Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

Drogger - 高精度外部GPSの実験その2

前回の実験の時はまだ、DG-PRO1の発売前で他社のGPSでの実験でした。今回は、DG-PRO1がどのくらいの精度なのか確かめてみます。

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取付位置

GPS受信機の評価はその取付位置によって感度が異なり精度に影響します。今回実験で使用したNSF100での取付位置を示します。

DG-PRO1取り付け位置

以前ブログで紹介した内容の通りです。

DG-PRO1の概要と設定

DG-PRO1はマルチGNSSでGPS・QZSS・GLONASS・Galileo・Beidouなどの衛星群を同時に受信可能です。空が開けた場所では最大28個もの衛星から位置を計算することも可能です。

最大更新レートは18Hzで、前回実験のものよりさらに高頻度*1で位置更新がされます。

DG-PRO1には衛星位置が低いものや電波状況がよくない衛星を除外する機能があります。それぞれ15° 15dbHzにすると、状態の良い衛星に絞って精度と高更新レートを両立できます。GPS・QZSSの2つの組み合わせで18Hz、GPS・QZSS・Beidouの3つの組み合わせで10Hzの更新レートがお勧めです。

位置トラッキング

DG-PRO1でのトラッキング図です。

GPS+QZSS 10Hz

この周のDG-PRO1が報告した水平位置精度の推定値は0.41mで50cm以下です。実際のトレースは非常に正確で、コーナーのラインはそのレベルかそれ以上のようにも見えます。

スピード計測

前回実験したGPSは公称10Hzでしたが実測では7Hz位まで落ちていました。そのためスピードのグラフでは加速時もキザキザが目立っていました。

DG-PRO1でのスピード計測

DG-PRO1のこのときのレートは10Hzです。減速時はスピード変化が大きいためギザギザが見えます。加速時はかなり滑らかなグラフになっています。

DG-PRO1はアプリに実測の更新レートが表示されます。

ラップタイム計測

磁気センサー vs DG-PRO1

磁気LAPセンサーで計測したタイムとDG-PRO1で計測したタイムの比較です。Droggerは同時に両方で計測できます。

タイム差は絶対値を取って平均を計算できるようにしています。

Magnet GPS 差(sec)
1 45.946
2 45.981 45.974 0.007
3 31.408 31.396 0.012
4 46.246 46.241 0.005
5 46.200 46.218 0.018
6 45.837 45.810 0.027
7 46.257 46.261 0.004
8 46.481 46.494 0.013

差の平均は0.0122秒でした。前回の他社GPSの概ね0.1秒に比べとても良くなっています。

以下は以前の比較グラフにDG-PRO1を追加したものです。

ラップ計測誤差比較

タイム誤差から位置精度を計算する

テスト時 (桶川スポーツランド) のフィニッシュラインでの速度はおおよそ80km/hです。

80 x 1000 / 3600 x 0.0122 = 0.271m

80kmの0.0122秒は27cmで平均27cmの誤差であると推定できます。

A-GNSS

DG-PRO1のアプリのアップデートでA-GNSSをサポートするようになりました。設定で有効にすることができます。

A-GNSSは受信機の電源を入れてから正確な測位できるまでの時間を短縮するためのしくみです。通常受信機は、衛星からその配置などを受信しますが、電波状況の悪い中ではうまく受信できなかったり非常に時間がかかったりします。

A-GNSSはインターネットから衛星の位置情報を受け取り事前に知ることで、正確な測位ができるまでの時間を大幅に短縮できます。携帯電話のGPSなどでは一般的ですが、Androidの外部GPSは専用アプリの提供がされていない製品が多いためほとんどサポートされていません。

A-GNSSを有効にすると、GallileoやBeiDouもあっという間に数多くの衛星を捕捉します。場所がよければ、電源を入れて30秒後には28機も捕捉できたりします。

Droggerのユーザーの方は、Bluetoothの最初の接続時のみテザリングでインターネットが使えるようにしておくと良いかも知れません。接続が完了してしまえば後はインターネットは不要です。

QZSS みちびき

QZSSみちびきが2018-11-1より正式に稼働になりました。

現在4機ですがDG-PRO1は静止衛星の3号機を除く 1,2,4号機の3機の捕捉を確認しました。また、MSAS(日本の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS))衛星番号#129と#137の捕捉および補正適用も確認しました。補強システムのデータが適用されると Fix Modeに DGPSが追加されて表示されます。

QZSS 捕捉確認

まとめ

DG-PRO1は以前の実験をもとに精度目標を立て、高精度・高更新レートを最優先に開発してきました。従来高精度と呼ばれたものよいりもさらに精度をよくすることができました。GPSでのラップ計測でほぼ0.03以下の計測が可能です。

近年のGPS技術ではRTKによるセンチメートル級のものが話題になっています。

RTKは測定地とは別に10km圏内に正確な位置がわかっている基準局を設け、そこで測定されたデータを元に補正値を作成します。測定地でのデータに補正を掛けて数センチ以内の誤差とするものです。

DG-PRO1はRTKではなく単独測位とよばれるものです。しかしながら実測でサブメータ級(1m以内)の精度*2を出すことが出来ています。

RTK

RTKについては当社でも既にテストを行っています。しかし、レシーバーのコスト、基準局、補正値を転送するネットワークといた課題があります。「精度外部GPSの実験その3」はRTKでしょうか?

RTK評価モジュール

Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:実際の更新レートは捕捉衛星数が20個以上では低下します

*2:障害物がなく取り付け状態の良い状態が条件です

A/F (AFR) 空燃比のロギング

今回はDroogerでのA/F 空燃比のロギングを具体的にご紹介します。 主にこれから計測したいかた向けです。

DroggerはA/Fを50Hzの高頻度で記録できます。スロットルポジションやスピード、回転数などその他の情報と合わせて判断することで理想的な燃調が出しやすくなります。

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必要なもの

A/Fセンサーユニット

センサーは、ほとんど場合Boschのワイドバンドでエキパイにボスを立てて取り付けます。似たものでO2センサーがありますが、これは酸素の有無のみ検出するもので、空燃比は計測できません。

ワイドバンドセンサーは、ヒーターによる余熱とそれをコントロールするユニットが必要です。 ほとんどのA/Fセンサーユニットはセンサーとコントロールユニットをセットにしたものです。

また、コントローラーはセンサーの出力を具体的な空燃比に変換するCPUと0-5Vのアナログ信号に変換する機能を有しています。

表示のためのメーターが有るものと無いものが有りますが、Droogerで表示できますのでメーターは不要です。

Droogerの対応するセンサーユニットはHRCPLXINNOVATEDynoJetAutoGaugeAEM製のものです。これらが出力する信号を空燃比値に変換する換算表を備えています。
(aRecerの2019年以降のものは仕様に関するメーカーから情報がないため使用できません)

これ以外のユニットでも換算表を頂ければ対応することが可能です。

12V電源

インジェクション車であれば通常バッテリーがあるので問題無いかと思います。キャブ車などでバッテリーが無い場合は別途用意する必要があります。

f:id:bizstation:20190107180443j:plain
12V 15000mAh リチウムバッテリー

Drogger

Droggerが必要ですね。もし、お持ちでない方はhttps://www.bizstation.jp/ja/drogger/drogger_index.html

SL001 Drogger本体ユニット

DroggerとA/Fセンサーユニットの接続には、オプションのSLE090 外部センサーケーブル90を使用します。

f:id:bizstation:20170825144018j:plain:w400
SLE090 外部センサーケーブル90

取付・接続

多くの場合インジェクション車で計測されることが多いかと思いますが今回はキャブ車 NSF100への取付例を紹介します。

インジェクション車への取付は以下も参照してください。
インジェクション車のスロットルポジションとA/F接続 - Beyond your wall with Drogger

A/Fユニットとセンサーの取り付け

まず、エキパイにセンサーボスを溶接してセンサーを取り付けます。センサーの位置や突き出し量はノウハウがあるようです。マフラー屋さんと相談いただければと思います。

f:id:bizstation:20190107182405j:plain
センサー取り付け例

A/Fユニットと必要であればバッテリーを取り付け、A/Fユニットの12V入力に接続します。 f:id:bizstation:20190106085541j:plainf:id:bizstation:20190107184645j:plain

A/FユニットとDroggerの接続

ユニットのマニュアルにアナログ出力信号線または端子がありますので、まずそれを確認します。 前述のSLE090 外部センサーケーブル90を以下のように接続します。

線色 A/Fユニットの接続先
アナログ出力
GND (アース)
使用しません・他に接触しないように絶縁処理

外部センサーケーブル90の反対側のコネクターはDroggerのA/FまたはThrに接続します。

Droggerの設定

  1. Doggerの[設定]-[入力]を開きます。
  2. 外部センサーケーブルを接続したポート(A/F or Thr)をタップします。
  3. 一覧から使用されるA/Fユニット名を選択します。 f:id:bizstation:20190107184246p:plain

これですべての準備が完了です。あとはいつものようにDroggerを使用して走行するだけです。

シャーシダイナモでの計測とロギング

シャーシダイナモでの測定時はロギングのためにラップ開始と終了合図が必要です。プッシュスイッチとSLE090ケーブルで、手押しラップスイッチを作成できます。以下の図をご覧ください。

f:id:bizstation:20190108092952j:plain
手押しラップスイッチ配線図

データの確認

A/Fセンサーは電源を入れてから温まって計測できるまでに少し時間がかかります。すぐには値が出ませんのでご注意ください。

メータ画面

アイドリングやスナップでのA/Fはメータ画面でリアルタイムで確認できます。キャブ車ではエアスクリューなどの調整で変化するのがわかります。 f:id:bizstation:20190108094509p:plain

グラフと計測値

  1. ラップ一覧から、見たいラップを選択します。
  2. ... をタップし[A/F]を有効にします。

水色の線がA/Fです。 [123]をタップすると値も確認できます。

グラフの色 データ
車速
エンジン回転数
水色 A/F

以下の図はメインジェットを 102・105・107.5の3種類を計測したものです。徐々に濃くなっているのがわかります。キャブ車なのでA/Fは不安定です。インジェクションはもっと滑らかなA/Fが記録されます。

f:id:bizstation:20190107191912p:plain
MJ 102

f:id:bizstation:20190107191321p:plain
MJ 105

f:id:bizstation:20190107191347p:plain
MJ 107.5

インジェクション車の場合はスロットルポジションセンサーもありますので両方合わせて確認できます。

スロットルポジションセンサーが無い場合は、回転数の上りはじめや走行位置などでおおよそのスロットル開度を想定してセッティングを行います。

シャーシダイナモでのA/F

参考としてNSF100 SP仕様のマシンをシャーシダイナモで計測した際のA/Fとエンジン回転数のデータです。

f:id:bizstation:20190108095716p:plain


Enjoy with Drogger!

Droggerの詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

Drogger 走りに集中 快適術

Droggerを快適につかうためのノウハウ集です。Droggerは多機能計測器で様々なセンサーを持ちます。1つ1つ確実に動作することでライディングやマシン性能に役立つ貴重なデータを取ることができます。

本来は、確実な動作のために何のノウハウや注意も必要ないものが理想です。しかし、現実はそこまでに至っていません。過去の経験から得たノウハウを共有できればと思います。

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導入

Android機種選び

  • スマホは京セラ DIGNO E or F or Gがいい。ポイントは、丈夫、明るい、防水、濡れても使える、安価。
  • タブレットは、画面が暗いものが多い。選択の際には要注意!
  • SIMは不要。自宅やテザリングでWiFIが使えればOK。

Android設定

  • 節電機能はOFFにする。有効にするとGPSが使えなくなったりする。
  • 明るさは最大にする。
  • 使わないアプリは徹底的にアンインストールする。できないものは無効にする。電話なども不要。Google PlayとGoogle Play開発者サービスは残す。
  • 不要なBluetoothのペアリングはすべて削除する。ペアリングが少ないほど接続性が良くなる。
  • セキュリティーは無効に。スライドロックもなしにする。電源ONですぐ使える。
  • 画面の回転は有効にする。
  • 必要な時以外はWIFIはOFFにする。Bluetoorhと同じチップで動作するのでBluetoorhの動作を邪魔することがある。
  • 位置情報の[スキャン]で[WiFiのスキャン]と[Bluetoothのスキャン]は共にOFFにする。

電源

  • 本体ユニットの電源は朝から夕方まで入れっぱなしにする。エンジン始動でスマホを自動ONできる。Bluetooth接続を待つ必要もなくなる。
  • 車体12Vから取る際は、バッテリーじかに接続しスイッチ1つを入れておく。朝スイッチON、夕方スイッチOFF。
  • 12Vで、エンジン始動時(セルによる)電圧降下が大きく切断されるようなら、モバイルバッテリーにする。
  • モバイルバッテリーは、Anker PowerCore+ miniを推奨。
  • または小電力対応のモバイルバッテリーを使う
  • 小電力対応のモバイルバッテリーか調べる方法
    1- 電源以外のコネクター(センサー)をすべて外す。DG-PRO1を分岐ケーブルで接続する。
    2- メータ画面でメニューからレースモードを有効にする。
    3- Readyになったら10分待つ。10分間Readyを継続できればOK。"Device gone"になるならNG。
    4- レースモードをOFFに戻す.
  • DG-PRO1を一緒に使うと消費電力が上り、小電力対応でないバッテリーも使えるようになることが多い。
  • 遠征用に13000mA位の2口モバイルバッテリーを用意する。スマホと本体用のバッテリーの両方を2回は充電できる。Anker PowerCore 13000
  • 推奨バッテリーが満充電されていれば、朝から夕方まで本体ユニット+DG-PRO1の電源を入れたままで十分持つ。

取付

スマホ

モバイルバッテリー

  • モバイルバッテリーのUSBコネクターはぐらぐらしないように固定する。振動で接触不良する。これは快適に使う最重要項目。
新製品の耐振モバイルバッテリーホルダーを是非ご利用ください。
接触不良やコネクター破損を防止します。
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本体ユニット

  • できれば本体ユニットのLEDが見えるようにする。接続状態がすぐにわかる。 DG-PRO1も同様。
  • 使用しないコネクターは必ず防水キャップを挿しておく。

磁気ラップセンサー

  • 磁気ラップセンサーは3mm厚の棒状アルミ板でステーを作る。鉄はNGグラグラもNG

赤外線ラップセンサー

  • 赤外線ラップセンサー受光部に直射日光や反射日光が当たらないようにフードを付ける。日光は強力な赤外線でセンサーはまぶしくて信号が見えなくなる。

ストロークセンサー

  • ストロークセンサー受光部に 直射日光や反射日光が当たらないようにフードを付ける。日光は強力な赤外線でセンサーはまぶしくて信号が見えなくなる。
  • 対象物がフェンダーなど光沢があるものは太陽光を反射する。白いガムテープなどを張ると良い。

スピードセンサー

  • マグネットはホイールハブに付ける。センサーはグラグラしないように固定する。

赤外線発光器の設置

  • 赤外線発光器は可能であれば南に向けて設置する。赤外線ラップセンサーは北向きになるので日光を受けづらくなる。

DG-PRO1

  • DG-PRO1はなるべく高い位置にケーブルを下にして垂直に金属から3cmは離して取り付ける。ステーは樹脂の板を使う。

アプリ

日頃のメンテナンス

  • ステム部のハンドルストッパーにセンサーケーブルなどを挟まないように処理する。
  • アンダーカウルにネジや工具が転がっていないか確認する。それらがあると磁気ラップセンサーが誤動作する。
  • 抵抗入りプラグとキャップを使う。抵抗なしプラグでは、ほぼ100%正常動作しない。
  • CDIの故障や点火系の断線、余計な配線などの状態では正常動作しない。
  • センサーやケーブルがショートすると保護回路で電源が切れる。すべてのセンサーを外し、1つづつ挿して確認していく。

走行前日の準備

  • Wi-Fiにつないで、Google-PlayからDroggerとDrogger-GPSのアップデートをする。最新はより改善され不具合などが解消される。
  • モバイルバッテリーを充電する。
  • スマホを満充電にする。
  • 遠征なら遠征用モバイルバッテリーを充電する。

前回とは違うコースを走行するとき

  • 使用するラップセンサーがLapポートに挿してあるか確認する。
  • 使用するラップセンサーが[設定]-[ラップタイム]で指定されているか確認する。
  • 最小区間タイムの値を設定する。
  • [設定]の内容を(コースとマシンに合った設定かどうか)確認する。
  • Wi-Fiにつないで、明日行くコースの走行データをみておく。特に走行ラインを表示しておくと地図がダウンロードされるので、コースでWi-Fiなしに地図が表示できる。

走行前

  • DG-PRO1を使う場合は、メーター中央のDG-PRO1インジケータがグリーンか確認する。
  • 決勝レースは、メータ画面でメニューからレースモードを有効にする。サイティングラップなどが無視され正確なラップ数が表示される。選手紹介などがあっても電源OFFになったりしない。

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Droggerの詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

DG-PRO1 対応アプリ更新

高精度GNSS DG-PRO1で非常に高い位置精度を得ることができるようになりました。それに合わせより使いやすくするための新たな改善と、以前から準備のために進めてきた内容と合わせてご紹介します。

この記事の内容はアプリバージョン 1.2.84にすべて含まれています。 

サーキット情報

GPSでのラップやセクター計測を行うにはサーキットのフィニッシュラインやセクター区切りラインが必要です。

そこで、サーキット情報を編集するための機能が大幅に強化されました。サーキットは自由に追加・編集が可能です。駐車場などもコースとして登録可能です。

サーキットの編集

編集方法などの詳細は以下の記事で

drogger.hatenadiary.jp

セクター

高精度・高更新レートのGPSによって、コースを任意の位置で区切って正確なセクタータイムを計測できます。

セクタータイム

ショートカット検出

カートコースなどでコースをショートカットした際に、それがベストラップとして検出されてしまうことがあります。ショートカットによってセクターが検出されなかった場合、その周を無効な周としてベストラップから除外されるようにしました。

従来の速度による無効な周の検出と合わせて、高い精度で無効な周を検出できます。

下図のグレー文字のタイムは無効な周です。

無効な周の検出

トレース図のフルスクリーンと位置補正

きれいなトレースをフルスクリーンで見られるようにしました。地図アイコンをタップすると
小 -> 中 -> フル -> なし
と順にサイズを変更できます。

フルスクリーンのトレーズ図

GPSは衛星配置や電波状況で、刻々と変化する位置ズレがあります。走行ラインの違いなどを見る際はこのズレを補正して見やすくできるようにしました。

トレース図を長押しすると、位置補正モードになります。

位置補正モード

GPSスピードを使ったタイム差表示

カラーバーによるタイム差表示にはスピードセンサーが必要でしたが、その制限を取り払いDG-PRO1によるスピード計測でもタイム差表示を可能にしました。

タイム差表示については以下の記事で

drogger.hatenadiary.jp

DG-PRO1インジケータ

DG-PRO1は内蔵GPSに置き換えて使用しますが、置き換えが行われているかどうか判るようにメータ中央にインジケータを設けました。正常に利用が開始されると文字がグレーからグリーンに変わります。

 
DG-PRO1インジケータ

一目で動作していうかどうかを確認できます。

DROGGER-GPSの自動起動

DG-PRO1をコントロールし位置情報サービスを提供するアプリがDROGGER-GPSです。DroggerがReadyになると自動でDROGGER-GPSサービスを起動します。

これにより一度設定すれば、いつも通りDroggerを起動するだけでDG-PRO1が使用できます。あとは、走行前に前記インジケータがグリーンかどうかを確認するだけです。

[設定]-[Drogger-GPSの自動起動]をOFFにすることで、自動起動しないようにもできます。


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DG-POR1の詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

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DG-PRO1 車両への取付

DG-PRO1をバイクにどうやってつけたらいの?といった質問をよく受けますのでサンプルを紹介します。

サンプルはNSR50のメータステーに樹脂板で作ったステーで貼り付けています。

ポイントは金属やカーボンなどから3cmは離し、ケーブルを下にしてほぼ垂直に取り付けることです。DG-POR1は上部にアンテナがあります。アンテナ周りを3cm、ケーブル出口は1cm以上を目安にしてください。

写真のステーはアクリル板を立ち上げて金属のメーターステーから離すと同時に垂直になるよう角度をつけています。ほぼ理想の形です。

走行後にDG-PRO1で感度良く計測できていたかは、セクタータイム表示画面で確認できます。

セクタータイムの表示と精度確認

  1. データ一覧から目的のデータをタップします。
  2. ラップ一覧が表示されたら、ボタンをタップします。 セクタータイムが表示されます。(セクターの指定が無い場合はSect1~Sect4はゼロです)
  3. 一番右の列 ACC がその周の平均精度の数値です。

ACCは、数値が小さいほど高精度です。衛星の配置などにもよりますが精度が良いと0.5前後の数値になります。上記で紹介したステーと位置で概ね0.5 ~ 0.6でした。

下図は少し取付方法が異なっているため少し悪く、0.71 ~ 0.76位になっています。これくらいですと、0.5~ 0.6と使用上ほとんどわからないくらいの差です。

このACC値を目安により良い取り付けの参考にしていただけたらと思います。

樹脂板ステーの作成

それでは最初に紹介した 樹脂板ステーの作り方を紹介します。 サンプルはアクリルで作りましたが、PETのほうが柔軟性があって割れにくくなりますので可能ならPET板をお勧めします。

準備

以下の道具と材料を準備します。

  • PET板 (またはアクリル板) 2mm厚 100 x 100mm
  • 瞬間接着剤
  • 強力両面テープ
  • 板用のカッター
  • 10mmドリル
  • 丸やすり
  • はんだごて

実際に使用したアクリル板は以下のものです。

加工

  1. 樹脂板を以下の寸法で2枚カットします。
    強度を上げるために2枚カットし後で貼り合わせます。

  2. はんだごてで折り曲げ線の位置を良く温めます。簡単に曲がるようになったら(メータステーの角度に合わせて)60°~80°曲げます。

  3. 瞬間接着剤で貼り合わせます。

  4. ケーブルを通す10mmの穴を明けます。コネクターより大きくないと通りませんので10mmで開けてから、丸やすりで横方向に広げコネクターが通るようにします。

  5. 両面テープでDG-PRO1を貼り付けます。(写真は裏から品番が見えるように少し上にずらして貼っています。)

あとは、メーターステーに両面テープで貼り付けて完成です。

これは特定の車両のものですが、異なる車両の方も参考にしていただけたらと思います。

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Drogger GPS 発売!

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/gps.png

高性能 u-blox M8エンジン搭載
最大更新レート18Hz
!

防水・防塵ヘビーデューティー仕様


Droggerのための高精度・高更新レートのGNSS(GPS)DG-PRO1がいよいよ発売です。 DG-PRO1(ディジープロワン)略してプロワンです。

細かな説明は後にして、実際にどのような軌跡を記録するか、NSF100にて走行したデータをご覧ください。

茂原ツインサーキット西コース

堺カートランド

白糸スピードランド

桶川スポーツランド

トレース図は拡大できます。拡大するとこのような感じになります。

白糸7コーナー

桶川4,5コーナー

DG-PRO1

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/DGPRO1_ex_small.png

本体寸法・重量(W×D×H)48.5 × 50 × 10.8mm 42g

Drogger + DG-PRO1

DG-PRO1はDroggerと同じようにBluetoothでスマホと接続し、内蔵GPSに代えて高精度・高更新レートの位置情報を提供します。 Drogger はその情報を記録していきます。内蔵GPSに比べて圧倒的な精度と更新レートです。

セクタータイム

DG-PRO1の最大のメリットはセクタータイムの計測です。自由にセクター 1~4に区切ってタイムを表示できます。さらに、セクターごとのベストを合計した、ベストラップもすぐに見ることができます。

セクターベストのラップタイムが良いと、実際にそのタイムを出せる可能性を感じ、とても楽しくなります。

セクタータイム表示

ラップタイム

精度

ラップタイムの計測精度は、カートコース等での実測で0 ~ 0.05秒程度の誤差*1です。赤外線や磁気のラップセンサーの0.01以下の精度には劣りますが、コースの設備や準備が不要なためどこでも簡単に計測が可能です。

赤外線や磁気ラップセンサーのバックアップ

さらに、DroggerはGPSでのラップ計測を赤外線や磁気のラップセンサーのバックアップ用として使用できます。

例えば、何かの事情で磁気が反応しなかった周があったとします。たまたまその周がベストが出たはずとしたら非常に残念でしょう。そんなときは、データのパラメータをGPSラップセンサーに切り替えましょう。後からGPSで計測したラップタイムを確認できます。

普段は、精度の良い赤外線や磁気で、困ったときは GPSのデータでレスキューが簡単にできます。DG-PRO1ならレスキューしたラップタイムも高精度です。

スピード

DG-PRO1は、スピードも高精度に計測できます。他のライダーが使用する他社製GPSラップタイマーとの最高速比較もし易くなります。

コーナーのスピードはGPSの場合、その仕組上やや苦手です。 ホイールでのスピードセンサーは直線もコーナーも高精度に行えます。

Droggerは後でデータのパラメータを変えることでスピードセンサーとGPSスピードの両方を確認することができます。

参考までに、フロントに付けたスピードセンサーを、[設定]-[入力]でリアホイールスピードとして登録すると、GPSスピードとスピードセンサーのグラフを同時に比較することができます。

ライン取り

DG-PRO1は単独測位としては非常に高精度ですがそれでも電波状況や衛星は位置などの要因でズレが生じます。ただ短い時間であればそのずれはほぼ同じ方向になります。絶対位置のライン確認は難しいですが周回ごとのライン違いは分かるレベルにあります。

Android内蔵GPSとは比べ物にならない圧倒的にきれいなラインを描きます。

DG-PRO1を使う

具体的にどのようにDG-PRO1を使用するのかご紹介します。

電源

1つの電源ライン(USB 12V共に可)をDroggerとDG-PRO1の両方に供給する電源分岐ケーブルSW001を用意しました。

モバイルバッテリーの場合は、消費電流が増える分、連続使用時間が短くなりますが、満充電であれば朝から夕方までは概ね使用可能です。

https://www.bizstation.jp/a/drogger/img/dg_separate.png
電源分岐ケーブル SW001

アプリ

アプリは『Drogger-GPS』という名前のアプリです。Google Playより無償ダウンロードできます。

このアプリで以下のことが行えます。

  • 衛星情報の確認
  • GPSの各種設定
  • Bluetooth接続管理
  • 内蔵GPSに代わる位置情報更新

アプリはバックグランドで動作するため一度設定を行えばあとはほとんど意識する必要はありません。

Droggerとの連携

Droggerは、「Drogger-GPS」を自動的に起動します。それにより、いつものようにDroggerを使用していただくだけです。DG-PRO1の位置情報が利用されると、メータ中央のDG-PRO1インジケータがグリーンに変わります。

Droggerの設定は特に何も変える必要はありません。もし、ラップ計測をGPS優先で行いたのであれば、[設定]-[ラップタイム]-[GPS Lapセンサーを優先する]をONにします。

取付

DG-PRO1はアンテナを内蔵しています。GPSにとってアンテナは命で、感度が良くなる場所に取り付ける必要があります。

このアンテナは付近の金属など電気を通すものを嫌います。それらから最低3cmできれば5cm程離れた場所に設置します。取付ステーも金属はNGです。樹脂製のステーを使用してください。
カーボン製のカウルやステーも導電性のため金属と同様です。

DG-PRO1は防水・防塵仕様です。雨天や洗車も気にせず、そのまま使用できます。

Dogger以外での利用

DG-PRO1はDrogger専用ではありません。『Drogger-GPS』アプリを使えば、Googleマップなど、GPSを利用するほとんどのAndroidアプリでDG-PRO1の位置情報を利用できます。 ドライブやツーリングのナビゲーション、自転車、釣りに登山など様々なAndroidアプリがあります。 DG-PRO1は内蔵GPSに代わってそれらのアプリに劇的に高精度・高更新レートの位置情報を提供します。


Special thanks to
DG-PRO1を開発するにあたり、テストしてくれたライダー! (敬称略)
佐々木 崇弘
鈴木 崇生
吉田 慎弥
寺井 誠一郎


DG-PRO1の詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/gps_index.html

*1:正しく測位出来ている場合

Drogger 茂原ツインサーキット西コース 設定

先日、茂原ツインサーキット西コースを走行しきました。とても楽しいコースでした。

このコースはマグネットが2個埋まっています。 それぞれ、ゴールライン手前オレンジ線上とバックストレート中央です。

マグネットが2個以上の場合、最初のマグネットで計測を行います。そのため茂原西ではどうしてもバックストレートでのラップ計測になります。 タイム自体は正確ですが計測ポイントが公式タイムとはだいぶ離れてしまうため、予選が終わってみると多少違う結果になってしまいます。

そこで、GPSによるマグネット検出チェックを使って、ゴールライン手前で検出する方法をご紹介します。

これは、茂原ツインサーキットに限らず複数個のマグネットがあるコースや誤検出があるコースで有効です。

アプリの更新

アプリは最新の Ver 78が必要です。事前にアプリの更新を行ってください。

認識されたコースにマグネットラインを引く

まず、GPSによるマグネット位置チェックには、コースにマグネット位置を示すラインを引く必要があります。

茂原西コースには無かったため、最新のアップデートに含めました。

f:id:bizstation:20181127171121p:plain

他のコースでマグネットラインがない場合でも、ご自身で設定可能です。以下の記事を参考にマグネットラインを引いてください。 drogger.hatenadiary.jp

実際にサーキットでDroggerをReadyにして、メータ画面にあるサーキット名が設定した名前になっているか確認してください。今回のサーキットは『茂原西コース』です。「茂原ツインサーキット」は大きいほうのコースですのでお間違いなく。

GPS検出チェックを有効にする

[設定]-[ラップタイム]-[ GPS検出チェックを使う]をONにします。この設定はデータを見る際にも必要ですのでご注意ください。

マグネット数の設定

GPS検出チェックを有効にした場合は、マグネット数の設定は無視されます。

OFFの場合は有効ですのでON/OFF両方うまく表示したい場合は正しい数を設定しておくと良いと思います。茂原西コースの場合は「2」とします。

最小セクタータイム

これは検出時間の最小値です。マグネット2個の場合は、マグネットとマグネットの間の時間ですので茂原西コースの場合は、13秒以下にしてください。

最後に

GPS検出チェックはGPSの精度に依存します。AndroidのGPSでも動作確認はいたしましたが、機種や取り付け位置によっては問題があるかも知れません。今回のテストは京セラ DIGNO 503KCにて行っています。

まもなく、発売になりますDG-PRO1(Drogger GPS)は非常に高精度ですので、GPS検出チェックも正確に行ってくれます。

協力

かわいちゃんR
いつもありがとうございます。

Enjoy! with Drogger

Droggerの詳細は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

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