Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

DG-PRO1RWS DMPコンパス精度向上の学習機能など

今回は、DG-PRO1RWSの新しい機能のご紹介です。

主な内容は以下の3点です。

  1. DMPコンパス精度向上の学習機能 
  2. TCPクライアントをレシーバーで実行可能に
  3. RW(S)アンテナ一体型エンクロージャの発売間近!(2020/05/15正式に販売になりました。)

尚、1と2はファームウェア 1.4.23 Drogger-GPS 2.4.104以上への更新が必要です。

DMPコンパス精度向上の学習機能

DMPのコンパスは、農業車両ナビなど低速作業車のヘッディングをえるために重要な役割をしています。

DMPはセンサーモジュール内にある専用プロセッサーによってコンパスの計算が行われます。今回の学習機能はそのプロセッサーではなく、レシーバのメインプロセッサーによるものです。 これによって、専用プロセッサーでの学習と、メインプロセッサーでの学習と2系統の学習機能が搭載されます。

素早い学習

今回のファームウェア更新(1.4.23)でDMPコンパスの誤差を5°刻みで評価・学習する機能が追加されました。従来は、DMPの生の値によっていましたが、周囲の環境による誤差などを除去するために独自の補正を加えることにしました。 従来からある専用プロセッサーよる学習機能も周囲の環境の誤差を取っていきますが、学習までの時間が長く(連続約2時間)、素早い環境変化に対応できない欠点がありました。

今回加えたメインプロセッサーでの学習機能は、GNSSの方位精度・スピードなどを監視し、精度が良い状態であればそれを正としてDMPの誤差を学習していきます。素早い学習が特徴です。

学習条件

GNSSの方位を正としますので、精度が良い状態でなければ学習しません。学習の条件は以下の通りです。

  • GNSSの方位精度 5°以下
  • 速度が2km/h以上かつ1秒以内の回転角が5°以下
  • 速度が3km/h以上かつ1秒以内の回転角が10°以下
  • バック中ではないこと
  • MB(Moving base)でないこと

これらの条件を満たすと、DMPの誤差を学習します。

GNSSとDMP連携の見える化

Drogger-GPSで学習状況を確認することができます。ヨーなどの値に加えて、下図の枠に示したO:という項目が増えました。Oに表示される値は以下の通りです。

内容
数値 GNSSの方位とDMPの方位の差(°)
数値の後ろに B バックを検出中
数値の後ろにL 誤差を学習中
文字の色 :ヘッディングはDMPの値
:ヘッディングはGNSSの値

車両をゆっくり動かしながら見ていただくと、どのようにGNSSとDMPが連携して動作しているかがよくわかります。DMPは主に停止時と極低速、バック時に働いています。

従来のコンパスオフセット設定はどうすれば良いか

従来、コンパスのオフセット値の入力がありましたがこの学習により事実上不要にすることも可能です。しかし、未学習時や複数の車両で付け替えなどでの取付角度差を取るために従来通り残してあります。

オフセット値はデフォルトのゼロのままでOKです。ただ、レシーバの前方面が車両の前方に対してまっすぐでない場合は、そのズレ角を入れていただければと思います。

コラム

今回の機能追加するにあたって、何度も何度も実験を繰り返してきました。その際、おろしたてのRWSで、最初は大分方位に誤差があったので都合が良いと思ったのですが、実験を重ねるうちいにDMP内の学習によってどんどん精度が良くなっていってしまうのです(笑)。
そう、専用プロセッサーの学習には時間がかかります。一時の値だけでは学習されず時間経過とともに精度を上げていく特性です。

今回追加した機能は即効性なので専用プロセッサーの学習が十分でないうちは大きな効果を上げますが、学習が進むとその効果は薄れてきます。ユーザーは短い時間で評価をされる点と、別の車両と入れ替えるなどといったシチュエーションも考慮しそれで良いと判断しています。

取付当初、DMPコンパスの精度があまり良くなくても慌てないでください。色々な方角に移動を繰り返すうちにどんどん精度が上がっていきます。

学習の抑止

レシーバの取付位置を移動せず、ある程度学習できてそれ以上学習が必要の無い場合、学習を抑止することができます。 設定-[TestMode]-[Disable compass offset learning]をONにするとそれ以上の学習を抑止します。

学習値のリセット

大きく環境が変わった場合(例 : 取付の向き変更など) 学習値を一度リセットしたほうが良い場合があります。 レシーバーとBluetooth接続できている状態で、

  1. [...メニュー]-[レシーバ]-[DMPコンパスのリセット]をタップします。
  2. 確認のメッセージが出ますので[OK]をタップします。

TCPクライアントをレシーバーで実行可能に

レシーバのWiFiを使用したNtripサーバー・クライアントに加えてNMEAを出力するTCPクライアントが使用できるようになりました。

測位結果のNMEAメッセージはBluetooth SPPがサポートされたPCやデバイスであれば簡単に受け取れます。WindowsやLinux・MacOS・AndroidなどほSPP対応ですが、唯一iOSだけはSPPがサポートされないため利用できませんでした。そこでiOS側でTCPサーバーを実行することで測位結果を受け取ることが出来るようにいたしました。

もちろん、iOS以外でもTCPサーバーを実行すれば受信できます。AndroidではAgriBus-NAVI、WindowsでRTKLIBのstrsvrなどで受信できます。

また、Ntripクライアントとの同時利用も可能です。電源を入れるだけで(Androidなしで)RTKとTCPクライアントが実行できます。

レシーバでTCPクライアントを実行するには

従来より、AndroidでTCPクライアントが実行可能でしたが、そのオプションに「レシーバで実行」を追加しました。これをONにするとAndroidではなくレシーバで実行します。

RW(S)アンテナ一体型エンクロージャの発売間近!

ようやく皆さんにご案内できる時期になりました。(2020/05/15正式に販売になりました。)

レシーバ・アンテナ・グランドプレーン・006Pリチウム電池・外部電源コネクター・電源スイッチが一体になったRWPを2020/05/15頃発売予定です。

RWP

また、既に発売済みのポールアダプターに加えて、車両などへのマウンターも発売します。

測量ではポールに、作業車ではルーフなどに簡単に取付可能です。車両マウンターは付属の野外用超強力両面テープでルーフなど貼り付け可能です。

車両マウンターでダッシュボードに付けての実験

複数の車両でRWPを共有する場合、車両ごとにマウンターをご用意いただくことで取付取り外しも簡単に行うことができます。

ポールへの取付も簡単

2Way電源

電源は市販の006Pリチウム電池と、従来のUSB電源ケーブルの両方が利用できます。市販の006Pリチウム電池は800mA/hの容量でおよそ3時間の連続使用が可能です。あまり長い時間ではありませんが電源スイッチが付いていますので節電が可能です。

また、長い時間連続的に使用したい場合は、外部電源コネクターに従来のUSB電源ケーブルを接続可能です。006P電池と外部電源はスイッチで切替できます。一方のみ電源接続している場合はON/OFFスイッチと同様な動作になります。スイッチ回路は防水で、逆接防止回路も内蔵します。

既にRW、RWS、RW+拡張モジュールをお持ちのお客様へ

既にRW(S)をお持ちのお客様用にエンクロージャのみの販売と、ケーブル短縮加工も承ります(要 弊社への送付)。

エンクロージャキット(電池は含まれません)

ケーブル短縮加工は行わなわずに外に出すことも可能です。

長いケーブルのままで取り付けた場合

拡張モジュール付の場合は、レシーバの厚みが異なりますので、オプションのスペーサーを足すことで収納可能になります。

拡張モジュール用スペーサー

 価格

(正式に販売になりました)

RWP用のグランドプレーンは、従来販売しているものとケーブルを通す切り欠きが異なります。そのままでは使用できませんのでご注意ください。(弊社での後加工はお受けできません)RWPエンクロージャに含まれるものをご使用いただければと思います。

品名 内容 価格(税抜)
RWP (DG-PRO1RWSを含む)全部入り完成品 89,800
RWPエンクロージャ グランドプレーン+スイッチ付きエンクロージャキット
(お客様による組込 + RWSの場合はアンテナ底面のマグネット取り外しも必要)
14,800
RWPコンバート作業 ケーブル短縮加工(アンテナと電源ケーブル)+ アンテナマグネット取り外し + 組込作業 6,980
RWP-PLA 伸縮ポールアダプター(発売済) 1,980
RWP-MNT 車両マウンター 2,480
RWP-SPC 拡張モジュール用スペーサ 1,480

006Pリチウム電池は市販品をお求めください。(弊社テスト品

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Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/