Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

Drogger GPSアプリ

Androidで外部GPSを使うには、内蔵GPSに代わって位置情報を提供するサービス(アプリ)が必要です。

Drogger用に外部GPSを色々テストしてきましたが、u-blox社のチップがとても精度が良くこれに最適化したサービスアプリを公開しました。

まだ、そのチップを使ったBluetooth外部GPSの完成品はあまり見かけませんが、ドローン用の(Bluetoothがない)ものがとてもたくさん出回っています。ちょっと経験と知識のある方ですと容易にBluetooth化できます。

そこでそんな方向けにアプリを先行リリースしました。

play.google.com

GPSサービスアプリは、機能的に目に見える必要はないのですが、ちゃんと動いているかわかるようにGoogleマップ上でのトレースや、実更新レート、捕捉している衛星情報なんかを見られるようにしています。

Droggerとの連携

このアプリがインストールされていると、Droggerは自動でサービスを開始します。Bluetoothも自動的に接続されますので、特にこのアプリを操作する必要はありません。Droggerユーザーはインストールしておけば良いだけなので、とてもシンプルで簡単です。

アプリの対応外部GPS

u-blox社のチップ専用に感じたかも知れませんが、他の外部GPSも使用できます。 Drogger用に外部GPSを使用されている方はぜひこのDrogger GPSも利用してみてください。

Drogger用GPSユニットの開発

アプリはリリースしたものの、Drogger用GPSユニットはまだこれからです。

更新レート10Hz・高精度D-GPS・GPS・GLONASS・Galileo・みちびき対応で、単独測位としては最高レベルのものにしたいと思います。

桶川スポーツランドでのテストでは、誤差0.5m以下ではないかと思われるほど高精度です。走行ラインのわずかな違いも表現できています。

乞うご期待!


追記 2018/12/02 Android用 高精度・高更新レートのGPS(GNSS)が発売になりました。

drogger.hatenadiary.jp

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新機能!タイム差をリアルタイムに表示する

アプリの更新によりこの記事は古くなっています。最新の記事は以下をご覧ください。 drogger.hatenadiary.jp

MotoGPの予選などで、「セクター1はベストを更新しています!」といったアナウンスがあったりします。新機能は、これとよく似たベストラップと現在のラップの途中経過での差の表示です。

セクター比較はコースを4分割とかしますが、Droggerはリアルタイムにベストラップとのタイム差を計算し1秒間隔で表示します。(無段階のセクター)

リアルタイムなのでラップ中に速い・遅いを常に確認することができます。(予選において、コース中盤で速いペースで来ていれば、よりがんばれますね。)

まずは実際の画面をご覧ください。動画は予選の4ラップ目のものです。それまでのベストは42.901でした。ラップタイムの上のバーグラフがタイム差表示です。


リアルタイムなのと同時に、グラフ表示でタイム差の推移もつかむことができます。

尚、ベストラップにタイム差を足すと予測タイムになりますが、今のところ表示はしていません。

しくみ

計算のもとになるのはスピードセンサーのデータです。スピードセンサーは、専用CPUで正確にホイールの速度をリアルタイムに計算しています。この値を積分すると距離を求めることができます。

追加情報 (2018/12/14)
高精度GNSS DG-PRO1の発売に合わせてGPSスピードでもタイム差表示が可能になりました。 https://www.bizstation.jp/ja/drogger/drogger_index.html?tab=gps

1秒間隔で、ラップ検出からの距離をベストラップの時と比べてタイム差を計算します。

GPSの位置情報を使う方法もありますが、AndroidGPSでは精度があまり良くないのでこの方法を採用しています。(GPSの精度がより向上した場合は、計算方法を変更するかも知れません。)

使い方

必要なもの

タイム差表示を行うには、スピードセンサーまたは高精度GNSS DG-PRO1が必須です。また、センサーが正しく動作している必要があります。

スピードセンサーは、タイム差表示も含め、データの解析とタイムアップには必須のアイテムです。 詳しくは以下の記事で

drogger.hatenadiary.jp

メーター表示のための設定

  1. アプリの[設定][表示]の[タイム差グラフ]をONにします。(デフォルトON)但し、スピードセンサーが無い場合は、この設定に関係なく表示されません。 この設定をONにし、比較可能な状態になると、メーター画面のラップタイムの上にタイム差のカラーグラフが表示されます。

カラーグラフの見方

カラーグラフはラップ更新ととともに少しづつ色表現しながら伸びていきます。ラップが更新されるとまた最初から表示されます。

意味
タイム差なし
0.25秒以上速い
0.25秒以上遅い

0- 0.25秒の間は、黄色からのグラデーション色になります。

グラフ画面でのタイム差表示

タイム差はメーター画面だけでなくグラフ画面でも表示できます。

  1. グラフ画面でメニューから [Diff]を選択してチェックを付けます。(スピードセンサーが無いデータの場合は選択肢が出ません。)

最初に選択したラップを基準に2つめのデータとの差を色表示します。

これで簡単に2つのラップで良いところ悪いところがすぐにわかります。

制限事項

  1. メータ画面ではベストラップを基準にしますが、ラップ中のスピードが5km以下になった周(ショートカットエリアでの停止など)はベストラップとして認識されません。
  2. グラフ画面では、最初に選択したラップを基準にしますが、そのラップ中のスピードが5km以下になった周は基準の周として認識されません。
  3. グラフ画面で3つ以上のラップを選択した場合、最初のラップを基準に2つ目のラップとの比較が表示され、3つ目以降のラップは無視されます。
  4. 精度には、スピードセンサーの状態、路面のギャップ、走行方法(ウィリーやホイールスピン)などによって誤差があります。

おまけ

今回の機能を開発するにあたり、過去のデータをテストできるようにログの再生機能を追加しました。冒頭の動画もこのログの再生機能を使っています。

  1. メータ画面でメニューを開きます。
  2. [ログの再生...]をタップします。
  3. [データ一覧]が表示されますので再生したいデータをタップします。
  4. 再生が開始されます。

設定やデータ一覧など他の画面を開くか、[RESET]またはアプリを終了すると停止します。

予選などの車載動画にこの再生動画をワイプ風にいれたら面白いですね。

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Drogger - 高精度外部GPSの実験

DroggerはGPSでラップタイム計測ができるようになりました。Android端末のGPSは更新頻度が1Hzで精度もあまりよくありません。そこでAndroid用10Hz外部GPS*1を使ってどうのような精度が得られるか実験してみました。

高精度GPSの概要

AndroidのGPSは、コスト、アンテナ、電池消費などの制約から精度、更新頻度ともに性能よりもバランスを重視したものになっています。対してGPS専用製品は性能を追求しており性能に大きな差があります。

AndroidのGPSの更新頻度は最速1Hz(1秒に1回更新)ですが、高精度GPSでは10Hzや20Hzといったチップも販売されています。また、対応する衛星群(米国、ロシア、中国、EU、日本*2など)も多くなっています。市販チップの単独測位での位置精度は概ね2m ~ 2.5mといったものが中心です。

Androidでの外部GPSは、BluetoothやUSBで接続したGPSのデータを扱うプロバイダーを標準のロケーションプロバイダーと置き換えることで、GPSを使用するアプリすべてで恩恵を受けられるようになっています。

今回使用したGPSはBluetooth接続で、標準のロケーションプロバイダーと置き換えています。Droggerのアプリの変更は一切ありません。 仕様的には10Hzで位置精度は概ね2mといった製品です。高精度GPSと書いていますが正確にはGPS(米国)だけでなくGLONASS(ロシア)も使用した製品で高精度GNSS(Global Navigation Satellite System)です。

追記 2018/12/02 Android用 高精度・高更新レートのGPS(GNSS)が発売になりました。
このとき実験した高精度GPSよりも高精度です。

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位置トラッキング

まず、Google Map上にトラッキングポイントを描いてみました。DroggerのラップデータをCSV形式で保存し、Google Mapにそのままインポートします。CSVデータには緯度(Latitude)、経度(Longitude)情報も含まれています。


Google Mapで詳細を見る

(ストレートでのトレースが不足しています。これはDroggerのデータは50Hzで1周約43秒 = 43 x 50 = 2150 個のデータがあるのですが、GoogleMapに扱えるのが2000個までで最後の約150個が描けないためです。)

さすが高精度で10HzのGPSです。かなりきれいに実際の走行ラインをトレースできています。

Droggerのグラフにコース図がありますが、とてもきれいなコース図になります。右はAndroidのGPSで、その差は歴然です。

スピード計測

次はスピード計測です。ホイールスピードとの違いを比べてみました。

ホイールスピードの場合コーナーではバンキングとタイヤのラウンド形状により外周長が短くなり、実際の速度よりも少し高いスピードになります。

反対にGPSは計測ポイントと次の計測ポイントを直線で結ぶため、時間に対する距離が短くなり実際の速度よりも遅いスピードになります。ですのでストレートとコーナーを別けて比べてみたいと思います。

尚、GPSスピードは、GPSチップが計算したスピード値を使用しています。(アプリで計算することも可能ですがそれはしていません)また、どちらのデータも補正を掛けず生の値を示します。

ストレート

GPSの位置更新は10Hzですがスピードの更新はそれよりも頻度が低い様で少しギザギザしたグラフになっています。10Hzの移動距離から速度をそのまま計算すると相当誤差が出てしまうでしょうから時間間隔を広めに取っているかも知れません。

ホイールスピードと比べると少し遅い速度を示しています。全体0.2~0.4秒ほどやや遅れがあると思ってみるとほぼ同じ速度でしょうか。ただやはり、ストレートエンドでの最後の部分はバンキング開始を除いても数キロは遅めです。

ホイールスピードは、その変化がエンジン回転数とほぼ同期しています。計測パルスの生成元が異なるにも関わらず同期しているので正確と判断できます。精度はタイヤ外周長の計測にかかっていますが、1500mm程の長さに対して1%(15mm)はずれないかと思いますので1%以内の精度と考えて良いかと思います。

コーナー

計測方法の違いから、予定どおりGPSはホイールスピードに比べてかなり低いスピードを示します。どちらも真の速度は計測できていませんので直接の比較はあまり意味がないかも知れません。ただ、ホイールスピードのほうがレスポンスと滑らかさは上回っています

また、ホイールスピードはエンジン回転数と同じように、グラフからバンキングの開始や起き上がりなどライディング操作を読み取ることができます。

ラップタイム計測

ラップタイムの精度を計測しました。

Droggerは磁気ラップセンサーで計測したデータを、あとから位置情報でラップタイムを解析きます。それを使って比較します。

磁気センサー vs 高精度GPSセンサー

ラップ 磁気センサー 高精度GPSセンサー
1 43.681 43.661 -0.020
2 29.875 29.912 0.037
3 43.215 43.229 0.014
4 43.286 43.181 -0.105
5 43.135 43.180 0.045
6 43.602 43.765 0.163
7 43.905 43.811 -0.094
8 43.773 43.664 -0.109
9 43.718 43.568 -0.150
10 43.404 43.619 0.215

精度は 0.2秒程度の差が出ています。平均差は、0.0952秒で概ね0.1秒といった感じです。

AndroidGPSセンサー vs 公式タイム

次に、AndroidGPSでの比較です。MyLAPの公式データと比較してみました。12周の決勝レースでの比較です。

最初のラップ開始は、公式データはレッドシグナルが消灯した瞬間なのに対してAndroidGPSセンサーは通常どおり指定ポイント通過のため異なっていますので、1周目は除外してご覧ください。

ラップ Android GPS 公式
1 44.114 45.324 -1.21
2 43.463 43.478 -0.015
3 43.031 43.319 -0.288
4 44.048 43.718 0.330
5 45.065 45.121 -0.056
6 43.961 43.897 0.064
7 44.243 44.229 0.014
8 43.344 43.385 -0.041
9 43.496 43.556 -0.06
10 43.551 43.329 0.222
11 43.005 43.402 -0.397
12 44.237 44.070 0.167

精度は 最大0.4秒程度の差が出ています。平均差は、0.150秒で概ね0.15秒といった感じです。

磁気センサー vs 公式タイム

最後に、磁気ラップセンサーの精度を公式データと比較しました。AndroidGPSセンサーと同じく1周目は、開始ポイントが異なりますので除外してご覧ください。

ラップ 磁気センサー 公式
1 44.897 45.324 -0.427
2 43.475 43.478 -0.003
3 43.314 43.319 -0.005
4 43.733 43.718 0.015
5 45.116 45.121 -0.005
6 43.903 43.897 0.006
7 44.201 44.229 -0.028
8 43.395 43.385 0.010
9 43.552 43.556 -0.004
10 43.348 43.329 0.019
11 43.410 43.402 0.008
12 44.068 44.070 -0.002

最大差 0.028秒で平均差 0.009545秒で0.01秒以下でした。高精度GPSと比較しても1桁違う精度です。わずかな差の原因としてMyLAPとマグネットの計測ポイントは数メートル異なっていますのでそこでの違いも多少あるかも知れません。

ラップ計測比較

上記3種類の計測方法の平均差(公式タイム差)としてグラフにまとめてみます。

正確なラップ計測は高精度GPSでも1桁足りない感じです。

高精度GPSのまとめ

  • コーストレースにおいてはとても有用です。非常にきれいなトレースが可能になります。
  • Android端末のGPSと比較すると、ラップ計測・スピード計測共に非常に精度が上がります。オフロードや簡易的に使いたい場合はとても良いかと思います。
  • ラップ計測の絶対精度は、磁気センサーや赤外線などには遠く及びません。
  • スピード計測は、マシンの動き(バンキング)やコーナーの最低速度なども含めてライディングの改善をしたい方にはあまり役立たないかも知れません。最高速などでエンジン比較などをされるだけでしたら高精度GPSでも良いかも知れません。

他に、タイム予測などを行うには簡単なアルゴリズムでできそうです。トレースのきれいさや機能の充実には不可欠かと感じます。

安くて性能の良い製品が簡単に入手できれば良いのですが、現在のところすぐにお勧めできる製品がありません。できれば、高精度のチップを使ってDrogger用のGPSユニットを作りたいなと思っています。

Droggerの詳細・ご購入は
https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:今回使用したGPSユニットはGPS有名メーカの物でしたが国内販売がなく容易に入手できないため非公開とさせていただきます

*2:QZSS みちびきはGPSを補完する衛星です。ビルの多い場所など上空可視範囲が狭い場合に精度向上が見込めます

GPSラップタイムセンサー

GPSでのラップタイム計測が可能になりました。従来の磁気と赤外線との併用が可能です。(アプリバージョン 1.2.60)

GPSでのラップ計測は、磁気と赤外線と比べてタイムの精度は劣りますが、以下のような場合にはとても便利です。

  1. オフロードなど、磁気や赤外線でのラップ計測がしにくいところでのロギング。
  2. 空燃比のセッティング時など、ラップタイムの正確さより簡単さが重要な用途。
  3. コースの環境が悪く磁気や赤外線で正しく計測できなっかた場合に、ロギングデータを救済する。
  4. 磁気や赤外線センサーの破損や断線など故障時のバックアップ

GPSラップタイムセンサー

GPSラップタイムセンサーはソフトウェアのセンサーです。従来よりDroggerは10HzでAndroidの位置情報をロギングしていました。このセンサーは、その情報からコース上のセンシング位置を通過した際のタイムを計算します。

磁気や赤外線でラップタイムを計測しロギングしたデータも、後からGPSラップタイムセンサーでラップタイム計算と表示が可能です。これにより、磁気や赤外線での計測がうまくなかった場合でも、ロギングしたA/Fや回転数、ストロークといったデータを正しく表示できます。

GPSラップタイムセンサーの最小タイムは、設定に関わりなく27秒です
(2023/12/04 追記 高精度な弊社のGNSS受信機 DG-PRO1Sを使用した場合、最小タイムは10秒です)
。これはカートコースなどメインストレートと並走するコースレイアウトでの誤判定を防止するための仕様です。

GPSラップタイムセンサーの精度

GPSラップタイムセンサーの精度はAndroid端末のGPSチップとアンテナ、電波状況(天候や電離層など)などで変化します。また、コース形状と計測ポイントでも精度が変わってきます。

京セラDIGNO E(比較的安価なAndroid)のGPSで、条件が良い場合で0~0.2 秒ほどの誤差がありました。ただ電波状況は刻々と変化するため、0.5秒程度またはそれ以上の差があることもしばしばあります。

単一のラップに関しては、あまり良い制度ではありませんが、10周の平均ラップといった場合であれば、その誤差は激減します。ラップタイムを重視して見る場合はそのような見方をされたほうが良いかと思います。

最新のAndroid端末では捕捉衛星数も多くなっていますので、より高精度で計測できるかと思います。別の機会に最新機種の精度も調べてみたいと思います。

使い方

組み込みのGPS検出ポイント

GPSラップタイムセンサーはコース上のある地点の通過を検出します。そのため、事前にその地点(検出ポイント)の指定が必要です。

オンロードのサーキットについては国内のほとんどのコースの検出ポイントがアプリに組み込まれています。

GPS検出ポイントリスト

GPSでの計測は、直線的に走行する距離をある程度(100m以上)取ると精度が良くなります。そのため、計測地点はメインストレートエンド手間付近になっています。ゴールラインが最終コーナーから十分な距離がある場合はゴールライン上に設定されています。

GPSラップタイムセンサーを有効にするとメータ画面右下枠[L/S]にGPSと表示されます。サーキットのGPS検出ポイントが取得できると緑色で、検出できない場合は赤色で表示されます。

コース名が実際と異なっていたり、GPSの文字が赤色の場合は正しくラップ計測できません。

検出ポイントの手動設定

以下のような場合は手動で検出ポイントを設定します。

  1. 組み込みの情報に無い場合。
  2. 正しく検出コース名が検出されない場合。
  3. 検出ポイントをオリジナルで変更したい場合。

設定は以下の手順で行います。

  1. アプリの設定を開きます。
  2. [ラップタイム]-[GPS検出ポイントの指定]の順にタップします。
  3. [コース名] [検出ポイント緯度] [検出ポイント経度] [進行方向]を入力します。
    緯度、経度の調べ方は次のセクションをご覧ください。
  4. 最後に[この設定を使用する]をONにします。

この設定に名前を付けて保存できます。名前と付けて保存する方法は以下のブログの「コースとマシンによる設定切替」をご覧ください。

drogger.hatenadiary.jp

検出ポイントの緯度、経度の調べ方

Googleマップを使用して座標を取得できます。Googleマップで目的のコースを拡大表示します。このときできれば航空写真にするとよりわかり易くなります。

検出した点(できれば100m以上の直線の後のコース幅の中央位置)をタップまたはクリックします。Androidであれば上の検索バーに、PCであれば画面下にポップアップした部分に、緯度、経度の数値が表示されます。

進行方向はマップの真上が北になりますので画面に分度器等を当てて北から右回りに 0-360°の間で進行方向を読み取ります。

現場で測位する方法もありますが、測位位置そのものがコースから外れている場合があり、精度をよくするため現在のところこのような方法を取っています。

走行時のラップタイム表示

タコメータ画面でGPSラップタイムセンサーのタイムを表示することができます。(デフォルトでは磁気または赤外線センサー) これは表示の切替です。磁気や赤外線での計測も同時に行われています。ロギングされたデータの表示時にそれらに変更することもできます。

  1. アプリの設定を開きます。
  2. [ラップタイム]-[GPS Lap センサーを優先する]をONにします。

走行時と異なるラップタイムセンサーでデータのタイムを表示する

異なるラップタイムセンサーでタイムを解析するには、解析条件を変更します。条件の確認と変更は「データ情報」画面で行うことができます。

  1. データ一覧を開きます。
  2. ラップタイムセンサーを変更したいデータを長押しします。
  3. [プロパティー]をタップします。(アクションバーの①マーク)データ情報が表示されます。
  4. [ラップタイムセンサータイプ]を長押しします。
  5. [GPSラップタイムセンサーを優先する]のチェックを選択し[OK]をタップます。

これで、GPSラップタイムセンサーの有効/無効の切替ができます。あとは戻ってデータを確認してみてください。

GPSラップタイムセンサーで解析された場合、ラップ一覧画面のタイトルの後ろに(GPS Lap sensor)と表示されます。

ラップの計測開始ポイントかラップ終了ポイントでGPSの位置精度が11m以上で検出精度が悪かった場合は、タイムの文字がグレーで表示されます。

磁気か赤外線で計測されたデータをGPSラップタイムセンサーで表示する場合、最初の1周目または最後のラップが表示されない場合があります。これは、検出位置の違いにより最初または最後のラップ検出のデータが無い場合があるためです。

本体ユニットなしでラップ計測をする

Bluetoothのペアリング済みデバイスに「DROGGER-00x」がなく、GPSラップタイムセンサー優先に設定すると、アプリのみでラップ計測することが可能です。

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サスペンションストロークをパーセント表示する

f:id:bizstation:20180605154305p:plainDroggerのストロークセンサーは光学式で、センサーと対象物の距離をリアルタイムに測定します。

従来は計測値をそのままmm表示していましたが、今回新たに伸びきりからフルボトムを100%としてパーセントで表示できるようにしました。追加された表示方法は以下の2種類です。

  1. ストロークなし(伸びきり)をゼロとしフルボトムを100とする表示
  2. 反対にフルボトムで0%となるストローク残量のパーセント表示

従来の方法も有効ですので、合計3種類の表示方法が選択できます。

1はHRCデータロガーなどとほぼ同じで、沈むとグラフが上に上がります。

f:id:bizstation:20180605115225p:plain
ストローク量 沈むと線が上に上がる

2は従来のDroggerと同じで、沈むとグラフが下に下がります。上図と同じデータですがグラフは逆になります。

f:id:bizstation:20180604195512p:plain
ストローク残量 沈むと線が下に下がる

パーセント表示の使い方

パーセント表示するには、事前に伸びきりとフルボトム時の位置計測が必要です。フルボトム位置を正確に取得するにはスプリングを取り外す必要があります。

伸びきりの計測

  1. スタンド等を使ってフロントサスペンションが伸びきった状態にします。

f:id:bizstation:20180605154517j:plain
伸びきった状態
2. アプリを起動しReady状態にします。 3. メニューから[Sensor Adjust]をタップし[Front Stroke No load]をタップします。 これでフロントサスペンションの伸びきり位置が計測され保存されます。 同様にリアサスペンションも行ってください。

フルボトムの計測

  1. フロントサスペンションのスプリングをはずすなどしてフルボトムした状態にします。

    f:id:bizstation:20180605154716j:plain
    スプリングを取ってフルボトムした状態

  2. アプリを起動しReady状態にします。

  3. メニューから[Sensor Adjust]をタップし[Front Stroke Full bottom]をタップします。 これでフロントサスペンションのフルボトム位置が計測され保存されます。 同様にリアサスペンションも行ってください。

すべての記録値を有効にするために、一度戻るボタンで一度アプリを終了するか、メータ画面で[reset]をタップしてください。

計測値の確認

上記で記録した値を以下の方法で確認できます。

  1. アプリの設定https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/icon_setting.pngを表示します。
  2. [アジャスト値]をタップします。
    記録した値が項目ごとに表示されます。 f:id:bizstation:20180604195713p:plain

ここで、フロントとリアの最大ストローク量を計算してメモしておくとセッティング変更時に便利です。 (最大ストローク量 = 伸びきり値 - ボトム値)

アプリの表示設定

最後にアプリの表示方法を設定します。

  1. アプリの設定https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/icon_setting.pngを表示します。
  2. [ストロークセンサー]をタップします。
  3. 表示方法を選択します。 f:id:bizstation:20180604195625p:plain

表示方法はいつでも変更可能です。過去のデータもここで選択した方法で表示されます。ただし、データに伸びきりやボトム値がない場合 は正しく表示されませんので注意してください。mmでの表示は常に問題なく表示できます。

車高や突き出しの変更

リアの車高やフロントサスの突き出しなどを変更した場合、計測値も変更する必要があります。(リアの場合、ファイナルの変更などリアホイールの位置の変化でも多少変わります) 伸びきり位置の計測は比較的簡単ですが、ボトム位置の計測は大変です。 そこで、伸びきりのみ再計測し、最大ストローク量からボトム値を計算し手入力することができます。

  1. フロントの伸びきりの計測を行います。
  2. 前述したの「計測値の確認」を行います。
  3. 表示されたフロント伸びきりの値から、既知の最大ストローク量を引いて、ボトムの時の値を計算します。
  4. [Front stroke bottom]をタップします。計算した値を入力します。

リアも同様に計算し入力します。

すべての設定を有効にするために、戻るボタンで一度アプリを終了するか、メータ画面で[reset]をタップしてください。

データの情報表示

記録されたデータがどのような設定によってされたかを「データの情報」で確認することができるようになりました。

サスペンションの伸びきりやボトム値なども以下の方法で確認できます。

  1. データ一覧を表示します。
  2. データを選択して長押しします。
  3. マルIマークをタップします。 f:id:bizstation:20180604200114p:plain

  4. データ記録時の様々な情報が表示されます。[フロントストローク伸びきり]~[リアストロークボトム]までの値を確認します。

f:id:bizstation:20180604200136p:plain

最後に

パーセント表示は、センサーの取付位置などの違いを吸収できるため、他のライダーやマシンのデータとの比較がし易くなります。 最初の計測が少々面倒ですが、是非使ってみていただけたらと思います。

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磁気センサーとGPSを使ったハイブリッドラップ検出

f:id:bizstation:20180601180447p:plain

Droggerのラップ計測はGPSではなく磁気か赤外線を使っています。理由はこれらのほうが高精度に計測できるためです。 しかしながら、課題もあります。磁気の確実な検出は、コースのマグネット管理や環境磁場に依存します。

ツインリンクもてぎの本コースでは、なぜか縁石に乗ると磁気反応することがあるようです。
特に2コーナーアウト側と5コーナー進入、最終コーナーアウト側で、磁気センサーが反応することがあります。コース管理の方にも聞いて見ましたが、そこに特に磁気を帯びた設備はないそうです。

考えられるのは、縁石コンクリートの中の鉄筋の磁気です。鉄筋は無破壊検査のために、着磁することもあるそうで、この可能性は高そうです。

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GPSによるマグネット位置判定

Droggerアプリの最新版には、GPSによる検出位置のチェック機能が加わりました。

センサーがラップ検出した際に、事前にわかっているマグネットの位置とコース方向から、距離と進行方向を確認し、そぐわない場合は誤判定として無視します。

これにより最小ラップタイムの設定もより有効に活用できるようになりました。誤検出箇所があると、そこを基準にラップが始まってしまい最小ラップタイムの意味が低下してしまっていました。

ご注意! (2018/06/01現在)
GPSによる位置判定はコースのマグネット情報が必要です。現在のところマグネット情報は限られたコースのみ対応しています。アプリにはツインリンクもてぎ、桶川スポーツランド、堺カートランドの情報が入っています。
その他のコースでの対応を希望される場合は、[お問い合わせ]よりお知らせください。その際、マグネットの位置をお教えいただけると助かります。例:ゴールライン手前3m

使い方

アプリの設定

アプリの[設定]-[ラップタイム]-[GPS検出チェックを使う]をタップしてチェックを付けます。 f:id:bizstation:20180601173949p:plain

また、同時に[ラップタイム]-[最小区間タイム]も一周のタイムより少し速い時間にセットします。

本体ユニットのリビジョン

ツインリンクもてぎで有効に使うには、リビジョン 37以降が必要です。

36までは、本体ユニット内でラップ検出後4秒間は次の検出を無視するようになっていました。しかし、もてぎでは最終コーナー縁石からマグネット位置までがマシンによっては約1秒のため縁石で誤検出があるとマグネットでの検出ができません。

リビジョン 37以降は4秒ではなく0.7秒に変更されました。

現状のところこのリビジョンを必要とするのは、誤検出位置とマグネットが近いツインリンクもてぎのみです。

GPSの精度確認

GPSによるマグネット位置判定は、GPSの精度に依存します。GPSの精度が悪い状況の時は、判定をしないか緩い判定になります。 メーター画面で、現在のGPSの精度を確認できます。スピード表示の左側に以下のように表示されます。この表示はGPS検出チェックの有効/無効に関係なく常に表示されます。

f:id:bizstation:20180601174006p:plain

精度
5m以下
10m以下
20m以下
- 20-80m
不明

また、後で計測のログを見る際にコーストレースする現在の位置を示す点の色も同様に変化します。

走行前にGPSによるマグネット位置判定が有効か確認する

メータ画面の右下にコース名が表示され、色がグリーンで表示されます。マグネット位置情報が無い場合や設定が有効でない場合はオレンジ色です。

走行データを確認する

表示されたラップ一覧で、GPSフィルターが有効な場合、日付コース名の後ろに (GPS Check)と表示されます。

f:id:bizstation:20180601174321p:plain

GPSフィルターが有効が有効かどうかはデータ記録時に決定されません。条件が整っていれば表示時に有効/無効を設定で切り替えることができます。

また、各ラップのコース図中の現在位置を示す点の色がその時のGPSの精度を示します。

f:id:bizstation:20180601175530p:plain

制限事項

  • コースのマグネット情報がない場合は、設定を有効にしても従来通りのフィルターの無い動作になります。
  • 複数マグネットのコースの場合、コース内の1つのマグネット帯のみターゲットにできます。その他のマグネットは無視されます。
  • GPSの精度が悪い状況では、精度状況に応じて判定されないか、緩い判定になります。
  • ツインリンクもてぎは本コース/西コースに対応しています。東コースの場合は、チェックをOFFにしてください。

より高精度に

この機能はまだ始まったばかりです。フィルターの検証データも少ないため今後さらにデータを増やして精度を向上させていきたいと思います。

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https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

Drogger用にワイヤレス充電器を試す

f:id:bizstation:20180511130150j:plain Droggerを耐久レースに使うには電源対策が要ります。耐久レースも色々ですが、3時間以上の場合です。ついでに、町乗りやツーリングでのスマホ使用も同様です。

Drogger本体ユニットは300円のモバイルバッテリーでも20時間以上もつので十分ですが、スマホは3時間くらいでローバッテリーになってしまいます。 スマホも補充電しながら走ればいいのですがこれが色々問題ありです。

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USBコネクターの問題

Droggerの開発当初はBluetoothでなくUSBケーブルで接続していました。本体ユニットの電源はスマホ供給だったりして都合がよかったのですが、USB差込部がすぐに接触不良を起こしてしてしまいました。何度もケーブルを変えたりするのですが、すぐにダメになります。

また、USBケーブルを挿すとそこは防水にならないものが多く、雨天はそのままでは使えません。そんな背景から接続部の無いBluetoothに変更した経緯があります。

とにかく、走行時に普通のUSBケーブルをスマホに挿すのは(バイクの場合)NGです。

ワイヤレス充電器

そこで、最近は3000円ほどで買えるワイヤレス充電器が使えないかと思い、試してみました。

f:id:bizstation:20180511130214j:plain
薄いレシーバ

f:id:bizstation:20180511130313j:plain
USB差込部

薄いレシーバをスマホの背中に貼り付け、小さなUSBコネクターを挿すのですが、通常のUSBケーブルとは大分違っていて、軽量で本体とほぼ一体化しているので振動による劣化がほとんどなさそうです。また常時付けたままですので差込部をシールすることもできます。

f:id:bizstation:20180511130340j:plain
充電器

充電 vs 消費

ワイヤレスのため充電電流は大きくなさそうなので、実際に充電しながらDroggerを動かしっぱなしにしてみました。

90%で始めて3時間経過しました時点で、電池残量は95%で少し増えていました。消費と充電量はほぼ同じくらいか少し充電が勝る感じです。(充電器やスマホによって変わるかも知れませんが)

f:id:bizstation:20180511130501j:plain (追記!その後さらに放っておいたら100%になっていました。)

充電器の防水

バイクに充電器を搭載するには、やはり防水対策しないといけませんが、スマホと違い対策したままでOKなので色々できそうです。ジップロックに入れて口を下にしておくだけでもいいですね。あいだにビニールとかがあっても問題なしでした。

充電機能付きスマホホルダー

こうなると充電機能付きのホルダーがあればとっても便利じゃないかと思って、充電器内蔵ホルダーを探しましたが、今のところ手ごろなものがなさそうです。

充電器だけなら、平べったいだけのものとかも出ています。さらに基板とコイルが剥きだしのDIYキットなんてのもありました。それらとと組み合わせてつくるしかないかなと思います。

まとめ

まだ、テストしはじめたばかりですが、電源問題を解消する本命にできそうな気配を感じます。 うまくいったら充電器内蔵のスマホメータパネルを作りたいと思います。 (スマホはUSBコネクターが本体真ん中にあるものでないとレシーバが合わないので注意が必要です。)

今回試したレシーバと充電器は以下のものです。 充電器 レシーバ

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