Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

DG-PRO1RWS 内蔵WiFI Ntrip クライアント ほか

f:id:bizstation:20200402133905p:plain DG-PRO1RWS単体でNtripクライアントを実行できるようになりました。この機能はDG-PRO1RWSまたはDG-PRO1RW+拡張モジュールのファームウェア とDrogger-GPSアプリを最新にしていただくことでご利用いただけます。

他にもこの更新では以下の機能が追加されました。

  • 内蔵NtripサーバーとDrogger-GPSのP2P通信の併用
  • NtripステータスLEDによる、RTKがFixしているかどうかの表示

WiFI Ntripクライアント

NtripクライアントはWiFIを使用してDG-PRO1RWSが直接Ntripキャスターと通信します。最初にDrogger-GPSを使用して設定を行いレシーバー内に起動設定を保存します。 あとは、DG-PRO1RWSの電源をいれるだけで指定したNtripキャスターと通信しRTK測位を開始します。

WindowsなどPCで

従来はBluetooth経由でしか補正データを渡す仕組みしか無いため、Windowsなどでシリアル通信(Bluetooth SPP)で測位結果を得る場合、同時に補正データの送信も行わなければなりませんでした。

補正データを送る仕組みのないアプリケーションを使用するには、何かと工夫が必要でした。

このWiFI Ntripクライアントを利用すると、補正データを送信する必要がなくなり、Bluetoothは測位結果を得るのみのために使用できます。 これで従来からあるシリアルでNMEAを受信して処理するほとんどのアプリケーションで、RTKとDMPを使用した高精度な位置情報をそのまま得ることができます。

Androidで

Androidでもアプリが直接Bluetooth接続しNMEAを受信して動作するものがたくさんあります。この新機能によりアプリは従来のままで、RTKとDMPを使用した高精度な位置情報を利用できます。

AgriBus-NAVIで

多くのDG-PRO1RWSのお客様が使用されているトラクターなどのナビゲーションシステムのAgriBus-NAVIも同様です。AgriBus-NAVIとの接続は単に「Bluetooth接続型GNSS」としていただくだけでRTKとDMPを使用した高精度な位置情報を利用できます。

Drogger-GPSアプリは設定時以外、使用する必要がなくなります。(P2P通信で補正データを受信する場合を除く)

設定方法

まず、Drogger-GPSを最新(2.4.92以上)にし、DG-PRO1RWSのファームウェアを最新に更新(1.3.18以上)します。 ここでの説明はDG-PRO1RWSの起動設定、Drogger-GPSの設定ともにデフォルト状態として説明します。設定に不安がある場合は以下を見てデフォルトに戻すことをお薦めします。

Drogger-GPSの設定をデフォルトに戻す

  1. ギアマークをタップして設定を開きます。
  2. ...メニューをタップし[デフォルトに戻す]をタップします。

WiFI Ntripクライアントの設定

  1. Drogger-GPSを起動し、ギアマークをタップして設定を開きます。
  2. [GNSS(衛星測位システム)]をタップして利用したい衛星を選択します。
  3. 戻って[RTK]をタップします。
  4. [移動局]をONにし、[移動局用キャスターホスト]にご利用されているNtripキャスターの情報を入力します。  ここまではAndroidでNtrupクライアントを実行する場合も同様です。
  5. [レシーバー上のNtripシステム]をタップします。
  6. [レシーバのNtripを使う]をONにし、[WiFiアクセスポイント(SSID)]と[WiFiパスワード]を入力します。
  7. 設定を終了し、[Start]をタップしてDG-PRO1RWSに接続します。

動作の確認方法

Drogger-GPSのメイン画面上のNtrip StatusをONにします。 [Type]にNtrip client on receiverと表示されているか確認します。on recieverが重要でレシーバーで実行されていることを示します。 ちなみにDrogger-GPSで動作するNtrip Clientはon Androidと表示されます。 f:id:bizstation:20200402122111p:plain:w400

[Local Address]はレシーバーのアドレスを示しています。

ステータス

ステータスは以下のように遷移します。また合わせてレシーバーのLEDランプの状態も示します。

f:id:bizstation:20200402124752p:plain:w339

順序 状態 ステータス表示 Nrip LED
1 未実行 Not started 消灯
2 WiFi接続試行中 Wifi connecting 2Hz点滅
3 WiFi接続OK
Ntrip casterへ接続中
Connecting 1Hz点滅
4 データ受信中 RTK Fixなし Running 間欠点滅
4 データ受信中 RTK Fix Running 点灯
5 停止中 Closed 消灯
- 接続再試行の待機中 Wait for retry WiFi接続待機の場合は 2Hz点滅
Ntrip caster接続待機の場合は1Hz点滅
- 測位待ち Wait for GGA 1Hz点滅
(GGAを送信する設定の場合で、測位できていないため測位を待っている状態)

Drogger-GPSで表示されるNtripステータスの更新間隔は1秒です。レシーバーのLEDランプは即時変化します。

正常に運用が開始されましたら、たまにNtripLEDが点灯状態で運用確認ができます。

Bluetoothの切断と監視モード

レシーバー上のNtripクライアントはBluetoothを切断してもそのまま動作し続けます。

再度Bluetoothを接続すると、レシーバー上のNtripクライアントの動作の有無を調べ、動作していれば監視モードとしてレシーバーの初期化をせずに監視だけが行われます。
Bluetooth接続状態で設定を変更した場合は監視モードを中止し、設定内容でレシーバーを動作させます。
Drogger-GPSが行うレシーバーに対する設定は揮発性でレシーバーの電源を切ると初期状態に戻ります。

次項で説明する「レシーバーの起動設定変更する」を行うと初期状態ではなく設定した内容で起動されます。

通信などのエラー処理と自動回復

エラーは大きく2つに分けて処理されます。

  1. 設定のエラー
  2. 通信経路などのエラー

認証エラーなど明らかに設定の問題と思われる場合は再試行することなくClosedに移行します。 また同時に[Status]の下にエラーの概要が文字で表示されます。

一同うまく通信が開始されたあと、不通になった場合は自動で接続が再試行されます。再試行間隔は約10秒です。
たとえば、Ntripキャスターの運用側が一時的に運用を停止したとします。 送信エラーになったらそれまでのセッションは破棄します。その後、新しい接続を10秒おきに試行します。 運用が開始されれば自動で再接続されそのまま運用を継続します。

レシーバーの起動設定変更する

せっかくAndroidなしでNtripクライアントを動作できますので、電源を入れただけでRTKが開始できたら便利です。

また、必要なNMEAを有効にする設定も合わせてご案内します。デフォルトではGGAしか出力されませんので、TCPまたはUSBのNMEA出力をで有効にし必要なメッセージを選択します。TCPまたはUSBの機能はAndroidでの物なので無用に見えますが、これをすることでレシーバーのNMEAを有効にできます。

  1. まず前述の設定を行いうまくNtripクライアントが動作していることを確認します。
  2. 設定-[NMEA出力]-[NMEA出力方法]をタップし、[TCPクライアント]をONにします。
  3. 一つ戻って[NMEA Message Type]をタップし、必要なメッセージにチェックを付けます。(必要最小限にしてください。多すぎるとBluetoothの能力オーバーする場合があります)設定を終了します。
  4. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバ]-[起動設定]をタップします。
    f:id:bizstation:20200124132709p:plain:w300
    f:id:bizstation:20200411163355p:plain:w200]
  5. GNSSの[現在の設定で起動]を選択します。
    f:id:bizstation:20200402130014p:plain:w250
  6. DMPの補正等を利用した設定を行っている場合はDMPの[現在の設定で起動]を選択]し、[OK]をタップします。

尚、デフォルトの起動設定に戻したい場合は、手順3で[デフォルト設定で起動]をタップしてください。DG-PRO1RWSの出荷時設定に戻ります。

以降、電源を切って入れ直した際に、指定時の設定で動作します。

その他の更新

内蔵NtripサーバーとDrogger-GPSのP2P通信の併用

My基準局で、rtk2goのNtripキャスターを利用されている方は多いかと思います。rtk2goですが、月に数度程度停止していることがあります。どうもメンテナンスではなく異常停止のようです。

rtk2goにアクセスできない場合、原因がrtk2goにあるかどうかは別のネットワーク(携帯電話など)でhttp://rtk2go.com:2101/にブラウザでアクセスしてみるとわかります。正常であればソーステーブルが表示されます。

このような状況を改善するため、内蔵Ntripサーバーとサーバーと併用してDrogger-GPSのP2Pも使用可能にしました。移動局は、Ntirpキャスター経由とP2Pダイレクトの2つのチャンネルでMy基準局を利用できるようになります。どちらか一方に問題があってももう一方で補正データを受信できます。

詳しくは、内蔵Ntripサーバーの記事をご覧ください。

DG-PRO1RWS 内蔵WiFi +Ntrip サーバー - Beyond your wall with Drogger

RTK FixでのLED表示

右から2番目のLグリーンLEDは、NtripサーバーとMBの状態表示に使われていましたが、RTK移動局で使用される場合はRTK がFixしたときに点灯するようになりました。

レシーバのNtripクライアントを使用していない場合は、Fixで点灯しそれ以外では消灯します。

内蔵WiFiのMACアドレスの表示

Reciever Versionの最後の項目に、内蔵WiFiのMACアドレスを表示するようにしました。WiFiルータなどでMACアドレス制限する場合などでMACアドレスを知る必要があるためです。通常は下のSTA Macの値がルータに接続するMACアドレスです。 f:id:bizstation:20200402173411j:plain:w400

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Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/