎないと思われます。ご利用者皆様からも内閣府に対し要望していただき実現できれば精度等の向上になります

*4:衛星数の増とL2対応衛星の増加により

Drogger-GPS 国土地理院の地図などを使う

f:id:bizstation:20201223134600p:plain

Drogger-GPSの地図が従来のGoogleMapに加えてOpenStreetMapが使えるようになりました。また、OpenStreetMap上にタイル画像の地図をレイヤーとして重ねることができます。

タイル画像は http(s)://host/path/{x}{y}{z}[.png|.jpg]形式をホストする国土地理院のサーバーなどを指定できます。

マップの選択

従来通りGoogleMapか新しく追加したOpenStreetMapを選択できます。OpenStreetMapでは任意のレイヤーを追加できます。

f:id:bizstation:20201223110835p:plain:w400

レイヤーの選択

レイヤーの選択は、マップ選択の右横のf:id:bizstation:20201223111238p:plain:w80タップします。

レイヤー画面の使い方

GoogleMapの場合

GoogleMapの場合はレイヤーではなく3つの地図の種類から選択できます。左のグリーンのアイコンが付いているものが現在選択されている地図です。

  1. 通常
  2. 衛星写真
  3. 地形図

f:id:bizstation:20201223111832p:plain:w400

使用したい形式をタップします。

OpenStreetMapの場合

OpenStreetMapは基本レイヤーにOpenStreetMap標準のマップが表示されます。レイヤーウィンドウでは追加するレイヤーを選択します。

端末のロケールが日本の場合は、国土地理院基本図と空中写真がデフォルトでリストに追加されています。

f:id:bizstation:20201223112307p:plain

使用するレイヤーの選択

使用したいレイヤー行をタップします。(複数選択可)タップするたびに有効/無効が反転します。有効な場合、左にグリーンのアイコンが表示されます。

レイヤーの表示順の変更

移動対象レイヤーは背景がグレーになっている行です。右側のf:id:bizstation:20201223113220p:plain:w32f:id:bizstation:20201223113229p:plain:w32で上下できます。リストの上から順に表示されます。

レイヤーの追加

  1. +マークをタップします。
    f:id:bizstation:20201223113801p:plain:w400

  2. ダイアログの項目を入力して[OK]をタップします。
    f:id:bizstation:20201223114256p:plain:w360

入力項目の説明
項目 省略可否 説明
Name 不可 レイヤを区別する名前を指定します
Tile server url 不可 xyz形式のタイル画像取得をホストするサーバーのurlを指定します。
(例 https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/seamlessphoto/ )
File type (.png or .jpg) 不可 画像形式を指定します。.png または .jpgを指定します。先頭にドットを付けてください
organization 地図の提供している組織を指定します
Copyright url 地図の著作権に関する説明のurlを指定します
Investigator name 地図の調査担当者名を指定します

尚、端末内のオフライン画像をホストする指定はできません。

地図の著作権について

レイヤーに追加される地図については、利用される方自身で地図の著作権についてご確認いただき使用許諾を得てください。特に、画像をコピーしたり転用される際はご注意ください。

Drogger-GPS並びに当社は地図を表示するしくみを提供するものであって、その地図の使用許諾を提供するものではありません。

レイヤーの編集

編集したいレイヤーの行を長押しします。編集ダイアログが開きます。

尚、システムで提供している国土地理院の定義はグレーアウトされ編集できません。

レイヤーの削除

  1. 削除したい行をタップして選択します。(背景をグレーにする)
  2. アクションバーのごみ箱アイコンをタップします。
  3. 確認ダイアログがでますので[OK]をタップします。

レイヤー定義をデフォルトに戻す

レイヤー定義をインストールした状態に戻すことができます。

  1. ...メニューをタップします。
  2. [デフォルトに戻す]をタップします。

その他

OpenStreetMapのオフラインキャッシュ

OpenStreetMapとそのレイヤーで一度表示された地図は端末内にキャッシュされインターネットのない所でも表示できます。

マップの拡大縮小について

マップやレイヤーは、提供される地図によって倍率(ズーム)が異なっています。画像の無い倍率の場合は全く表示されないかぼやけた表示になります。

センチメートルレベルの拡大について

OpenStreetMapで+ボタンで地図を拡大するとセンチメートルレベルでの位置のトラッキングが可能です。
f:id:bizstation:20201223125301p:plain

Enjoy with Drogger

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Drogger-GPS アップデート 2.4.134

久しぶりにDrogger-GPSの更新を行いました。主にRTK移動局での動作についての更新です。

Beepサウンド

RTKがFIXしたときと、FIXでなくなったときにビープ音を鳴らすようにしました。画面を見ていなくても「Fixしたな」とか「Floatか」といったことが音でわかるようになりました。

ビズステーションでもCLAS受信機の開発で利用していて、画面を見なくてもFixしたことがわかってとても便利です。CLASでなくとも、環境の悪い場所での利用には便利かと思います。

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尚、設定画面から戻る際に、Fixしているか否かのキャッシュをクリアします。FIX時に設定画面を出して戻ると必ずFixした時のサウンドが鳴ります。

鳴らない場合は、Androidの「音」で「着信音と通知」の音量をご確認ください。

最低衛星仰角

測位に利用する最低衛星仰角の設定は従来よりありましたが、RTK基準局または移動局の場合、25°未満は25°として処理していました。 今回のリリースではその制限をなくし、設定で入力したとおりの値で動作するように変更いたしました。

RTK基準局または移動局で従来と同じように動作させたい場合は、最低衛星仰角を25°に設定してください。

ステーショナリーモード

単独測位とRTKの両方にて、「Fixed position Rover」という定点観測用のモードを追加しました。RTK Fix時はあまり変わりありませんが、Floatになった際などで動き回る範囲がかなり小さくなります。移動しないことを前提にしていますので、探索範囲が狭められます。

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RTK基準局は従来より自動的に定点観測用のモードです。

単独測位でRAWデータを取る際にも有効です。

移動体ではうまく動作しなくなりますので必ずOFFにしてください。

周波数ごとにRTCMの適用状態を表示

受信状態のグラフでは、衛星番号の後ろに DRなどの文字で、RTCMが適用されていることがわかりました。しかし、L1のみかL2も利用されているかまではわかりませんでした。

今回の更新では、「G1R R」といった感じでL2にも適用されている場合、空白とRを追加で表示します。

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尚、GNSSのファームウェア HPG1.13以上でないと正しく表示されませんので、ファームウェアのバージョンをご確認ください。

CLAS受信機

ほんの少しだけ来年のお話を。

来年は、CLAS受信機を発売いたします。新しい製品は、みちびきのL6D信号の受信し仮想の基準局として動作します。現在販売しているDG-PRO1RWSやRWPとともに利用する形態です。

新しい製品は、CLASで仮想基準局 (Virtual Reference Station by CLAS)を構築するのでVRSCと呼んでいます。インターネットが無くても日本国内どこでもPPP-RTKが利用できます。

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乞うご期待!


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DG-PRO1RWS SBASとみちびきSLAS対応

先日、u-bloxからのアナウンスでF9Pのファームウェアアップデートがありました。FW HPG1.13です。(いままでは1.12)

新機能として、SBASとみちびきSLAS(サブメータ級測位補強サービス)の受信が追加されました。以前からSLASの受信はしていたようですが、補正データとしては適用されていませんでしたがいよいよ実用化されました。

DG-PRO1RWS | ZED-F9P搭載 | 2周波 RTK-GNSS | Bluetooth5.0
¥59,800 (税別 BizStationサイト)
u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ 。受信チャンネル数184 GPS みちびき(4機フル対応) GLONASS BeiDou Galileo 同時受 ...
詳細・購入 問い合わせ 会社情報
DG-PRO1RWS | ZED-F9P | 2周波 RTK
¥59,800
(税別 BizStationサイト)
u-blox ZED-F9P GNSSモジュール搭載 2周波 RTK-GNSSレシーバ ...

SLAS

かねてより、期待のあったSLASです。SLASはGPSとQZSS(みちびき)衛星での測位精度を向上させるための補強信号です。これを適用することで日本の県庁所在地で1m以下の単独測位精度を実現するものとなっています。尚、RTKでは適用されませんのでその測位精度には関係しません。

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SLASが適用された様子

赤色のアンダーラインを引いたDMとついたものがSLASの補強信号が適用されている衛星です。

これを書いている時点ではまだあまり詳しく調べていないのですが、ちょっと試した限りでは仕様どおりGPSとQZSSに補正がかかっています。信号構造としてはSBASと同様DGPSとなっているようです。

まずは使えるようになりましたので、今後詳しく見ていきたいと思います。

あとでご案内する更新を適用いただきますと、SLASはデフォルトでONになります。(OFFにするスイッチは現状設けておりません)

SBAS

F9PはいままでSBASが受信できませんでした。2周波の場合、電離層遅延など電波特性の違いを利用して除去できるものがあります。それもあってすぐにはサポートされなかったかもしれません。

SBASは(satellite-based augmentation system:静止衛星型補強システム)は各国の衛星があり、WAAS(アメリカ)・MSAS(日本)・EGNOS(欧州連合)・GAGAN(インド)などがあります。日本のMSAS(国土交通省)はひまわりから送信されていましたが、2020/04よりみちびきの静止衛星からになったとのことです。

各国のサービス衛星はあるものの、データはその地域での地上局での生成になりますので日本ではみちびきのものを利用することになるかと思います。

今まではSBASの補強がないので、単独測位の時はDGNSSになることありませんでしたが、これからはSBASを受信すると単独測位でも3D DGNSSと表示されるようになります。精度に大きな変化は無いかと思いますが、SLASと合わせてちょっといい気分になります。

単独測位のカタログスペックも 1.5mCEPからSBAS 1.0mCEPが追加されました。

補正適用順位

これでRTCM・SLAS・SBASと3つの補正データが受信できるのですが、優先順位もRTCM --> SLAS --> SBASの順です。上位のデータが適用がされた場合は下位のものはされません。RTKの時はSLASもSBASも適用されません。

アップデート方法

以下の3つすべて更新が必要です。

  1. GNSSモジュール(u-blox F9P)のファームウェア 1.13
  2. レシーバファームウェア 1.4.27以上 (弊社製のDMPや通信制御のファームウェア)
  3. Drogger-GPSアプリ 2.4.110以上

GNSSモジュール(u-blox F9P)ファームウェアの更新

大変申し訳ありませんが、旧モデルのDG-PRO1RWはそのままではレシーバのファームウェア更新ができません。弊社で承っておりますのでご用命いただければと思います。

DG-PRO1RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWは、お客様サイドで行っていただくことが可能です。

u-blox F9Pのファームウェア更新は、WindowsPC(Windows 7以上)で行います。環境が無いなど難しい場合は、旧モデル同様、弊社で承っておりますのでご用命いただければと思います。

更新手順

F9Pの更新の前にレシーバファームウェアとアプリの更新を行います。

事前準備

  1. レシーバ起動設定が有効な場合は、「デフォルト設定で起動」に変更します。(新ファームウェアで、削除された設定項目の適用でエラーが発生し正しく起動しないため) (変更方法)
  2. レシーバファームウェア(DMPや通信制御などを処理するソフトウェア)を最新の1.4.30以上に更新します。(更新方法)
  3. Drogger-GPSアプリを最新の2.4.110以上に更新します。(更新方法)

上記更新ができましたら一度レシーバーの電源を抜いてから入れ直してください。

PCでのBluetoothペアリング

以降はWindows PC (Windows 10推奨)での操作です。

まず、Bluetoothのペアリングを行います。すでにペアリング済みの場合は不要です。2台以上お持ちの場合、更新作業中DG-PRO1RWSは1台のみペアリングしてください。2台以上ペアリングするとどちらに適用すれば良いか不明なためエラーになります。

  1. DG-PRO1RWSに電源を接続します。
  2. [スタート]をクリックし、ギアマークの[設定]をクリックします。
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  3. [デバイス]-[Bluetoothとその他のデバイス]とクリックします。
  4. [+Bluetoothまたは他のデバイスを追加する]をクリックします。
  5. [Bluetooth]をクリックします。
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  6. DG-PRO1RWSが表示されたらそれをクリックします。
  7. [完了]をクリックします。

更新ツールのダウンロードと実行

それでは、F9Pのファームウェア更新を開始します。DG-PRO1RWS専用の更新ツールを用意いたしたましたので、以下のリンクをクリックしダウンロードし実行します。

https://www.bizstation.jp/DroggerGps/f9p_fw/DG-PRO1RWS_F9P_UPDATE_113.EXE

自動的にBluetooth接続し更新を開始します。 終了すると下図のように「Firmware update success」「更新が完了しました」と表示されます。その後、エンターキーなどを押していただくと画面が閉じます。

更新が成功したら、一度電源を抜いて入れ直します。その後1分ほど待ち再度電源を入れ直してください。この1分で内部の起動ファームウェアが入れ替わります。

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所要時間は、1分程度ですが、上図のように黄色の文字で「Sending erase retry for sector xxx」と出ている場合は10分ほどかかる場合があります。

複数台お持ちのお客様は、処理の終わったレシーバのペアリングを削除してから、別のレシーバも同様の手順で更新を行ってください。

失敗例

  1. 画面上部に「Paired DG-PRO1RWS too many」と出た場合、複数のDG-PRO1RWSがペアリングされています。1台のみにして再度実行します。
  2. 画面上部に「There is no Bluetooth paired DG-PRO1RWS.」と出た場合、ペアリングされたDG-PRO1RWSがありません。もう一度ペアリングを行ってください。
  3. Error version poll faild.」と出た場合、Bluetooth通信がうまくできていません。一度レシーバの電源を切って入れ直してから再度実行します。
  4. そのほかにも画面下部に「更新に失敗しました」と出た場合は、エラー内容が表示されていますのでそれに応じて対処します。

バージョン確認

更新ができましたら、一度レシーバを再起動してDrogger-GPSで接続します。バージョンは下図のように表示されます。
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DG-PRO1RWS DMPコンパス精度向上の学習機能など

今回は、DG-PRO1RWSの新しい機能のご紹介です。

主な内容は以下の3点です。

  1. DMPコンパス精度向上の学習機能 
  2. TCPクライアントをレシーバーで実行可能に
  3. RW(S)アンテナ一体型エンクロージャの発売間近!(2020/05/15正式に販売になりました。)

尚、1と2はファームウェア 1.4.23 Drogger-GPS 2.4.104以上への更新が必要です。

DMPコンパス精度向上の学習機能

DMPのコンパスは、農業車両ナビなど低速作業車のヘッディングをえるために重要な役割をしています。

DMPはセンサーモジュール内にある専用プロセッサーによってコンパスの計算が行われます。今回の学習機能はそのプロセッサーではなく、レシーバのメインプロセッサーによるものです。 これによって、専用プロセッサーでの学習と、メインプロセッサーでの学習と2系統の学習機能が搭載されます。

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素早い学習

今回のファームウェア更新(1.4.23)でDMPコンパスの誤差を5°刻みで評価・学習する機能が追加されました。従来は、DMPの生の値によっていましたが、周囲の環境による誤差などを除去するために独自の補正を加えることにしました。 従来からある専用プロセッサーよる学習機能も周囲の環境の誤差を取っていきますが、学習までの時間が長く(連続約2時間)、素早い環境変化に対応できない欠点がありました。

今回加えたメインプロセッサーでの学習機能は、GNSSの方位精度・スピードなどを監視し、精度が良い状態であればそれを正としてDMPの誤差を学習していきます。素早い学習が特徴です。

学習条件

GNSSの方位を正としますので、精度が良い状態でなければ学習しません。学習の条件は以下の通りです。

  • GNSSの方位精度 5°以下
  • 速度が2km/h以上かつ1秒以内の回転角が5°以下
  • 速度が3km/h以上かつ1秒以内の回転角が10°以下
  • バック中ではないこと
  • MB(Moving base)でないこと

これらの条件を満たすと、DMPの誤差を学習します。

GNSSとDMP連携の見える化

Drogger-GPSで学習状況を確認することができます。ヨーなどの値に加えて、下図の枠に示したO:という項目が増えました。Oに表示される値は以下の通りです。

内容
数値 GNSSの方位とDMPの方位の差(°)
数値の後ろに B バックを検出中
数値の後ろにL 誤差を学習中
文字の色 :ヘッディングはDMPの値
:ヘッディングはGNSSの値

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車両をゆっくり動かしながら見ていただくと、どのようにGNSSとDMPが連携して動作しているかがよくわかります。DMPは主に停止時と極低速、バック時に働いています。

従来のコンパスオフセット設定はどうすれば良いか

従来、コンパスのオフセット値の入力がありましたがこの学習により事実上不要にすることも可能です。しかし、未学習時や複数の車両で付け替えなどでの取付角度差を取るために従来通り残してあります。

オフセット値はデフォルトのゼロのままでOKです。ただ、レシーバの前方面が車両の前方に対してまっすぐでない場合は、そのズレ角を入れていただければと思います。

コラム

今回の機能追加するにあたって、何度も何度も実験を繰り返してきました。その際、おろしたてのRWSで、最初は大分方位に誤差があったので都合が良いと思ったのですが、実験を重ねるうちいにDMP内の学習によってどんどん精度が良くなっていってしまうのです(笑)。
そう、専用プロセッサーの学習には時間がかかります。一時の値だけでは学習されず時間経過とともに精度を上げていく特性です。

今回追加した機能は即効性なので専用プロセッサーの学習が十分でないうちは大きな効果を上げますが、学習が進むとその効果は薄れてきます。ユーザーは短い時間で評価をされる点と、別の車両と入れ替えるなどといったシチュエーションも考慮しそれで良いと判断しています。

取付当初、DMPコンパスの精度があまり良くなくても慌てないでください。色々な方角に移動を繰り返すうちにどんどん精度が上がっていきます。

学習の抑止

レシーバの取付位置を移動せず、ある程度学習できてそれ以上学習が必要の無い場合、学習を抑止することができます。 設定-[TestMode]-[Disable compass offset learning]をONにするとそれ以上の学習を抑止します。

学習値のリセット

大きく環境が変わった場合(例 : 取付の向き変更など) 学習値を一度リセットしたほうが良い場合があります。 レシーバーとBluetooth接続できている状態で、

  1. [...メニュー]-[レシーバ]-[DMPコンパスのリセット]をタップします。
  2. 確認のメッセージが出ますので[OK]をタップします。

TCPクライアントをレシーバーで実行可能に

レシーバのWiFiを使用したNtripサーバー・クライアントに加えてNMEAを出力するTCPクライアントが使用できるようになりました。

測位結果のNMEAメッセージはBluetooth SPPがサポートされたPCやデバイスであれば簡単に受け取れます。WindowsやLinux・MacOS・AndroidなどほSPP対応ですが、唯一iOSだけはSPPがサポートされないため利用できませんでした。そこでiOS側でTCPサーバーを実行することで測位結果を受け取ることが出来るようにいたしました。

もちろん、iOS以外でもTCPサーバーを実行すれば受信できます。AndroidではAgriBus-NAVI、WindowsでRTKLIBのstrsvrなどで受信できます。

また、Ntripクライアントとの同時利用も可能です。電源を入れるだけで(Androidなしで)RTKとTCPクライアントが実行できます。

レシーバでTCPクライアントを実行するには

従来より、AndroidでTCPクライアントが実行可能でしたが、そのオプションに「レシーバで実行」を追加しました。これをONにするとAndroidではなくレシーバで実行します。

RW(S)アンテナ一体型エンクロージャの発売間近!

ようやく皆さんにご案内できる時期になりました。(2020/05/15正式に販売になりました。)

レシーバ・アンテナ・グランドプレーン・006Pリチウム電池・外部電源コネクター・電源スイッチが一体になったRWPを2020/05/15頃発売予定です。

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RWP

また、既に発売済みのポールアダプターに加えて、車両などへのマウンターも発売します。

f:id:bizstation:20200511190131p:plain 測量ではポールに、作業車ではルーフなどに簡単に取付可能です。車両マウンターは付属の野外用超強力両面テープでルーフなど貼り付け可能です。

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車両マウンターでダッシュボードに付けての実験

複数の車両でRWPを共有する場合、車両ごとにマウンターをご用意いただくことで取付取り外しも簡単に行うことができます。

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ポールへの取付も簡単

2Way電源

電源は市販の006Pリチウム電池と、従来のUSB電源ケーブルの両方が利用できます。市販の006Pリチウム電池は800mA/hの容量でおよそ3時間の連続使用が可能です。あまり長い時間ではありませんが電源スイッチが付いていますので節電が可能です。

また、長い時間連続的に使用したい場合は、外部電源コネクターに従来のUSB電源ケーブルを接続可能です。006P電池と外部電源はスイッチで切替できます。一方のみ電源接続している場合はON/OFFスイッチと同様な動作になります。スイッチ回路は防水で、逆接防止回路も内蔵します。

既にRW、RWS、RW+拡張モジュールをお持ちのお客様へ

既にRW(S)をお持ちのお客様用にエンクロージャのみの販売と、ケーブル短縮加工も承ります(要 弊社への送付)。

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エンクロージャキット(電池は含まれません)

ケーブル短縮加工は行わなわずに外に出すことも可能です。

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長いケーブルのままで取り付けた場合

拡張モジュール付の場合は、レシーバの厚みが異なりますので、オプションのスペーサーを足すことで収納可能になります。

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拡張モジュール用スペーサー

 価格

(正式に販売になりました)

RWP用のグランドプレーンは、従来販売しているものとケーブルを通す切り欠きが異なります。そのままでは使用できませんのでご注意ください。(弊社での後加工はお受けできません)RWPエンクロージャに含まれるものをご使用いただければと思います。

品名 内容 価格(税抜)
RWP (DG-PRO1RWSを含む)全部入り完成品 79,800
RWPエンクロージャ グランドプレーン+スイッチ付きエンクロージャキット
(お客様による組込 + RWSの場合はアンテナ底面のマグネット取り外しも必要)
14,800
RWPコンバート作業 ケーブル短縮加工(アンテナと電源ケーブル)+ アンテナマグネット取り外し + 組込作業 6,980
RWP-PLA 伸縮ポールアダプター(発売済) 1,980
RWP-MNT 車両マウンター 2,480
RWP-SPC 拡張モジュール用スペーサ 1,480

006Pリチウム電池は市販品をお求めください。(弊社テスト品

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DG-PRO1RWS 高精度スタティック測位をする

今回は、DG-PRO1RWS(以下RWS)のRAWデータと国土地理院の電子基準点の観測データとRTKLIBを使用して、後処理で高精度センチメートル級スタティック測位をする方法をご紹介します。

「スタティック測位」は、直訳は定点測位ですが、ここではリアルタイムに補正データを使用するRTKではない、後処理による測位として説明します。

この記事は、DG-PRO1RW とRWSのどちらでも有効です。

概要

RTKはリアルタイムにセンチメートルレベルの測位が可能で便利ですが、常に基準局の補正データを受信する必要があります。ところが、山岳地帯でモバイル通信ができなかったり、近くに利用できる基準局がなくこれから基準局を作るような場合は、補正データを受信することができません。

そこで、活躍するのが後処理によるスタティック測位です。RWSで観測データをログに取り同時刻の電子基準点の観測データを使って後処理により高精度センチメートル級の測位が可能です。

タイトルではスタティック(静止)測位としていますが、キネマティック(軌跡)測位も同じ方法で可能です。

山岳地帯で測位するような場合は、位置を知りたい場所での時刻を正確にメモしておいてください。後処理での測位結果からその時刻の位置を求めます。

基準局のためのアンテナ位置測位の場合は、数時間(さらに何回かの)の測位結果の平均を取ってより正確なアンテナ位置を求めます。

必要なもの

  • DG-PRO1RWS + Android + Drogger-GPSアプリ
  • 国土地理院の電子基準点の観測データにアクセスするアカウント
  • Windows PCとRTKLIBソフトウェア
  • 国土地理院のtar.gz形式の圧縮データを解凍するソフトウェア (7zipなど)

それぞれの役割

DG-PRO1RWS + Android + Drogger-GPSアプリ

この組み合わせで、現場での観測データをログに取ります。

国土地理院の電子基準点の観測データ(GEONET)

国土地理院の電子基準点ではGNSSを使って、GPS QZSS GLONASS Galileoの観測を行っています。これらはGEONET(GNSS連続観測システム)と呼ばれています。 GEONETの観測データは国土地理院から誰でも無償でダウンロードすることができます。このデータから補正データを生成し、現場での観測データと合わせて搬送波位相を利用した高精度測位をします。尚、ダウンロードには事前にアカウント登録が必要です。

RTKLIBソフトウェア

RTKLIBは高須先生が開発された、フリーで使用できるRTK測位に使用するソフトウェア群の総称です。今回使用するのは、RTKCONV.exeとRTKPOST.exeの2つです。

RTKCONV.exeはRWSの観測データ(RAWデータ)をRENEXと呼ばれる共通データの形式にフォーマットを変換します。

RTKPOST.exeは、以下の3つのデータを入力し、搬送波位相を使った計算をし測位結果を出力します。衛星軌道データは電子基準点の観測データとともに、国土地理院のサイトからダウンロード可能です。

  1. GEONETの観測データ
  2. 衛星軌道データ
  3. RTKCONVで変換した観測データ

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データとプログラムの関係図(左から右へ処理)

事前の準備

RTKLIBのインストール

RTKLIBは以下のページで公開されています。しかし慣れない方には少し難しいでしょう。 http://www.rtklib.com/

以下をクリックすると、2.4.3 b33のzip形式をGithubからすぐダウンロードできます。

DOWNLOAD_RTKLIB_2.4.3 b33

このzipファイルを開くと、RTKLIB_bin-rtklib_2.4.3というフォルダがあります。このフォルダごと例えばデスクトップにコピーしてください。インストールはこのコピーだけで、インストールプログラムを実行する必要はありません。

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デスクトップにコピーしたところ

DG-PRO1RWSに最適化したRTKLIB設定のインストール

以降で使用するRTKCONVRTKPOSTDG-PRO1RWSに最適化した設定ファイルを用意しました。以下をダウンロードし、中の2つのファイルを上記RTKLIB_bin-rtklib_2.4.3配下のbinフォルダにコピーします。

https://www.bizstation.jp/DroggerGps/rtklib/rtklib_settings.zip

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コピーしたファイル

これで、RTKLIBのインストールは終了です。

7ZIPのインストール

お使いのコンピュータに、tar.gz形式の圧縮ファイルを解凍するソフトが無い場合は、7ZIPという解凍ソフトをインストールします。 ダウウンロードは以下から行ってください。 https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/7zip/

国土地理院アクセスアカウントの取得

https://ssosv.gsi.go.jp/piss/Attention.aspxにアクセスして利用規約に同意して進めます。

うまく行かない場合は、FAQ(よくあるご質問)などを参照してみてください。質問は、お問い合わせにて問い合わせてみてください。

最寄りの電子基準点を探す

  1. アカウントが取得できたら、電子基準点データ提供にアクセスして[電子基準点 観測データ取得]をクリックします。
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  2. ログイン画面が出たら、取得したユーザー名とパスワードを入力して[ログイン]をクリックします。
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  3. 以下の画面が表示されたら、[稼働中]にのみチェックを付けます。(画面が表示しきるまでに少し時間がかかります)
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  4. 地図を拡大し、観測したい場所に最も近い電子基準点(緑の四角アイコン)を探し、そのアイコンをクリックします。
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    局番号と局名称が表示されます。あとで検索に便利ですのでこの番号は控えておいてください。

尚、この電子基準点は観測点から10Km以内が理想です。距離が離れれば離れるほど精度が落ちたり、Fixしないといったことになります。

AndroidからPCへのデータ転送方法を用意する

観測データはAndroid端末に保存されます。RTKLIBによる処理はPCですので、データを転送するしくみを準備します。

転送する方法は、大きく分けてGoogleドライブなどを経由して行う方法と、AndroidとPCを直接USBケーブルで接続して行う方法があります。GoogleドライブはほとんどのAndroidですぐ使えることと出先からも転送できますので、以降の説明はGoogleドライブでの方法をご案内します。

Googleドライブを使用するには、Android端末で使用しているGoogleアカウントのユーザー名とパスワードを入力する必要がある場合があります。事前に把握しておいてください。

RWSによる観測とRAWデータのロギング

スタティック測位に使用する観測データをRAWデータ(生データ)と呼んでいます。Drogger-GPSを使用して簡単にRAWデータを取得することができます。

RWSを設定する

まず、Drogger-GPSアプリは最新にしてください。古いアプリでは必要な項目がないなどします。(アプリの更新方法

  1. Drogger-GPSを起動します。
  2. ギアマークをタップして設定を開きます。
  3. [...メニュー]をタップし[デフォルトに戻す]をタップします。
  4. [GNSS (衛星測位システム)]をタップします。GPS and QZSS GLONASS Galileo を有効にします。Beidouは必ずOFFにしてください。(国土地理院の観測データにBeidouは無いため)
  5. [計測・更新レート]をタップし[1Hz]を選択します。
  6. 設定を終了します。

これで準備が整いました。 それでは実際の観測と処理を進めます。

観測とロギング

測位全般に言えることですが、アンテナはグランドプレーンを付け出来るだけ高い位置にします。ポールや三脚を使い地面から1.5m以上確保しましょう。地面や石、テーブルの上といったところでは正確な測位はできませんし、全くFixしないなどします。

基準局を作る場合は、周囲360°、最低でも仰角15°以上には何もない場所へのアンテナの固定が必要です。

また、精度を求めるには出来るだけ長い時間の測位が良いわけですが、時間が長いと非常に大きなデータとなり、ファイルコピーや計算にも時間がかかります。最初は10分程度の小さなデータで試してみることをお勧めします。

観測開始

  1. Drogger-GPSを起動します。
  2. [Start]をタップして接続を開始します。
  3. しばらく測位を続け十分な数の衛星を捕捉し安定するまで待ちます
  4. ギアマークをタップし [RTK]-[Rawデータを記録する]をONにします。
    [Stop]ボタンの下に Raw loggingと表示されていれば、ロギングされています。
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Rawデータは非常にサイズの大きなデータです。Android端末のBluetooth能力が低いと処理が間に合わないものもあります。その場合DMPとSateliitesの表示をOFFにしてください。Rawデータ以外の不要なデータ転送が停止され能力不足を解消できます。
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観測終了

  1. 観測が終了したら[stop]をタップします。

ログのコピー

  1. ギアマークの横のフォルダアイコンをタップします。
    f:id:bizstation:20200416150807p:plain:w300
  2. [xxxxx.ubx]と最後にubxと付いたデータを長押しします。
    f:id:bizstation:20200416161043p:plain:w300
  3. 共有アイコンをタップし、共有先一覧から[ドライブに保存]f:id:bizstation:20200416161313p:plain:w32をタップします。
  4. アカウントとフォルダを選択して[保存]をタップします。

Googleドライブアプリの設定で、「Wi-Fi経由でのみファイル転送」が有効な場合WiFi接続がされていないと転送されませんのでご注意ください。

複数の観測ポイントがある場合、観測開始からこのログのコピーまでを繰り返し行います。

GEONET観測データの準備

ここからの処理はすべてWindows PCでの処理です。

データのフォルダの準備

データをコピーするためのフォルダを準備します。 ここでは、デスクトップのRTKLIB_bin-rtklib_2.4.3フォルダの下にdataという名前のフォルダを作成します。

  1. デスクトップのRTKLIB_bin-rtklib_2.4.3フォルダを開きます。
  2. binフォルダが見えると思いますが、その付近の何もないところを右クリっクして、[新規作成]-[フォルダ]をクリックします。
  3. 名前をdataに変更します。

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拡張子の表示

以降で扱うファイルは、特殊な拡張子が使われています。条件によっては拡張子が隠されて見えなくなりますので常に見えるようにしておくと便利です。

  1. RTKLIB_bin-rtklib_2.4.3フォルダを開きます。
  2. 上部の、[表示]タブをクリックします。
  3. [ファイル名拡張子]にチェックを付けます。
    f:id:bizstation:20200425115937p:plain:w200

観測データダウンロード

  1. ブラウザで電子基準点データ提供へアクセスします。
  2. [電子基準点 観測データ取得]をクリックします。
  3. ログインID、パスワードを入力し[ログイン]をクリックします。
  4. [同意する(提供サービス画面へ)]をクリックします。
  5. 地図から前記で調べた基準点を探しクリックします。
  6. 選択一覧タブに目的の基準点が表示されたら、[ダウンロード]をクリックします。
    f:id:bizstation:20200417192711p:plain
  7. [任意時間のデータダウンロード]の[開始日時]と[終了日時]を現地観測した時間が含まれるように設定します。
  8. [衛星]からGRJEを選択します。RENEXバージョンは自動的に3.02になります。
  9. [任意時間データのダウンロード]をクリックします。
    f:id:bizstation:20200417192945p:plain
  10. 観測ファイルと衛星軌道情報ファイルのそれぞれの[ダウンロード]をクリックし2つのデータをダウンロードします。
    f:id:bizstation:20200417192443p:plain

データの解凍とコピー

  1. (ファイル)エクスプローラにてPCのダウンロードフォルダを開きます。
  2. ダウンロードした、xxxxx.tar.gz ファイルとxxxxxx.gzファイルをそれぞれ開いて、中のファイルを、上記で作成したdataフォルダにコピーします。

合計5個のファイルがコピーされます。(ファイル名は最後の文字、o g q l n 以外は異なってOKです)

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電子基準点アンテナ位置データの取得

RTKLIBでデータ処理する際に、基準局のアンテナ位置を指定する必要があります。ここで電子基準点のアンテナ位置が記録されたファイルをダウンロードします。

このファイルの中は年初からの日々のデータとなっていますが、一番最後の最新のデータのみ使用します。

  1. https://terras.gsi.go.jp/pos_main.phpを開きます。
  2. [電子基準点]から目的の基準点を選択します。
  3. [ダウンロード]をクリックします。
    f:id:bizstation:20200417194513p:plain:w300
  4. 日々の座標値ファイル xxxxxx.posをクリックします。ダウンロードが開始されます。
    f:id:bizstation:20200417194625p:plain:w300
  5. (ファイル)エクスプローラにてPCのダウンロードフォルダを開きます。
  6. xxxxxx.posファイルをメモ帳で開きます。
  7. 一番下までスクロールし、最後の日のアンテナ位置をメモします。
    f:id:bizstation:20200417194828p:plain:w500
  8. 右から、高度、経度、緯度でそれぞれE以降を取り10倍(E+01)または100倍(E+02)します。 (例 緯度 36.239029396 経度 137.98455596 高度 648.03662885)

RTKLIBによるデータ処理

これから説明するRTKLIBのプログラムにはさまざまなオプションがありますが、事前にコピーしていただいた設定のまま基本的に何も変更する必要はありません。

GoogleドライブからPCにデータをダウンロードする

  1. ブラウザで以下のURLにアクセスします。
    https://drive.google.com/drive/my-drive
  2. 左のマイドライブをクリックし、中央ペインからAndroidで保存した xxxx.ubxファイルを探します。
  3. xxxx.ubxを右クリックして[ダウンロード]をクリックします。
  4. ダウンロードしたxxxx.ubxファイルを上記で作成したdataフォルダにコピーします。

観測データ(Rawデータ)をRENEXに変換する

  1. デスクトップのRTKLIB_bin-rtklib_2.4.3フォルダを開き、その下のbinフォルダを開きます。
  2. rtkconvを開きます。f:id:bizstation:20200416163126p:plain:w32 (不明な発行元といった警告が出来る場合がありますが[詳細情報]をクリックし[実行]を選択します)
  3. 下図の①から④を順に設定していきます。
    f:id:bizstation:20200417201458p:plain:w400
     ①をクリックしdataフォルダの.ubxファイルを選択します。
     ②をクリックしdataフォルダを選択します。
     ③ u-bloxを選択します。
     ④自動的に入力されたままでOKです。
  4. [Covert]をクリックします。小さなファイルの場合すぐに終わりますがそれでOKです。
    不安な場合はもう一度[Covert]をクリックしてください。上書き確認の[Overwrite]ボタンが出れば変換されたファイルが生成されています。

位置計算をする

ここまでで計算に必要なプログラムとデータの準備ができました。いよいよ、RTKPOSTを使用して搬送波位相を使用した位置計算を行います。

  1. デスクトップのRTKLIB_bin-rtklib_2.4.3フォルダを開き、その下のbinフォルダを開きます。
  2. rtkpostを開きます。
  3. 下図の①から④を順に設定していきます。
    f:id:bizstation:20200417203155p:plain:w400
     ①をクリックしdataフォルダの.obsファイルを選択します。
     ②をクリックしdataフォルダの.xxoファイルを選択します。
     ③順に、dataフォルダにある最後が g q n lで終わるファイルを指定します。
  4. [Options...]をクリックします。
    f:id:bizstation:20200417204144p:plain:w350
  5. [Positions]タブを選択し、[Lat/Lon/Height(deg/m)]を選択し、「電子基準点アンテナ位置データの取得」で得た、緯度・経度・高度を入力します。
  6. [OK]をクリックします。
  7. [Execute]をクリックします。

Options
以下の項目は変更することでFIXし易さが変わりますので試してみてください。

タブ 設定名 内容
Setting1 Filter Type Forword(順方向)よりCombine(双方向)の方が処理時間がかかるがFixし易い
Setting1 Elavation Mask 測位点によるが25°前後で変えてみる
Setting2 Min ration to Fix Ambiguity デフォルト3から下げていくとFixし易くなるがミスFixが多くなるので注意

測位結果を見る (.posファイル)

それでは測位結果ファイル(.pos)を見てみましょう。

  1. dataフォルダを開きます。
  2. posファイルを右クリックして、[プログラムから開く]をポイントし[メモ帳]を選択します。メモ帳の候補が無い場合は、[別のプログラムを選択]をクリックして一覧から[メモ帳]をクリックします。
    f:id:bizstation:20200425120503p:plain

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少しスクロールすると図のようにきれいに整列したデータが見えます。タイトル[Q]列は、測位ステータス表示で、1はFIX2はFLOATです。 左から 日付・時刻・緯度・経度・楕円体高・RTKステータスの順です。

エクセルなどに取り込めばfixだけの絞り込みや、緯度・経度・楕円体高の平均値などが計算できます。

基準局のアンテナ位置を求める場合は、上空の衛星配置を変えて測位するために何回かに分けて複数回計測し、平均を求めるなどすることをお薦めします。

最後に

RTKLIBの使い方などは(すみませんがビズステーションではサポートできませんので)以下をご覧ください。 RTKLIBの日本語マニュアル

後処理での測位は、なかなか手順がたくさんあって容易とはいいがたいものです。時間があったら、RAWデータと国土地理院のアカウントを入れれば一発で計算してくれるツールをつくりたいと思っています。

最後に素晴らしいソフトウェアを提供されている高須先生に感謝です。

Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/