より新しい傾斜補正がリリースされました。新しい傾斜補正をご利用ください。 drogger.hatenadiary.jp
以前、DMPの記事で上の画像を載せさせていただいたことがあります。今回は、測量での傾斜補正の具体的な使い方を説明したいと思います。
うまく使っていただくと、傾斜角15°で概ね1~2cm 30°で3~5cm程度の誤差で計測できます。
はじめに
設定の前にいつものお決まりですが、「レシーバーの起動設定」をデフォルト設定での起動に戻します。
また、アプリ並びにDG-PRO1RWSまたはRWPのファームウェアは最新にします。
また、Drogger-GPSの設定で[...メニュー] - [デフォルトに戻す]を行ってから以降に進んでください。
DG-PRO1RWSをご利用の方は、標準のアンテナの近くにレシーバを固定しないでください。標準のアンテナにはマグネットが内蔵されているため近くにあるとレシーバの磁気センサーが正しく方位を検出できません。RWPは、アンテナからマグネットを除去しています。
目次
DMP設定
まず、 受信機の取付向きの設定を行います。
RWPまたはRWX(.DC)の場合
- [設定]-[ヘッディングと傾斜補正]-[パッケージ]でお使いのモデルを選択します。
前記以外の場合
- [設定]-[ヘッディングと傾斜補正]-[パッケージ]で「None」を選択します。
- [ボトム面]を設定します。
- [前方方向]を選択します。
共通設定
- F/W バージョン4.0以降の場合は、[測量ポールの傾斜補正に使用]をONにします。
- F/W バージョン4.0以降の場合は、[コンパスにジャイロセンサーを使う]をOFFにします。
(OFFの場合はコンパスに磁気センサーを使います。ジャイロを使う場合は、新しい傾斜補正のマニュアルをご覧ください) - [傾斜補正]をONにします。
- [アンテナ取付高さ(m)]にポールの先端からアンテナ位相中心までの高さ(ポールの先端~アンテナ基準面+アンテナ定数)を入力します。
[方位ローパスフィルター]や[DMPまたはMBコンパス]などその他のDMPの機能はすべてOFFです。
DMPクイック学習を無効にする
DMPクイック学習は低速車両の方位補正用ですので、測量では無効にします。
- [設定]-[Advanced options]-[Disbale compass offset learning]をONにします。
- 戻って、レシーバの電源を入れBluetooh接続します。
- 接続できたら、メイン画面の[...メニュー]-[レシーバ]-[コンパス学習のリセット...]をタップします。
- 確認画面で[OK]をタップします。
成功すると、「DMP compass offsets reset success!」と書かれたトーストが画面下部に表示されます。
以上でDMPの設定は終了です。RTK関連の設定はこれを元に行っていただくと良いかと思います。 尚、デフォルトの更新レートは10Hzです。あまりゆっくりですと反応が悪いのでこのレートでの計測が良いかと思います。
DMPセンサーの校正
次に補正の要になるセンサーの校正をします。ここからあとの手順は現場ごとなどこまめに行うとより精度を高めることができます。
注意点
特に重要なのは磁気センサーです。可能な限り磁気に影響を与えるものを取り除きます。
- 鉄などの磁性体を身に着けていたらすべて外してください。(RWPのグランドプレーンは非磁性ステンレスです)
- ポールはなるべく体から離して持ってください。スマートフォンもなるべくポールから遠ざけます。
- 周囲が道路の場合、自動車などの往来がないタイミングを見計らってください。
磁気センサーの角度誤差による補正誤差は下のグラフのようになります。グラフはポール高さ1.5m 傾斜角15°のときの例です。磁気センサーの誤差低減がそのまま、傾斜補正の精度向上につながることがわかります。
ポールを軸にレシーバを回転させる
磁気センサーは、加速度センサーなどと違って、北ならいくつ・南はいくつといったような方角による決まった値がありません。一回転してみないとその場所での北の値などがわからないため最初に学習を行います。
まず、ポールを軸(Z軸)にぐるぐるその場で数回転させます。反対向きの回転も同様に数回まわします。このときレシーバは電源が入っていればよく、Bluetoothは接続していなくてもOKです。 傾斜角が大きい用途の場合は、RWPをポールから外してX軸、Y軸を軸とした回転も行ってください。
レシーバを北に向け垂直にしてリセット
- Drogger-GPSでレシーバに接続します。まずRTKがFIXするまで待ちます。
- Googleマップの衛星写真を表示し、現在地と真北にある目標物を確認します。(拡大率を下げると目標を決めやすくなります)
- メイン画面のDMPの矢印アイコンをタップし、3つのチェックボックスをすべてチェックします。
- ポールを水平器などで垂直にするとともに、RWPの前方を真北に向けます。(電池ボックス側面の延長が真北を向くように)
RWXの場合は、Droggerのロゴ刻印のある面の延長を真北にある目標に向けます
- [OK]をタップします。
レシーバを正確に真北に向けることが特に重要です。これが合っていないと傾斜の方角を正しく取得できません。
計測する
では実際の計測です。傾斜補正の用途は大きく分けて2つかと思います。
- ポールを垂直にできない場所での計測
- ポールを正確に垂直に維持する手間を省くため
1の場合は、計測したいポイントになるべく近いスペースのある場所で、実際に傾ける角度と方角にて精度のテストを行ってください。 2場合は、概ね垂直状態で精度テストを行ってください。
垂直時のポイントを表示する
- マップをOpenStreetMapに切り替えます。
- ポールを垂直にし、マップ左上のバルーンアイコンをタップしてWaypointログを記録します。
- 次に、今度はバルーンを長押しして、[現在のウェイポイントを表示する]にチェックを付けます。
赤色の十字でWaypointが表示されます。
精度の確認
- 拡大率を、マップ上部のスケールで0.14m ~0.28m程度にします。
- レシーバーを北に向け、垂直位置を確認し、ゆっくりと計測したい場所と同じ方向に傾斜させます。このとき、DMPの方位計を見ながらレシーバが北を向くようにポールを軸に回転させます。
マップスケールからみて誤差が許容範囲内にあるか確認します。問題なければ実際のポイントを計測します。 誤差が大きい場合は、「ポールを軸に数回転させる」からやり直してください。
最後にこの手順で実際に傾斜補正を確認する動画です。
傾斜補正で。測量作業が快適になればと思います。
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