Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

Drogger アプリ更新 より快適に!

2か月半ぶりにDroggerアプリをアップデートいたしました。

今回の改善は、見た目にはほとんど変わっていませんが、安定してうまく使うためのノウハウを可能な限り詰め込みました。

Bluetoothの安定性向上

Android設定ガイダンス

お客さんから「Bluetoothが...」と相談いただいたときに必ず自分が行う対処法があります。アプリ内で解決できれば問題ないのですが、Android自体の設定でアプリからは権限上変更できないものが多数あります。

そこで、アプリに情報マークを表示し対処法をすぐに見らるようにしました。対処法はアプリ内に含まれていますのでインターネットなども不要です。

f:id:bizstation:20190918145816p:plain
メイン画面 情報アイコン

メイン画面の左上の丸いアイコンがそれです。変更したほうが良い設定があるとゆっくり点滅して表示されます。問題なければ表示されません。

この情報マークアイコンをタップすると変更内容、方法、設定リンクボタンが表示されます。説明に従ってAndroidの設定を変更してください。元の画面に戻ると正しく変更されていればその内容は消えています。変更して欲しい箇所が複数ある場合はすべて表示されていますので順番に行ってください。全部完了するとメイン画面に戻ります。

f:id:bizstation:20190919095013p:plain

ここで案内する設定は以下の内容です。

  1. BluetoothとWiFiスキャンをOFFにする
  2. ネットワークによる位置情報をOFFにする
  3. DG-PRO1を使用している場合は、位置情報をOFFにする
  4. Bluetoothのペアリングデバイスが3つ以上の場合、不要なものを削除する

尚、これらはあくまでした方が良い内容で、必ずしなければならないわけではありません。情報マークが出たままでも従来通り使用できます。

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WiFiの自動OFF

BluetoothとWiFiは実は同じ周波数で、それらを処理する端末チップも同じものが使用されます。DroggerとしてはBluetoothの仕事に専念して欲しいのですがWiFiがONになっていると周囲の利用可能なWiFiをスキャンしてしまいます。そこで、Ready状態になるとデフォルトでWiFiをOFFにするようにしました。

ほとんどの場合、ラップ計測時などはWiFi不要かと思いますが、困る場合は下記の設定で無効化してください。

f:id:bizstation:20190919101300p:plain

ラップ計測後はWiFiがOFFになっています。コースの衛星写真などを表示される際などはWiFiをONにするようにしてください。

GPSラップ計測の改善

GPSでのラップ計測は計測ポイントを通過する前のデータが必要なため、Ready状態ですぐに記録を始めていました。このため、計測が行われない不要なデータが残る原因になっていました。

今回の更新でGPSにおいても、実際にラップ検出がされたら記録するようになりました。計測ポイント通過前のデータはキャッシュにより、3秒前までのデータが検出時に一気に書き込まれます。

別端末へのデータ送受信の改善

Bluetoothによる別端末へのデータ送信時に、本体ユニットとの通信が継続されたままだとうまく通信できないことがありました。そこで、データの送受信が選択されたときに、本体ユニットとの通信を切断するようにしました。

BluetoothのON/OFFなどをせずに快適にデータの送受信ができるようにしました。

設定項目の削減

設定項目を見直しにより数項目削減しました。

「SL001本体ユニットを使う」の項目がなくなりました。代わりに、Bluetoothのペアリング一覧にDROGGER-00xがあるかどうかで判断します。GROMカップなどでGPSのみでラップ計測される場合は、BluetoothのペアリングからDROGGER-00xを一時的に削除していただけたらと思います。

その他

その他にもデータ一覧の200%高速化やBluetooth通信の効率化など見えない改善が多数行われています。

Droggerの詳細・ご購入は
https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

DG-PRO1RWの基準局をWindowsで運用する

今回はDG-PRO1RWをWindowsPCで基準局を運用する方法を説明します。

ビズステーションではWindows用アプリケーションは出しておりませんが、レシーバ設定をDrogger-GPSで行ってNtripサーバーをWindowsで動作させます。 Ntripサーバーは、高須氏によるオープンソースのRTKLIBに含まれる strsvr.exeを利用します。

今回の記事はrtklib 2.4.3を使用しています。

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Ntripサーバーのインストール

  1. ブラウザにてhttps://github.com/tomojitakasu/RTKLIB_bin/tree/rtklib_2.4.3を開きます。
  2. 画面左側の[クローンまたはダウンロード]をクリックし、[ダウンロードZIPで]をクリックします。
  3. ダウンロードした、RTKLIB_bin-rtklib_2.4.3 .zipを開きRTKLIB_bin-rtklib_2.4.3フォルダーをデスクトップなどにコピーします。

これでインストールは終了です。 Ntripサーバー(strsvr.exe)はコピーするだけで動作します。

DG-PRO1RWのペアリング

DG-PRO1RWをWindowsで使用できるようにBluetoothのペアリングを行います。また、COMポート番号を確認します。 手順は以下の記事をご覧ください。

DG-PRO1RWをWindowsで使う

DG-PRO1RWとSTRSVRの設定

基準局はNtrip キャスターを経由して移動局にデータを配信します。基準局として動作させるにはNtrip キャスターが必要です。 ここでは、フリーのキャスターrtk2go.comを例として説明します。

基本的にDG-PRO1RWの設定はAndroidのDrogger-GPSにて行うことが可能です。 AndroidのDrogger-GPSにてDG-PRO1を基準局用に設定します。具体的な手順は、 DG-PRO1RW RTKガイドを参照してください。実際にrtk2go.comにデータを送信を行い正しく動作させるところまで行います。

  1. Drogger-GPSにて基準局として正しく動作している状態で[stop]をタップし停止させます。(以降、Androidは不要です)
  2. WindowsにてRTKLIBをコピーしたフォルダーを開きます。binフォルダを開きます。strsvr.exeをダブルクリックして起動します。
  3. [Input]からSerialを選択し、OPTの[...]をクリックします。 [Port]に事前に得たCOMポート番号を指定し、[Bitrate]から230400を選択し[OK]をクリックします。 (RWSのファームウェア 1.1.16以降は460800に変更になりました)
    事前に得たCOMポート番号が選択肢にない場合でも、手入力できますので「COM8」のように入力してください。
  4. [(1)Output]で[Ntrip server]を選択しOPTの[...]をクリックします。
  5. [Ntrip caster host]にrtk2go.com [Port]2101、[Mountpoint]に任意の値、[Password]にBETATESTと入力し[OK]をクリックします。
  6. [Start]をクリックします。

rtk2go.comのNtrip キャスターに送信する

一度この設定が出来てしまえば、普段は2と6の手順のみで基準局を開始できます。

尚、DG-PRO1RWの電源を切ると手順1の設定はクリアされますので再度1の手順が必要です。

動作確認

この方法で設定した基準局に対して、移動局はDG-PRO1RW + Drogger-GPS、DG-PRO1RW + u-center、DG-PRO1RW + RTKNAVIの3つで正常に動作することを確認しています。

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ZED-F9P搭載 DG-PRO1RW! センチメートル級 RTK-GNSS 発売!

いよいよ、u-blox ZED-F9P搭載 2周波センチメートル級 RTK-GNSS DG-PRO1RWを発売します。

RTKのRとダブルバンドのWRWです。2輪レース界では、あこがれの称号RWです。

RTK-GNSS界では最も評価の高いu-blox ZED-F9Pを搭載、さらに、Droggr-GPSアプリでは独自のP2P通信により最新RTKをとても簡単で身近なものにしました。

センチメール級精度の驚きを手にして欲しい! 

2019年 8月1日 発売(予定)

DG-PRO1RW 69,800

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DG-PRO1RWをWindowsで使う

DG-PRO1RWはBluetooth経由のシリアル通信にてWindows PCでも利用可能です。*1

DG-PRO1RWとDG-PRO1RWSともにDG-PRO1RWと表記しますが、DG-PRO1RWS固有の内容についてはRWSと明記します。

通常の利用であればAndroidとDrogger-GPSが便利ですが、実験や研究と言った用途でDrogger-GPSがサポートしない機能などをu-blox社のu-centerや高須氏のRTKLIBといったソフトウェアを使って実現できます。

この記事ではWindows10とu-center 19.06.01を使って説明します。

尚、u-center ならびにRTKLIBでの利用は実験や研究といった目的でご利用ください。利用には、DG-PRO1RWが搭載する ZED-F9Pのインターフェース仕様やソフトウェアの知識が必要です

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免責事項

u-centerはF9Pのあらゆる設定が可能です。フレキシブルではありますが、u-centerとF9Pについて詳しく理解していないとレシーバーを通信不能にする恐れもあります。 u-centerによる操作の結果生じた不具合はビズステーション株式会社は一切責任を負いません。また、回復にかかる費用は保証範囲外としお客様負担とさせていただきます。

注意事項

★UART1の設定は変更してはいけない

DG-PRO1RWの場合

u-centerでUART1の設定の変更を行うとDG-PRO1RWのBluetoothモジュールとの通信ができなくなります。そうなると簡単に元に戻すことはできません。ZED-F9PのUART1の設定は絶対に変更しないでください。 誤って変更してしまった場合は、弊社(ビズステーション)にお送りいただき回復作業が必要です(有償)。これには、F9Pのファームウェア更新やRevert default configurationコマンドも含みます。

DG-PRO1RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWの場合

RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWは、Bluetooth経由でのUART1の変更について、RTCMとNMEAの有効/無効以外行えないようプロテクト機能が付きました。プロテクト機能はFirmware Ver 1.2.17より有効です。RWSまたは拡張モジュール付のDG-PRO1RWをご利用の場合は、必ず最新のFirmwareに更新してから行ってください。
F9Pのファームウェア更新やRevert default configurationを行った場合はボーレートが38800bpsに変更されますが、電源を抜いて再起動すると自動で460800bpsに回復されます。

★ メッセージ出力は通信量の見積もりをする

F9Pはさまざまなメッセージを出力できます。また、更新レートも20Hzといった高レートで行うことができます。多くのメッセージをレート1(更新レートと同じレート)で出力するとBluetoothで通信可能な量を簡単にオーバーします。メッセージごとにメッセージのサイズx秒間出力回数を計算し、すべてのメッセージ合計を計算してください。最高でも20Kb以下になるようにしてください。

★ RWSのDMP関連の設定は行えない RWSに装備されたDMP関連の設定はDrogger-GPSでのみ行えます。u-centerなどでは行えませんのでご注意ください。

★ RWSの起動時設定はデフォルト設定で起動にしておく

RWSは起動時設定が有効 (デフォルト設定でない) な場合は、レシーバー内に保存された設定を電源ON時に適用します。これは電源のONプロセスの最終段階で行われるため他の設定を上書きします。
u-center等で行った設定を起動時から有効にしたい場合は、Drogger-GPSにて起動時設定をデフォルトにしておいてください。

★ Drogger-GPSで使用する際はレシーバー設定をデフォルト設定に戻す

また、u-centerで各種設定を変更された後にDrogger-GPSで使用される際は、NMEA GGA RMC VTG GSA GSV 以外のメッセージは出力しないように戻してください。Drogger-GPSで正しく動作しない恐れがあります。 DG-PRO1RWのデフォルトに戻す際は以下のファイルをダウンロードしてご利用ください。このファイルはDG-PRO1RWとDG-PRO1RWS共通です。

HPG 1.12用
https://www.bizstation.jp/ja/drogger/data/dgpro1rw_1.12.default.txt

HPG 1.13用
https://www.bizstation.jp/ja/drogger/data/dgpro1rw_1.13.default.txt

u-center [Tools]-[GNSS configration...]で[u-blox Genration 9]を選択、上記ファイルを指定し [Transfer file > GNSS]をクリックで復元できます。

Bluetoothのペアリングをする

Windows 11の場合

Bluetooth ペアリング Windows 11

Windows 10の場合

  1. DG-PRO1RWに電源を接続します。
  2. [スタート]をクリックし、ギアマークの[設定]をクリックします。
  3. [デバイス]-[Bluetoothとその他のデバイス]とクリックします。
  4. [+Bluetoothまたは他のデバイスを追加する]をクリックします。
  5. [Bluetooth]をクリックします。
  6. DG-PRO1RWが表示されたらそれをクリックします。もし、2行現れた場合は下に「PC」と書かれていない方を選択してください。
  7. [完了]をクリックします。
  8. 画面をスクロールし[関連する設定]の[その他のBluetoothオプション]をクリックします。
  9. [COMボート]タブを選択し、「DG-PRO1RW01 'SerialPort'」と書かれた行を探しその行の左側のCOM番号をメモします。以下の例では20です。

これでペアリングが完了し、COM20を通じたシリアル通信で使えるようになりました。

u-centerで使う

ではいよいよu-centerで接続します。DG-PRO1RWのボーレートは230400bps固定です。(RWSのファームウェア 1.1.16以降は460800に変更になりました)

と、その前に、AndroidのDrogger-GPSで使用後、DG-PRO1RWの電源が接続されたままでしたら一度電源を抜いて差し直してください。 Drogger-GPSでの設定がリセットされ初期状態に戻ります。

  1. u-centerを起動します。
  2. [Receiver] - [Baudrate] - [230400]をクリックします。(RWSのファームウェア 1.1.16以降は460800に変更になりました)
  3. [Receiver] - [Connection] - [COMxx]をクリックします。

Windowsのドライバーによって、COM20のオープンで自動的にBluetoothが接続されます。

u-center

DG-PRO1RWのブルーのLEDが点灯し、u-center のステータスバーに通信状況を示す緑のアイコンが点滅していればOKです。

DG-PRO1RWのデフォルトはGSA,GSVメッセージが10回に1回のため衛星の受信状況グラフがちらつくかも知れません。CFG-MSGでGSA,GSVのメッセージ出力回数を1にするとちらつかなくなります。

後は目的に応じてご利用ください。u-center users guide

DG-PRO1RWのデフォルトメッセージ

DG-PRO1RWのデフォルトは以下のメッセージが出力されます。尚、UBX RTCM3タイプのメッセージは何も出力されません。

種類 タイプ レート
NMEA GLL 1
NMEA RMC 1
NMEA VTG 1
NMEA GGA 1
NMEA GSV 10
NMEA GSA 10

ナビゲーションレートは10Hzです。

RTKLIBで使う

RTKLIBで行うさまざまな処理は事前にu-centerにて必要なメッセージを出力するよう設定をしておく必要があります。

RTKLIBで使用する際のポイントは、DG-PRO1RWはシリアルデバイス(Serial)として認識されることです。ポート番号はペアリングの際に確認したポート番号を使用します。

RTKNAVI

Windowsでの利用記事

drogger.hatenadiary.jp

他にWindowsでこれがしたいとかご要望がありましたらコメントをいただけたらと思います。


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Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:Windows位置情報サービス用のドライバーは提供されていません。また、弊社ではWindows用アプリケーションは現在のところ提供しておりません。

DG-PRO1RW 2周波センチメートル級 RTK-GNSS

DG-PRO1RW (予価 69,800 税抜 バッテリー除く)

しばらくブログを書けないでいましたが、ようやく時間が出来ました。というかようやくDG-PRO1RWについて語ることができるようになりました。

DG-PRO1RWは、DroggerのGPSとして開発されたDG-PRO1の新しいバリエーションのRTK-GNSS受信機です。RTKのRとWバンドのWDG-PRO1RWです。HONDAのスペシャル仕様のレーサーみたいで、さらにタイミングよく令和(ReiWa)版のようでもあるネーミングです。

2019/07/15 追記 DG-PRO1RWが発売になりました。詳細は以下で! www.bizstation.jp

従来のレシーバーはL1帯という1つの周波数を受信していましたが、RWはL1とL2の2つの周波数帯の電波を使って位置を計算します。GPSは1つの衛星からは2種以上の電波が送信されていて、2つを使うことで電波特性の違いを利用してより精度を高めることができます。

さらにRTKモードならセンチメートルレベルの位置精度でしかも10Hz以上の高レートで計測できます。

RTKモードは高精度な測量レベルの精度です。モータースポーツなどではタイヤ一本のラインの違いまで完全に比較可能です。

RTKとは

RTKとはリアルタイムキネマティックという用語の略で、簡単に言うと移動するレシーバとは別に、「基準局」(事前に位置の分っている地上に固定したレシーバ)の補正データを使って、高い精度の測位をリアルタイムで行う技術のことです。

RTKイメージ

従来の測位方法(コード測位)は電波の到達時間を1MHz(100万分の1秒)で区切ってで計測します。対してRTKで使う搬送波測位は1000倍以上細かい(1.5GHz)で区切って計算します。 具体的に距離に直すと約19cmです。この単位以下はレシーバの分解能によりますが100分割とすると1.9mm単位で計測できるということになります。いかにRTKが高性能かわかりますね。

ただいきなり19cmの単位での位置がわかるわけではなく、従来の測位法と位置補正データを使って無数の候補点から特定していきます。

基準局で作られた補正データは、インターネット・Wifi・近距離無線などの通信手段で移動局に送ります。

基準局を得る方法

RTKモードで測位するには基準局が必要です。基準局を得るには以下の3つの方法があります。

  1. 自前で作る(仲間で共同で作る)
  2. 無償(善意)で公開されているデータを利用する
  3. 有料のデータサービスを利用する*1

それぞれの特徴は以下の通りです。

方法 コスト 安定性 絶対精度 備考
自前 ? 一度準備してしまえば安定して安価です。DG-PRO1RWで基準局が作れます
無償(善意) ? 安定した供給に努力されているものからフリーの実験用などもあり安定稼働かどうかは基準局ごとに異なります。
有料 月額数万円といった費用がかかりますが国土地理院のデータで絶対位置の信頼性があります

自前、および善意の基準局の絶対精度は、基準局の(アンテナの)位置をどれだけ正確に測量したかによります。移動局の利用目的に応じた精度を確保します。

基準局の距離

基準局は出来るだけ近くにあるものがよく、できれば10Km以内が望ましいとされています。遠くなればなるほど精度が落ちるのと、RTKで位置が確定できなくなります。善意で公開されている基準局が近くにあればよいのですが無い場合は別の方法を選ばないとなりません。

ここでの説明はとても大まかなものです。詳しくはリアルタイムキネマティックで是非調べてみてください。

DG-PRO1RWの特徴

u-blox F9Pチップ搭載

RWはDG-PRO1と同じスイス u-blox社のチップで、最新2周波RTKモジュール ZED-F9Pを搭載しています。F9Pは大学や企業の研究などにおいても、数百万円の測量用受信とほぼ同等性能であるとする高い評価を得ています。

u-blox ZED-F9P

高精度単独測位

RWは基準局を必要としない従来からの単独測位も、2周波によって1m以下CEP の高精度測位が可能です。

2周波RTK

このRTKという技術は、結構古くからあるのですが測量用で高価(50~数百万円)なもののみでした。また近年出てきている1周波のものではなかなかFIX(位置確定)しなかったり、FIX率が低いといった課題があります。

RWは2周波により無数の候補点の数を大幅に削減し、驚くほど短時間で容易にFIXします。また、基準局からの距離も望ましいとされる10Kmの数倍の距離でも容易にFIXします。 また、自動車ナビゲーションなどで高架橋などから抜けたあとの復帰も驚く速さでFIXに戻ります。

2周波RTKでコンシューマ向け製品としては日本初*2です。

基準局・移動局どちらにも対応

RTKモードで測位するには基準局が必要です。RWは基準局・移動局のどちらとしても利用可能です。自前で基準局を用意される場合はRWが2セット必要です。

専用AndroidアプリDrogger-GPS

従来のDG-PRO1と同様にRWはBluetoothを搭載し、Drogger-GPSでコントロールします。

簡単

これまでのRTKは学術用途やチップメーカ製など難しいアプリケーションしかありませんでしたが、それらに加えてDrogger-GPSはAndroidで基準局や移動局としての設定や通信が簡単にできます。Drogger-GPSは他のアプリやソフトウェアを必要としません。非常に簡単にRTKを行うことができます。

RTKで得た位置情報は、従来のDG-PRO1と同様にさまざまなアプリで利用可能です。(Drogger・Google Map・Y! ナビ・AgriBus-NAVI・Lap-C・ReceChronoなど )もちろんロギングも可能です。

ピアツーピア通信

さらに、基準局-移動局間では初のピアツーピア通信も可能にしました。Android端末2台*3とDrogger-GPSで基準局-移動局間をダイレクトに通信できます。わかり易く例えるとLINE電話のようにインターネットを利用して端末間で直接通信します。

P2P設定 間もなく日本語にします
中継サーバーを用意したり、自宅にサーバーを立てたりといったネットワークに関する高度な知識や設備は一切不要です。

どこでも基準局

基準局は、ビルや建物などの屋根等への設置が通常ですが、RWとDrogger-GPSを使えばサーキットや農場などの駐車場に止めた車などでも5分あればすぐに基準局が作れます。車の屋根にアンテナを置き、Drogger-GPSでセルフ計測モードを開始します。数分間計測しアプリが基準局の位置を決め自動で基準局モードになります。

基準局の位置をGoogleマップの衛星写真などから位置を指定することも可能です。

このような基準局の場合、絶対位置精度はわずかな誤差があるかも知れません。しかし、基準局-移動局間の相対位置精度はセンチメートル級で高精度です。

防水・防塵 ヘビーデューティー仕様

RWも防水・防塵 ヘビーデューティー仕様です。GNSSは基本的に野外で使用します。濡れたり汚れたりといったことを一切気にせず使用できます。

u-blox 2周波アンテナ付属

写真のu-blox 社で販売する2周波アンテナ(底面マグネット付き ケーブル5m)が付属します。アンテナの追加購入や選択の手間がありません。このアンテナで基準局・移動局とも十分な性能を発揮します。

u-blox ANTENNA

技適・Bluetooth SIG

日本の電波法の技術的合基準はもちろんBluetooth SIGも認証済で、ユーザー様が電波法違反やBluetooth特許/商標侵害に問われることはありません。特にコンプラインアンスが問われる企業ユーザー様も安心して利用いただけます。

発売は2019年7月末の予定です。価格は 69,800 (予価 税抜)です。

誰でも使えるセンチメートル級は始まったばかりです。どんな用途があるのか未知の世界です。1m位の精度とcm級では利用価値がまったく変わってきます。みんさんのアイデアで既存のGNSS枠を超えた面白い使い方ができるかと思います。楽しみです!!

乞うご期待!

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*1:有料のデータサービスは、国土地理院の電子基準点のリアルタイムデータが数社から配信されています

*2:自社調べ

*3:どちらもインターネットに接続できる必要があります

DG-PRO1 静止~低速域の安定性向上 LSS機能

DG-PRO1 グランドプレーン

今回はDG-PRO1静止~低速域の性能向上のお知らせです。

DG-PRO1はモータスポーツなど高速域の性能は高い評価をいただいていますが、最近はウォーキングや農業機械ナビなど低速で使われるお客さんも増えています。

そんな中で農業設計社さんのAgriBus-NAVIで使用されているお客様から、低速域での安定性についてのご要望をいくつかいただきました。それらのご要望をもとに低速域での安定化機能(Low Speed Stabilizer)を追加いたしました。

LSSは方位精度を改善する機能で、主に以下の2つで構成されます。

  1. 方位の安定性を向上させるローパスフィルター
  2. 静止とバック(後退)時に正確な方位出力をするビルトイン・センサーコンパス

方位精度設定画面

LSSの出力は、モックプロバイダーかNMEAを通じて他のアプリにも反映されます。

また、今回は加えて低速域での安定性に不可欠なアンテナグランドプレーンの提案をしたいと思います。

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Buit-in sensor Compass (ビルトイン・センサーコンパス)

最初に静止時の方位についてです。

車両が静止しているときや極低速時は、GNSSではどちらを向いているか不定で方位を示すことができません。そこでAndroidのセンサーを使って車両の向きを示すのがビルトイン・センサーコンパスです。Androidを車両に固定すれば、停止時でも車両の向きを示してくれます。

では実際に、 静止時のコンパス機能がわかる動画です。一つの端末でAgriBus-NAVIとカメラを画面分割して回転がわかるようにしてあります。 *1


Drogger GPS Compass

このコンパスは、Androidのジャイロセンサー、加速度センサー、磁気センサーを使って計算されます。ただ、デバイスによってはジャイロセンサーが無いものもあります。そのためどのデバイスでも正確にでるわけではありませんのご了承ください。

コンパスの示す方向は画面を横長にした場合は以下の画像のような向きです。

コンパスは、デバイスの向いている方向を指しますが、車両の進行方向に対する取付角度や環境による誤差などを調整するために角度のオフセットを入力できます。通常は変化しないかと思いますので固定値での入力です。*2

方位ローパスフィルター

次にゆっくりと移動している際の方位です。

車両の場合低速時にそんなに急に向きを変えることができないはずですが、GNSSの示す生データの方位は精度に応じてグラグラし不安定で実態に対して過敏になっています。

また、低速で左右に車両が揺れるような場合、進行方向の移動より横方向の移動が大きくなることも出て来ます。

そこで実際の方位の変化を示すようにレスポンスの良いローパスフィルター*3を実装しました。このフィルターにより実際の方位変化に近いものにすることができました。このフィルターは10km/h以下で方位に対しのみ機能します。

左右揺れに対して非常に有効なことを実験した動画です。


Drogger-GPS RTKと方位ローパスフィルター

前記のコンパス出力もこのフィルターを通ります。そのため、静止時から動き始めもスムーズに方位が変化していきます。車では急な方向転換はありませんが、ウォーキング用途などでは止まった状態から急に違う方へ歩いたりします。そのような時でもレスポンス良くとてもスムーズに変化します。

グランドプレーン

ここでのグランドプレーンとは、アンテナの下に地面と平行に置く金属板のことです。山や建物からの反射波の影響を低減させます。DG-PRO1はさまざまな用途で利用されるため、決まったグランドプレーンの提案は難しいため行ってきませんでした。

AgriBus-NAVIで利用される方はトラクターの屋根等に比較的グランドプレーンの設置がやり易いのではないかと思います。実際、高精度での計測はグランドプレーンがとても重要でこれ次第と言っても過言はありません。別のGNSSかと思うくらいの違いが出ます。

簡単に手にはいることから100円Shop Seriaでなべの蓋や丸形の金属容器をいくつか用意しました。

色々な形状・材質で実験していますが、実はグランドプレーンの模索は現在進行中です。

材質ではスチール・ステンレス・アルミ、形状では平面・ボール形、厚みでは0.3mm~2mmほどまで様々です。ベストは模索中ですが、いずれにしてもどれも、平面の中央に置くことで間違いなく効果がありました。

取付の方向とグランドプレーンとの隙間は平面の場合ほぼ変わりありませんでしたのでいち早くお伝えしておきたいと思います。

項目 内容
取付向き ケーブルを上に向け垂直
グランドプレーン直径 11cm ~ 16cm
グランドプレーンとの隙間 5~10mm
位置 DG-PRO1を円の中心に置く

この写真のものは、厚さ0.3mmのアルミ板(ホームセンターで購入)を直径11cmにハサミでカットしました。ステーは2mm厚のアクリル板をカットしはんだごてで温めて90°に曲げたものです。

直径は11cmあれば非常に効果があり、さらに16cmになるとわずかながらより効果が大きくなりました。

ケーブルの取り出し方向と、グランドプレーンからの隙間は従来お伝えしてきた内容と異なってしまっていますが、地面と平行なグランドプレーンとしての金属とそうでない付近の金属の違いがありますのでご容赦ください。

ケーブルの取り出し方向は、天地が反対でも問題有りませんが、ケーブル取り出しを上にした方が効果が大きくなりました。

効果実験

AgriBus-NAVIでのフィルター効果の実験風景です。当社にはトラクターも農地もありませんので、手押し台車にDG-PRO1を載せてのテストです。取付位置も低く回りに建物がありGNSSの環境としてはあまり良いところではありませんが、その方がふらつきが大きくテストには好都合かと思います。*4

結果はフィルターなしに比べてとてもスムーズにラインをトレースすることができるようになりました。方向転換時もスムーズに方位が変わります。 バックした際は画面が回転することなく位置のみ後退します。

AgriBus-NAVIには「進行方向平滑化時間」という設定があります。こちらも様々な設定で実験ししました。その結果、より良いレスポンスとローパス性能を追求し、ローパスフィルターを実装するにいたりました。AgriBus-NAVIは様々なGNSSに対応する必要がありますが、Drogger-GPSはDG-PRO1に特化できますのでベストチューニングになっています。

機能の無い従来の状態と、LSS+11cmグランドプレーン有りで比較した動画です。


DG PRO1 LSS + 11cmグランドプレーン

尚、ローパスフィルターを有効にした場合、「進行方向平滑化時間」の設定は0 msecでOKです。

まとめ

AgriBus-NAVIでDG-PRO1をお使いの方はアプリを更新いただき、LSS関連の設定を有効にしてください。 また、ぜひグランドプレーンを設置してみてください。

双方の効果で非常に安定して使いやすくなるかと思います。

実験担当者(大宮路)曰く、「LSS+グランドプレーンはすごくいいです。結構感動的ですよ!」とのことで実際のトラクターでの使用感をお聞きしたいところです。

DG-PRO1で快適なお仕事を!

Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:動画は部屋の中なので 黄色のNO POSマークで位置はFIXしていませんが方位はきちんと受け取って表示してくれました

*2:自動で計測する方法も考えましたが、ウォーキングなどで使う場合は計算すると逆におかしなことになりますのでこのような仕様です

*3:ゆっくりとした(ロー)真の変化のみを通す(パス)フィルター

*4:写真は実験の一部の風景です

DG-PRO1(RW)をRaceChronoで使う

 

今回はDG-PRO1DG-PRO1RWをフィンランドRaceChrono Oy製RaceChronoで使う方法です。

尚、新しい DG-POR1SやDG-PRO1RWSなどS付モデルの場合はより新しい記事をご覧ください。

はじめに

まず、製品に同梱された取扱説明書にしたがって、Drogger-GPSアプリのインストールと設定を行います。これが正しく行われていないと、以降の説明通りに動作しません。

RaceChronoはOSからLocation情報を取得して動作します。RaceChronoは新規にインストールした状態から変更するところはありません。デフォルトのままでOKです。デフォルトで[内蔵GPS受信機]がオンになった状態です。

Bluetoothデバイスを直接指定する事も可能になっていますが、指定は不要です。Drogger-GPSで設定した更新レートでRaceChronoを使って計測できます。

Drogger-GPSを説明書の通りに設定しておいてください。

使い方

  1. DG-PRO1に電源を接続し、電源が入っているのを確認します。

  2. Drogger-GPSを起動して [Start]をタップします。

  3. RaceChronoを起動します。(Drogger-GPSはバックグラウンドでOSの位置情報を更新し続けます。)

ちなみに、Androidの設定で位置情報をOFFにしても構いません。内蔵GPSは置き換えられて使用されないためです。(Android 11以降は位置情報は必ずONでなければなりません。)

RaceChronoを自動起動させる

上記使い方の3番を自動で行うこともできます。

  1. Drogger-GPSの設定を開きます。

  2. [起動と外部アプリ]-[Bluetooth接続後に起動するアプリ]で[RaceChrono]を選択します。

[Start]をタップしBluetoothの接続が完了するとRaceChronoが自動で起動するようになります。

これで、Drogger-GPSからワンタップでRaceChronoが使えるようになりました。

DG-PRO1(RW)で楽しい走行を!

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