Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

DG-PRO1RWS 低速車両のナビゲーションの改善

今回は低速車両のナビゲーション用途での改善です。

DG-PRO1RWSのDMP(デジタルモーションプロセッサー)は9軸で、磁気、ジャイロ、加速度それぞれ3軸で9軸となっています。これまで、低速時や静止時のヘッディングに磁気センサーも使用していました。 しかし、設置場所や周囲の磁気環境(自動車、建物、水道管やコンクリート鉄心など)によって誤差が生じる欠点があり、改善する要素がありました。

そこで以前より行いたかった6軸によるヘッディングを新しいアルゴリズムとして追加いたしました。尚、従来の9軸の機能で問題ない方はそのまま従来通りお使いいただけます。(6軸が主になった場合は将来的には廃止するかもしれません)

6軸の場合ジャイロで方位角の変化を見ますが、ジャイロドリフトと呼ばれる誤差が生じます。このドリフトは時々校正を行って消去します。ある程度の速度があればGNSSの方位は正確ですのでこれを使って校正します。

機能の詳細

電源ONから走行開始まで

GNSSとジャイロでは静止時の絶対方位(ヘッディング)はわかりませんので起動時は、磁気センサーのコンパスを使ってある程度の方位を出します。車両が動き出すまではこの状態です。

このため、最初のセッティング手順は従来と同様です。ただ、厳密に調整したり条件の良い取付場所を探したりといったシビアな設置をする必要はありません。

車両の速度が0.5km/hを超えた時点でジャイロでのヘッディング計算に切り替わります。その後、磁気センサーのコンパスは一切使用されません。

前進

前進中はGNSSとジャイロのみでヘッディングを計算します。周囲磁気の影響は受けません。

停止時

走行後の停止時はジャイロのみでヘッディングを計算します。ジャイロドリフトは独自のアルゴリズムによりキャンセルされます。静止時にドリフト量の計算が行われます。

後退判定

後退判定も磁気センサーコンパスを使用しなくなりました。また、誤判定によって枕での旋回中に画面が反転してしまうことがあるなどの不具合がなくなりました。

後退

ジャイロのみでヘッディングを計算します。

磁気センサーの学習など

磁気センサーは使用しませんので学習などは行われません。

設定方法

この改善は、レシーバファームウェア1.6.49)とDrogger-GPSアプリ 2.7.162へ更新が必要です。

まず、上記2つの更新を行ってください。

以降は、農業情報設計社様のAgribus-NAVI*1で使用する際の設定方法です。Agribus-NAVIの動作も変わってきていますので最新のアプリでの設定方法です。

概要

  1. ローパスフィルターと傾斜補正は、Agribus-NAVIのものを使用します。
  2. 補正情報はレシーバWiFiを携帯電話にテザリング(インターネット共有)して取得します。ただし、農業情報設計社様の有料プランに加入されている場合は、Agribus-NAVIにて[GNSSの補正情報]の設定を行うことでテザリングを不要ににすることも可能です。
    VRSCをご利用の場合、補正情報はWiFiでVRSCと通信します。
  3. 一度正しく設定できれば、使用時はレシーバの電源を入れるだけでDrogger-GPSを使う必要はありません。Agribus-NAVIからDG-PRO1RWSに直接Bluetooth接続します。
  4. Drogger-GPSは不要ですがA-GNSSが使用できないため、起動後の衛星捕捉からFixまでに少し時間がかかります。(概ね 2~3分)

Drogger-GPSでの設定

Agribus-NAVIの[GNSSの補正情報]を使用する場合、マークの付いた項目は省略できます。

以下の手順の動作確認は必ず空が開けた広い場所で行ってください。

  1. Drogger-GPSを起動します。
  2. [設定]-[メッセージ出力]を設定をします。
    [Androidで実行]の[TCPクライアント]:ON (これをONにすることでBluetooth側にNMEAが出力されます)
    [(Bluetooth)Message Type]GGA VTG HDT のみON あとはすべてOFF

  3. [ヘッディングと傾斜補正]を設定します。
    ローパスフィルター:OFF
    DMPまたはMBコンパス:ON
    ボトム面:設置に合わせて設定
    前方方向:設置に合わせて設定
    傾斜補正:OFF

  4. RTKの設定をします。
    移動局:ON
    移動局用キャスターホスト:お使いの基準局に合わせて設定
    レシーバのNtripを使う:ON
  5. ]Advanced Option]-[Using 6axis sensor]をONにします。

  6. [WiFiアクセスポイント]のSSIDとパスワードを携帯のテザリングを使用するように入力します。VRSCの場合はVRSCにアクセスする設定です。
  7. Startを押しDG-PRO1RWSに接続します。FIXを確認し問題なければ 、車両を平らな場所で前方を真北に向けて止めます。
  8. DMPモニター内のをタップし、3つすべてにチェックを入れて[OK]をタップします。
  9. [...メニュー][レシーバ][起動設定]で、GNSS setting DMPともに[現在の設定で起動]を選択し[OK]をタップします。
    画面下部に「.... Success」のメッセージが出るか確認します。出ない場合は、再度この手順9をもう一度行います。
  10. 30秒ほど待ってからレシーバの電源をOFFにし、再度ONにします。

Agribus-NAVIでの接続

  1. 歯車-[GNSS取得方法]でBluetooth接続GNSSを選択します。
  2. [Bluetooth接続機器]でRWSを選択します。
  3. [GNSSの補正情報]を入力します。(レシーバのNtripを使用する場合は不要です)
  4. [GNSS取得方法]に戻って Agribus-GminiRを選択します。(2021/03/07 この手順は不要です。逆にこれをすると最新のバージョンではうまく動作しないようです)
  5. ナビボタンをタップします。

しばらくしてFixすることを確認します。

これでレシーバを回転させてときに画面が回転するか確認します。回転しなければ、Drogger-GPSでの設定をやり直してください。

動作

実際に低速走行での動作を動画にしてみました。Moving Baseは方位計測の最適なソリューションですが、かなり近い感覚で使用いただけるかと思います。

www.youtube.com

農業の皆さんが快適にナビできたらいいなと思います。


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*1:Agribus-NAVIは農業情報設計社様のガイダンスアプリです。

Drogger-GPS セミ・ダイナミック補正

Drogger-GPS Ver 2.7.161でリアルタイムにセミ・ダイナミック補正ができるようになりました。

この内容は、主に測量など正確な絶対座標値を必要とする方のためのものです。

相対的な位置で問題ない用途の場合は利用する必要はありません。知識としてご覧いただければと思います。

セミ・ダイナミック補正とは

感覚的に地面は動かないものですが、実際には日々少しづつ動いていて、変動の多い日本では年間数センチ以上も動いています。そのため過去の地図はいま調べるとズレてしまっていることになります。

地盤の変動を日々地図に反映したりできませんので、地域ごとに基準日からの変動量を事前に調べておいて、相互に変換するのがセミ・ダイナミック補正です。事前に調べておいた変動量のリストをパラメータファイル*1といいます。

基準日は 「測地成果2011の基準日」でこれを元期といい、現在の測定日を今期といいます。

セミ・ダイナミック補正の計算の方法とパラメータファイルは、国土地理院によって提供されています。パラメータファイルは毎年4月1日に更新され一年間は基本的に同じものを使用します。

測量成果は元期座標です。また既存の地図も元期またはそれに近い期のものです。GNSSで得た測位結果をこれらと比較する際には、元期・今期を揃えて行う必要があります。

補正量の一例ですが、2021年のパラメータファイルで本州で最も補正量が大きいのは、気仙沼と北上の間あたりで1.48mほどあります。単独測位でも無視できない程の量です。

今期の数

元期は1つの基準日ですが、今期は毎日のことなので一意ではなくたくさんあります。しかし、パラメータファイルは年度ごとですので今期は1年単位と考えることができます。

今期の2つの座標を比較する際には、同じ年度の今期の必要があります。元期の場合はそのような配慮は不要です。

GNSS測位結果の今期と元期

新点の位置を求める際に、既知点を基準にしそれが元期であればそこからの相対的な位置ですので、概ね元期での座標が求まります。しかし、GNSSの場合、測位結果そのものが今期のことがあるので既知点と比較したりする場合には揃えないと計算ができません。

GNSSの測位結果の今期・元期は以下のとおりです。

内容 測位結果 備考
単独測位 今期
PPP (MADOCAなど) 今期
RTK VRSC (CLAS) 今期
RTK 基準局のアンテナ位置座標が今期 今期
RTK 基準局のアンテナ位置座標が元期 元期 基準局位置での元期
RTK データサービス会社 元期 「移動局位置での元期」が計算されるものと、「基準局位置での元期」の場合の2種類があります。
ほとんどの場合「移動局位置での元期」が計算されます。
PPK 電子基準点によるSTATIC (日々の座標値F5) 今期 日々の座標値は今期です
  • PPKはPost processing kinematic で後処理による搬送波測位の略です。キネマティックは動的ですが、ここでは静的も含んで使用しています。
  • RTKの元期には、「移動局」位置と「基準局」位置の2種類があります。それぞれの位置で補正量が異なるためです。移動局の位置で求める方がより正確です。

RTK・PPK基準局座標

RTK・PPKは基準局からの相対位置を求める処理ですので、元期/今期は基準局のアンテナ位置がどちらで指定されていたかに依存します。

データサービス会社の場合、調べた限りではPPPを除きすべて元期(移動局位置) のようです。(Softbankでは元期(基準局位置) も選択できます)

そのほかの基準局の場合は、元期(移動局位置) / 元期(基準局位置) / 今期のいずれかであるかが重要ですので、確認いただければと思います。

設定

基準局座標の種類を指定する

セミ・ダイナミック補正ができるようになったことで、RTK移動局として使用する際に、基準局アンテナ座標の種類指定が必要です。

  1. [設定]-[RTK]-[移動局用キャスターホスト]-[Ntrip Casterタイプ]をタップします。

    ここで[VRSC]または[データサービス会社]を選択すると、次の[基準局座標世代]が自動的に決定され選択不要になります。
  2. 使用するCasterの種類を選択します。
  3. [基準局の座標と機能]を選択します。

今期としてマークし、このあと説明するセミ・ダイナミック補正を有効にすることで、測位結果をその位置に基づいてリアルタイムに元期に変換することができます。

また、「元期」を選択した場合は、「基準局」位置と「移動局」位置のの補正量をそれぞれ求め差分のみ補正し、移動局位置での元期に変換します。

Ntrip Casterに関するそのほかの項目は従来通り指定してください。

パラメータファイルの新規インストール

セミ・ダイナミック補正を行うには期ごとのパラメータファイルが必要です。

パラメータファイルは「測量成果」です。セミ・ダイナミック補正によって得られた値を「測量」に使用する場合は、測量法第30条により「国土地理院の長の承認を得る」手続きが必要です。杭打ちや標識探しといった測量でない用途の場合手続きは不要とのことです。

  1. [設定]-[表示座標系]-[元期へ変換または地殻変動量を補正する]をONにします。
    「測量法に基づく確認」が表示されますので[同意する]をタップします。同意しない場合はOFFになります。
  2. [パラメータファイル管理]をタップします。
  3. 2019年から現在の年度までのリストが表示されます。

  4. 必要な年度を長押ししてチェックと付けます。(複数年度まとめてチェックできます)
  5. アクションバーの[Install]をタップします。
    インストールが開始されます。

  6. 完了すると、各行が「Installed」と表示されます。

新しい年度やアップデートされたパラメータファイルをインストールする

パラメータファイルは一年間同じ予定ではありますが、必要に応じて新しいバージョンがリリースされます。また、年度ごとに新しいパラメータファイルがリリースされます。

新しいパラメータファイルのzip名を調べる

  1. 以下のサイトにアクセスしてリストから新しいパラメータファイルのリンクを探します。
    プレート運動による地殻変動の補正(定常) | 国土地理院

  2. リンクにカーソルを合わせると画面下部にURLが表示されます。common/の後ろのzipファイル名(2023年は 000248852 )をメモします。同時に右横のバージョンもメモします。(例 1.0.0)


  3. [パラメータファイル管理]を開き、アクションバーの+をタップします。自動的に[year]に新年度の値が入ります。


  4. 先ほどメモしたバージョンとファイル名(.zipを除く 例:000231038)を入力します。
  5. [OK]をタップします。
  6. 追加した行を長押ししてチェックを付けます。
  7. アクションバーの[Install]をタップします。
    インストールが開始されます。
  8. 完了すると、その行に「Installed」と表示されます。

尚、年度の途中でアップデートされたパラメータファイルの場合は、既にある行をタップして、[version]と[Filename]を入力します。

設定の保存

上記で行っていただいた設定項目は新たに追加されたものです。過去に保存された設定には含まれていませんのでご注意ください。ここでの設定を加えて上書き保存していただければと思います。

変換対象

上記の[今期を元期へ変換する]での変換はDrogger-GPSのアプリ内で行なわれ、対象は以下のとおりです。

  • Navigationの緯度・経度・楕円体高・標高 の表示(平面直角座標・UTM表示も含みます)
  • Waypointログ
  • トラッキング CSV GPX ログ (NMEAは除く)
  • Mockプロバイダー経由の他のアプリ

NMEAはTCP、USB、シリアル、ログのいずれも生の値のままで変換は行われません。

変換条件

変換は以下の条件をすべて満たした時に行われます。

  1. 測位日を対象とするパラメータファイルがインストールされている
  2. [今期を元期へ変換する]がON
  3. 単独測位、PPP、またはRTK(VRSC含む)で基準局のアンテナ位置が今期、またはRTKで移動局位置補正がない元期 

移動局位置補正がない元期の場合は、基準局と移動局のそれぞれの位置での補正量の差を移動局座標に適用します。ただし、レシーバのNtripを使用している場合は、基準局位置を取得できないため現在のところ補正はできません。

計算フロー

アプリは測位結果をレシーバから受信すると、

  1. 日時からパラメータファイル選択します。
  2. 測位位置からパラメータファイル内の近傍4点のデータを読み取ります。
  3. 4点の位置と測位位置から双線形補完にて、測位位置の補正値(緯度・経度・高度)を計算し適用します。
  4. 設定に応じて平面直角座標やUTMに変換して表示します。

緯度・経度・楕円体高・標高 の値が元期の場合、Navigationの文字横に 元期を示す(JGD2011_x)と表示されます。今期と不明な場合は、従来通りに何も表示されません。

Waypointログ

表示

Waypointログでは座標の世代も記録されるようになりました。元期では下図のようにポイント名の横にJGD2011_Rと表示されます。


今期の場合は The current 不明な場合は Unknownと表示されます。

ポイントの世代指定

過去のログや、自分で入力したポイントを元期・今期どちらなのかマークできます。

  1. データリストから目的のWaypointを開きます。
  2. マークしたいポイントを長押ししてチェックを付けます。
  3. アクションバーの[...][座標世代][xxxxとしてマークする]をタップします。

元期を今期に変更はできません。一度「世代不明」としてから今期にする必要があります。

ポイントの元期・今期変換

既にあるポイントの元期・今期変換ができます。

  1. データリストから目的のWaypointを開きます。
  2. マークしたいポイントを長押ししてチェックを付けます。
  3. アクションバーの[座標変換][xxxへ]をタップします。

データの日付に基づいてパラメータファイルが選択され変換が行われます。


これでVRSCもリアルタイムに元期座標で扱うことができるようになりました。

My基準局などでは、基準局座標を元期で指定しても、移動局の位置に応じた正確な補正計算が行えます。また、元期で指定することで年度ごとに座標を見直す必要がありません。

お知らせ

今回の更新より、Android 4.xはサポート外とさせていただきました。新しい機能を使うにはAndoroid 5.0以上でご利用いただければと思います。


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*1:緯度は150秒、経度は225秒ごとに区切ったポイントでの補正量のリストです

インジェクション車のスロットルポジションとA/F接続

久しぶりのデータロガーSL001の記事です。

ありがたいことに最近はミニバイクだけでなく、CBR1000RR・YZF-R6など大排気量車や最新のインジェクション車にも利用いただいている方が増えています。その中で接続方法のお問い合わせが多いので、いつも回答させていただいている内容を記事にいたしました。

この記事はHRCのデータコネクターを装備する、GROMを除くすべてのインジェクション車を想定しています。

この記事で説明するのは、回転数、スロットルポジション、A/F接続です。これらを接続するのに必要なケーブルは以下のとおりです。

品番 数量 内容
SG001 1 IGケーブル
SLE090 2 外部センサーケーブル
SE001 1 TPセンサーアンプ
2022/11/2追記
新しいロガーユニットSL002ではTPセンサーアンプは不要です。SL002ではA/F・Thポートにアンプが内蔵されました。これにより、スロットルセンサーをロガーユニットにそのまま接続可能になっています。

*別途、PLX、Inovate社などの A/Fセンサーユニットが必要です。

エンジン回転数

エンジン回転数はECUから取る方法がありますが、最近の車両はタコメータとの通信がCAN通信のためECUからは取れないものがほとんどです。そのため、ほとんどすべての車両に対応できるCKP(クランク角センサーまたはパルサー)から取るようにします。

クランク角センサーはエンジンから出てくる配線で、2極の信号です。具体的にどの線かは車両のサービスマニュアル等で確認してください。(2つの)それぞれの線を分岐してIGケーブルに接続します。

具体的には以下の図をご覧ください。この図は製品などにも同梱する予定のものです。

ケーブルはIGケーブルを使用して接続します。

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/IG.jpg

スロットルポジションセンサー

スロットルポジションの取得には、GROMを除いてほとんどの車両でTPセンサーアンプが必要です。このアンプが無い場合エンジンが不安定になる場合がありますので必ず使用してください。

2022/11/2追記
新しいロガーユニットSL002ではTPセンサーアンプは不要です。SL002ではA/F・Thポートにアンプが内蔵されました。これにより、スロットルセンサーをロガーユニットにそのまま接続可能になっています。

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/SE001.jpg

下図は接続方法です。SL001のポートはThrではなくA/Fポートを使用します。Thrポートは、電源供給がなくアンプを動作させることができないため、A/Fポートを使用します。

スロットルポジションセンサーはスロットルボディー側のセンサーを配線図等で探してください。通常、出力信号、電源、GNDの3極で構成されます。SL001とは信号とGNDの2つを接続します。

接続するまえに、出力信号がでスロットル開度に応じてDC 0-5Vの範囲内で変化するかテスターで確認しましょう。

TPセンサーアンプに外部センサーケーブルを接続し、車両に接続します。外部センサーケーブルの赤線は使用しません。他に接触しないように絶縁します。

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/ExternalInput.jpg

A/Fセンサー

A/Fセンサーユニットは弊社からの販売はなく、他社のユニットが必要です。 対応するセンサーユニットはHRCPLXINNOVATEDynoJetAutoGaugeAEM製のものです。Droggerアプリはこれらが出力する信号を空燃比値に変換する換算表を備えています。
(aRecerの2019年以降のものは仕様に関するメーカーから情報がないため使用できません)

A/FセンサーユニットにはDC 0-5Vアナログ出力ができますのでそれと、ロガーユニットを接続します。 A/Fユニットのどの線はアナログ出力かはユニットの説明書をご覧ください。

SL001のポートは、スロットルポジションも取る場合も想定してA/FポートでなくThrポートに接続します。

A/Fユニットの説明書にGNDの表記が無い場合は、ユニットに供給する電源(12V)のマイナス側をGNDとします。

注意
A/Fユニットによっては、ユニット電源投入時に異常電圧を出力してしまうものがあります。その場合、SL001に異常をきたしBluetooth接続が切れたり最悪SL001ユニットのA/Fポートが破損することがあります。異常電圧が出てしまうかどうかはオシロスコープでA/Fユニットの出力電圧を確認します。

確認ができない場合は、A/Fユニットの電源を入れたあとに、SL001と接続できるようにアナログ出力線の中間にコネクターやスイッチなどを入れてください。

尚、PLXはそのようなことがないことを確認出来ています。Inovate社製はBluetoothが切れてしまう問題が確認されています。

ロガーの電源

SL001への電源供給は、モバイルバッテリーをお薦めします。車両の12Vから取ることも可能ですが、セルを回した際の電圧降下でBluetooth接続が切れてしまいます。走行前に慌ててしまうのでお薦めしません。

お薦めのバッテリーはAnkerPowerCore+miniです。朝から夕方まで電源を入れっぱなしで、Bluetooth接続したままでも十分に持つ容量があります。

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/ANKER.png

また必ず耐振バッテリーホルダーをお使いください。振動によるUSBコネクターの破損を防止します。

https://www.bizstation.jp/ja/drogger/img/sbh001_8.png

インジェクション車用ハーネス廃盤のお知らせ

従来までインジェクション車用ハーネスをご用意しておりましたが、CAN通信での車両に誤って購入されることが多いため廃盤とさせていただきました。ここで説明させていただいた方法で古いインジェクション車も最新のインジェクション車のどちらも対応可能です。


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Drogger-GPS Waypointの編集とポイントナビ

Drogger-GPS Waypointの詳細表示・編集とポイントへのナビゲーションができるようになりました。 位置の入力は、緯度・経度に加えて平面直角座標UTM座標でも行えます。

追加された主なWaypointの機能は以下の内容です。

  • ファイルの新規作成
  • ファイルに含まれるポイントの数などのサマリー表示
  • 各ポイントの位置や測位条件などの詳細表示
  • 手入力によるポイント新規作成・編集・削除
  • 2つのポイント間の距離などの計算
  • Waypointログ記録時の結果確認
  • JSIMAフォーマットに変換して共有
  • JSIMAデータファイルのインポート
  • Waypointのマップ表示
  • ポイントへのナビゲーション

それではそれぞれの使い方をご説明します。

Waypointの種類

Waypointを新規作成できるようになったため、2つの種類のWaypointが混在します。

  1. 測位結果のWaypoint
  2. 手入力による位置のWaypoint

それぞれ以下の特徴があります。

  1. 測位結果のものには、計測時の条件などが含まれますが、手入力によるものには含まれません。
  2. 測位結果については、名前の変更は可能ですが、位置の後編集は行えずロックされます。不用意に変更してしまうことを防止します。

ファイルのサマリー表示

ファイルの一覧では、ポイントの数と最初と最後の点名などの要約が表示されます。5POSとあれば5個のWaypointが記録されています。

ファイルを新規に作成する

以下の手順でWaypointファイルを新規に作成できます。ナビゲーションに使う目標ポイントなどを作成できます。

  1. [Data list]のアイコンをタップします。
  2. [Filename]に適当な名前を入力し[OK]をタップします。

尚、完全なファイル名は、入力した名前の後ろに Waypointであることを示す「_wpt.gpx」が付加されます。

既に同名のファイルが存在する場合は、エラーを示すトーストが表示されます。

Waypointの詳細を表示する

測位したWaypointログにはさまざまな情報が記録されています。それらをすべて表示できます。 [Data list]でファイルをタップするとリスト形式ですべてのWaypointの詳細が表示されます。

ポイント名の右端には、座標の時間軸の種類が表示されます。

表示 内容
The current 今期座標
JGD2011_R 元期座標(移動局位置での補正)
JGD2011_B 元期座標(基準局位置での補正)
Unknown 不明
(未表示) 不明

項目の説明

項目名 内容
Lat/Lon 36.12345678 /137.12345678 10進法での緯度/経度
JPN8 24598.9203 /-48175.8169 JPN8は日本の平面直角座標を 8系を示します。X/Y座標値
この行は10進法以外の位置情報がある場合にのみ表示されます
Ellipsoid Height 639.656 楕円体高
Ele 602.948 標高
Geoid EGM96 36.708 ジオイドモデル名 ジオイド高
標高はこのジオイドを使って計算されます
Start 2019-12-11T10:05:14.125 計測開始日時
End 2019-12-11T10:05:44.000 計測終了日時 (測位時間は終了時刻から開始時刻を引いてください)
FixMode 3D DGNSS FIXED 計測終了時のFIXモード
Signals L1 L2 E1 E5b 受信しているシグナルリスト
Carrier sats G:8 E:4 RTKに使用されている衛星数
G: GPS
R: GLONASS
E: Galileo
B: Beidou
シグナルリストにあってもRTKに使用されない衛星もあります
Epochs/sat/MinEle 50 / 26 / 15.0 総測位数 (秒数 x 更新レート)/ 使用衛星数/最低衛星仰角マスク値
Stddev Hor/Vert 0.0058 / 0.0083 水平/垂直位置の標準偏差(m)
Last Acc Hor/Vert 0.014 / 0.010 計測終了時のレシーバーの示す推定水平/垂直位置精度(m)
TiltCorrection ON 1.2 傾斜補正のON/OFFとアンテナ高(m)
AntennaHeight(Note) 1.35 アンテナ高(m)のメモ(測定時ユーザー指定)。この値は計算には使用されません。
Base pos 36.5236 ... 基準局のアンテナ位置(RTKの場合のみ表示。但し、FIXまたはFloatでない場合は取得されません)

*手動で追加されたWaypointには位置。高度を示す項目は以外は表示されません。

Waypointを追加する

WaypointはWaypointログで記録されますが、手動で追加することもできます。手動での追加はくい打ちなど目的のポイントを示すために使用します。

位置の入力は緯度・経度に加えて平面直角座標やUTM座標でも行えます。

  1. [Waypoint]画面のアイコンをタップします。
  2. [Name]にポイント名を入力します。
  3. [inputType]で入力する座標値の座標系を選択します。
  4. 緯度・経度またはX・Y値を入力します。
  5. 高度を楕円体高または標高のいずれかで入力するか選択します。
  6. [Height]に5で選択した高度の値を入力します。
  7. [OK]をタップします。

ヒント

  • 設定で日本のジオイド2011がONになっている場合は、楕円体高または標高のいずれかを入力するともう一方も自動で計算されます。OFFの場合は入力した高度のみ保存されます。
  • [inputType]で10進法以外の入力をした場合、10進法の緯度・経度も自動で計算されます。

Waypointを編集する

Waypointの名前・緯度・経度・高度の編集が行えます。ただし、測位結果の場合は名前のみ編集できます。

Waypointの種類に関わらず、[inputType]を変更すると、自動でそのタイプの値が計算されます。この機能で平面直角座標やUTM座標への変換値を追記することができます。

  1. Waypointをタップして編集ダイアログを開きます。
  2. 目的の項目を編集し、[OK]をタップします。

Waypointを削除する

  1. 削除したいWaypointを長押しします。
  2. 複数をまとめて削除する場合は追加のWaypointをタップして名前の横のチェックボックスにチェックを付けます。
  3. アクションバーのごみ箱アイコンをタップします。

Waypointファイルをインポートする (Ver 2.8.167)

端末のダウンロードフォルダなどに保存したGPXファイルを、データフォルダにインポートできます。これによりPCなどで作成されたWayPointをDrogger-GPSのマップに表示したり、ポイントへナビゲーションのターゲットにできます。

重要
GPXファイルはWaypointの場合とトラッキングの場合の2種類があります。事前にファイルの名前を xxx_wpt.gpxとしてください。Waypointとして認識されます。

  1. 端末のメールやGoogleドライブアプリなどでGPXファイルをダウンロードフォルダに保存します。
  2. Google Filesアプリでダウンロードフォルダを開きます。
    (2022/05/20追記 Android 8以下の場合共有候補にDrogger-GPSのDataListが表示されない場合があります。そのような場合Filesアプリに替えて「ファイルマネージャー」アプリをご使用ください。)
  3. ダウンロードしたGPXファイルを長押し,共有アイコンをタップします。


  4. 共有するアプリからDrogger-GPS (Data list)を選択します。


これでWaypointファイルのリストに追加されます。

尚、同時に複数ファイルのインポートはできません。複数ある場合は1つづつ順に行う必要があります。

今期・元期の種類を指定する

今期・元期の指定が不明な座標に今期・元期の別を指定することができます。 この処理は座標の値はそのままに、種類が何であるかのみ明示します。

  1. 変換したいポイントを長押しします。
  2. アクションバーの[...]-[座標世代指定]-[xxxxとしてマークする]をタップします。

今期・元期変換する

  1. 変換したいポイントを長押しします。
  2. アクションバーの[座標変換]-[xxxx座標へ]をタップします。

正しく変換できると、座標値とともにポイント名の座標種の表示が変わります。変換はそのデータの日時に対応するパラメータファイルが使用されます。対応するパラメータファイルが無い場合は変換されません。

変換前の座標が「JGD2011_B」(基準局位置での補正)の場合基準局位置における補正量にて、今期への変換が行われます。

Waypointの距離を計算する

2つのポイントの距離を計算できます。水平方向については、角度と距離によるベクトル表現とX・Y軸に分離した距離の2つの方法から選択できます。

  1. 起点となるポイントを長押しします。
  2. 終点となるポイントをタップします。

下図のように画面下部にポイント名、角度 (Angle)・水平距離((Dist Hor)、垂直距離(Dist Vert)が表示されます。角度と垂直距離は起点を基準とします。

連続して別のポイントをタップすると、一番最初に長押ししたポイントを起点として、今タップした点までの計算結果が追記されていきます。

X・Y軸に分離した距離で表示する

上図の[Compute two pos Angle ...] の部分を長押しすると、下図のようなメニューが表示されます。

[North East Up]をタップすると、 X・Y軸に分離した距離で表示されます。Northは起点からみた終点の北方向(X)の距離、Eastは東方向(Y)への距離です。

JSIMAフォーマットに変換して共有 (出力)する

Waypointログの座標データをSIMAフォーマットに変換して共有できます。

  1. [Data list]で目的のファイルを長押しします。
  2. 右上の [...メニュー]-[共有 in SIMA format]をタップします。(このタイミングで.simファイルが生成されます)
  3. 共有のためのアプリ一覧が表示されますので、アプリを選択します。

SIMAフォーマットの座標データには、高さのデータも含まれます。[設定]-[表示差表系]-[SIMA変換でアンテナ高を差し引く]がONの場合、Waipoinログを記録する際にメモとして入力したアンテナ高を差し引いた標高データが出力されます。

変換されたSIMAデータをメモ帳でみたところ

JSIMAデータファイルのインポートする (Ver 2.8.167)

端末のダウンロードフォルダなどに保存したSIMAデータファイルの、座標データをWayPointに変換してデータフォルダに保存できます。これにより他で作成された座標データをDrogger-GPSのWayPointとしてマップに表示したり、ポイントへナビゲーションのターゲットにできます。

  1. 端末のメールやGoogleドライブアプリなどでSIMAデータファイルをダウンロードフォルダに保存します。
  2. Google Filesアプリでダウンロードフォルダを開きます。
    (2022/05/20追記 Android 8以下の場合共有候補にDrogger-GPSのDataListが表示されない場合があります。そのような場合Filesアプリに替えて「ファイルマネージャー」アプリをご使用ください。)
  3. ダウンロードしたSIMAファイルを長押し,共有アイコンをタップします。


  4. 共有するアプリからDrogger-GPS (Data list)を選択します。


  5. SIMAファイルのデータについて聞かれますので、適切に選択して[OK]をタップします。

これでWaypointファイルのリストに追加されます。

尚、同時に複数ファイルのインポートはできません。複数ある場合は1つづつ順に行う必要があります。

Waypointログ記録時の結果を確認する

Waypointログはメイン画面マップ内のバルーンアイコンをタップすることで開始します。測位終了時に以下のダイアログが表示されます。

[Yes]をタップするとWaypointの詳細が表示されます。

Waypointをマップに表示する

地図にある2つのボタンに長押しによる機能が追加されています。バルーンアイコンを長押しすると、Waypointのマップ上に表示するメニューが表示されます。

  1. マップ表示で[Open street Map]を選択します。
  2. バルーンアイコンを長押しします。
  3. 今日の記録したWaypointを見たい場合は[現在のウェイポイントを表示する]をチェックします。
    Data list内のWaypointを指定する場合は、[ウェイポイントのロード...]をタップし、一覧から目的のファイルを選択します。

指定したWaypointがマップ上に表示されます。

ヒント

  • 手順2以降を繰り返し行うことで複数のファイルのWaypointを同時に表示することもできます。
  • ロードしたウェイポイントをクリアする場合は、手順2で[ウェイポイントのクリア]をタップします。「現在のウェイポイント」はクリアされません。
  • 現在のウェイポイントは赤色の十字アイコンで表示されます。
  • 現在のウェイポイント表示が有効な状態でWaypointログを記録すると、自動でマップに位置が追加されます。
  • Google Mapでは表示できません。

マップをアンカーモードにする

Drogger-GPSのマップはスクロール領域内にあるため、マップの表示位置をスワイプで移動することがきません。 アンカーモードにすると、スクロールがロックされマップの表示位置をスワイプで移動できるようになります。

  1. 消しゴムアイコンを長押しします。

軌跡が消えるのと同時にアイコンがアンカーマークに変わります。これで、自由にマップをスワイプで移動できます。

  • Google Mapはアンカーモードにできません。

ポイントへナビゲーションする

ポイントへのナビゲーションは、目的のポイントへレシーバ(アンテナ)を移動するための機能です。標識探しやくい打ち、マーキングなどが行えます。

  1. 前記「Waypointをマップに表示する」の手順で目的のポイントをマップに表示させます。
  2. 消しゴムアイコンを長押しアンカーモードにします
  3. 目的のポイントを示すアイコンを長押しします。
    現在の位置から目標点へ直線が引かれナビモードになります。また同時に目標点までの距離が表示されます。目標点は常にマップ中心に配置されます。

  4. マップの縮小・拡大を使って2点の位置関係を見ながら目標点に移動します。目標点への距離に応じてサウンドの鳴り分けがされます。
  5. 目標点に来たら、再度目的のポイントのアイコンを長押しするか、アンカーマークを長押します。ナビモードが解除されます。

ヒント

目的ポイントと現在位置の方向に混乱しないように以下のようにするようお薦めします。

  • マップ回転しないように常に北が上になる表示にする。
  • 可能であれば目標点が北にある位置(すなわち南側)から開始する。こうすることで地図の表示と実際の位置関係が同じになります。
  • サウンド鳴らない場合は、Androidの「音」で「着信音と通知」の音量をご確認ください。
  • サウンドは、推定水平精度が10cm以上の場合は鳴りません。(測位精度が不足している)
  • サウンドは、目標点から50cm以内で鳴り始め、25cm以下、3cm以下を3種類の音で鳴り分けします。

常に北が上になるようマップ表示する

マップ内の、方位アイコンをタップすると、回転モード/北が上モード を切替えできます。赤く長い針が表示されるのが「北が上モード」です。

赤い針があるので北が上モード

つづき

今回のリリースはWaypointの活用機能の最初のリリースで、これからもより便利な機能を追加していく予定です。


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VRSC Galileo E5b対応

VRSCを発売する前より取り組んでいたのですが、Galileo E5bの観測データを出力できるようなりました。また、そのほかいくつかの改善がされています。

VRSCのファームウェアを1.2.60に更新いただきますと、デフォルトでGalileo E5bが有効になります。(更新方法)

この1.2.60で改良された点を順に説明します。

Galileo E5bとCLAS

E5bという言葉はあまりご存知ない方も多いかと思いますので簡単に説明します。

GPSの場合1つの衛星から複数の周波数の測位用信号が放送されていて、それぞれ L1 L2 L5などと呼ばれています。同様にGalileoも E1 E5b E5a という3種類の周波数が放送されています。

L1とE1、L5とE5aは同じ周波数です。L2とE5bは異なっていて、L2とL5の中間のような周波数です。

DG-PRO1RWSはL5とE5aは受信できませんのでGPSはL1/L2 、GalileoはE1/E5bで2周波を扱うことになります。
しかし、CLASの誤差情報には、E5bが含まれていません。そのため従来までは、E5bの観測データは生成できずGalileoにおいては、E1の1周波しか扱えませんでした。*1

以前にも載せましたが、CLASの対応範囲とDG-PRO1RWSの適応範囲を図にしたのが下のものです。円が重なる部分がRTKで利用できる衛星とシグナル(周波数)です。

f:id:bizstation:20210212124124p:plain

更新内容

Galileo E5b対応

VRSCファームウェア 1.2.60では当社オリジナルのアルゴリズムによりGalileo E5bの観測データを生成できるようになりました。これでGalileoも2周波で扱うことができます。
また、RTKに使用できるシグナル数も20~80%*2*3増加します。

CLASデータの精度が良い時は、普通のRTKのようにわずかな時間でFIXするようになります。(CLASのデータの精度も上空の電波環境に応じて、良いときと悪いときがあり一律ではありません。)

今回の対応を上図に反映されてみたのが下の図です。(2022/1/6 追記 最新のRWS F/WではQZSSもサポートされています。)

f:id:bizstation:20210603185910p:plain

複数クライアントの正式リリース

以前よりブログでご案内しておりました複数クライアント対応ですが、ベータ版から1.2.60リリース版に移行いたしました。特に目立った不具合もなく推移しています。適用には設定の変更等は必要ありません。ファームウェアを更新いただくのみです。

受信時間の短縮

トンネルなど電波が遮断されたあと、受信の回復に少し時間がかかる場合がありました。内部処理を変更し、回復時間を短縮いたしました。

尚、電源ONからの受信開始にかかる時間は以前と変わりません。

衛星選択の効率化

みちびきの衛星は4つありCLASのデータはすべての衛星から受信できます。逆にどの衛星から受信するのが良いかということにもなります。

Version 1.2.60からはDG-PRO1RWSの衛星航法データを使って常に最も高い位置の衛星を優先するとともにシグナルレベルを見て判断するように改善いたしました。

Ntrip接続持続性の改善

長いトンネルなどで補正データの生成が出来ない場合、RTCMが全く送信されなくなるため、Ntripクライアントが受信タイムアウトしてしまうことがありました。

そこでそういった場合でも、RTCM 1005アンテナポジションだけは出力し続けるようにしました。送信が途切れなくなりますのでNtripクライアントの受信タイムアウトがなく接続持続性が改善されます。

その他

その他、軽微な不具合が修正されています。

E5b対応は大きな進歩ですが、これれからもより良くなるよう改善していきたいと思います。


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*1:DG-PRO1RWSの場合

*2:GPSとGalileoの可視衛星数によって変化します

*3:DG-PRO1RWSの場合

Drogger-GPS 平面直角座標と日本のジオイド2011V2.1への対応

Drogger-GPS の更新 (Ver 2.6.156)のお知らせです。

測量用途のお客様よりご要望の多かった、平面直角座標日本のジオイド2011V2.1に対応いたしました。合わせてUTM座標と緯度・経度の度分秒も表示可能にいたしました。

座標設定画面

設定の[表示座標系]で選択できます。

日本のジオイドは全国のジオイド値のデータベースが必要です。設定で日本のジオイドを有効にすると自動でデータのダウンロードとインストールを行います。その際インターネット接続が必要になります。

尚、このダウンロードインストールは、日本のジオイドが選択されていてデータベースが無い場合にのみ行われます。

適用範囲

この平面直角座標と日本のジオイドを有効にすると、Navigationでの座標表示とWaypointログが変わります。それ以外の部分や内部の処理に変更はありません

デフォルトの10進法の緯度・経度表示に代えて指定した座標で置き換え表示されます。日本のジオイド2011を有効にすると、それを使った標高が表示されます。

Waypointログ

日本のジオイドが使われていると、Geoidタイトルの後ろに「GSIGEO 2011 V2.1」と表示されます。

ログのファイルでは従来に加えて、選択した座標値がcoordinate_transformタグ内に追記されます。下の内容はWaypointログをメモ帳で開いたときのものです。(色とコメントは除きます)

<wpt lat="36.220512682" lon="137.964137406">
    <ele>598.195</ele>
    <time>2021-05-27T14:42:21.599+09:00</time>
    <geoidheight>36.689</geoidheight>
    <name>Type3</name>
    <cmt>Raw-data lat=36.220512682 lon=137.964137406 ellipsoidHeight=634.884 Measurement_time_sec=10</cmt>
    <fix>dgps</fix>
    <sat>30</sat>
    <hdop>1.12</hdop>
    <extensions>
        <b:coordinate_transform>
            <b:type>8 system</b:type><!-- 平面直角座標 8系 -->
            <b:x>24598.9925</b:x> <!-- X座標 -->
            <b:y>-48175.8778</b:y> <!-- Y座標 -->
        </b:coordinate_transform>
        <b:measurement>
            <b:geoidSystem>GSIGEO 2011 V2.1</b:geoidSystem><!-- ジオイドモデル -->
            <b:starttime>2021-05-27T14:42:11.699</b:starttime>

Waypointログでは英語表記にするため、たとえば8系でしたら「8 system」と表記されます。

Waypointログをエクセルで表示する

おまけですが、良くWaypointログをcsv (カンマ区切りテキスト) にできないかとご質問をいただきます。Waypointログのgpxファイルの実態はxmlファイルです。エクセルはxml形式をそのまま開くことができます。

エクセルにドラッグアンドドロップすると以下のような画面が出ます。

[XMLテーブルとして開く]を選んで[OK]すれば下図のように表形式で表示されます。 赤枠のとことが今回追加された座標系での値です。

エクセルですのでcsv形式での保存(csvに変換)もできます。

近日発売予定!
防水バッテリーホルダー (予価 14,780 (税抜) バッテリー含む )

測量用の防水バッテリーホルダーを発売予定です。底に 5/8 凹ネジ、トップに5/8凸ネジになっていてポールや三脚と一体になるタイプです。内蔵できるバッテリーはAnker社のPower Core 5000で約20時間連続使用が可能です。

防水性は最も力を入れた部分で、完全に水没させても内部への浸水はありません。(経年劣化等へのマージンを取って表示上はIPx6としています)

また、中央の窓からバッテリー残量(3段階のLED)も確認できます。電源はRWPのスイッチでON/OFFできます。

三脚やポールに

防水バッテリーホルダーをつけて

RWPを付けます。

何も飛び出ずにすっきり取付できます。連続20時間に加えて防水ですので、現場で天気やバッテリー残量に気を使わずに済みます。

バッテリーを取り出すとこんな感じです。

トップの5/8凸ネジ部分は転倒などにより破損を考慮してネジによる取り換え式になっています。万が一ネジ部が破損してもその部分のみ取り換えが可能です。

重さはバッテリーを含め約205gです。iPhone 12 Proより20g重くて、iPhone 12 Pro Maxより20g軽いです。


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Drogger VRSC 複数クライアント対応

f:id:bizstation:20210401130449p:plain

Drogger VRSCが複数クライアントに対応いたしました。 3台までのクライアントが同時接続できます

また、2台目以降は一般的なNtripクライアントでアクセスできます。農業ナビなどで、他社製レシーバでVRSCを使用できます。

接続条件

3台のうち最低1台は、VRSCに必要なメッセージを送信するクライアント(Message Providerと呼びます)が必要です。具体的には、3台中1台はDG-PRO1RW(S)またはRWPで接続します。残りの2台はMessage Providerはもちろん一般的なNtrip Clientでもアクセス可能です。

仮想点

VRSCの生成するRTCMの仮想点は、最初に接続したMessage Providerの測位位置で生成されます。それ以外のクライアントのメッセージは処理されません。

有効なMessage Providerが切断された場合、他にMessage Providerになれるクライアントが接続中であれば、自動的にそれにスイッチします。

設定

VRSCを最新のファームウェア 1.1.57B以降に更新します。そのほかは特に変更の必要はありません。従来通りでOKです。(バージョン番号の最後のBはベータ版を示します。多くのテストを行っておりますが、正式版はもうしばらくお待ちください)

他社レシーバのクライアント

まず、DG-PRO1RW(S)またはRWPで接続します。2つ目の接続からは、他社レシーバのクライアントで接続できます。 クライアントの設定は以下のようにします。

WiFi接続(VRSC設定がデフォルトの場合)

項目
SSID VRSC
パスワード 12345678

Ntripクライアント

項目
ホスト 192.168.4.1
ポート 2101
マウントポイント VRSC
GGA送信 なし
ユーザー名 なし
パスワード なし

参考

クライアントの接続が切れたあと、VRSCの認識する接続数が減るまでに1分ほどかかる場合があります。3台分埋まっていた場合は少し時間を空けて接続を行ってください。尚、時間がかかるのは、距離が遠くなり接続が失われたり、クライアントの電源をいきなり切った場合などに発生します。正しく切断された場合はすぐに利用可能です。


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