DG-PRO1RWはBluetooth経由のシリアル通信にてWindows PCでも利用可能です。*1
DG-PRO1RWとDG-PRO1RWSともにDG-PRO1RWと表記しますが、DG-PRO1RWS固有の内容についてはRWSと明記します。
通常の利用であればAndroidとDrogger-GPSが便利ですが、実験や研究と言った用途でDrogger-GPSがサポートしない機能などをu-blox社のu-centerや高須氏のRTKLIBといったソフトウェアを使って実現できます。
この記事ではWindows10とu-center 19.06.01を使って説明します。
尚、u-center ならびにRTKLIBでの利用は実験や研究といった目的でご利用ください。利用には、DG-PRO1RWが搭載する ZED-F9Pのインターフェース仕様やソフトウェアの知識が必要です。
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免責事項
u-centerはF9Pのあらゆる設定が可能です。フレキシブルではありますが、u-centerとF9Pについて詳しく理解していないとレシーバーを通信不能にする恐れもあります。 u-centerによる操作の結果生じた不具合はビズステーション株式会社は一切責任を負いません。また、回復にかかる費用は保証範囲外としお客様負担とさせていただきます。
注意事項
★UART1の設定は変更してはいけない
DG-PRO1RWの場合
u-centerでUART1の設定の変更を行うとDG-PRO1RWのBluetoothモジュールとの通信ができなくなります。そうなると簡単に元に戻すことはできません。ZED-F9PのUART1の設定は絶対に変更しないでください。 誤って変更してしまった場合は、弊社(ビズステーション)にお送りいただき回復作業が必要です(有償)。これには、F9Pのファームウェア更新やRevert default configurationコマンドも含みます。
DG-PRO1RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWの場合
RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWは、Bluetooth経由でのUART1の変更について、RTCMとNMEAの有効/無効以外行えないようプロテクト機能が付きました。プロテクト機能はFirmware Ver 1.2.17より有効です。RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWをご利用の場合は、必ず最新のFirmwareに更新してから行ってください。 F9Pのファームウェア更新やRevert default configurationを行った場合はボーレートが38800bpsに変更されますが、電源を抜いて再起動すると自動で460800bpsに回復されます。
★ メッセージ出力は通信量の見積もりをする
F9Pはさまざまなメッセージを出力できます。また、更新レートも20Hzといった高レートで行うことができます。多くのメッセージをレート1(更新レートと同じレート)で出力するとBluetoothで通信可能な量を簡単にオーバーします。メッセージごとにメッセージのサイズx秒間出力回数を計算し、すべてのメッセージ合計を計算してください。最高でも20Kb以下になるようにしてください。
★ RWSのDMP関連の設定は行えない RWSに装備されたDMP関連の設定はDrogger-GPSでのみ行えます。u-centerなどでは行えませんのでご注意ください。
★ RWSの起動時設定はデフォルト設定で起動にしておく
RWSは起動時設定が有効 (デフォルト設定でない) な場合は、レシーバー内に保存された設定を電源ON時に適用します。これは電源のONプロセスの最終段階で行われるため他の設定を上書きします。
u-center等で行った設定を起動時から有効にしたい場合は、Drogger-GPSにて起動時設定をデフォルトにしておいてください。
★ Drogger-GPSで使用する際はレシーバー設定をデフォルト設定に戻す
また、u-centerで各種設定を変更された後にDrogger-GPSで使用される際は、NMEA GGA RMC VTG GSA GSV 以外のメッセージは出力しないように戻してください。Drogger-GPSで正しく動作しない恐れがあります。 DG-PRO1RWのデフォルトに戻す際は以下のファイルをダウンロードしてご利用ください。このファイルはDG-PRO1RWとDG-PRO1RWS共通です。
HPG 1.12用
https://www.bizstation.jp/ja/drogger/data/dgpro1rw_1.12.default.txt
HPG 1.13用
https://www.bizstation.jp/ja/drogger/data/dgpro1rw_1.13.default.txt
u-center [Tools]-[GNSS configration...]で[u-blox Genration 9]を選択、上記ファイルを指定し [Transfer file > GNSS]をクリックで復元できます。
Bluetoothのペアリングをする
Windows 11の場合
Windows 10の場合
- DG-PRO1RWに電源を接続します。
- [スタート]をクリックし、ギアマークの[設定]をクリックします。
- [デバイス]-[Bluetoothとその他のデバイス]とクリックします。
- [+Bluetoothまたは他のデバイスを追加する]をクリックします。
- [Bluetooth]をクリックします。
- DG-PRO1RWが表示されたらそれをクリックします。もし、2行現れた場合は下に「PC」と書かれていない方を選択してください。
- [完了]をクリックします。
- 画面をスクロールし[関連する設定]の[その他のBluetoothオプション]をクリックします。
- [COMボート]タブを選択し、「DG-PRO1RW01 'SerialPort'」と書かれた行を探しその行の左側のCOM番号をメモします。以下の例では20です。
これでペアリングが完了し、COM20を通じたシリアル通信で使えるようになりました。
u-centerで使う
ではいよいよu-centerで接続します。DG-PRO1RWのボーレートは230400bps固定です。(RWSのファームウェア 1.1.16以降は460800に変更になりました)
と、その前に、AndroidのDrogger-GPSで使用後、DG-PRO1RWの電源が接続されたままでしたら一度電源を抜いて差し直してください。 Drogger-GPSでの設定がリセットされ初期状態に戻ります。
- u-centerを起動します。
- [Receiver] - [Baudrate] - [230400]をクリックします。(RWSのファームウェア 1.1.16以降は460800に変更になりました)
- [Receiver] - [Connection] - [COMxx]をクリックします。
Windowsのドライバーによって、COM20のオープンで自動的にBluetoothが接続されます。
DG-PRO1RWのブルーのLEDが点灯し、u-center のステータスバーに通信状況を示す緑のアイコンが点滅していればOKです。
DG-PRO1RWのデフォルトはGSA,GSVメッセージが10回に1回のため衛星の受信状況グラフがちらつくかも知れません。CFG-MSGでGSA,GSVのメッセージ出力回数を1にするとちらつかなくなります。
後は目的に応じてご利用ください。u-center users guide
DG-PRO1RWのデフォルトメッセージ
DG-PRO1RWのデフォルトは以下のメッセージが出力されます。尚、UBX RTCM3タイプのメッセージは何も出力されません。
種類 | タイプ | レート |
---|---|---|
NMEA | GLL | 1 |
NMEA | RMC | 1 |
NMEA | VTG | 1 |
NMEA | GGA | 1 |
NMEA | GSV | 10 |
NMEA | GSA | 10 |
ナビゲーションレートは10Hzです。
RTKLIBで使う
RTKLIBで行うさまざまな処理は事前にu-centerにて必要なメッセージを出力するよう設定をしておく必要があります。
RTKLIBで使用する際のポイントは、DG-PRO1RWはシリアルデバイス(Serial)として認識されることです。ポート番号はペアリングの際に確認したポート番号を使用します。
Windowsでの利用記事
他にWindowsでこれがしたいとかご要望がありましたらコメントをいただけたらと思います。
Enjoy with Drogger
Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/
*1:Windows位置情報サービス用のドライバーは提供されていません。また、弊社ではWindows用アプリケーションは現在のところ提供しておりません。