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ドロガーで壁を越えよう

GNSS測量 アンテナ高の扱い - Drogger-GPS

Drogger-GPS Ver 2.9.171よりアンテナ高の取扱方が変わりましたのでご案内いたします。

これは測量用途のための改良です。そのため、今回の変更はWaypointに関連するものが主なものです。

まず、アンテナ高の入力は以下の3か所ありました。

  1. [設定]-[傾斜補正]
  2. Waypointログの記録開始ダイアログ
  3. Waypointの[File Information] 基準局のアンテナ高

これまで、1を除いてメモとしての入力で計算には使用していませんでした。 今後は、2と3も計算に使用されるようになります。

従来との互換性を保ちたい場合は2と3について、アンテナ高を0(m)としてください。従来と同様な結果を得られます。

では詳しく計算の方法をご案内いたします。

アンテナ高とは

用語

Drogger-GPSの入力で使う高さの用語は下図に示す長さです。これらは単独測位やRTKなどPCV補正を行わない測量方法*1でのアンテナ高です。

これらのうち、アプリに入力いただくのは「アンテナ高」のみです。

取付面- 位相中心の値

上記、アンテナ高を直接計るのは難しいので、ポールや三脚の「アンテナ取付面高」を測っていただき、下表の「取付面- 位相中心」を足していただければと思います。

品番 説明 取付面- 位相中心
ANN-MB + ADP120 ANN-MB + グランドプレーンアダプター 0.0235m
GPSLX09U8W + ADP120 GPSLX09U8W + グランドプレーンアダプター 0.0366m
Xパッケージ HX-CSX601A(0.0531m)+Xボディー(0.1465m) 0.1996m (≒ 0.2m )
Pパッケージ アンテナ一体型レシーバ 0.0395m
Mパッケージ HX-CH6605A 0.0372m

値の詳細を図面に示します(クリックで拡大)

測量用バッテリーホルダー SBH002を使用した場合

品番 説明 取付面- 位相中心
SBH002 + RWP SBH002 + アンテナ一体型レシーバ 0.186m
SBH002 + ANN-MB + ADP120 SBH002 + ANN-MB + グランドプレーンアダプター 0.170m
SBH002 + GPSLX09U8W + ADP120 SBH002 + GPSLX09U8W + グランドプレーンアダプター 0.183m

アンテナ取付面高は、お使いのポールや三脚などの高さに応じて変化します。使用時に実際の長さを測定してください。

  • アンテナ高 = [取付面- 位相中心] + [アンテナ取付面高]

でアンテナ高を計算します、

ヒント
]Waipoint記録ダイアログ]-[アンテナ高] 横の❔アイコンをタップすると、上記の「取付面- 位相中心」の表をすぐに参照できます。

移動局のアンテナ高

移動局でアンテナ高の扱いが変わったのは、Waypointログの表示・測量記簿の表示です。 それらでは楕円体高と標高について、アンテナ高を差し引いた値で表示・印刷されます。
尚、ログへの記載される値は従来と同様です。表示を行うタイミングで楕円体高と標高を変更します

  • 楕円体高 = 測位結果の生の楕円体高 - アンテナ高
  • 標高 = 測位結果の生の楕円体高 - ジオイド高 - アンテナ高

例えばアンテナ高を2mとしてWaypointログを記録するると、下図のようにNavigation画面に対して、Waypointログの表示では楕円体高と標高はアンテナ高引いた値になります。

  • 楕円体高 634.9 --> 632.9
  • 標高 592.6 --> 590.6

測量記簿では以下の囲みと下線の項目がアンテナ高を反映した値になります。(このサンプルの数値には特に意味はありません)

基準局のアンテナ高

基準局のアンテナ高は2つの場所で使用されます。

  1. 測量手簿・記簿の作成
  2. [設定]-[RTK]-[基準局アンテナ位置]

測量記簿

測量記簿には基準局の座標が記載されます。その座標はRTCM1005で送られてきたアンテナ位相中心から[Waypoint] [File information][基準局][アンテナ高]で入力した値*2を引いた高さの座標が記載されるようになります。 *3

測量記簿で影響のある部分

下線の項目はアンテナ高が反映された値です。

My基準局座標

また、My基準局を運用する際に基準局座標を入力しますが、そこでもアンテナ高を指定可能にしました。アンテナ位相中心は以下で計算される位置になります。

  • アンテナ位相中心 = 楕円体高入力値 + アンテナ高

例えば、三角点など測量成果の標示杭上に三脚等で基準局を設置する場合、楕円体高には三角点の値をそのまま使用し、アンテナ高に三脚でのオフセット高さを入力できます。

基準局の座標指定方法の改善

前述の三角点上など既知の座標値は平面直角座標と標高で示されています。このポイントに基準局を設置する場合、簡単に入力できるよう設定画面からWaypointのデータを選択し転記できるようにしました。

Waypointの作成では平面直角座標と標高での座標入力が可能です。日本のジオイドを使って楕円体高や10進法の緯度・経度なども自動計算されます。

転記されるのは、緯度・経度・楕円体高・アンテナ高・座標世代の5項目です。

また、事前に複数の基準局座標を入力して準備しておくといったことも可能です。

これで、測量成果の座標値からの変換はほとんど不要になりました。

サーベイインでのアンテナ高

自己計測(サーベイイン)ではアンテナ高は自動で0(m)として処理されます。

マップ「基準局に」ボタンでのアンテナ高

「基準局に」ボタンにて基準局にした場合は、アンテナ高は自動で0(m)として処理されます。

その他

インポートされるWaypointのアンテナ高

  • SIMAフォーマットデータはアンテナ高は0(m)としてインポートされます。インポート後にアンテナ高の変更が可能です。
  • gpxファイルは何の変換もされずそのままインポートされます。(従来通り)

共有 - SIMAフォーマットでのアンテナ高

Waypointの画面通りの標高値が出力されます。すなわち観測値からアンテナ高を引いた(地面)値が出力されます。


Enjoy with Drogger

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*1:PCV補正を行うSTATIC測量でのアンテナ高はRAWデータロギング画面に計測位置が表示されます。

*2:RTCM1006が取得出来た場合、基準局のアンテナ高は自動で記録されます。

*3:データサービス会社による「ネットワーク型RTK」の場合、アンテナ高は0mでOKです。