Beyond your wall with Drogger

ドロガーで壁を越えよう

RWS みちびきRTK対応その2

前回の記事に続いて、「RWS みちびきRTK対応」ですが、今回は具体的な更新のご案内です。詳しい変更内容は「RWS みちびきRTK対応」をご覧ください。

更新による変更点

この更新で可能になる主な内容です。

  1. みちびきがRTKで使用されます。但し、基準局からみちびきのRTCMが流れている場合です。MSM4形式は確認していますが他の形式は未確認です。
  2. VRSCを基準局にする場合、従来の方式に加えて、ZED-F9PでのL6Dのデコード方式も使用可能になります。
    切替はDrogger-GPSアプリで[RTK]-[移動局用キャスターホスト][Ntrip Casterタイプ]で変更できます。下図の囲みの2つのうちどちらを選択するかで切り替わります。VRSC側は電源入れるだけですので従来と変わりません。
    f:id:bizstation:20220106163237p:plain:w250
  3. Beidouの静止衛星に対応。(無効にしたい場合は、[Advanced options]-[Disable Beidou GEO satelites]をONに)

それでは、お使いのRWS受信機とVRSCの更新方法です。

VRSCをお持ちの場合、①ZED-F9P F/W ②RWS F/W ③Drogger-GPSアプリ ④VRSC F/Wの4つのソフトウェアの更新します。お持ちでない場合は3つの更新です。

全部で20分ほどのお時間を見ていただければと思います。(長くてすみません)尚、ZED-F9P F/Wの更新にはBluetoothを搭載したWindowsPCが必要です。

事前準備

以下の準備はすべて重要です。読み飛ばさず確実に行ってください

  1. まず最初にDroggerGPSをGoogle Playにて最新 (2.9.180以降) に更新します。
    f:id:bizstation:20220106150102p:plain:w300
  2. 次にDrogger-GPSを使ってRWSの F/Wを1.6.53以降に更新します。
    f:id:bizstation:20220106153444p:plain:w250
  3. レシーバの起動設定をしている場合はデフォルト設定で起動に戻します。
  4. レシーバの電源を切ります。
  5. VRSCをお持ちの場合は、VRSCアプリを使って、F/Wを1.2.64以降に更新します。

PCでのBluetoothペアリング

以降はWindows PC (Windows 10推奨)での操作です。

まず、Bluetoothのペアリングを行います。すでにペアリング済みの場合は不要です。2台以上お持ちの場合、更新作業中DG-PRO1RWSは1台のみペアリングしてください。2台以上ペアリングするとどちらに適用すれば良いか不明なためエラーになります。

  1. RWSに電源を入れます。
  2. [スタート]をクリックし、ギアマークの[設定]をクリックします。
    f:id:bizstation:20190720162157p:plain:w80
  3. [デバイス]-[Bluetoothとその他のデバイス]とクリックします。
  4. [+Bluetoothまたは他のデバイスを追加する]をクリックします。
  5. [Bluetooth]をクリックします。
    f:id:bizstation:20190720162748p:plain:w400
  6. DG-PRO1RWS02が表示されたらそれをクリックし[接続]をクリックします。
  7. [完了]をクリックします。

更新ツールのダウンロードと実行

それでは、F9Pのファームウェア更新を開始します。RWS専用の更新ツールを用意いたしたましたので、以下のリンクをクリックしダウンロードし実行します。

https://www.bizstation.jp/DroggerGps/f9p_fw/RWS_F9P_UPDATE_130.EXE

最初黒い画面のまま停止しているように見えますが、ファームウェアをダウンロードしていますのでそのまま1分ほどはお待ちください。その後、自動的にBluetooth接続し更新を開始します。その後「Writeing...」のカウンターが動くまでに数十秒かかりますがそのままお待ちください。

終了すると下図のように「Firmware update success」「更新が完了しました」と表示されます。その後、エンターキーなどを押していただくと画面が閉じます。

更新が成功したら、一度電源を抜いて3秒ほど待って入れ直します。

f:id:bizstation:20200624161332p:plain

所要時間は、数分程度ですが、上図のように黄色の文字で「Sending erase retry for sector xxx」と出ている場合は10分ほどかかる場合があります。

複数台お持ちのお客様は、処理の終わったレシーバのペアリングを削除してから、別のレシーバも同様の手順で更新を行ってください。

失敗例

  1. 画面上部に「Paired DG-PRO1RWS too many」と出た場合、複数のRWSがペアリングされています。1台のみにして再度実行します。
  2. 画面上部に「There is no Bluetooth paired DG-PRO1RWS.」と出た場合、ペアリングされたDG-PRO1RWSがありません。もう一度ペアリングを行ってください。
  3. Error version poll faild.」と出た場合、Bluetooth通信がうまくできていません。一度レシーバの電源を切って入れ直してから再度実行します。
  4. そのほかにも画面下部に「更新に失敗しました」と出た場合は、エラー内容が表示されていますのでそれに応じて対処します。

更新途中で失敗した場合は、その後正常に動作ができない場合があります。その場合は、以下のような手順で対応プログラムにて更新を行ってください。

  1. 電源入れ直し
  2. 30秒~1分後に再度電源入れ直し
  3. 30秒~1分後に以下のプログラムを実行

https://www.bizstation.jp/DroggerGps/f9p_fw/RWS_F9P_UPDATE_130_9600.EXE

このプログラムはファームウェアの更新途中で電源や通信などの問題で失敗し、ROMブート(セーフモード起動)している状態に対応する更新プログラムです。このプログラムでの更新には25分ほどの時間を要します。

バージョン確認

更新ができましたら、一度レシーバを再起動してDrogger-GPSで接続します。バージョンは下図のように表示されます。
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動作確認

GNSSの設定でBeidou を有効にしてRWSに接続します。Satelitesのグラフに衛星番号B1、B2、B3が受信されているか確認します。

VRSCのでQZSSの確認ですが、残念ながらここのところ(2022/1/6)1号機が(故障?)でNGに加え後継機も稼働できていないため、運用局側有効なQZSSのデータが流れない時間が多くなっています。時間を空けて見てみていただけたらと思います。QZSSがRTKで有効な場合SatelitesのグラフでQ2R R のように衛星番号の後ろにRの文字が付きます。


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RWS みちびきRTK対応

先日、u-bloxからのアナウンスでF9Pのファームウェアアップデートがありました。FW HPG1.30です。(いままでは1.13) これはみなさんがお使いのRWS製品にも適用可能です。

みちびきRTK対応

みちびきがRTKで使用されるようになりました。これはVRSC開発当初より望んでいたもので待ちに待った改良です。

このみちびきRTK対応によりVRSCではGPS、Galileo、QZSSでL5以外すべてのシグナルを使つてPPP-RTKが可能になりました。

f:id:bizstation:20220106122017p:plain

実際に使用しみるとQZSSが増えただけでなく、RTKのアルゴリズムもPPP-RTKに合わせて改善されたのではないかと感じられます。

また、今回の変更でVRSCでRTCMを生成する場合とGNSS自身で行う場合の性能などの比較が可能になりました。弊社で新しいファームウェアに合わせてVRSCのRTCM生成アリゴリズムを改良しより精度(RMS)とFIX率を高めています。

以下に上記も含め改良された点と、逆に制限された事項をまとめてみます。

改良点

  • CLAS L6D補正データの直接入力
  • SPRTANサポート
  • QZSSがRTKで使用される
  • Beidouのサポート衛星が増えた

それでは一つづつ見ていきます。

CLAS L6D補正データの直接入力

いままでVRSCでは、L6Dメッセージを独自のファームウェアでデコードしてRTCMを生成しレシーバに送っていましたが、 HPG 1.30では直接L6Dメッセージを解釈することができるようになりました。

それによりL6D固有のRTKアルゴリズムなどを利用できるものと思われます。実際の動作をみてみると、FLOAT時の探索範囲がかなり狭められていて静止状態ではゆっくりとした測位結果の移動になっています。RTKというよりPPPに近い感じの動作です。想像ですが、RTK前段のコード測位においても補正を行っているのかも知れません。

また、 SPARTNというCLASよりも粗いローカル情報のデータでもPPP-RTKできるようなりましたので、それと共通のアルゴリズムも含まれそうです。

気になるGalileoE5bですが、F9Pの報告メッセージでは補正適用されているようになっています。しかし、補正情報の一部が使用できない状態の衛星も適用とマークされていてRTK対象とは言い難いものでした。コード測位でクロックや軌道など周波数に依存しない補正をしているものも含まれているかも知れません。

よく見ると以下のように書かれていました。

At the time of this release note, a CLAS solution with ZED-F9P augments GPS L1C/A L2C,QZSS L1 C/A L2C, and Galileo E1B/C

E5bは使っていないようです。

問題はVRSCより性能が良いかどうかです。あまり評価できていない段階ですが微妙な感じであまり大きな差は見られない感じです。VRSCではマウントポイントでRTCMとL6Dの切替が簡単にできます。すぐにどちらも試してみることができます。

ただ、HPG 1.30のCLAS対応では一部の地域(CLASネットワークの境界)では正しくRTCMが生成できていないと思われる不具合が見られました。メーカーにはレポートを上げておりますが修正にF/Wの更新が必要なため現状ではVRSCのままをお薦めします。

SPRTANサポート

SPRTANはCLASににていますがもっと広域でのLバンドでのサービスで精度もCLASよりも落ちます。日本ではサポートされず、米国本土とEUが対象です。

QZSSがRTKで使用される

前述のようにQZSSがRTK補強対象となりました。レシーバの報告メッセージで確認するとちゃんとマーキングされています。確実に摘要されているものと思います。

f:id:bizstation:20220106120430j:plain:w300

しかしながらデータシートでは(QZSSは)補強対象の一覧にはリストされていません。また、基準局でのRTCM出力もQZSSの追加はされていないようです。

Beidouのサポート衛星増

B1~B5とB59~B63の合計10機の静止衛星を対象衛星として加えることができるようになりました。日本ではB1 B2 B3の3機は確実に増えそうです。Beidouの可視衛星はGPSよりも断然多い状態となります。u-bloxでも精度が向上する可能性があるとしています。

悪くなった点

  • 4衛星時の更新レートに低下 RTK 8Hz --> 7Hz PVT 10Hz --> 9Hz
  • MovingBase更新レートの低下 2衛星 8Hz --> 5Hz

更新レートの低下

それぞれ少し更新レートが低下しています。データシートをよく見るとBeidouが含まれると低下が大きくなっています。Beidouのサポート衛星拡大が主な原因のように見えます。この制限は事実上のレートなのか、実際にソフトウェアで制限するものなのか現時点では不明です。

更新レートが重要な用途では評価してから更新いただいた方がよさそうです。

ファームウェアの更新

今回のHPG1.3に合わせて、レシーバ F/W、Drogger-GPSアプリ、VRSC F/Wなどを準備しています。近日中に更新可能にしたいと思います。しばしお時間をいただけたらと思います。

追記、更新プログラムがご用意できました。 https://drogger.hatenadiary.jp/entry/2022/01/07/140847


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Drogger RTKガイド

この記事はRWS・RZSシリーズ受信機をRTK(リアルタイムキネマティック)モードで動作させるためのマニュアルです。また、基準局を自分で構築する方法も記します。

基礎知識

RTKとは

RTKとはリアルタイムキネマティックという用語の略で、移動するGNSS受信機「移動局」と、事前に位置の分っているGNSS受信機「基準局」の2つの観測データを使って、高い精度の測位をリアルタイムで行います。

RTKイメージ

RTKに対応して一つのレシーバーだけで測位する従来からの方法を単独測位と呼び区別したりします。

RTK測位を行うには、上の図に登場するアイテムが必要になりますが一つづつ解説します。

基準局

RTK測位をするには基準局が必要です。基準局は、事前に測量された自身のアンテナ位置とGNSSでの観測データを連続的に送信します。観測データはRTCM3と呼ばれる形式でフォーマットされます。

基準局を得るには主に4つの方法があります。

  1. 自分(自社、仲間と共同で)で作る(以降 マイ基準局と呼びます)
  2. 有料のデータサービスを利用する*1
  3. 当社の仮想基準局 VRSCを使う
  4. 無償(善意)で公開されているデータを利用する

それぞれの特徴は以下の通りです。

方法 コスト 接続安定性 絶対精度 備考
自前 一度準備してしまえば安定して安価です。RWS/RZS受信機で基準局が作れます。また、Drogger Processorで基準局位置のstatic測量を行えば高精度な基準局を構築できます。
有料 月額数万円といった費用がかかりますが国土地理院のデータで絶対位置の信頼性があります。
VRSC アンテナ位置の測量が必要なく電源をいれるだけで使える。精度は水平±6cm、衛星数に制限があるため障害にあまり強くない。ミスFixなど注意が必要なことがある。
無償(善意) ? 安定した供給に努力されているものからフリーの実験用などもあり安定稼働かどうかは基準局ごとに異なります。

自前、および善意の基準局の絶対精度は、基準局のアンテナ位置をどれだけ正確に測量したかによります。移動局の利用目的に応じた精度を確保します。

基準局と移動局の距離

基準局は出来るだけ近くにあるものがよく、できれば10Km以内が望ましいとされています。遠くなればなるほど精度が落ちるのと、RTKで位置が確定できなくなります。善意で公開されている基準局が近くにあればよいのですが無い場合は別の方法を選ばないとなりません。

VRSCは、移動局とともに使用しますので 基準局と移動局は1km未満です。日本国内どこでも使用可能です。

RTK-GNSSレシーバと通信端末

このガイドでは自前の基準局と移動局はRWS・RZS受信機 + Android端末 + Drogger-GPSの組み合わせを前提として解説します。 尚、RWS・RZSの基準局のNtripサーバーはAndroid端末なしでも運用可能です。

通信手段

基準局のデータを移動局で受け取るための通信手段が必要です。

補正データを配信する一般的な手続きはNtripと呼ばれクライアントサーバーキャスターという3つの役割で構成されます。

Drogger-GPSは上記3つの役割に加え独自のP2P通信(ピアツーピア通信)をサポートします。*2

名称機能
サーバー基準局の作成した補正データを中継サーバー(キャスター)に送信します。
キャスター補正データを受け取りクライアントの要求に応じて移動局にデータを送信します。キャスター1台で複数の基準局と移動局を処理できます。複数の基準局を区別するために、マウントポイントという名前の識別子でデータを区別します。また、VRS(仮想基準点)サービス機能のあるキャスターはクライアントから送られた位置情報に応じて補正データを生成し送信します。
クライアントキャスターにアクセスしてデータを連続的に取得します。
P2PDrogger-GPSの基準局と移動局同士で共通の識別子を使って直接通信します。識別子は他者と競合しないように自身の良く使うメールアドレスを入力します。

マイ基準局へアクセスする方法

自宅や会社、そのほか出先などに基準局を作ることは比較的容易です。移動局がその基準局のデータを受信するために、2つの方法が用意されています。

Drogger Ntrip Caster
ビズステーション株式会社で運用するNtrip Casterです。インターネット接続可能なWiFiがあれば無料で利用可能です。複数の移動局で基準局を利用できます。

接続は、RWS・RZSからNtrip Casterへダイレクトにする方法と、Drogger-GPSを経由して行う方法どちらでも可能です。

Drogger Ntrip Caster

Drogger-GPSのP2P通信
Drogger-GPSでは、ファイアーウォールを通過できるP2P通信をサポートしています。基準局と移動局ともにDrogger-GPSであればWi-Fi、モバイル通信に関係なく通信することができる画期的な通信方法です。但し、複数の移動局での使用はできません。1つ基準局に対し1つの移動局のみ通信できます。*3

P2Pで通信

Drogger Ntrip Casterは安定運用に極力努めておりますが、不慮のトラブルなどがあった際にP2P通信は回避手段としても利用いただけます。

データ量

インターネットを介した通信の場合、通信量が気になるかと思います。基準局が捕捉している衛星の数にもよりますが、概ね 1kバイト/秒位です。1時間で3.6MB、一日で86.4MB、1ヶ月で2.6GB位の量になります。現場などで移動局を使う場合、一日8時間とすると1ヶ月で893MBでです。移動局用のSIMはその目的だけなら1Gバイトのデータプランで十分足りるかと思います。

アンテナの設置

金属屋根に設置した基準局アンテナ

自前で基準局を作る場合は、アンテナは出来るだけ高い位置で周囲に障害物のない開けた場所にします。また、直径10cm以上の金属板をアンテナの下に置きます。この金属板をグランドプレーンと呼びます。グランドプレーンは地面から反射した電波を遮断しより精度を高めることができます。

特に基準局では、周囲360°、最低でも仰角15°以上には何もない場所への設置が必要です。基準局は自分のアンテナ位置に基づいた補正データを生成します。補正データ自体にマルチパスなどの障害を含んでいたらそのデータを利用する移動局が正しく安定して測位することは困難です。

グランドプレーン例

受信感度の良さはアンテナの設置場所とグランドプレーンにかかっています。ここはとても重要です。また、当然ですが、風雨に耐えるように頑強に固定します。アンテナケーブルも風で揺れて断線や破損などしないように固定と保護を確実にするようにします。

移動局の場合も、可能な限り高い位置でグランドプレーンを確保してください。自動車の場合、アンテナは室内ではなく必ず屋根に設置します。自動車の屋根が金属であればそれがグランドプレーンの役割を果たしてくれます。

尚、測量の場合は、三脚と整準台を使って既知点上に設置することもあります。この場合、基準局座標は成果値使用しますので、アンテナ位置の測量は不要です。

RTKの状態

RTKの位置確定は、複数の衛星から受信アンテナまでの電波の波の数を特定し距離を正確に確定します。この値をFix解と呼びます。対して、Fix解が得られない状態をFloat解と呼びます。Float解の精度は不定です。

Fix解を得るには、条件があります。移動局が以下のような場所はFIX解は得られないか時間を要します。

  • トンネルや地下
  • 橋や高架橋の下
  • 建物の中や屋根の下、外壁際
  • 森林など樹木の下
  • 渓谷やビル街など周囲に高い壁がある場所
  • その他、周囲の環境などの影響で十分な強度で衛星の電波を受信できない場所
  • 基準局から数十キロ以上離れた場所
  • 極端に地面に近い場所

また、以下のような基準局でもFix解は得られません。

  • 受信状態のよくない基準局
  • 既知の位置が実際のアンテナの位置とかなりズレた基準局

移動局として使う

まず、DG-PRO1RWを説明書に従ってDrogger-GPSで利用できるように設定してあることが前提です。

移動局がアクセスするキャスターの指定

補正データをNtripキャスターから受信する場合は、移動局用のキャスターホストを設定します。P2Pで通信する場合はこの設定は不要です。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[移動局]をONにします。
  3. [移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. [Ntrip Casterタイプ]でお使いのキャスターのタイプを指定します。*4
  5. [ホスト] [ポート番号] [マウントポイント] [ユーザー名] [パスワード][基準局の座標と機能]を入力します。グレーアウトしている項目は入力不要です。
  6. 必要に応じて|位置の送信(GGA]を指定します。位置の送信は全国規模でのサービスをしている業者との接続に必要です。My基準局などでは不要です。VRS方式の場合は、[送信する位置]で仮想点の位置を指定できます。
元期 移動局位置補正あり とは
地殻変動補正において、基準局位置での補正量と、移動局位置での補正量は異なります。
VRSなどサービスは、移動局位置をGGAで受け取って、移動局位置での地殻変動補正を行っています。これが「元期-移動局補正あり」です。
対して、My基準局などでは、移動局位置での補正を行う仕組みは持っていないため単に「元期」です。
Drogger-GPSではこの基準局情報を元に地殻変動補正を 行わない / 基準局位置と移動局位置の補正量の差分のみ適用 / 移動局位置の補正量を適用 の3つから適用方法を確定します。

ヒント
* マウントポイントは取得したい基準局を区別する識別子です。間違いがあると正しく通信できません。
* すべての情報で全角文字は使用できません。必ず半角文字を入力してください。
* 10秒間隔で位置を送信することは、相手先に移動の軌跡(行動履歴)を提供することになります。問題が有る場合は選択しないでください。

移動局でP2P通信を使用する

基準局をP2Pで運用している場合は移動局もP2Pの設定を行います。上記の「移動局がアクセスするキャスターの指定」に替えて以下の設定を行います。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[移動局]をONにします。
  3. [移動局用キャスターホスト]をタップします。
  4. [P2Pで通信]をONにし、[P2P識別子]に基準局で指定したメールアドレスを入力します。

VRS仮想点の指定

この項目は、ジェノバ、日本GPSデータサービス、日本テラサットのいずれかのデータサービス会社を利用する際のみの設定です。

  1. [|現在地(GGA)の送信]が[10秒間隔で]に設定されているか確認します。
  2. VRS(仮想基準点方式)の仮想点を既知点などにしたい場合は、[指定した位置を送信する]をONにし、[送信する位置]の緯度、経度、楕円体高を指定します。

移動局を開始する

  1. 設定を終了し[Start]をタップします。

データの受信状況を確認する

  1. メイン画面の[Ntrip status]をONにします。
  2. Statusに表示された内容を確認します。

緑色でRunningと出ていれば通信中です。RTCM3欄に受信したメッセージ番号と、受信レート(受信間隔(秒))がかっこ内に表示されます。3秒以上通信が途絶えるとRunningの文字が黄色になります。

現在の位置精度を確認する

RTKがFIXしているかは、Nvigationの一番下のFix Modeを見ます。

意味
No Fix 位置は未確定です
2D 水平位置のみ確定
3D 水平・垂直ともに位置確定
3D DGNSS 水平・垂直ともに位置確定 + ディファレンシャルGNSS補強測位中
3D DGNSS FLOAT 水平・垂直ともに位置確定 + ディファレンシャルGNSS補強測位中 + RTK Float解
3D DGNSS FIXED 水平・垂直ともに位置確定 + ディファレンシャルGNSS補強測位中 + RTK FIX解

基準局として使う

まず、DG-PRO1RWを説明書に従ってDrogger-GPSで利用できるように設定してあることが前提です。

基準局が補正データを送るキャスターの指定

補正データをNtripキャスターへ送信する場合は、 基準局用のキャスターホストを設定します。P2Pで通信する場合はこの設定は不要です。

すべての情報で全角文字は使用できません。必ず半角文字を入力してください。都市名は近郊の都市名をアルファベットで入力します。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  3. [RTK]-[基準局]を[ON]にします。
  4. [基準局用キャスターホスト]をタップします。
  5. Drogger Ntrip Casterを使う場合は、Drogger Ntrip Casterを使う]を[ON]にします。
  6. [ホスト] [ポート番号] [マウントポイント] [都市名] [パスワード]を入力します。グレーアウトしている項目は入力不要です。

簡易Ntrip Casterとして使用する

基準局用キャスターの指定で[ホスト]に 0.0.0.0 を指定すると基準局端末そのものが簡易キャスターになります。Ntripクライアントはこの端末のIPアドレスを指定して直接補正データを受信できます。 (端末のIPアドレスはNtrip statusに表示されています。Ntripクライアントと通信するにはファイアーウォールなどの障害が無い場合に限ります)

基準局でP2P通信を使用する

Ntripキャスターを使用せず、P2Pで移動局と通信したい場合は、上記の「基準局が補正データを送るキャスターの指定」に替えて以下の設定を行います。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  3. [RTK]-[基準局]を[ON]にします。
  4. [P2Pで通信]をONにし、[P2P識別子]によく使うメールアドレスを入力します。このアドレスは移動局での識別子にも必ず同じものを使用します。

基準局のアンテナ位置を指定する

基準局のアンテナ位置の指定は主に3つの方法があります。

  1. 単独測位にて自己計測する。(絶対位置でセンチメートルを求める用途には向きません。)
  2. 他の基準局を使用しRTK測位にて自己計測する。
  3. スタティック測量などで測量した結果を入力する。

RTKは相対測位です。移動局の位置は、基準局のアンテナ位置に対する相対位置です。 RTKでの測位結果に絶対位置精度を求める場合は、設定する基準局のアンテナ位置にも絶対精度が求められます

さらに、絶対位置にも種類があります。今期座標と元期座標を理解しどちらを使うのかを明確にしてください。一般的に日本では元期座標を使用します。

主な座標系

項目 座標
単独測位 今期
サーベイン 今期
電子基準点を使用した後処理によるスタティック測位 今期
VRSC 今期
CLAS 今期
RTK測位 基準局のアンテナ位置指定で使用した座標
各社補正ータサービス 元期
街角基準点 元期

1.単独測位にて自己計測する(サーベイイン)

単独測位にて自己計測することをサーベイインと呼んでいます。サーベイインは自己計測するとともに基準を満たすと自動で基準局に昇格します。*5

  1. DG-PRO1RWの電源を入れ測位を開始させます。
  2. ギアマーク[設定]をタップします。
  3. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  4. [RTK]-[基準局]をONにします。
  5. [基準局アンテナ位置]をタップします。
  6. [自己計測] をONにし、[最小計測時間(sec)]と[位置精度上限(cm)]を入力します。
  7. 設定を終了します。
  8. [Start]をタップします。 (できれば手順 1の測位開始から5分以上経過してから行ってください)

最低でも最小計測時間測位を行い、平均位置精度が位置精度以下であれば自動で基準局に切り替わります。平均位置精度が悪い場合は値が下がるまで計測を持続します。

サーベイインの状態はメイン画面に表示されます。

サーベイインが完了し、基準局になるとFix ModeはTime Onlyに変ります。また、Ntrip statusに通信状況が表示されます。 基準局になった際の通信手段は[設定]-[RTK]で指定した内容になります。

2.RTK測位にて自己計測する

近くに基準局がある場合は、それを使って自身のアンテナ位置を正確に計測することができます。

前記、移動局として使うに従って移動局としてRTK測位を開始します。

  1. 測位がFIXしたらマップの任意の点をタップします。計測の現在位置にマーカーが表示されマップ下に[基準局に]ボタンが表示されます。
  2. 基準局になった際にP2Pでデータを送信したい場合は[P2P]にチェックを入れます。入れない場合は基準局用キャスターの設定に従ってデータがホストされます。
  3. [基準局に]をタップします。 RTKにて計測されたポイント(マーカー位置)が、[設定]-[RTK]-[基準局アンテナ位置]の直接指定に保存されます。また、同時に基準局として動作を開始します。通信手段は[設定]-[RTK]で指定した内容になります。

マップを使ってポイントを任意の位置にすることもできます。

  1. マップにマーカーが表示された状態でマップ下部の[Track]チェックボックスをOFFにします。
  2. 任意の位置をタップすると、マーカーが移動します。
  3. マップを長押しすると、縦横のスライダーが表示されます。スライダーの移動でマーカー位置を微調整できます。微調整が完了したら画面左上の完了チェックをタップします。

尚、この見出しでは「RTK測位にて...」として記しましたが、単独測位であっても同様に基準局の位置を指定できます。

3.基準局座標を測量した結果にする

上記とは別の方法で基準局アンテナ位置を測量した結果を直接入力することができます。Drogger Processorで基準局アンテナ位置のstatic測量を行うことができます。測量方法はDrogger processor ユーザーズガイドをご覧ください。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[基準局]-[基準局アンテナ位置]をタップし、[自己計測]をOFFにします。
  3. [緯度][経度][高度(楕円体)]を入力します。または事前に作成したWaypointを[Waypointから選択...]で指定します。

ヒント
* 基準局の座標指定は、WayPointで行うと60進法や平面直角座標でも指定できます。

動作状況を確認する

基準局のアンテナ位置はマップ上にマーカーが表示されます。NavigationのFix Modeは「Time only」と表示されます。

この画面で示す緯度・経度・楕円体高はレシーバからの報告値です。但し、この値はメッセージの都合上小数点8桁以下が丸められています*6。楕円体高については小数点3桁以下が丸められています。

RTCM3 補正データは以下のように確認します。

  1. メイン画面の[Ntrip status]をONにします。
  2. Statusに表示された内容を確認します。


Runningと出ていれば通信中です。RTCM3欄に受信したメッセージ番号と、実測送信レート(受信間隔(秒))がかっこ内に表示されます。

データの送信レートは、基準局位置情報1005は10秒に1回それ以外は1秒に1回です。

基準局を継続的に運用する(RWSの内蔵Ntripサーバーは除く)

基準局を長期間継続的に運用する場合においていくつかポイントがあります。尚、RWSの内蔵Ntripサーバーの安定運用については関連記事をご覧ください。

★ Bluetoothの自動再接続を10秒に設定する
AndroidアプリやサービスはOSによって強制的に終了させられることがあります。しかし、Drogger-GPSのサービスは再起動し自動回復します。この回復と合わせて自動再接続を有効にしておくことで、Bluetoothも再接続されすべての機能が回復します。移動局側で受信したデータの有効時間はおよそ60秒ありますので、強制的に終了させられてもほとんど問題は起きません。

★ ディスプレイはOFFに
Droger-GPSは画面がOFFでもバックグラウンドで動作します。画面をOFFにしたり非表示状態になると、衛星受信情報などのRTKの機能に不要なメッセージ通信を停止します。それにより、CPUや通信負荷、消費電力が削減されます。端末の処理能力が低い場合は、動作の安定性も向上する事があります。

★ WiFiは802.11ac 5Ghz帯を使用する
WiFiで2.4Ghzを使用するとBluetoothと同じ周波数帯のため、端末のチップによっては処理に遅延や停滞を起こすことがあります。できれば802.11ac 5Ghz帯に対応した端末とWiFi親機を使用し通信も5Ghz帯を使用してください。無用な競合を避け安定した運用ができます。

★ DG-PRO1RWの電源はUSB充電器を使う
電源がモバイルバッテリーなどですと長期間継続的に運用はできませんので、USB充電器を使用し連続して使用できるようにします。

★ 端末はなるべく新しいモデルを使用する
端末が古い場合どうしてもAndroid OSも古いものになります。安定した継続的運用には、より新しいOSの使用が望ましいものです。尚、FireOSはアプリの実行ができても、バックグラウンドサービスとしての機能をOSが正しくサポートしておりませんので継続的な運用はできません。

レシーバ内蔵WiFiとレシーバのNtripを使う

これまでは、移動局、基準局ともにDrogger-GPSのNtripを使う方法を説明しました。RWSでは内蔵WiFiとレシーバのNtripを使うことができます。特に基準局でそれを使うとAndroidなしでの連続運用が可能です。
尚、P2PはAndroidでのみサポートされます。

WiFiの設定

レシーバ内蔵WiFiを使うために、接続するWiFiの指定をします。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [WiFiアクセスポイント]をタップします。
  3. [WiFiアクセスポイントSSID]と[WiFiパスワード]を入力します。
  4. DHCPを使わずにレシーバのアドレスを固定にする場合は、[IPアドレスを自動的に取得する]をOFFにして、必要な項目を入力します。

レシーバのNtripを有効にする

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [RTK]-[レシーバのNtripを使う]をONにします。

これで、移動局、基準局ともにレシーバが直接Ntrip Casterと通信します。尚、レシーバのNtripでは簡易キャスターはサポートされていません。

基準局に関するより詳しい内容は、内蔵WiFi +Ntrip サーバーをご覧ください。

その他の情報

レシーバのRAWデータを取得する

国土地理院の電子基準点の観測データを使ってstatic測量などを行う際にレシーバのRAWデータが必要になります。Drogger-GPSで直接static測量を行うことはできませんが、それに必要なRAWデータをログに記録できます。RAWデータはubx形式で記録されます。

  1. ギアマーク[設定]をタップします。
  2. [計測・更新レート]を1Hzにします。
  3. 設定を終了します。
  4. [Start]をタップします。
  5. 接続できたら[Logging control][Raw]の▶をタップします。

static測量は通常1Hzで行いますのでRAWデータ出力時は更新レートを1Hzにします。

メイン画面の[...][ログ一覧]で 名前の末尾がubxのものがRAWデータです。


Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

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*1:有料のデータサービスは、国土地理院の電子基準点のリアルタイムデータが数社から配信されています

*2:キャスターは1クライアントのみ接続可能な簡易キャスターです。

*3:P2P通信は100%保証されるものではありません。特殊なファイアーウォールなどの場合通信できない場合もあります。

*4:この選択は以降の入力を少しでも減らすためし補助するための選択です。[その他]を選択するとすべての項目の入力が可能です。

*5:サーベイインで自己計測したアンテナ位置の精度はセンチメートル級の絶対位置精度は有しません。絶対位置精度を求める場合は他の指定方法にて行ってください

*6:表示上の都合のみで精度には影響しません

Drogger GPS アプリガイド

Drogger GPSは、DG-PRO1 / DG-PRO1RW / DG-PRO1RWS(.DC(M)) / RZS.D(C)とBluetooth通信でGoogleマップやその他のGPSアプリで利用するための、モックプロバイダーサービスを提供します。*1

モックプロバイダーサービスが有効な場合、他のAndroid上のアプリは内蔵GPSの代わりにレシーバーの位置情報を自動的に受け取って動作します。 *2

Androidはバージョン 5.0以上のBluetoothとWiFiを備えたモデルでインストール可能です。

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主な役割

  • Bluetooth の接続、切断、通信
  • 内蔵GPSに代えて受信機の位置情報を他のアプリで利用可能にするモックプロバイダーサービス
  • 受信状況の表示(位置情報、衛星受信状況、地図上での位置トラッキング)
  • 受信データのロギング
  • レシーバー設定
  • NMEAメッセージの出力

DG-POR1RWで利用可能な機能

  • RTK移動局、基準局モードでの動作
  • Ntripクライアント、サーバー、簡易キャスター
  • RTK移動局 - 基準局間でのP2P通信

RWS/RZSシリーズでのみ利用可能な機能

  • RTK Moving base のBaseとRoverの設定・監視
  • レシーバー内蔵WiFiとNtrip サーバーの設定・監視
  • レシーバー内蔵DMPの設定とDMPモニターの表示
  • レシーバー起動時設定の変更と復元
  • ファームウェアの更新

準備

開発者向けオプションを有効にする

Android本体の[設定]-[端末情報]から[ビルド番号]を連続してタップ(連打)します。

連打するメニュー名は機種によって異なる場合があります。以下にいくつかの例を示します。

機種 タップするメニュー名
Durforce Pro2 端末情報 - ソフトウェアバージョン
Aquos R2 デバイス情報 - ビルド番号
Google Pixel デバイス情報 - ビルド番号
Redmi pad タブレット情報 - MIUIバージョン
モトローラ moto e32 電話情報 - ビルド番号

これでデロペッパーになりました!」と表示されれば開発者オプションが有効になっています。

ビルド番号を連打!

仮の現在地アプリの選択

Android本体の[設定]-[システム]-[開発者オプション]の[仮の現在地アプリの選択]または[現在地情報の強制変更アプリ]をタップし、「Drogger GPS」をタップします。

仮の現在地アプリの選択

Androidとレシーバーのペアリング

AndroidのBluetooth設定にて受信機とペアリングを行います。 DG-PRO1は「DROGGER-GPS」と表示され、DG-PRO1RWSは「DG-PRO1RWS0x」または[RWS.xxx0x]、[RZS.Dx0x]と表示されます。

DROGGER-GPSとペアリング

レシーバーの設定と接続の順序 (重要)

設定の変更は[Start]ボタンを押す前に行ってください。

Drogger GPSでは受信機のさまざまな設定を行うことできます。

Drogger GPSはBluetooth接続ができた直後に、都度設定情報をレシーバーに送信し適用します。レシーバーの電源を切ると一部を除きその内容は失われます。*3

監視モード

動作状況によってBluetooth接続時にアプリの設定内容を送信して欲しくない場合があります。 そのような場合、Bluetooth接続時に設定情報を送信せず「監視モード」で接続します。

  • レシーバーの起動設定が有効のとき。
  • 蔵WiFiを使用中の時
  • SDカードへロギング中のとき

これにより、動作を中断せず監視だけ行うことができます。

画面には「監視モードで動作中」と表示されます。

使い方

メイン画面説明

メイン画面に表示される項目の早見表です。

サービス開始

  1. Drogger GPSを起動します。初回起動時に複数のアクセス許可を求められます。すべて[許可]を選択します。
  2. [Select device]下の▼をタップし、一覧からペアリングした際のデバイス名を選択します。
  3. [Start]をタップするとBluetooth接続を開始します。
  4. 接続が完了すると接続済を示す緑色のマーク が表示*4されます。

2回目以降の起動時は、前回接続したデバイスが自動的に選択されます。

サービス停止

  1. Drogger GPSを起動します。
  2. [Stop]ボタンをタップするとBluetooth接続を切断しサービスを終了します。

Bluetoothの通信状態

Bluetoothの通信状態を確認することができます。

接続済マークの横のグラフは受信バッファーに有るデータ量を示します。この量の増加が続くと処理が間に合わなくなることを示しています。緑色の範囲を増減している分には問題ありません。黄色・赤色は問題が発生する兆候です。(但し、設定変更や接続直後に黄色・赤色になるのは問題ありません。)

[Msg Err/Total]には受信した総メッセージ数とデータ不整合(チェックサムエラー)を検出したメッセージ数が表示されます。設定変更や接続直後では多少のエラーが検出されますが、1時間ほどの運用で0.5%以下が通常です。それ以上の場合は、以下のような点を確認または処置してください。

  • 端末Bluetoothの故障
  • 周辺に2.4Ghz帯の強い電波を出すものが無いか(WiFiも2.4Ghz)または、受信機との距離が遠すぎないか
  • 更新レートや選択しているGNSSを減らす
  • Satelitesの表示をOFFにする (Satelitesの表示にはかなり多くのデータが流れます)
  • NMEAを出力している場合は不要なメッセージタイプをOFFにする (通常はGGA、RMC、VTGの3つでOKです)
  • 端末で他のBluetooth処理をしていないか確認する (不要なペアリング済みデバイスを削除する)

バックグラウンド動作通知

Drogger GPSと受信機との通信はバックグラウンドで行われます。Drogger GPSを前面にしたり画面を表示しておく必要はありません。バックグラウンドで動作中の場合、Androidの通知領域に「Drogger GPS Location service」が表示されます。

バックグランドでの動作中通知

バックグラウンド動作を停止するには、サービス停止を行ってください。

受信機の機能表示

接続先の受信機がサポートする機能はDrogger-GPS下図の枠部分の文字で確認できます。

文字 意味
R RGMR*5搭載
D DMP搭載
S SDカードスロット搭載
C CLAS受信モジュール搭載
M MovingBase搭載

RTK

Drogger-GPSは移動局、基準局の設定に加えて、Ntrip Client/Srver/簡易キャスターの機能があります。これらに関する使用方法は、RTKガイドをご覧ください。

ロギング

ロギングは全部で4種類あります。

  • 位置情報を連続して記録するトラッキングログ (CSV または GPX形式)
  • 測位結果の詳細を連続して記録するNMEAログ (NMEA形式)
  • レシーバーの搬送波情報を連続して記録するRAWデータログ
  • 任意の位置に名前を付けて保存するウェイポイントログ(GPX形式)

RAWデータログにつきましてはRTKガイドーRAWデータを取得するをご覧ください。

ログの開始と停止

ログの種類によって1つまたは2つの開始方法があります。Waypointログについてはあとで説明します。

  • Bluetooth接続と同時に自動で開始する方法 (NMEA,ログ RAWログ トラッキングログ)
  • Logging Controlでスタートボタンをタップする方法 (NMEA,ログ RAWログ)

停止は以下の操作で行えます。

  • Bluetooth接続を切断する  (NMEA,ログ RAWログ トラッキングログ)
  • Logging Controlのストップボタンをタップする  (NMEA,ログ RAWログ)

自動開始の設定は以下の場所で行います。

  • トラッキング: [設定]-[トラッキングログとログ領域]-[自動ログ開始]
  • RAWログ : [設定]-[メッセージ出力]-[メッセージ選択]または[Bluetooth Message type]にて[RAW_OBS] (観測データ)をチェックします。また必要に応じて[RAW_NAV] (衛星航法データ)をチェックします。
  • NMEAログ : [設定]-[メッセージ出力]-[メッセージ選択]または[Bluetooth Message type]にて「GGA」などNMEAメッセージ をチェックします。

尚、自動開始がOFFでスタートボタンをタップして開始した場合、設定画面を開いて戻ると停止します。

ロギングの状態確認

ロギングの状態確認は開始方法に関わらず、Logging Controlの「RAW」または「NMEA」の文字がグリーンになります。 また、Bluetoothの[STOP]ボタン右下に、ログタイプの先頭文字 R C G N がグリーンで表示されます。文字の意味は以下のとおりです。

R : RAWログ, C: トラッキングCSV, G: トラッキングGPX, N:NMEAログ

トラッキングログの内容

トラッキングは以下の条件で受信機の位置情報等を連続して記録できます。

項目 内容
自動ログ開始 開始しない / CSV / GPX1.0 / GPX1.1 形式の3つから選択できます。デフォルトは「開始しない 」です。GPXの1.0/1.1はこのデータを解析するアプリによりますが1.0形式のほうがコンパクトに記録可能です。
スピードと方位を保存 位置情報に加えてスピードと方位も保存します
精度情報を保存 位置情報に加えて精度情報も保存します
スピードフィルター*6(km/h) 指定したスピード以下の時はログのレコードを記録しない様にします
ログ頻度 ログを記録する時間間隔を指定します。「すべての計測データ」は更新レートと同じ周期で記録します。
1つのログの最大サイズ(MB) 1つのログの最大サイズを指定します。このサイズは「ログ領域のサイズ (MB)」の1/10以下にするようにしてください。ログ開始時にこの最大サイズを確保するよう古いログを削除します。
ログをメールで転送するなどで最大サイズに制限がある場合、このサイズを調整することで転送し易くなります
ログ領域のサイズ (MB) ログは放っておくと、無制限にディスクスペースを取ってしまいます。このサイズを指定することで古いログから自動で削除することができます
ロギングの詳細
  • CSV・NMEA形式の場合、Bluetoothの接続の度に新しいファイルが生成されます。
  • GPX形式の場合、Bluetoothの接続の度に新しいトラックセグメント (Trkseg)が開始されます。
  • GPX形式の場合、サービスStart時に新しいファイルが生成されます。
  • 自動再接続機能を使用している場合は、サービスStartとBluetooth接続は対ではありません。
  • 1つのログの最大サイズに達すると形式に関わらず新しいファイルが生成されます。
  • 新しいファイル生成時に、ログ領域のサイズチェックが行われ必要に応じて古いログが削除されます。
  • ファイル名は 日付_ 時刻.形式の様式で自動生成されます。保存フォルダは[Data list]画面で表示されています。
  • スピードの単位はいずれの形式も m/sec です。
  • CSV形式の場合、Bluetoothが接続されたらすぐに記録を開始します。(Ver 2.0.55以降)GPX形式の場合は位置が確定されてから記録されます。
  • NMEA形式の場合、レシーバーから受け取ったデータがそのまま保存されます。Drogger-GPSでの変換は一切行われません。
ロギングサイズの目安

すべての情報を記録で、1MBのサイズに記録できる時間の目安を形式ごとに示します。

10Hzで記録した場合

形式 時間
CSV 16分
GPX1.0 7分
GPX1.1 6分

1秒間隔で記録した場合

形式 時間
CSV 160分
GPX1.0 70分
GPX1.1 57分
CSVログフォーマット
項目 内容
time エポックの観測日時+GMTオフセット)
latitude 緯度 Dgree (傾斜補正が有効な場合補正された値)
longitude 経度 Dgree (傾斜補正が有効な場合補正された値)
altitude 標高 (傾斜補正が有効な場合補正された値)
geoidheight ジオイド高(日本のジオイドが有効な場合日本のジオイド)
speed 速度(m/s)
bearing 移動方位(北0°時計回り) (DMPまたはMBコンパスが有効な場合はそれで得られた方位)
fix 測位モード
usedSatellite 使用衛星数
horizontalAcc 推定水平精度(m)
verticalAcc 推定垂直精度(m)
hdop 水平DOP
vdop 垂直DOP
pdop 位置DOP
speedAcc 推定速度精度(m/s)
bearingAcc 推定方位精度(°)
ウェイポイントログ

ウェイポイントログは、任意のタイミングでレシーバーの現在地に名前を付けて保存することができます。ログはgpx形式でウェイポイントとして記録されます。

このログは主に測量などに使用されます。[設定]の[測量]項目で設定した座標やジオイドモデルで計算された標高も記録されます。記録される緯度・経度・標高・楕円体高はすべてアンテナ位置(位相中心)の位置です。

参考:国土地理院の日本のジオイド計算

項目 内容
ログ形式 GPX1.1 wpt
記録項目 緯度、経度、標高、時間、ジオイド高、名前、コメント、Fixモード、衛星数、推定水平精度、推定垂直精度

尚、ログ内のコメントに緯度、経度、楕円体高も記載されます。gpxビューワによっては、緯度、経度などの桁数が制限されてしまうことがあるためコメントに生の値を入れています。

2019/12/18 追記
ウェイポイントログはより精度よく計測できるようになりました。詳しくは以下の記事をご覧ください。 DG-PRO1RW ポイント測量(WayPoint)の改善 - Beyond your wall with Drogger
2021/06/19 追記
ウェイポイントログの編集や詳細表示などが可能になりました。詳しくは以下の記事をご覧ください。 Drogger-GPS Waypointの編集とポイントナビ - Beyond your wall with Drogger
ログの表示と削除

以下の方法でログの表示と削除、共有ができます。

ログの表示
  1. メイン画面上部のフォルダアイコンをタップします。
  2. トラッキングログはログ形式で設定した形式(CSV、GPX1.0、GPX1.1)のいずれかで保存されています。
ログファイル名の変更
  1. Data list画面で、名前を変更したいログファイルを長押しします。
  2. アクションバーの[名前の変更]をタップします。
  3. 新しい名前を入力して[OK]をタップします。
ログの削除と共有
  1. Data list画面で、任意のログファイルを長押しします。
  2. 削除または共有したいログをタップしチェックマークを付けます。(複数選択可)
  3. アクションバーのごみ箱または共有ボタンをタップします。
  4. 共有の場合は、共有するアプリを選択します。

SDカード

RWS.DC(M)/RZS.D(C)ではSDカードへNMEAまたはRAWデータを直接ロギングできます。また、ジオイドと地殻変動補正パラメータをSDカードに保存することで、受信機でそれらの補正を行うことができます。

SDカードの使い方はこちらをご覧ください。

CLAS

RWS.DC(M)ではデフォルトでCLASに対応しています。尚、RZS.DCでのCLASについてはRZSテクニカルガイドをご覧ください。ここでは、RWS.DC(M)のCLASについてのみ記します。

[設定]-[]GNSS(衛星測位システム)でCLASのON・OFFを制御できます。通常は常にONでOKです。 ONの時はCLASが利用可能な場合、自動でCLASによるPPP-RTKを行います。NtripにてRTCMが受信機に送信された場合は、CLASは自動的に停止し通常のRTKで測位できます。

各種補正サービス優先順位順に自動的に適用されます。より順位の高い補正が行われている場合、下位の補正は行われません。優先順位順は高い順に以下のとおりです。

  • RTK(RTCM) --> CLAS --> SLAS --> SBAS

CLASで測位しているかどうかは、衛星の状態を示すグラフで衛星名の後ろにCの文字が付加さているかどうかで確認できます。

MADOCA

RWS.DC(M)/RZS.DCはDrogger-PPMアプリを使うことでMADOCAに対応しています。Drogger-PPMはMADOCAが利用できることを除いてこのDrogger-GPSと同じアプリです。

RWS.DCM でのMoving Base

RWS.DCMでは、2つのアンテナを接続することでMovingBaseが行えます。MovingBaseは特に追加の設定をすることなくデフォルトで動作します。Drogger-GPSメイン画面の[Base line]項目にMovingBaseの測位状態が表示されます。ただし、受信状態が悪くMovingBaseが行えない場合は表示されません。

Waypointのマップ表示とナビゲーション

Waypointを使って指定したポイントへのナビゲーションが行えます。 詳細は「Waypointの編集とポイントナビ」をご覧ください。

デジタル水平器

9軸デジタルモーションプロセッサーを搭載した受信機では、デジタル水平器が使用できます。 使い方の詳細は、デジタル水平器を使うをご覧ください。

高精度スタティック

高精度スタティックは、受信機の観測データ RAWログを使い、後処理にて電子基準点などを基準局として高精度に位置を求める測量方法です。後処理のためのWindowsソフトウェア Drogger Processorが用意されています。詳しくはDrogger Processor ユーザーズガイドをご覧ください。

NMEAメッセージの出力とロギング

NMEAメッセージは以下の方法で出力できます。

  • Drogger-GPS TCPクライアント
  • Drogger-GPS USBポート
  • Drogger-GPS ロギング
  • RWS/RZS受信機 TCPクライアント
  • RWS/RZS受信機シリアルポート (オプションのシリアルモジュール搭載をした場合)
  • RWS/RZS受信機 Bluetooth
  • RWS/RZS受信機 SDカード (SDカード搭載モデルのみ)

先頭に「Drogger-GPS」とあるものは、受信機からBluetooth経由でDrogger-GPSがNMEAを受け取り転送します。それ以外は受信機からダイレクトに出力します。

RWS/RZS受信機 において、最新のファームウェア 2.2.3以上では、上記複数の方法を同時に実行できます。また、受信機のTCPクライアント・シリアルポート・Bluetoothで異なるメッセージの選択が可能です。

尚、「RWS/RZS TCPクライアント」については詳細な解説がありますのでそちらをご覧ください。

NMEAメッセージの選択とレート

RWS/RZSの最新のファームウェアを使用している場合、受信機から出力されるメッセージは出力先ごとにメッセージの選択ができます。 Drogger-GPS が転送する場合かそれ以外のファームウェアの場合は、「Bluetooth Message type」または「メッセージ選択」で行います。

項目 内容
NMEAタイプ GGA, VTG, RMC, GSA, GSV, GLL
レート GLL, GSVは1秒に1回。そのほかは「計測・更新レート」と同じ

尚、GSA, GSV, GLLを選択した場合[トラッキングログとログ領域]-[ログ頻度]は、[すべての計測データ]を選択してください。間隔があるとタイミングによってそれらのログが記録されないことがあります。

USBポート・シリアルポート設定

出力先にUSBシリアルを選択した場合に有効な設定です。通常はデフォルトで通信できる場合がほとんどですが、相手機器に合わせて変更が必要な場合があります。変更内容は相手機器のマニュアル等を参照してください。

NMEA を有効にして終了 (DG-PRO1(RW)のみ)

DG-PRO1(RW)の設定は常にDrogger-GPSにて行うよう設計されています。他のアプリやWindowsでDG-PRO1(RW)にBluetooth接続したい場合は、一度Drogger-GPSで接続し設定終了後に他のアプリやWindowsで接続を行うとうまく行うことができます。

[NMEAを有効にして終了]をONにすると、Drogger-GPSでBluetooth接続し、NMEAを有効にしたあと接続を切って終了します。この直後に、一般的なNMEAを扱うアプリやプログラムで直接Bluetooth接続することでNMEAを受信することが可能になります。

レシーバーファームウェアの更新

RWS/RZSではレシーバーのファームウェアをBluetooth経由で更新できます。

  1. [Start]をタップしてRWS/RZSとBluetoothを接続します。
  2. 接続処理が完了し 画面上部のBluetooth ステータスにグリーンのランプが表示されたら、メイン画面右上の... メニューをタップします。
  3. [レシーバー]-[ファームウェアの更新]をタップします。
    現在レシーバーが実行しているバージョン[Current version]とサーバー上にある最新の標準リリースバージョンが[Update Target]表示されます。
    標準リリースバージョンは、工場で出荷時にインストールされるバージョンです。それより新しいバージョンも選択可能ではありますが、サポートからの指示が無い限り異なるバージョンを選択する必要はありません。

  4. バージョンを確認して[Start]をタップします。
    進捗状況が表示され完了するとBluetooth接続が切断されます。

うまく更新できたかは、再度Bluetoothを接続し、メイン画面最下部の[Reciever Version]を表示し、WiFi DMP Moduleの Firmware:にあるバージョンを確認します。

尚、Current versionとUpdate Targetが同じ場合は、[Start]ボタンは表示されません。

表示項目

ヘッダー領域

上から順に

項目 内容
デバイス名 Bluetooth GPSデバイス名
1.x.xxx このアプリのバージョン
Bluetooth状態 Bluetoothの接続状態および状況表示
更新レート 1秒間にロケーションを更新している回数 (現在の実測値)
Mock グリーン : DG-PRO1の位置情報が他のアプリでも有効
グレー: DG-PRO1の位置情報は他のアプリでは無効
Power mode 受信モジュールのPowerモード
NONE/NMEA/CSV/GPS/RAW データのロギングの形式と動作状態を示します
Runnning Ntripサーバー/クライアントの動作状況を示します
- 最下段に設定名が表示されます。(設定に名前が無い場合は何も表示されません)

測位値 (経度、緯度、スピード、方角、精度、利用衛星数など)を表示します。この値は、DG-PRO1から受信した生の値を表示します。
緯度・経度・標高・楕円体高は常にアンテナ位置(位相中心)での位置を示します。
DG-PRO1の計測レートに関わらず、1秒間隔で値が更新されます。

ヘッディング、ローパスフィルター、傾斜補正などでGNSSの測位値に対して補正が加えられている値は緑色で表示されます。

Fix Mode

Fix Modeの意味は以下の通りです。

表示 意味
No Fix 位置が計算できていません
2D 水平位置はFixしています
3D 水平・垂直とも位置はFixしています
Time only 時計のみFixしています

上記文字列の後ろに状態に応じて以下の文字が付加されます。

表示 意味
DGNSS RTCMまたはSLAS、SBASなどの補強データを使用しています
FLOAT RTKはFLOAT解です
FIXED RTKはFIX解です

尚、RTK(リアルタイムキネマティック)はDG-PRO1(S)はサポートされません。

DMP/MB gyro (RWSのみ)

デジタルモーションプロセッサー付のモデルの場合、DMPのヨー・ロール・ピッチの値と3D図をモニターできます。

また、Moving Baseによる2軸のジャイロが動作している場合は、DMPに替えてMB gyroの内容が表示されます。その場合、ヨー・ロール・ピッチの値は緑色で表示されます。

タイトル文字 内容
Y ヨー
R ロール
P ピッチ
O ヨーオフセット角度

後ろに付加される文字の意味
B:バック中
L:学習中

文字色が緑の場合ヘッディングはDMPの値、白の場合はGPSによる

デジタルモーションプロセッサーについては詳細記事をご覧ください。

ユニット取付オフセットの補正

ユニット取付時の傾き等の補正値の入力を2わずかなステップで行えます。 この操作を行う前に、事前に[設定]-[ヘッディングと傾斜補正]にて[ボトム面]と[取付方向]を設定しておいてください。

  1. 車両やポールなどを水平または垂直な状態にします。
  2. アイコンをタップします。
  3. ゼロ点調整する項目にチェックを付けて[OK]をタップします。

尚、Compassもゼロ点調整する場合は、前方面を真北に向けた状態で行う必要があります。

Map

マップは、GoogleマップとOpenStreetMapのいずれかを選択できるようになりました。また、OpenStreetMap上にタイル画像の地図をレイヤーとして重ねることができます。詳しい使い方は、 Drogger-GPS 国土地理院の地図などを使う - Beyond your wall with Droggerをご覧ください。

マップ上にロケーションのトレースを表示します。表示するポイント数は1800個までで、古いものから順に削除されます。
更新レートが10Hzの場合、1分間に600データですので、3分間分の軌跡です。

マップ右上にコンパスが表示されます。*7コンパスはGNSSが方位情報を持つ時のみ動作します。移動していない場合は正しい方位を示しません。

「内蔵またはDMPセンサーコンパス」が有効な場合は、車両などの向き(ヘッディング)を示します。

コンパスをタップすると、マップの上が真北に固定するか進行方向を示すか切替できます。また、長押しするとN/Sを逆転します。

マップ左上にマーカーが表示されます。タップすることでウェイポイントを記録することができます。ウェイポイントにつきましては前述のウェイポイントログを参照してください。

マップの軌跡消去 マップ左上のアイコンをタップします。

このMap表示のみ他の表示と異なり、受信機の生の値ではなく、AndroidOSから位置情報を取得しています。AndroidOSから位置情報ですので他のGPS利用アプリと同様な情報を受け取って表示します。 実際には、ヘッダー表示部の[Mock xxxx]がEnabledの場合は、レシーバーの位置情報で、Disabledの場合は内蔵GPSの位置情報が使用されます。

Satellites

レシーバーが捕捉している衛星の情報をグラフ表示します。この情報は、レシーバーの更新レートに関わらず1秒に1回更新されます。

衛星位置(スカイビュー)

天空上の衛星の位置をグラフィカル表示します。90°の位置が真上で0°が水平線の位置を示します。空を見上げて衛星を見ているような表示形式です。

  1. 衛星円の大きさは、CNOレベル(キャリア/ノイズ比)に応じて変化します。
  2. 受信はしているものの測位に使用されていない衛星は 30%の透過率で暗く表示されます。
  3. 衛星円内の数値は衛星番号です。
  4. スカイビューの領域名内を長押しすると、方位(進行方法)に合わせて回転するモードへの切り替えができます。回転モードの場合進行方向が上になります。固定モードの場合は北が上です。

受信感度レベル

衛星からの電波のキャリア/ノイズ CNOを横棒グラフで表示します。

項目 内容
SID 衛星番号
先頭文字の意味
 G:GPS
 S:SBAS
 Q:QZSS
 R:GLONASS
 E:Galileo
 B:BeiDou
 I:IMES
数字の後ろ文字の意味
 D:SBAS
 R:RTCM*8
 M:SLAS*9
 C:CLAS
Azim 衛星の方角 (北0° +時計回り)
Elev 衛星の仰角 (水平0° 真上90°)
Signal 受信している信号のOBS番号
グラフ 信号のノイズ比 C/Noを示します。30dbm 40dbm 50dbm の位置に白い目盛線が表示されます

RWS/RZSは1つの衛星から複数の周波数の電波を受信します。そのため、グラフは1つの衛星で複数の値を表示します。

グラフ色

意味
 緑色 位置情報の計算に使用中
 水色 正常に受信中。但し位置情報の計算には未使用。
 黄色 信号を確認したが使用できない
 赤 信号を得たが確認できない

Receiver Version

DG-PRO1受信モジュールの内部ファームウェアバージョンを表示します。右側のON/OFFスイッチで表示/非表示を切り替えできます。

設定項目

設定項目の説明はアプリの各項目にありますのでそれをご覧ください。

ここでは補足が必要な内容をご説明します。

自動再接続試行間隔

Bluetooth接続が切れた場合に自動的に再接続をトライする時間(秒)を指定します。ゼロを指定すると自動的な再接続は行われません。デフォルトはゼロです。

車の電源などに接続しナビなどで使用する場合、イグニッションOFFで電源が遮断されるためBluetooth接続は切断されます。その後、イグニッションONで接続可能な状態になると自動で接続されます。接続の試行はAndroid端末で行われます。あまり時間が短いとAndroidのバッテリーを消費しますので30秒以上をお勧めします。

セキュアでない接続とポート番号1を使う

Android端末によってはこのオプションを使用することで接続できない問題を回避できる場合があります。一般的に接続できないAndroidはほとんどありませんが、かなり古いデバイスで有効な場合があります。
デフォルトはともにOFFです。

キープアライブメッセージを送信する

通常の測位状態では、レシーバーからのメッセージを受信するのみでアプリ側からメッセージは送信されません。Android端末によってですが、メッセージの送信が無いとBluotoothが定期的に休止し一部のメッセージ受信が遅延することがあります。この場合、このオプションをONにすることでレスポンスを改善できます。Google Pixel3などでこの現象が確認されています。

また、一部の端末では休止ではなく切断してしまう場合もあります。この場合もこのオプションをONにすることで回避できます。
デフォルトはOFFです。

ブート時自動起動

カーナビなどで使用する際に、イグニッションOFFでAndroidがシャットダウンされるシステム用です。この設定をONにすると、イグニッションONでAndroidが起動(ブート)されると自動的にサービスを開始しBluetooth接続が行われます。

Androidのシステムの状態によって、起動完了通知までの時間に差があるため、接続が完了し使用できるようになるまでに少し時間がかかる場合があります。

Bluetooth接続後に起動するアプリ

Bluetooth接続が完了した際に起動するアプリを指定できます。端末にインストールされたアプリの一覧から選択します。アプリの起動が不要な場合はリストの一番上にある「NONE」を選択します。

パワーマネジメント

パワーマネジメントの設定は、衛星受信モジュールの省電力をコントロールします。 下に行くほどより省電力なモードです。尚、RWS/RZSはPowerモードの設定は行えません。

項目 内容
Full power 省電力は無効です
Balanced 計測に影響のない範囲で自動的に省電力を行います
Cyclic tracking 周期的に計測します。省電力時は待機状態です。
Power Interval 定期的に電源ONにします。省電力時は電源OFFとほぼ同じ状態です。

計測・更新レートは、省電力設定が優先します。例えば10Hzで計測したい場合は、電力モードはFull powerかBalancedでなければなりません。 Full powerかBalancedの選択はバッテリー消費を少しでも押さえたい場合は、Balanced、バッテリー消費よりも更新レートが最優先の場合はFull powerをお選びください。

[Powerモード - スクリーンOFF]の設定は、Androidの画面を表示しながら使用する場合はどれを設定しても問題ありません。反対に位置情報を継続的に(たとえ画面がOFFでも)利用したい場合はBalancedを選択してください。(例 Google Mapを画面OFFで、音声案内だけでナビゲーションする)

レシーバータイプ

レシーバーごとに設定可能な項目が異なります。それらをわかり易くするために、レシーバータイプを指定できます。レシーバータイプは設定を開く際にメイン画面で選択されたデバイスに合わせて自動で設定されます。

尚、ここで指定されたレシーバータイプは、設定を容易にするためだけにあります。実際に接続されたデバイスに適用する項目は、デバイスに合わせて適切に処理されます。

計測・更新レートとGNSSの選択

精度的に捕捉する衛星数は一般的に多い方が良いわけですが、高更新レートを必要とする場合は調整が必要です。捕捉衛星数とGNSSの選択数によっては、受信モジュールのCPU処理の遅延が発生し更新レートが低下する場合があります。GNSSの選択とRTKのモードによって更新レートは以下のように自動的に制限されます。

DG-PRO1の場合(GPS+QZSSは1つでカウントします)

選択したGNSS 最高更新レート
1つのGNSS 18Hz
2つ以上のGNSS 10Hz

DG-PRO1RW単独測位の場合(GPS+QZSSは1つでカウントします)

選択したGNSS 最高更新レート
1つのGNSS 25Hz
2つのGNSS 20Hz
3つのGNSS 12Hz
4つのGNSS 10Hz

DG-PRO1RWでRTKの場合(GPS+QZSSは1つでカウントします)

選択したGNSS 最高更新レート
1つのGNSS 20Hz
2つのGNSS 13Hz
3つのGNSS 10Hz
4つのGNSS 7Hz

  • DG-PRO1はハードウェアの仕様上GLONASS と BeiDouは同時選択できません。
  • DG-PRO1RWはGLONASSとBeiDouの同時選択が可能です。
  • DG-PRO1RWはSBASをサポートしないため選択できません。

最低衛星仰角

受信機からみた衛星の仰角で利用衛星をフィルタリングします。最低衛星仰角で指定した角度より小さい角度の位置の衛星はナビゲーションで使用されなくなります。

衛星は真上(90°)の上空が最も精度がよくなります。角度が付くとビルや山、地面などから反射した反射波を受信し易くなります。反射波は、経路が本来の距離と異なるため精度が劣化します。

ビルが多い場所等ではこの角度を大きくし、GNSSの選択を増やすことで精度を向上させることができます。

最低シグナルレベル

受信した電波の強さ(S/N比)で利用衛星をフィルタリングします。最低シグナルレベルで指定した値より小さいシグナルの衛星はナビゲーションで使用されなくなります。

受信機の利用用途に応じて、更新レート・GNSS選択・最低衛星仰角・最低シグナルレベルを調整することで、必要な更新レートを確保しつつ精度をよくする設定が行えます。

ヘッディングと傾斜補正 (Ver 1.9.51以降)

静止や低速(10km/h)において、ヘッディングを計算するために2つのオプションがあります。どちらのオプションもモックプロバイダーとNMEA出力の両方に反映されます。

方位ローパスフィルター強度

ローパスフィルターは、過敏な方位変化をフィルタリングして滑らかな方位変化にします。フィルターの強さを1~5段階で変更できます。デフォルトは3です。これは更新レート10Hzで最適化されています。レートが低い場合は弱める方向で調整します。
RWS/RZSの場合、このフィルターはレシーバー内で処理されます。

DMPまたはMBコンパス(RWS/RZS)

DMPまたはMBコンパスはRWS/RZSの受信機内のデジタルモーションプロセッサーを使って、車両などのヘッディングを計算し、方位に置き換えを行います。 静止・低速・後退時などGNSSでは困難な車両のヘッディングをサポートします。 詳しくはデジタルモーションプロセッサーの詳細記事をご覧ください。

内蔵センサーコンパス

内蔵センサーコンパスはDMPコンパスと同じ目的でAndroid端末のセンサーを使って行います。Android端末の持つセンサーの種類や精度によって得られる結果は保証されません。事前に試されるようお薦めします。

ジャイロセンサーがないデバイスではデバイスの向きなどによって正しく表示できない場合があります。そのような場合はOFFにすることをお勧めします。

デバイスを車両などに取り付けて使用する場合、コンパスの示す方向と車両の前方方向が一致するように取付やセンサー誤差を補正することができます。補正値はコンパスの値に時計回りにプラスされます。マイナス値および小数点以下の入力も可能です。

傾斜補正(RWS/RZS)

車両やポールの傾きによるアンテナ位置のズレをデジタルモーションプロセッサーを使って補正します。 詳しくはデジタルモーションプロセッサーの詳細記事をご覧ください。

A-GNSS*10

A-GNSSは受信機の電源を入れてから正確な測位ができるまでの時間を短縮するためのしくみです。
通常受信機は、衛星からその軌道情報などを受信しますが、電波状況の悪い中ではうまく受信できなかったり非常に時間がかかったりします。 Drogger GPSはインターネット*11から衛星の軌道情報を受け取り受信機に送信します。

衛星軌道情報はBluetooth接続時に、設定で有効なGNSSの分のみ送信されます。 GNSSの有効/無効を変更した場合は、一度Stopし再度Startすると新しく有効にしたGNSSの衛星軌道情報を送ることができます。

RTK

RWS/RZS受信機はRTK測位を行うことができます。 RTKに関する設定はRTKガイドをご覧ください。

Moving Base

RWSは Moving Base測位を行うことができます。 Moving Baseに関する設定はGNSSジャイロとMoving baseをご覧ください。

表示座標系

Navigationの緯度・経度表示とWaypointログへ記録する座標系を指定できます。

  • 10進法
  • 度分秒法
  • UTM座標
  • 日本の平面直角座標

加えて日本のジオイド2011を指定できます。 詳しくは機能追加時の記事をご覧ください。

元期へ変換または地殻変動補正

日本国内でセミダイナミック補正を利用できます。 詳細は以下の記事を参照してください。

drogger.hatenadiary.jp

レシーバー起動時設定 (RWSおよびRZSシリーズ)

通常は、[Start]をタップ後レシーバーに対してアプリの設定項目の内容でレシーバーを初期化します。この方法はDrogger-GPSでレシーバーを使用するには何の問題もありませんが、他のPCなどでBluetooth通信し測位結果を受け取りたい場合などでは、レシーバーの設定を行うことができません。

そこで、RWS/RZSでは、設定内容をレシーバーに保存し、電源ON時にレシーバー単独で初期化することができます。

レシーバーの起動設定変更する

まず、起動時にどうあって欲しいかの設定を行い実際に通信させて動作内容を確認します。問題なければ以下の手順で起動設定変更を変更します。

  1. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバー]-[起動設定]をタップします。


  2. GNSS Settings とDMP Settings の2つとも[現在の設定で起動]を選択し[OK]タップします。
    ここで表示された選択肢のチェックは、現在の受信機の設定を反映するものではありません。


正しく設定できると、以下のような通知メッセージが表示されます。表示が出ない場合は再度行うようにしてください。


尚、デフォルトの起動設定に戻したい場合は、手順2で[デフォルト設定で起動]をタップしてください。RWS/RZSの出荷時設定に戻ります。 また、このダイアログを表示した際のボタンの選択状態は、現在の受信機の状態を反映するものではありません。

セーフモードで起動する

セーフモードで起動すると、起動設定をバイパスして一時的にデフォルトで起動できます。起動設定に問題があった場合に使用します。

  1. 受信機の電源を入れ、4つのLEDが点灯し電源LED以外の3つが消灯したら電源を抜きます。
  2. 再度電源を入れ、4つのLEDが点灯したあと、BlueのLEDが点滅したらセーフモードで起動しています。
  3. セーフモードで起動できたら、Bluetooth接続して起動設定をデフォルトに戻します。
  4. 再度電源をいれると、通常モードで起動します。

レシーバーBluetooth名の変更 (RWS/RZS)

複数のレシーバーをお持ちの場合、1台のAndroidで複数ペアリングを行いますと同じ名前のため正しくデバイスを選択できません。そこで、区別できるようにデバイス名の後ろに文字を追加できます。

レシーバーのBluetooth名を変更する

  1. Bluetoothが接続された状態でメイン画面の ... メニューをタップし、[レシーバー]-[Bluetooth名サフィックス...]をタップします。
  2. 識別のための文字列を入力し[OK]をタップします

正しく設定できると、以下のような通知メッセージが表示されます。

表示が出ない場合は再度行うようにしてください。 レシーバーの電源を切って、再度入れると新しい名前に変更されます。

尚、OSのペアリング一覧を更新するには一度BlueoothをOFFにし再度ONにしてください。

設定の管理

複数のレシーバーや、条件を替えて動作させたい場合など、設定を保存しておいて選択することが可能です。より詳しく言いますと、レシーバーに対して適用するものではなくDrogger-GPSの設定項目の値をAndroid内に保存しアプリに対して復元などをするものです。

設定の保存

  1. ギアマークをタップし設定を開きます。
  2. 設定の各項目を保存したい値に設定します。
  3. 設定のトップ画面の ... メニューをタップします。
  4. [名前をつけて設定を保存...]をタップします。
  5. [ファイル名]に名前を入力し、[OK]をタップします。名前にはアルファベット・数値・ハイフン・アンダースコアが使用できます。全角文字は使用できません。

設定を保存するとそれ以降の変更を監視し、変更があると設定名の後ろに_V1といったバージョン番号を付加して表示します。

設定の復元と管理(削除)

保存済の設定を復元するには以下の手順で行います。

  1. ギアマークをタップし設定を開きます。
  2. 設定のトップ画面の ... メニューをタップします。
  3. [設定の復元と管理...]をタップします。
  4. 一覧から復元したい設定名をタップします。

手順4で設定名を長押しすると選択モードになります。削除したい設定にチェックをつけ、アクションバーのごみ箱をタップすると削除されます。

設定をデフォルトに戻す

設定をインストール時の初期状態に戻すことができます。

  1. ギアマークをタップし設定を開きます。
  2. 設定のトップ画面の ... メニューをタップします。
  3. [デフォルトに戻す]をタップします。

バージョンのリセット

設定に変更があるとバージョン番号が付加されますが以下の条件でリセットされます。

  • 上書きした時
  • 設定を復元した時
  • デフォルトに戻した時

設定の共有 (エクスポート)

設定を共有(エクスポート)するには以下の手順で行います。

  1. ギアマークをタップし設定を開きます。
  2. 設定のトップ画面の ... メニューをタップします。
  3. [設定の復元と管理...]をタップします。
  4. 一覧から復元したい設定名を長押しします。
  5. 共有ボタンをタップし、表示されたアプリから希望のアプリをタップします。

設定のインポート

ダウンロードフォルダ等に保存された設定をインポートするには以下の手順で行います。

  1. Google Filesアプリなどのファイル管理アプリでダウンロードフォルダを開きます。
  2. 設定ファイルを長押しし[共有]操作をします。
  3. 共有するアプリ一覧から[Drogger GPS 設定一覧]を選択します。
  4. [設定の復元と管理...]の一覧に追加されます

インポートされた設定は、設定の復元と管理を使って適用できます。

複数の機能の異なる機種のコントロール

Drogger-GPSは複数の機能の異なる機種の受信機をサポートします。同じ設定で異なる機種に可能な限り対応しますが、機種AにはあってBには無い機能があります。 機種Aを選択して設定を開くと、機種Aに無い機能は無効化されます。このあと、機種Bに接続した場合、機種Aに無い機能は無効のままです。

複数の機能の異なる機種を扱う場合は、それぞれの機種に合わせて設定を別々に保存してください。異なる機種を使う前に、その機種に合わせて保存済の設定を復元します。

アプリの更新

アプリは不定期に更新されます。可能な限り最新のアプリでご利用ください。

  1. 端末をWiFiに接続します。
  2. Playストアを起動します。
  3. 上部の検索ボックスに Drogger-GPS と入力し、検索ボタンをタップします。
  4. グリーンのボタンで「更新」と書かれたボタンが表示された場合はより新しいバージョンがあります。「更新」ボタンをタップしてインストールします。
    「開く」とと書かれたボタンが表示された場合、アプリは最新です。
    尚、WiFi接続出ない場合ダウンロードが始まらないことがあります。

その他の情報

Mock Providerによる位置の共有

Drogger-GPSでは端末内蔵GPSの情報を置き換えることで、端末内蔵GPSを前提に作成されたアプリを変更することなく受信機で得られた位置情報を使うことができます。 このとき、アプリとAndroidOSの組み合わせてによっては起動順に依存することがあります。Drogger-GPSを起動してから、使いたいアプリを起動すると通常は問題なく使用できます。 使いたいアプリが既に起動されていた場合は、端末を再起動するか、Androidの設定-[アプリ]で対象アプリを[強制停止]してください。

DG-PRO1をAgriBus-NAVIで使う

DG-PRO1をカーナビアプリで使う

端末固有情報

NECとレノボのタブレット

NECとレノボのタブレットでは「仮の現在地アプリの選択」にバグがあって選択できないようです。 メーカーのサポートではバグとして認識されていますが修正される時期などは不明です。(修正のアップデートがリリースされ選択可能になっています)

他のアプリとリアルタイムでの位置情報の共有はできなくなりますが以下の設定でDrogger-GPSアプリは普通にお使いいただけます。

  • Drogger-GPSアプリの[設定]-[Advanced options]-[Replace Location Provider]のすべてのチェックをOFFにする
内蔵GPSの無いタブレットとAndroid 13

従来までのOSでは、内蔵GPSが無くともGPSのプロバイダーは存在し位置情報の置き換えが可能でしたが、Android 13より内蔵GPSが無い場合はGPSのプロバイダーが存在しなくなりました。そのため、内蔵GPSの無いタブレットの場合は、そのほかのプロバイダーの値を置き換えるようにいたしました。これに多くのアプリは置き換えした位置情報で動作します。

しかしながら完全なGPSプロバイダーのみを要求するアプリは(Drogger-GPSの置き換え動作に関係なく)動作しません。Google Mapは通常のモードでは、GPSプロバイダーを要求しませんが、目的地を指定したナビゲーション時は、GPSプロバイダーを要求するため、内蔵GPSの無いタブレットでは動作しません。Y!カーナビなどは、内蔵GPSの無いタブレットでもDrogger-GPSにより置き換えた位置情報で動作します。

開発者向け情報

この情報は、アプリを作成する開発者のためのものです。

サービス起動

Drogger GPSのサービスを以下のコードで他のアプリから開始することができます。

Intent intent = new Intent();
intent.setAction("DroggerGpsService");
intent.setPackage("jp.bizstation.drgps");
if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.O)
    startForegroundService(intent);
else
    startService(intent);

尚、Android 11以降をターゲットにするアプリはマニフェストに以下を追加します。

<manifest package="xxxxx">
    <queries>
        <package android:name="jp.bizstation.drgps" />
    </queries>
 ...

Mock Providerの終了検出

Bluetooth通信の切断などによりDrogger GPSのサービスが終了した場合、void onLocationChanged(Location location)が呼び出されなくなります。
これは、トンネル内などで位置計測できない場合も同様で、どちらの状況なのか他の方法で判断が必要になります。

Android APIのドキュメントには説明がありませんが、Mock Providerサービスが終了すると通常の内蔵のGPSサービスが有効になり、 void onProviderEnabled(String provider)が呼び出されます。アプリケーションは再度requestLocationUpdatesを呼び出すことで位置情報を取得できるようになります。

Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:受信機により機能差があります。受信機の仕様上、利用できない機能もありますので、事前にお持ちの受信機の仕様をご確認ください。

*2:ただ、各アプリにおいて内蔵GPSの代わりの情報なのかを知ることができます。一部のアプリでそのような情報を使用しないようにするものがあります。そのようなアプリでは受信機の位置情報は使用できません。

*3:RWS/RZSでは明示的にレシーバーに設定を保存することもできます。但し、通常は不要です

*4:Android 設定のBluetooth画面では未接続と表示されますが、この表示は正しくありません。そこでの接続確認はできません

*5:Rtk Gnss Message Routerの略

*6:Ver 1.8.50以降

*7:Version 1.9.51以降

*8:DG-PRO1サポート外

*9:DG-PRO1サポート外

*10:RZSシリーズはサポートされません

*11:インターネット利用可能な場合のみ

GNSS測量 アンテナ高の扱い - Drogger-GPS

Drogger-GPS Ver 2.9.171よりアンテナ高の取扱方が変わりましたのでご案内いたします。

これは測量用途のための改良です。そのため、今回の変更はWaypointに関連するものが主なものです。

まず、アンテナ高の入力は以下の3か所ありました。

  1. [設定]-[傾斜補正]
  2. Waypointログの記録開始ダイアログ
  3. Waypointの[File Information] 基準局のアンテナ高

これまで、1を除いてメモとしての入力で計算には使用していませんでした。 今後は、2と3も計算に使用されるようになります。

従来との互換性を保ちたい場合は2と3について、アンテナ高を0(m)としてください。従来と同様な結果を得られます。

では詳しく計算の方法をご案内いたします。

アンテナ高とは

用語

Drogger-GPSの入力で使う高さの用語は下図に示す長さです。これらは単独測位やRTKなどPCV補正を行わない測量方法*1でのアンテナ高です。

これらのうち、アプリに入力いただくのは「アンテナ高」のみです。

取付面- 位相中心の値

上記、アンテナ高を直接計るのは難しいので、ポールや三脚の「アンテナ取付面高」を測っていただき、下表の「取付面- 位相中心」を足していただければと思います。

品番 説明 取付面- 位相中心
ANN-MB + ADP120 ANN-MB + グランドプレーンアダプター 0.0235m
GPSLX09U8W + ADP120 GPSLX09U8W + グランドプレーンアダプター 0.0366m
Xパッケージ HX-CSX601A(0.0531m)+Xボディー(0.1465m) 0.1996m (≒ 0.2m )
Pパッケージ アンテナ一体型レシーバ 0.0395m
Mパッケージ HX-CH6605A 0.0372m

値の詳細を図面に示します(クリックで拡大)

測量用バッテリーホルダー SBH002を使用した場合

品番 説明 取付面- 位相中心
SBH002 + RWP SBH002 + アンテナ一体型レシーバ 0.186m
SBH002 + ANN-MB + ADP120 SBH002 + ANN-MB + グランドプレーンアダプター 0.170m
SBH002 + GPSLX09U8W + ADP120 SBH002 + GPSLX09U8W + グランドプレーンアダプター 0.183m

アンテナ取付面高は、お使いのポールや三脚などの高さに応じて変化します。使用時に実際の長さを測定してください。

  • アンテナ高 = [取付面- 位相中心] + [アンテナ取付面高]

でアンテナ高を計算します、

ヒント
]Waipoint記録ダイアログ]-[アンテナ高] 横の❔アイコンをタップすると、上記の「取付面- 位相中心」の表をすぐに参照できます。

移動局のアンテナ高

移動局でアンテナ高の扱いが変わったのは、Waypointログの表示・測量記簿の表示です。 それらでは楕円体高と標高について、アンテナ高を差し引いた値で表示・印刷されます。
尚、ログへの記載される値は従来と同様です。表示を行うタイミングで楕円体高と標高を変更します

  • 楕円体高 = 測位結果の生の楕円体高 - アンテナ高
  • 標高 = 測位結果の生の楕円体高 - ジオイド高 - アンテナ高

例えばアンテナ高を2mとしてWaypointログを記録するると、下図のようにNavigation画面に対して、Waypointログの表示では楕円体高と標高はアンテナ高引いた値になります。

  • 楕円体高 634.9 --> 632.9
  • 標高 592.6 --> 590.6

測量記簿では以下の囲みと下線の項目がアンテナ高を反映した値になります。(このサンプルの数値には特に意味はありません)

基準局のアンテナ高

基準局のアンテナ高は2つの場所で使用されます。

  1. 測量手簿・記簿の作成
  2. [設定]-[RTK]-[基準局アンテナ位置]

測量記簿

測量記簿には基準局の座標が記載されます。その座標はRTCM1005で送られてきたアンテナ位相中心から[Waypoint] [File information][基準局][アンテナ高]で入力した値*2を引いた高さの座標が記載されるようになります。 *3

測量記簿で影響のある部分

下線の項目はアンテナ高が反映された値です。

My基準局座標

また、My基準局を運用する際に基準局座標を入力しますが、そこでもアンテナ高を指定可能にしました。アンテナ位相中心は以下で計算される位置になります。

  • アンテナ位相中心 = 楕円体高入力値 + アンテナ高

例えば、三角点など測量成果の標示杭上に三脚等で基準局を設置する場合、楕円体高には三角点の値をそのまま使用し、アンテナ高に三脚でのオフセット高さを入力できます。

基準局の座標指定方法の改善

前述の三角点上など既知の座標値は平面直角座標と標高で示されています。このポイントに基準局を設置する場合、簡単に入力できるよう設定画面からWaypointのデータを選択し転記できるようにしました。

Waypointの作成では平面直角座標と標高での座標入力が可能です。日本のジオイドを使って楕円体高や10進法の緯度・経度なども自動計算されます。

転記されるのは、緯度・経度・楕円体高・アンテナ高・座標世代の5項目です。

また、事前に複数の基準局座標を入力して準備しておくといったことも可能です。

これで、測量成果の座標値からの変換はほとんど不要になりました。

サーベイインでのアンテナ高

自己計測(サーベイイン)ではアンテナ高は自動で0(m)として処理されます。

マップ「基準局に」ボタンでのアンテナ高

「基準局に」ボタンにて基準局にした場合は、アンテナ高は自動で0(m)として処理されます。

その他

インポートされるWaypointのアンテナ高

  • SIMAフォーマットデータはアンテナ高は0(m)としてインポートされます。インポート後にアンテナ高の変更が可能です。
  • gpxファイルは何の変換もされずそのままインポートされます。(従来通り)

共有 - SIMAフォーマットでのアンテナ高

Waypointの画面通りの標高値が出力されます。すなわち観測値からアンテナ高を引いた(地面)値が出力されます。


Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:PCV補正を行うSTATIC測量でのアンテナ高はRAWデータロギング画面に計測位置が表示されます。

*2:RTCM1006が取得出来た場合、基準局のアンテナ高は自動で記録されます。

*3:データサービス会社による「ネットワーク型RTK」の場合、アンテナ高は0mでOKです。

Drogger-GPS 測量観測手簿・記簿の出力

Drogger-GPSから直接 測量観測手簿・記簿の出力ができるようになりました。

これは測量士の方が利用する帳票ですが、そうでない方もWaypointを記録したときの細かな情報を確認できますので知っておくと便利かと思います。

まず「手簿」は、Waypoint記録時の時間や衛星数、仰角など条件などを記したものです。「記簿」は観測したときの基準局の位置や計測した位置データを記したものになります。

まずは実際に出力した帳票をご覧ください。 PDFファイルを画像にしたものですが、PDFの出力までAndroidだけで可能です。画面での表示もAndroidのGoogle Chrome上でほぼ同様に表示されます。

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f:id:bizstation:20210901174814p:plain:w300

作成手順

まず手簿・記簿はRTKでFix状態でWayipointを記録するのが前提です。そのほかの状態では表示できないか、表示できても一部の項目は未記入になります。

また、平面直角座標と日本のジオイドを使用しますので事前にこれを有効にしておきます。

基準局位置は自動的に取得しますが、これはDrogger-GPSで受信したRTCMを解析して行っています。レシーバのNtripを使用した場合は、基準局位置が取得できませんのでご了承ください。

設定

通常のRTKの設定に加えて、手簿・記簿を記録するのに必要なアプリの設定事項を箇条書きにします。

  • [RTK]-[移動局用キャスターホスト]-[基準局の座標と機能]で「未指定」以外を選択します。[今期]を選択した場合はセミ・ダイナミック補正を有効にする必要があります。
  • [レシーバのNtripを使う]をOFF*1にします。
  • [表示座標系]から[平面直角座標]を選択し使用する[座標系]を選択します。
  • [日本のジオイドを使う]を有効にします。
  • 必要あれば[元期へ変換または地殻変動量を補正]を有効にし、[パラメータファイルの管理]にてパラメータファイルをインストールします。

測量法の作業規定に準じた観測を行う場合は以下も加えます。

  • [GNSS測位システム]で[Beidou]をOFFにします。(それ以外は任意)
  • [計測・更新レート]を[1Hz]にします。
  • [最低衛星仰角]を15°にします。(必要に応じて30°までは可)

尚、これらはWaypointを記録する際に「日本の測量法準拠チェックを行う」というオプションを有効にすることで自動チェックすることができます。

観測

観測は従来通りWaypointを記録します。

ただ、新しく2つオプションが加わりましたので説明します。
f:id:bizstation:20210820134744p:plain:w250

Fix以外をエラーとする
観測中にFix以外の状態(Floatなど)になってしまった場合は、ログを記録せずエラー表示します。

日本の測量法準拠チェックを行う
前述した設定になっているかどうかを検査します。不備があった場合はエラーを表示します。事前にチェックできますので、データを見てやり直しといったことを未然に防止できます。

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1つのセッションの観測が終わりましたら、データの編集を行います。これを行うことでセッションごとに異なるファイルで管理できます。

データの編集

  1. フォルダアイコンをタップしてData listを開きます。
  2. [W/P]タブの一番上にある、今日の日付のWaypointファイルをタップして開きます。
  3. [File Information]をタップします。
    f:id:bizstation:20210820153912p:plain:w300
  4. 手簿・記簿に必要な事項の入力ダイアログが表示されますので入力し[OK]をタップします。項目はスクロールして最後まで確認します。
    f:id:bizstation:20210820154505p:plain:w250

以下は捕捉です。

  • セッション名が空の場合、年初からの通算日が自動入力されます。
  • セッション名が正しく入力されると、ファイル名がセッション名に変更されます。
  • 次回以降、新しいデータに対しては最後に保存されたヘッダー情報がコピーされます。これにより異なる部分だけの変更で済みます。
  • ネットワーク型RTKの場合、基準局情報の[受信機名]以下は入力不要です。

これで手簿・記簿は出来上がりました。

ヒント 測量士でない方の場合
測量士でない方の場合、[File Information]の項目の意味があまり良くわからないかも知れません。 出力された手簿・記簿は法定的な意味を持ちませんので自由に解釈いただいてメモ代わりに使用いただければと思います。

表示

それでは表示してみます。表示はhtmlファイルにしたものをGoogle Chromeで表示します。

  1. [...メニュー][表示][測量記簿]をタップします。
  2. 表示するアプリの選択画面が出ますので、Chrome の[常時]をタップします。常時をタップすると次回からこの選択を省略できます。
    f:id:bizstation:20210820160447p:plain:w300
  3. Chromeで手簿が表示されます。
    f:id:bizstation:20210820160652p:plain

ピンチイン/アウトで拡大・縮小できます。

印刷

印刷はChromeから行います。WiFiに接続されたプリンターがあればAndroidからダイレクトに印刷できます。プリンターメーカーから出ているAndroid用の印刷ドライバーアプリを事前にインストールしておきます。尚、Androidとプリンターは同じWiFi親機に接続する必要があります。

印刷の際に[PDF形式で保存]を選択することでPDFファイルにすることもできます。

  1. Chromeの[...メニュー][共有]をタップします。
  2. 印刷アイコンをタップします。
    f:id:bizstation:20210820161237p:plain:w300

  3. 印刷画面が開きます。プリンターを選択して印刷ボタンをタップします。 f:id:bizstation:20210820161445p:plain:w300

ヒント
プリンターの選択でPDFを選ぶと端末のダウンロードフォルダーにPDFファイルが作成されます。GoogleのFilesアプリをインストールしておくとダウンロードフォルダのファイルを共有したりできます。

共有

手簿・記簿ファイルはhtmlファイルとして生成されます。これをPCなどに転送するには共有機能を使用します。

  1. [...メニュー][共有][測量記簿]をタップします。
  2. 共有するアプリの選択画面が出ますので、例えばGoogleドライブなどを選択します。あとはそのアプリでの操作を行います。

Googleドライブに保存した場合、PCにてGoogleドライブを開くことでファイルの閲覧、保存、印刷などが行えます。

また、ファイルはhtmlファイルですので必要あればメモ帳などで編集することも可能です。

自動収集データについて

  • 基準局座標は、RTCMより自動収集されます。RTCMの基準局座標は3次元直交座標値で指定されています。このため3次元直交座標値 ⇔ 緯度・経度 ⇔ 平面直角座標と変換が複数回行われ、既知点の成果座標値に対して端数の丸め誤差が発生する場合があります。
  • 観測データの備考欄にFIX番号が記載されます。これは他の状態からFixになったときのタイムスタンプ*2です。Fixになる度に新しい番号になります。この番号が同じである場合、Fixが持続していたことを意味します。
  • 測量法ではBeidouは利用できませんが、測量法準拠チェックを行わなければBeidouの衛星数も記録できます。
  • 移動局の受信機名は、Bluetoothのデバイス名を使用します。Bleutoothデバイス名は変更可能ですので事前に変更されるようお薦めします。
  • 記簿の備考欄のσHorzとσVartはそれぞれ、全エポックの水平位置標準偏差・垂直位置標準偏差です。
  • Waypoint画面のSignalsは受信したすべてのシグナルを示しますが、手簿・記簿の「使用した周波数」はSignalsのうちRTKの演算で使用されたシグナルに限定されます。

データの変換

日本の測量法のもとに使用することを前提とするため、それに準拠するよう以下の座標変換が行われたうえで手簿・記簿が生成されます。 (Waypointのデータには変更は加えません)

  • 日本のジオイドでない場合、日本のジオイドに変換され標高が計算されます
  • 今期座標の場合、元期座標に変換されます。
  • 平面直角座標が計算されていないポイントがある場合、一番最初のポイントと同じ系を使用して平面直角座標値を計算します。一番最初ポイントに平面直角座標がない場合はエラーになります。

パラメータファイルが無いなどで、これらの変換が出来ない場合はエラーが表示されます。

データチェック

記録されたデータに以下のようなものが検出されると手簿・記簿を表示や共有を行う際にエラーを表示します。

  • 基準局の座標が得られていない
  • 基準局座標の異なるデータがある
  • 平面直角座標の系を取得できない
  • 平面直角座標の系が異なるデータがある
  • 使用した衛星の異なるデータがある
  • 異なる移動局受信機のデータがある

尚、これらは主に手動で追加したWaypointや古いDrogger-GPSで取得されたWaypointのデータで発生します。


Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:基準局座標はDrogger-GPSアプリにてRTCMより自動収集します。レシーバのNtripを使うとアプリでRTCMを受信できないためこのようにします。VRSCの場合も同様です。

*2:時刻 00:00:00 を0秒としたシリアル秒

RWS 基準局でRTCM3.xを出力する Windows版

DG-PRO1RWSを使って、RTCM3.xを出力するNtrip Serverをリリース致しました。(無料)

DG-PRO1RWSの基準局から出力されるRTCMはMSM形式です。 MSM形式はRTCM3.2からでRTCM3.1にはMSM形式は定義されていません。

レガシーな受信機(GPSとGLONASSのみ対応 )はRTCM3.2に対応していないものがあります。その場合、DG-PRO1RWSを基準局として利用できませんでした。

実際に困っているお客様がおられましたので、取り急ぎDG-PRO1RWSのRAWデータからRTCM3.1も出力可能なNtrip Severを作成いたしました。このNtrip Sever(Drogger Ntrip server *1)はWindowsで動作します。

概要

対象

  • RTCM3.2に対応しない移動局に対する基準局をDG-PRO1RWSで構築したい方
  • QZSSのRTCMを出力したい方
  • 受信機の出力するRTCMと相性の悪い移動局(他社の受信機)を使用されたい方

データの流れ

Drogger Ntrip server はWindowsで動作し、DG-PRO1RWSにBluetooth接続してRAWデータを受信します。RTCM3.1または3.2に変換しDrogger Ntrip Casterに送信します。

出力

設定を可能な限り簡単にするために、転送する先はDrogger Ntrip Casetr固定です。移動局はDrogger Ntrip Casetrにアクセスするよう設定が必要です。

  • RTCM 3.1の場合 1004(1) 1012(1) 1005(5) 1008(5)が出力されます。
  • RTCM 3.2の場合 1075(1) 1085(1) 1095(1) 1115(1) 11125(1) 1005(5) 1008(5) 1230(5)が出力されます。

必要なもの

  • 基準局用DG-PRO1RWS
  • インタ-ネット接続可能で、Bluetoothに対応したWindows PC (Windows 10推奨)

使い方

DG-PRO1RWSの設定

設定の概要は以下のとおりです。

  • レシーバーの起動設定デフォルトに戻します
  • Drogger-GPSの設定デフォルトに戻します
  • 使用する衛星を選択します。
    RTCM3.1の場合は(GPS)とGLONASSのみON、他の衛星はOFF
    RTCM3.2の場合はSLASとSBASをOFFにしてその他はすべてON
  • 更新レートを1Hz
  • RTK、移動局、基準局ともにOFF
  • [メッセージ出力]でAndroid実行の[ロギング]をON
  • その下の[Bluetooth message Type]で[RAW_OBS]をON
  • Bluetooth接続し「起動設定」で現在の設定で起動するようにする。
  • レシーバ再起動

これで、 DG-PRO1RWSの電源を入れるとBluetooth側にGPSとGLONASSのRAWデータが出力されます。

Windowsの設定

Blueoothのペアリング

Windows 11の場合

https://drogger.hatenadiary.jp/w11paring

Windows 10の場合
  1. DG-PRO1RWSに電源を接続します。
  2. [スタート]をクリックし、ギアマークの[設定]をクリックします。

  3. [デバイス]-[Bluetoothとその他のデバイス]とクリックします。
  4. [+Bluetoothまたは他のデバイスを追加する]をクリックします。
  5. [Bluetooth]をクリックします。

  6. DG-PRO1RWSが表示されたらそれをクリックします。
  7. [完了]をクリックします。

Drogger Ntrip Server インストール

  1. 以下のリンクをクリックし、DrNtripSrvSetup.exeをダウンロードします。
    https://www.bizstation.jp/droggergps/ntrip/DrNtripSrvSetup.exe
  2. DrNtripSrvSetup.exeを実行してインストールします。 (インストールはコピーのみでレジストリ等へのアクセスはありません)
  3. 完了するとコピーされたフォルダが開きます。


デフォルトでは、C:\Program Files (x86)\BizStation\Ntrip\Bin\へインストールされます。ここに設定ファイル DrNtripSrv.ini もインストールされます。設定値はプログラム終了時に保存されますが、PCによっては、ログインしたユーザーにこのフォルダへのアクセス権がない場合があります。この場合、設定値が保存されません。以下のいずれかの対応を行います。

  1. 管理者として実行する (参考)
  2. 設定ファイルに書き込みアクセス権を付与する
  3. デフォルトユーザーで書込み可能なフォルダー(ドキュメントやデスクトップなど)へインストール先を変更する

Drogger Ntrip Server の使い方

基準局についてあまりよくわからない方は事前に、DG-PRO1RWS RTKガイドをご覧ください。

  1. DrNtripSrv.exeをダブルクリックして実行します。ProgramFilesフォルダにインストールした場合、設定ファイルの書き込み権限がない場合があります。その場合アイコンを右クリックして「管理者として実行」にて起動してください。
  2. 赤枠部分を選択または入力します。RTCMタイプは移動局受信機の対応するタイプに合わせて[3.1]または[3.2]を選択します。
  3. [Start]をクリックします。

通信が始まると以下のような画面に遷移します。

上図の赤枠が自動生成されたマウントポイントです。 後で必要ですのでメモしておいてください。

2022/09/06 追記

レシーバのTCPクライアントでRAWデータを送信する (必須ではありません)

WindowsのBluetoothは連続運用で問題がある場合がありました。そこでTCP機能を使って、BluetoothではなくTCPでRAWデータを受信することがでるようになりました。 この機能はレシーバのファームウェア Ver 2.0以降が必要です。

以下ではTCPクラインアントの設定を説明します。尚、マウントポイントを自動生成するために、WindowsでのBluetoothのペアリングは従来通り行います。

Drogger-GPS にて

  • レシーバーの起動設定デフォルトに戻します
  • Drogger-GPSの設定デフォルトに戻します
  • SBAS IMESを除きすべての衛星をON
  • 更新レートを1Hz
  • RTK、移動局、基準局ともにOFF
  • [メッセージ出力]で[受信機のファームウェアはVer2.0以降]をONにします。
  • レシーバで実行の[TCPクライアント]をONにします。
  • ホスト名に前記のDrogger Ntrip Serverを実行するPCのIPアドレスをを入力します。ポートは、同じくDrogger Ntrip Serverで指定したポート番号(デフォルトは8620)を指定します。PCのIPアドレスの調べ方は下記ヒントをご覧ください。
  • [Message type]をタップし[RAW_OBS Observation]を選択します。
  • [WiFiアクセスポイント]で[SSID]と[パスワード]を設定します。
  • ここでDrogger Ntrip Serverをstartします。
  • Drogger-GPSで受信機にBluetooth接続し動作を確認します。問題あれば設定を再度確認します。
  • 問題なく動作が確認できましたら、「起動設定」で現在の設定で起動するようにします。
  • レシーバを再起動します。

これで、 DG-PRO1RWSの電源を入れるとTCP経由でRAWデータがDrogger Ntrip Serverに送信されます。Bluetoothに比べて安定した連続運用が可能です。

ヒント

  • Windows PCのアドレスは「コマンドプロンプト」で > ipconfig と入力すると「IP v4 アドレス」の項目にそのコンピュータのIPアドレスが表示されます。

移動局の設定

移動局はDrogger Ntrip Casterに接続するよう設定します。

  • ホスト: ntrip1.bizstation.jp
  • ポート:2101
  • マウントポイント:上記で説明したもの
  • ユーザー名とパスワードは空

これで、レガシーな受信機でもDG-PRO1RWSを基準局にできます。


トラブルシューティング

Ntrip側が上手く行かない場合は、一時的にPCのファイアウォールをOFFにして確認してみてください。ブロックされる場合があります。

Bluetoothが接続できない場合は、レシーバとWindows両方とも再起動して確認します。WindowsのBluetoothは使用後に上手く解放されないことがあり、再起動する事で解消されます。


Enjoy with Drogger

Droggerの詳細・ご購入は https://www.bizstation.jp/ja/drogger/

*1:T.takasu氏のRTKLIBに含まれるstrsvrをベースに構築しています。BSD(2)ライセンスで配布されているT.Takasu氏に感謝申し上げます