RWSシリーズの基準局で異機種互換性を向上させるRTCM生成機能を追加しました。
従来 RWSシリーズの基準局は、異機種互換性に関して以下の課題がありました。
- QZSSのRTCMが出力できない
- 秒未満に小数点オフセットがある場合がある
- レガシーな受信機で使用されるRTCM 3.0/3.1のメッセージを生成できない
これまで、この問題を回避するために、Windowsで動作するDrogger Ntrip ServerでRTCMを生成する対策をご提案していました。
今回の機能追加により、RWSシリーズでもWiFiがあれば他の機器(Windowsなど)を要することなく簡単に、幅広い受信機に対応した基準局を構築できます。
(RZSシリーズは従来より受信機単体で対応しています)
RTCMのより詳しい説明
RTCMに関するより詳しい内容を知りたい場合は以下をご覧ください。
新機能の概要
秒に小数点オフセットのないRTCMと、メッセージタイプ1004、1012を受信機単体で生成できるようになりました。
また、どのタイプを出力するかを選択可能にしました。選択肢は分かり易いように、3.3, 3.2 , 3.0/3.1 といったものにしていますが、内容を見て選択いただければと思います。
アプリ 選択肢 |
内容・用途 | MSM タイプ |
メッセージ タイプ |
---|---|---|---|
3.3 (Default) | 従来通りGNSSモジュールが生成するRTCM | MSM7 MSM4 |
GPS 107x Glonass 108x Galileo 109x Beidou 112x |
3.2 | 新機能 QZSS対応、秒以下オフセットなし Drogger受信機はもちろん、他社のほとんどの受信機に対応 |
MSM5 | GPS 1075 Glonass 1085 Galileo 1095 QZSS 1115 Beidou 1125 |
3.0/3.1 | 新機能 RTCM3.2に非対応受信機向け | - | GPS 1004 Glonass 1012 |
ヒント
- 新機能で生成されるRTCMは、従来から提供しているWindows版のDrogger Ntrip Serverが生成するRTCMと同一です。
- この新機能はRWSシリーズの受信機でのものでRZSシリーズは発売時よりこれらに対応しています。
新機能を有効にする
この新機能は、DG-PRO1RW+拡張モジュールを含むすべてのRWS受信機で利用できます。利用には受信機のF/WとDrogger-GPSを最新に更新します。
これで下図のように基準局の設定でRTCMのタイプが選択できるようになります。
設定のヒント
Trimble受信機
これは以前からあった機能ですが、Trimble受信機の移動局を使用する場合は、[RTCM1008を出力する]をONにしましょう。 Trimble社の受信機はこのメッセージタイプが必要です。
RTCM 3.2非対応の移動局
やや古い受信機では、GPSとGlonassのみ利用可能な受信機があります。これらの多くは、RTCM 3.0/3.1のメッセージタイプのみサポートし、RTCM 3.2は理解できません。
(正確には移動局の受信機がサポートするRTCMメッセージタイプをメーカーに確認してください。)
このような場合は、RTCM 3.0/3.1 を選択します。
基準局の構築
この記事を読まれて実際に基準局を構築して見ようと思われた方は、Drogger Ntrip Casterの記事をご覧ください。
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